2008年09月

2008年09月28日

ブルーノ・ムナーリ氏 「日本の住宅は貧しさを感じさせない」

今、刈谷市美術館で「生誕100年記念 ブルーノ・ムナーリ展 あの手この手」が巡回展として行なわれています。展示室やホールなど1~2階の館全体をゆったりと使いわかりやすい展示構成であった。彼のアイデアあふれる作品の展示もさることながら、彼の著書にあったこんな文章に彼の本質を見抜く目を感じました。
「ある種の一般住宅は貧しさを感じさせるが、そう感じさせない種類の家もある。なぜ日本の住宅は、天然木材、藁、紙、檜の樹皮、砂利、天然岩石といった非常に安価な資材で造られているのに、貧しさを感じさせないのだろうか?これに対して、私たちの一般住宅は、レンガやセメント、ガラスそれからわずかな大理石といった、より高価な資材で造られているのに、貧しさを感じさせるのはなぜだろうか?」そして下の写真を示し、「場は均整が取れ、調和し、大変機能的。・・・・・(外の)自然が、絶え間なく変化する絵画となってくれる。」などと賞賛している。彼が言っているように日本の天然素材は安価ではありませんが、人間に優しい天然素材を使い、さらに光や風を思う存分取り込み、そして外部と一体となる空間構成に真の人間的な豊かさを感じたのだと思います。 才本
ブルーノ・ムナーリ『芸術家とデザイナー』の中の「美観は貧しさを負かす」の項(みすず書房)




ブルーノ・ムナーリ 日本の住宅

2008年09月15日

高山寺・石水院は幾多の改造と移築を経て美しさを保っている

石水院(国宝)は明恵聖人の庵室であったが1228年の洪水で流失したあと、近くにあった東経蔵がその名で呼ばれるようになったらしい。この経蔵は春日・神明両明神を祀る社殿も兼ねていたとのことです。当時は金堂の横にありましたが後明治22年に現在地に移築されました。創建は鎌倉時代初期と考えられていますが、後世の改造が著しく詳しいことは不明。
現在地は金堂などの伽藍から離れた僧などが生活する建物群の一画にある。この地は猫の額のように細長く狭い山の中腹の峰であり、石水院はその先端に位置するため三方は谷で囲まれ眺望のよい場所である。デザインは住宅風で三方には壁がなく開け放つと緑以外に視界を妨げるものがなく大変心地よい空間であります。特に格子で囲まれた屋外空間は光と陰が美しいシルエットをつくりだし独特の空間となっています。かつては神社の社殿であったということですが、この部分はどう見ても人間のための空間と思われます。拝殿の様な使われ方をしたのでしょうか。  才本





2008年09月08日

京都・白沙村荘(はくさそんそう)は画家橋本関雪のアトリエ

大正5年(1916年)、関雪32才の時にここに移り住み、亡くなるまでの約30年間を過ごした場所であります。当初はアトリエである存古楼とその前にある池がつくられたが、以後地所を徐々に買い増し現在の広さになったとのことであります。
存古楼はアトリエとして四周ガラス戸とし、たっぷりと採光がとられていると同時に庭と建築が一体的に扱われている。その他離れとして、数奇屋と東屋があるが特に後者は土壁はあるが建具がまったくないオープンな建築で、風景を遮蔽することがなくの視線を妨げない。また庭から建築を見たときは庭の点景としてごく自然におさまり、ひとつの小宇宙をなしている感があります。上左写真 池と存古楼。上中写真 庭の風景と調和する数奇屋。上右写真 存古楼内部。下左写真 東屋。下右写真 数奇屋内部。   才本


白沙村荘 アトリエ外観白沙村荘 茶室外観白沙村荘 アトリエ内部








白沙村荘 東屋白沙村荘 茶室内部

2008年09月01日

もう一つの植治の作品 平安神宮神苑

小学校の修学旅行で平安神宮に行った事は覚えていますが、この神社の周りを「神苑(しんえん)」と呼ばれる大きな庭園が取り囲んでいることは最近知りました。これは植治が無鄰庵を完成したあと手がけた庭園です。無鄰庵と同じように水が庭園の中心を流れ、時には大きな池となり、またせせらぎに、そして滝になり形を変えて楽しませてくれます。東神苑の栖鳳池には屋根つきの橋(泰平閣)が架かり、造り付けのベンチで休息していると水面で冷やされたそよ風が吹きぬけ何と気持ちよいことでしょう。(写真 上段3枚) 中神苑にある蒼龍池には天正年間(豊臣秀吉時代)の三条大橋や五条大橋の橋脚であった円柱形の石を利用し植治のデザインで配置し「臥龍橋」と名づけている。(写真 下左) 中神苑には茶屋があり、壁のない屋根だけの東屋で、腹ごしらえしながら池を眺めているとこれも何とも心地よくなります。(写真 下中) 中神苑から西神苑へ向かう小道は樹木がうっそうとし、水はせせらぎとなり、小道が広がり西神苑の白虎池となるところで滝となって落ちていきます。東苑、中苑、西苑それぞれ性格を変えて楽しく気持ちよく周遊することができました。下右の写真は蒼龍池に咲く蓮の花  才本


平安神宮5平安神宮6平安神宮 6  







平安神宮2平安神宮4平安神宮1