2009年07月

2009年07月29日

孤篷庵忘筌・・・作者・小堀遠州の狙いは?(1)

建築を考える(設計する)際にその主要な開口部をどちらの方角を向けるかということで、そのつくり手の意図が現れるものであります。安定した南の光を好む日本人にとっては、とくに住宅系建築において開口部を南に向けて配置することが一般的です。それは正午を中心として午前、午後の長い時間にわたり安定した光(日射)が得られるからであります。その他の建築でもほとんど南向きが基本となっています。
現在の孤篷庵は1643年、64才のときに遠州自身が大徳寺龍光院内から現在地に移築、拡張したものです(ただしそのとき建造したものは1793年焼失し、その後松平不昧公により古図に基づき再建されたものです)。彼はその年齢まで長きにわたって幕府に仕え土木、建築、庭などの事業を支え、また茶道にも深くかかわり、息つく閑もなく働き続けてきた。そんな彼の最晩年の隠居部屋として計画したものであります。しかし、使用できたのは1647年に没するまでのわずかの年月です。「孤篷」は師から授かった法号で「一艘の苫舟」とのことで、故郷の琵琶湖に浮かぶ一艘の小舟をイメージしているといわれます。 つづく  才本