2016年05月27日

松阪 本居宣長旧宅・鈴屋 光の階層が美しく心地よい空間2

それでは中央にある階段から二階に上がってみましょう。そこは前回お話ししたように、彼が53歳の時(1783年)に増築し、72歳に亡くなるまで自分の勉強部屋として使用した場所です。
そこはわずか4.5畳の小間ですが、南面に中庭に面する大きな窓(幅×高さがほぼ一間角)に特徴があります。窓の下端が低くしてあり、畳から40cmほどの高さにあるため、その開放感が大きく、内外空間が一体化して大変心地よく感じられます。2階にあるため外界からほどよく距離を保ちながらも(外観写真参照)、町の景色の眺望ができ、町の人の活気も伝わり、また光をいっぱい受け、風を感じ、外の緑や空を眺めることができます。大変うまい設計となっております。これは本居宣長が自ら求めた書斎像を思いのまま造ったわけで、彼の空間的なセンスの良さが感じられます。  才本

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外観右奥の中庭の向こうに書斎がある


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2016年05月27日 11:04|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

2016年04月09日

松阪 本居宣長旧宅・鈴屋 光の階層が美しく心地よい空間1

この住まいは本居宣長(1730〜1801年)が12歳から72歳で亡くなるまで過ごした家であります。彼が生まれる約40年前の1691年に新築され、53歳の1783年に2階を増築し自分の勉強部屋としたということです。
部屋構成は大変シンプル、しかも合理的であります。
道路側の表半分が公的空間(みせ空間)で、医師としての仕事場であったり、また古事記や源氏物語などの古典書を講釈した場と考えられます。
奥の後ろ側半分は私的な生活空間のような場(または床の間があるので別の公的空間)であったと推測されます。
この2つのゾーンを分ける住まいの中心あたりに2階に書斎へ上る階段を設けています。 

下の写真は外観ですが、左側の明り障子と右側の築地塀の間の凹部の空間が玄関です。

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この写真は、表半分を室内から見ます。中央に、先ほど表から見た凹部の玄関を背面から見て、またそれに続く光に満たされる中庭(左側、ここがアクセスになる)とそれに面する公的な室内空間を見ます。

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次の写真は奥の私的生活部分のような場所です。座敷には障子でこされた北向きのやわらかい光が入り、向こうの土間には天窓から太陽の直射光が入り、壁面に当たり間接照明の役割を果たしています。

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表空間と奥空間の真ん中あたりに座り、正面に階段、右手に表空間を見、左手に奥空間を見ます。
表空間には南道路から入る障子フィルターで柔和にこされた太陽光、また中庭からの直接光。
奥空間には障子でこされた北側採光と土間の天窓が壁面を照らす光、
そして、中央の階段の上方からはわずかですが二階の窓から漏れいずる光が階下でも感じられ心地よいものです。
左右や上から多様な光が入り、その光のグラデーションが生活に微妙なニュアンスを与えてくれます。 才本
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2016年04月09日 17:50|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

2016年02月08日

近江八幡のヴォ―リス住宅

ヴォ―リズは1905年に来日し、滋賀県立商業学校に英語教師に赴任した、25歳の時である。しかし伝道活動をしたことが反発を招き、1907年には解雇されている。この「迫害」にも耐えて近江を離れず、基督教青年運動を展開していった。その間、1906年に着工した近江八幡YMCA会館の工事監督をおこなったことで、1908年に28歳で建築設計事務所を開設し、その後1912年に近江ミッション(のちの近江兄弟社)を設立した。
その最初の関わった建築が今も残っており、旧八幡YMCA会館で、現在はアンドリュース記念館と呼ばれている。
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資料によるとそれは非現存とされているが、現在の案内看板には第一号の建築との説明がある。資料に掲載された竣工当時の写真とはかなり違ってはいるが。
下の写真は西面のファサードです。
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次の写真は、看板の説明によればヴォ―リスの後半生の住まいである。
IMG_8457(400P)

最後にお見せする写真は軽井沢にある旧朝吹山荘です。
これは2011年に訪問した時の写真です。IMG_6169(400P)

IMG_6159(400P)

