株式

2009年01月27日

霞が関と邦銀大手が敵視、「かんぽの宿のオリックス」は庶民の味方

オリックスとかんぽの宿について。

オリックスは私の知る範囲では優秀な企業だ。
私の知る範囲では、オリックスやオリックス不動産は日本国内では「不動産の証券化」技術や「ノンリコースローン」技術などの、欧米では今では当たり前になっている優秀な金融技術に一番詳しい企業だ。(ここらあたりにお詳しい方、ぜひともTBください!)

不動産の証券化が日本で普及して困る組織は、実は、ずばり、霞ヶ関だ。

不動産の証券化と言う技術を使ったら、霞が関の埋蔵金50兆円以上をすべて吐き出させられるのみならず、霞ヶ関の保有するおよそ200兆円前後の不動産のほとんどを、はき脱させることも可能になる。(高橋洋一「財投改革の経済学」より)

霞が関から、この埋蔵金50兆円をすべて放出させて、霞が関の保有する不動産200兆円をすべて証券化させて吐き出させたら、21世紀でも日本は、ものすごい減税も可能であるし、あるいは、ものすごい高度な福祉社会を創設することも可能になる。

霞が関の敵は、オリックスであり、オリックスは実は庶民の味方なのである。

わたし達は騙されてはいけないのだ。

さらに、ノンリコースが普及したら、日本国内の不動産業界も建設業界も合理的に潤って、さらには日本独特の「悲惨な住宅ローン破産」悲劇も日本でもまず起きなくなる。
21世紀の一般庶民の生活はもっともっと豊かになれるはずなのだ。

騙されてはいけない。

さらに、ノンリコースが普及したら、証券化やノンリコースの実践技術を保有していない今の日本国内の大手都市銀行たちは、とっても困ることだろう。

オリックスは1980年代から、今の今でも、旧態依然とした都市銀行などの邦銀メガバンクの「脅威」であったし、今後も「脅威」なのだ。

霞が関はオリックスを潰しにかかっているのだろうか・・・。

私は1980年初頭に、当時のオリックスの調査も担当だった。
自分でも調査しながら「なんてすごい斬新な会社なんだ!!!」「しもた!!!下田沢圭介!!!しもた!!!都市銀行なんかに就職しないでオリックスに就職すればよかった!!!」と、後悔したものだ。


そこで、『朝日社説と「週刊朝日」が対立? 「かんぽの宿売却」正しいのはどっち?』のご紹介。
http://www.j-cast.com/2009/01/20033933.html

私は、朝日新聞をお金を出して買って読んだことが一度もない。
社会人になりたての頃は、朝、出社したら、新聞をおよそ国内だけでも5~6紙は、毎日ザザっと目を通すのも日課だったけど、この中には当然朝日は含まれていなかった。
上司も読めとは言わなかった。
当時の都市銀行でも、朝日や読売や毎日は、暇そうな「組織ぶら下がり課長」が担当だった。
朝日は読むに堪えない社説を書いている新聞社とよく聞くけど、今回は、けっこうまともな記事を書いている。(今回は、週刊朝日のほうがちょっとおかしい。)
けれども、朝日新聞も、まだまだ経済記事では取材能力が欠如しているのか、それとも報道管制でもしかれているのか、本質にまるっきり迫っていない。

かんぽの宿がオリックスへ売却した価格109億円の中には、都内の都内の47億年の「おいしい物件」が含まれているらしいが、すると、この109億円のうちの残り62億円は「たいしておいしくない物件」「まずい物件」ということになる。

地方都市の実情をよく知っていたら、「地方のかんぽの宿は、その地方の地元企業に売却せよ」との話が「狂っている!!!」ことは、すぐわかる。

地方に行けば行くほど、地元企業は老舗でも中堅でもズタボロだ。

たとえ郵政が「地元企業」にかんぽの宿を売却するとしても、そんキャッシュリッチな企業は地方ではもはや存在しないから、ふたたび日本政府は、「破格の安値」で地方のかんぽの宿を、地元の癒着企業に売却せざるを得なくなる。
そして、再び、死に体の地元の癒着ゼネコンや癒着工務店が、より高い価格で「ひなびた地方のかんぽの宿」を無駄に改築することになるだろう。
こういった「私情メカニズム」は、再び、巡り巡って将来の私たちの税金を増やして、再び地方経済をズタボロにするだろう。

