2011年10月

2011年10月31日

八ヶ岳高原音楽堂から富士が見えた  その2

この八ヶ岳高原音楽堂の中心建物である音楽ホール部分は、もともとあった、なだらかな丘が切り取られてできた平地に建っています。その結果このホールは、土が切り取られて、新しくできた凹斜面の丘に抱かれるように建っている。それを外部で見た景観が左写真です。この写真を見てわかりますが、手前ではその丘の稜線の高さが窓より高い位置にありますが、向こうへ行くにしたがって、その丘がどんどん低くなっていきます。そしてこの写真の向こう正面ではまったく丘はなく視界をさえぎるものがありません。ちょうどそこに富士山が見える、というわけであります。何というすばらしい演出でしょうか。この丘の穏やかな傾斜、そして、その空間の広がりなど何と気持ちよいことでしょうか。
これを中から見た写真が右写真です。写真の右がホールの後側で、窓の外は先ほどの丘の斜面の緑に抱かれるような安心感があり、ホール前側(左方)へ向かうにしたがって丘の稜線はだんだん低くなり、左端では視界が完全に開けています。そこに富士山が現れるということです。
日本の名庭園の中には、いい景色をドラマチック見せる試みが数多くあります。そんな中でもこのランドスケープデザインには、歴史的な名庭園に勝るとも劣らない巧みさを感じます。建築の内部空間にあい呼応して外部空間を見せるところは、庭園だけではできない頭脳的なうまさを感じると思いますがいかがでしょうか。 才本




吉村 音楽堂外部(丘)吉村 音楽堂内部 中から外を見る