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トト役 
 米良 美一さん

生まれ故郷の民謡があの歌のヒントになりました」

  — NHK大河ファンタジー 精霊の守り人 
2018年1月6日(NHK番組公式サイトより)

インタビュー

トトはまるで“ひとりカンバル応援団”

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NHK公式サイトより)トトってなんとも魅力的! どこか現実的ではない存在で、だからといって人間の世界を決して無視した存在ではないキャラクター。そんな、まるで神の世界と人間の世界を結ぶような登場人物と、私という存在を結び付けていただけるというのは本当にうれしいことで、感謝の思いでいっぱいです。

台本には「子どものような小さい身体に大人のような面相をした牧童…」と書いてありました。私が持って生まれた、ともすると自分でマイナスにとらえてしまうような特性を、すごくポジティブに転換してくれて、本当にありがたい役だな…と思いましたね。お話をいただいたときは「ドラマの撮影って大変なんだろうなぁ」とは思いましたが、それよりも何よりもうれしくて、まるで夢のようでした。
衣裳もかわいくて! よくこんなのを考えたな〜って思いますよね。私の肉体の特徴もよく生かして、かつ、物語の世界観やトトの人物像もちゃんと表現した絶妙な衣裳です。チアガールが持つポンポンを全身にまとったような感じは、まるで“ひとり応援団”。「フレーッ、フレーッ、カンバ〜ル〜!」と、王国を見守るトトらしい衣裳となりました(笑)。

生まれ故郷の民謡があの歌のヒントになりました

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第2回では、トトが山に向かって歌うシーンがありました。撮影現場で「なんかお願いします」と頼まれ、とっさに思いついたのがあの節回し。ファルセットという高い音域で歌いました。でも実は僕の作曲ではないんですよ…種明かしをすると、あれは民謡からヒントを得たんです。私の出身地である宮崎には「日向木挽(こびき)唄」という、山仕事をする人たちが唄っていた民謡があります。私は子どものときから民謡を習って育ったので、あの唄はとてもなじみ深いんですよ。

ちなみに、僕が生まれ育った所というのはすごく山奥で、まさに「もののけ姫」や「精霊の守り人」の世界観を肌で感じられるような環境でした。仙人のようなじぃちゃん、ばぁちゃんに囲まれて、掟(おきて)みたいなものがあって、神楽があって…。そう思うと、今回トトの役に選んでいただいたのも、そんな所で育った僕が持っている、目に見えない空気感のようなものを感じていただいたのかな…とも思いますね。

言葉や言い回しの美しさと妙をぜひ見ていただいて

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「精霊の守り人」は、21世紀の今、アジア人として、地球人として、根底に流れている共通のもの、また、忘れかけているようなものを内包した作品です。それをNHKさんが映像化するにあたって、脚本ひとつにしても…もともと上橋先生もそういうことを非常に大事にして書いていらっしゃると思うんですが…とにかく言葉や言い回し、表現にこだわっていらっしゃる様子を感じました。その美しさと妙は、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたい見どころのひとつです。

私、言葉って好きなんです。セクシーだから。若いときから、歌うことを通して、言葉というものをいかにセクシーに表現し、伝えるかということに心血を注ぎたいと思ってきました。歌の恩師のひとりに言われたことに、「歌うときは、セリフを語るように歌いなさい。セリフを言う場面があったら、歌を歌うように語りなさい」というものがあります。それをちょっと意識するだけで、お芝居が音楽のように、歌がお芝居のように聞こえてきて、言葉の伝わり方が変わるんですよ。

今回、私もその点は気をつけました。でも、うまい役者さんというのはそれが自然にできるんですよね。歌手は役者さんから学ぶことが多いな…と今回もつくづく感じました。でも逆に、役者さんも、歌手から学ぶこともあると思うんです。そうやって学び合えたら、ジャンルこそ違えども同じ表現芸術として、お互いを高め合える関係が結べるんじゃないかと思いますよね。私も、このドラマに携わらせていただいて、非常に実りが多かったと感じています。これからの人生、それがいろいろな場で生きてくることと思います。(転載はここまで)


【精霊の守り人 最終章】

2017年(平成29年) 11月25日(土)スタート
NHK総合 毎週土曜 午後9時00分から9時58分 <連続9回 内容58分>