世田谷区で暮らしていた子どものころ、若いころの鳩山邦夫の優秀さの噂は、当時子どもだった私のところにまで響き轟いて(とどろいて)いたほど有名だった・・・・。
けれども、それは、遠い昔の「今は昔」の昔話になってしまった。
長い年月の間、鳩山邦夫も「普通のおっさん」に成り下がってしまったのだ・・・。

(((車車車と書いて「轟く」(とどろく・・・)と読む・・・。)))

ところで、郵政民営化を反対している人々や反対している議員たちは、だったら、どうやって、郵政を生き延びさせるつもりなのだろうか・・・・。

郵政は、「民営化しなかったら、存続が危ぶまれるようになった」から、民営化したのだ。
郵政の社員の人々が「かわいそう」だから、民営化をストップさせたら、彼らの職場そのものが将来「突然死」して、「存続不可能」になるかもしれない。あるいは、再び私たちの税金が無駄に使われて、将来の増税につながることになる。

地方では郵便局を経営している家系は、かなりの由緒なる地元豪族の人々だ。
私の友人や知り合いにも、こういった人たちはちょっとだけだけど、けっこういる。
彼らは、一人一人ではとても折り目正しくよい人たちだし、おっとりしていて、(おっとりし過ぎるくらいおっとりしていて)、普通に会話している限りは、とても快適でナイスな人々だ。私も彼ら彼女らがけっこう好きだ。

けれども、こういった地方の豪族の人々も、もやは、カンポの宿を買い支えるほどのキャッシュなどはない。本業(林業・農業・造り酒屋などなど)が極めて怪しくなっており、彼らはたいてい地元の第三セクターに「義理や私情」で出資した資産が壊滅していたり、二代三代に渡る高い相続税などなどで、彼らはもはや「かんぽの宿」を買い支える私財をほとんど失っている。

郵政を民営化させないで生き延びさせようとしたら、また国内の庶民への課税が巡り巡って増えるだけなのだ。

郵政民営化反対の論陣に騙されてはいけない。

あまり知られていないことだけど、郵政を民営化して、郵政が将来上場するようなことにもなれば、その「郵政上場利益」は国庫に入る。すなわち、国庫がいくばくか潤って、私たち納税者の将来の増税も極力低く抑えてくれる。

JRもNTTも、民営化当時の抵抗勢力は強かったが、こういったプロセスを経て民営化されてきたのだ。
「外資が郵貯の株主になったらどうするのか?」などと言っている人々は、霞ヶ関の手先の人々か頭の古くて弱い守旧派か、騙させている人々だ。

外国資本が、何の金融知識も持たない今の郵貯の株主になりたいわけがない。

繰り返すが、一方、オリックスやオリックス不動産は私の知る範囲では優秀な企業だ。
私の知る範囲では、オリックスは不動産の証券化とかノンリコースなどの、欧米では今では当たり前になっている金融技術に一番詳しい企業だ。

不動産の証券化が日本で普及して一番困る組織は、ずばり、霞ヶ関なのだ。

不動産証券化などの改革が進めば、霞が関の埋蔵金50兆円をすべて吐き出させられるのみならず、霞ヶ関の保有するおよそ200兆円の不動産のほとんどを吐き出させることも可能になる。

霞が関の敵は、オリックスであり、実は、オリックスは庶民の味方なのである。

さらに、オリックスが得意とするノンリコースが普及したら、日本国内の不動産業界も建設業界も潤って、さらには「悲惨な住宅ローン破産」などの悲劇も日本ではまず起きなくなり、一般庶民の生活はもっともっと豊かに安定的になれるのだ。

けれども、ノンリコースローンが普及したら、一番困るのは、ずばり、日本の大手都市銀行たちだ。
そして、本来は、ノンリコースローンは昨今のような不動産不況下では普及しやすいのだ。
だから、邦銀はオリックスの息の根を止めたいのだ。

オリックスは1980年代から、今の今でも、旧態依然とした都市銀行などの邦銀メガバンクの「驚異」「脅威」であったし、今後も「驚異」「脅威」だろう。

だから、頭の古い中谷巌氏などが↓(下)のような「化石化した騙し」の記事や本を書き上げて、構造改革をストップさせようとしているのだ。
「なぜ私は変節したか?」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090123/183649/