今回の近江八幡の住宅は1月元旦に訪問したため中は見ることができませんでしたが、軽井沢の住宅の内部を見学したとき、窓の面積が大きく、想像以上に内部が非常に明るく感じたものです。
今回見た近江八幡の住宅も、外観から見ても窓が大きく、数も多く内部に多くの自然光がはいいるであろうと想像がつきます。  
町の中央にあるヴォーリズ像には今日も新鮮な生花がいけられている。
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資料は山形政明著「ヴォ―リズ建築の100年」   才本

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2016年02月08日 16:49|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

2016年01月16日

続・近江八幡 町づくりの作法

八幡の町家は居室部と座敷部からなり通り(前面道路)に面して居室部を置き、この奥に通りから奥まって座敷部が接続する構成になっているそうだ。その座敷の前庭には「見越しの松」が植えられ、通りからは塀の上に松が見られ、町並みを一層引き立てるとのことであります。
住居の構成が先か、街並みの豊かさを先に求めたのかは不明でありますが、結果的により豊かな潤いのある街並みができた、ということであります。
下の写真は八幡掘周辺の風景です。現在放映中のNHK朝ドラ「あさが来た」でも出てくる風景です。
船着き場といい、土蔵群といい往時の姿をとどめ、タイムスリップした現場にいるような錯覚にとらわれます。
また、いまどきどこの百貨店にも入っている「たねや」はこの地が発祥とのことであります。  才本

八幡掘船着き場風景 正面の山が八幡山IMG_8418●(400P)

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八幡掘周辺に並ぶ土蔵群IMG_8423(400P)
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近江八幡を拠点におく有名菓子店「たねや」
IMG_8427●(400P)


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2016年01月16日 10:40|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

2016年01月04日

近江八幡 町づくりの作法

伝統的建造物群保存地区に指定されている八幡地区は大きい範囲を占め、伝統的建築物が185件、工作物が93件、環境物件が85件にのぼる。
先日、街歩きをする機会がありその町並みの美しさに感心し、その美しさが他の多くの町並みとは異なると感じました。町家群の町並みとして第一に思い浮かぶのが京都や高山でありますが、どちらも二階建ての町家が狭い道路の両脇にぎっしり並び、同じような町家が連続して並ぶ姿に美しさを感じるという面があると思う。ところが、この町並はちょっと違う。通りから見ると、町家と庭を囲む塀が交互に連なり、またその間に所どころ白壁の蔵が現れるという調子です。町家は二階建て、塀の高さはヒューマンスケール、しかも塀の上端から松などの庭木が顔をのぞかせています。京都や高山の町に比べ天空率が高く、空が広い、歩行者に閉塞感や緊張感を与えないし、しかも塀から覗く緑が町に潤いを与えている。これが町づくり的立場でできたのか別の理由なのか?
それは次回のお楽しみ!
 才本

上の写真はメインストリート 新町通を見る、正面の山は八幡山
中段写真は新町通の町家
下段は永原町通の町家
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2016年01月04日 19:41|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

2015年12月19日

晩秋の多治見永保寺

先日12月12日に晩秋の色づいた多治見永保寺を参観した。
この写真は山の上の座禅石から見た景色、少々遠目ですが見事に紅葉した山並みと境内が眺めることができます。次の写真は近景にその座禅石を取り込んで撮影してみましたが、まさに座禅石と呼ばれる通り、山から突き出した巨岩で上面はほぼ平らで、境内や周辺の大自然を眺め瞑想にふけるにはもってこいの位置、形状です。
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下に降りて風が凪いで池の水面が鏡になった瞬間を撮影しましたが、見事に景色を映し出しています。

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次は観音堂の吹き放しの列柱空間から景色を望む気持ちで撮影しました。お堂の軒下の列柱空間からの眺めは、建物に居ながらにして景観を望む、自然の風景とわが身が一体になるような錯覚を覚えることでしょう。
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最後の写真は晩秋=初冬の低い日の光が門扉の透かし彫りを透過して地面に模様を再現しています。自然と人間の合わせ技、ともいえる景色です。    才本

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2015年12月19日 15:02|記事のURLコメント(0)トラックバック(0)