2012年04月

2012年04月26日

平等院は藤原頼通が夢見た極楽浄土の空想世界

藤原頼通は、末法初年とされた1052年に父・道長よりこの地を譲りうけ、極楽浄土への往生を願って寺院を建てた。翌年1053年に完成供養したのが宇治平等院であります。
鳳凰堂は正面を東に向けているので、堂の後は西方にあたり、こちらに極楽浄土があるという設定です。頼通自身がその極楽浄土に達することを夢見て創作した一大空想世界であります。池の手前が此岸つまり「この世」であり、池の向こう(鳳凰堂の向こう)は彼岸、つまり極楽浄土がある「あの世」であります。
鳳凰堂は仏像を納める中堂と左右の翼廊と、後方にある尾廊の4棟で構成されます。正面から見た中堂と翼廊がシンメトリーに並ぶ様は、すばらしい構成美を持っています。 つづく  才本


平等院鳳凰堂IMG_6628(500P)


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2012年04月18日

宇治上神社拝殿に源氏物語絵巻の一シーンを見る

宇治上神社拝殿は鎌倉時代前期(12〜13世紀)の建立とされ国宝に指定されています。
神社の拝殿は古来から住宅風につくられることが多いが、この拝殿は平安時代の寝殿造りの雰囲気を強く残しています。正面から見た姿は、屋根は桧皮葺で低く構え、横に伸びるデザインで、左右端は縋(すがる)破風で処理されているため、ヒューマンスケールで華奢で優雅であります。建具は格子の蔀(しとみ)戸で写真では上部だけが開放されていますが、下半分もはずしてしまえば全面開放になり、絵巻に描かれた絵とほとんど同じ雰囲気であります。  才本

正面遠景
正面近景


内部には御簾、几帳(きちょう)などの室礼(しつらい)が置かれ当時の雰囲気を醸し出している。
内部1
内部2

2012年04月09日

醍醐寺の桜と五重塔

桜が見ごろの今日この頃です。
醍醐寺は、1598年3月13日、豊臣秀吉が秀頼や正室、側室を引き連れて醍醐の花見をして以来の桜の名所であります。この写真は数年前に霊宝館にある枝垂桜を撮影したものです。1本の株から低く、大きく枝が広がり見事な花を咲かせています(上写真)。
この醍醐寺(三宝院と上醍醐は除く)の境内には金堂と五重塔が国宝に指定されています(中写真、左が金堂、右が五重塔)。
五重塔(下写真の左)は寺の創建当時からある唯一の建築で、平安時代中期の951年の建立です。宇治の平等院より約100年も前の建物で、平安時代では唯一の五重塔です。大変堂々とした塔です。屋根の上に載った相輪の高さが全体の高さの1/3を占め、ほか塔のものより(相輪の比率が)大きいのですが、そのため、美しいプロポーションとなっています。
また、五重塔の屋根は上に行くと、だんだん小さくなりますが、その小さくなる率を逓減率といいます。時代とともにこの逓減率が小さくなります、つまりプロポーションが 三角形から台形に、そしてズンドウ型に変わっていきます。
これを江戸時代 末期1808年の五重塔(下写真の右)と比較してみましょう。左の堂々とした姿に比べ、右はひょろっと背が高く、ズンドウ型であまり格好よいとはいえません。相輪もチョットさびしいですね。相輪を含めて全体でバランスよく、美しく見せようという視点が少々欠けている、と思いますがいかがでしょうか。実はこの塔は、愛知県にある、唯一の五重塔です。八事の興正寺の五重塔です。  才本

醍醐寺霊宝院の桜
醍醐寺境内
醍醐寺と興正寺の五重塔比較(500P)