中谷巌氏などのこんな化石記事に騙されてはいけない!
こういう考え方こそが、「人間をとことん不幸にする」のだ。

けれども本人にはその自覚がないから、本当に始末に負えない。

劣情・私情主義の中谷氏の頭の中では、漫然と、オリックスが市場主義の権化であり、オリックスが「日本の古き良き伝統・文化を壊している」のだが、オリックスが壊しているのは、実は、日本の文化ではなく、中谷氏の仲間たちと霞が関の古い既得権益そのものなのだ。
「古い既得権益の温存」を「日本の古き良き伝統」に刷り変えるトリックが、再びここでも使われている。
実は彼は、自分では気が付いていないかも知れないが、どっぷり「既得権という名のぬるま湯」に漬かっていたいだけなのだ。

そもそも、中谷氏より10年以上後(あと)に生まれた私たちの年代になれば、文化・伝統面においては、中谷氏のような「欧米かぶれ」なんて「軽率な人」は、めったに存在しなかった。
私たちの年代は、欧米の文化や伝統に触れても、「なんてチープ!!!」とおなかの底から思った。
私たちの年代以降は、欧米文化を冷静に眺めていたのです。
私たちの年代以降は、中谷氏のような「欧米かぶれ」の「軽率な人々」は滅多にいなかったし、一旦は渡米して向こうのビザを取得しても、たいていは50歳あたりには日本に再び戻ってきているのです。
焼け跡派に育てられてしまった中谷氏などは、気の毒だけど、私たちから見たら、頭の中のみならず、文化・伝統面においても、もはや時代遅れの「化石」になってしまっているのだ。


構造改革とは、一言で言えば、「生産性向上改革」のことだ。「たいていのそこそこ真面目な人なら、今より楽してそこそこ豊かになれますよ、特に若い人々は今より夢やチャンスが増えますよ」改革が、構造改革の本当の中身だ。

市場主義の意味とは、「地縁血縁などの古い体質を極力排除して」「私情・劣情などの派閥主義を極力排除して」「より公平な世の中を造りましょう」といった意味なのだ。

劣情・私情主義がお好きな人々は、当たり前の如く、市場主義を市場原理主義と批判して恐れている。

まぁ、私情や劣情がお好きな人々のごく一部が、痴漢で逮捕されることが多いというのも、こういった「隠微な湿度を異常に愛好する」ためだろう。

気位ばかり高くて実力を失った中高年男性や高齢者たちが、楽して豊かさを維持できるような信条が、「私情主義」「アンチ構造改革主義」「アンチ市場原理主義」なのだ。

騙させてはいけない。

【追記】池田信夫ブログで紹介されていたが、池田信夫 、高橋洋一 、西和彦 、松本徹三 、渡部薫の四氏でアゴラというサイトが立ちあげられたそうだ。詳しくは↓
「アゴラ」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/230b7f80ae9830dae668c5929016842a

「専門家が実名で発言することによって、政策担当者やジャーナリスト、あるいは一般市民との交流をはかりたい」とのこと。このサイトは注目サイトです!!!

【追記2】一夜明けて読みやすいように、文章を一部を手直ししました。

【追記3】一部、「個人攻撃的な表現」を使ってしまったので、訂正しました。「内容が極めて理論整然としていて高度なのに、個人攻撃的な表現をするのは、あまりにもったいない」とのご助言のメールを下さった方、本当にありがとうございました。


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2009年01月25日

地球規模での帝国企業の逆襲か(巨大M&Aが再び始まった!)

地球規模での巨大帝国企業群の逆襲がそろそろ再び始まりだしたようです。

世界の医薬品業界では、世界第一位の売上を誇るファイザーが、世界医薬品業界:第九位のワイス(どちらも国籍はアメリカ!)を飲み込むことを検討し始めているようです。↓

「米ファイザー、ワイス買収に向け交渉=WSJ紙」
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK832297220090123

(以下 抜粋 引用はじまり)
[23日 ロイター] 米医薬品大手のファイザー(PFE.N: 株価, 企業情報, レポート)は、ワイス(WYE.N: 株価, 企業情報, レポート)買収を目指して交渉している。23日付のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が関係筋の話として伝えた。実現すれば、買収額は600億ドルを超える可能性がある。
(以上 抜粋引用 終わり)


「世界業界地図2008」によれば、2006年の統計数値で、ファイザーの2006年の年間売り上げは450億ドル(日本円にして、およそ4兆円!)です。
ワイスの2006年の売り上げは、168億ドル。

ちなみに、日本の医薬品メーカー第一位の武田薬品工業は、2006年の年間売り上げは、わずか96億ドル。

ワイスもさることながら、ファイザーがいかに巨大な「帝国」にも匹敵する企業であるか、ご理解いただけますね。
このファイザー帝国が、ワイス帝国を飲み込んでしまうと、製薬業界では世界第二位のグラクソ・スイスクライン(イギリス国籍)をダントツに引き離して、超巨大製薬「帝国企業」が誕生してしまうことになります。
そうなれば、まさしく、Winner Take Allになりそうです。

ファイザー帝国のすごい(血も涙もない)ところは、経営状態がそこそこ良好であったにもかかわらず、世界経済がまだミニバブルに酔っていた2007年初頭には、既に、およそ1万人の社内リストラを敢行した点でしょう。
詳しくは

「ファイザー1万人減の衝撃」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070201/118211/

たしかに、血も涙もないと言えば、血も涙もないです。


ちなみに、「世界業界地図2008」は圧巻です。
とっても面白いですから、ぜひとも興味のある方は購入してご覧ください。
あなたの鎖国頭が治ります!
(私のブログでもアソシエートを張っています。)

この図鑑は、統計が2006年のものとやや古く、まだユーロがドルに対して高かったころですので、アメリカ企業よりも、欧州企業の売上や時価総額がやや多めに計上されていますが、そういった難点に目をつぶれば、「今の地球規模での、ひとつの「帝国」にも似た巨大企業群の様子が、産業分野別に『ぽんち図』に描かれていて、一目でわかる!!!」ようになっていて、便利です。

私はこの図鑑を去年の夏から時々暇な時に眺めて楽しんでいます。(20代から資源エネルギー分野で、エクソンとかモービル、リオティント、アルコアなどの巨大帝国企業群には慣れ親しんでいても、この「世界業界地図」にはかなり圧倒されました・・・・)

日本ではまだ「帝国」にも似た巨大企業は、トヨタやホンダやキヤノンやニンテンドー程度しか存在しませんが、世界には、気が遠くなるような超巨大な帝国企業が存在しているし、さらには続々と誕生しているのです。
彼らは三角合併などを利用して、株式交換で1990年代からM&Aを繰り返し繰り返して、21世紀には、巨大な「帝国」を既に築き上げていたましたし、これからも「そのゆるぎなさ」を堅固にし続けようとしてゆくことでしょう。

世界は広いのです。世界は巨大なのです。

日本では鉄鋼業では、新日鉄がダントツですが、地球規模での鉄鋼業界世界第一位は、インドのアルセロール・ミタル(法人税の安いルクセンブルク在籍!)。
そのアルセロール・ミタルの年間粗鋼生産は、新日鉄のそれの、およそ3倍。

新日鉄をアルセロール・ミタルの吸収合併から守るために、日本政府が三角合併解禁を2007年4月まで遅らせた話は、けっこう有名です。

その後、2007年8月には、サブプライム危機が本格化して、世界中でお金がショートして、M%Aのための軍資金が一時的に枯渇しています。
あらゆる業界においても、日本の大企業にとっては、「巨大外資からの防衛」といった点では、サブプライム危機は、「サブプライム危機さまさま!」だったのです。


けれども、世界は広いのです。彼らは巨大なのです。


今は、世界規模での金融収縮の中で、各国政府の「Too Big To Fail(大き過ぎてつぶせない)」の機運を逆手に取った「巨大金融機関同士の『生き延びるための合併』」だけが衆目を集めがちですが、

金融業界以外の他の業界では、こういった「帝国企業による超巨大帝国構築への胎動」が再び始まり出しているのです!

その「胎動」が、この「ファイザー、ワイス買収へ」です。

今や、金融業界を除けば、海外の巨大帝国企業群のほうが、日本国内の大企業よりも、はるかにキャッシュリッチなのです。

確かに日本のトヨタは大変キャッシュリッチな帝国企業のひとつですが、日本のトヨタが倒産寸前のGMやクライスラーを買収したら・・・・アメリカ政府は「エコノミック・パールハーバー・アタック!!!」と叫んで、とてもエキセントリックになるのでしょうね。

相手国に三角合併解禁を迫りながら、自国の企業だけは日本企業からの買収には応じたくないといったあたりは、まさしく「アングロサクソン流のダブルスタンダード」ですなぁ~~~~。


週末に「市場リスク 暴落は必然か」を読みました。とっても面白かったです!!!


【追記】池田信夫Blogでも、「現代帝国論ー人類史の中のグローバルゼーション」が紹介されています。是非とも、実際に飛んで行って、ご熟読ください。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/a3bf2104ffceebc75463a562e7d7d25f









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