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株・FXの投資系からゴシップ情報2ch系まとめ

    進撃の巨人

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    ■進撃の巨人 82話 ネタバレ 「勇者」です。

     

    アルミン
    「エレン…作戦は以上だ。あとはすべてを実行に移し、超大型(ベルトルト)を騙すことさえできればこの勝負、僕達の勝ちだ」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ジャン
    「いいか!?超大型はアルミンとエレンで何とかすると信じろ!俺達は鎧をアルミン達の方から遠ざければいい!微妙な距離を飛び回って注意を引け!」

    ミカサ・サシャ・コニー
    「了解!!」

    4人は鎧の巨人に向かうが巨人は相手にする素振りも見せず、まっすぐに壁の方に走り続ける。

    ミカサ
    「!?」

    コニー
    「な!?無視かよ!?」

    ジャン
    「野郎!!エレンに狙いを絞る気か…!?」

    ミカサはすぐに反転して鎧の巨人を追う。

    進撃の巨人82ネタバレ

    ミカサは雷槍を鎧の巨人の左足の膝裏に打ち込むと鎧の巨人は体制を崩し倒れ込む。

    ジャン
    「オイ!?」

    ミカサ
    「鎧の注意を引けないのなら今ここで息の根を止めるしかない。ここでエレンとアルミンを守る」

    ジャン
    「ああ…わかった!!」

    コニー
    「雷槍は残り3本だぞ!?クソっ……でも!!」

    サシャ
    「やるしかありません!!だって…戦わないと!!勝てませんから!!」

    4人は空から鎧の巨人を取り囲む。

    ライナー(鎧の巨人内)
    (___何だ!?今何を食らった!?一撃で鎧の膝が砕けたのか!?)

    進撃の巨人82ネタバレ

    ライナー
    (何があったんだ…?状況がわからない…力もあまり残ってない。…だが、あそこにエレンがいる。エレンを奪い去ることが俺達の勝利であることに変わりはないはずだ。

    そうだろベルトルト。早くこいつらにカタを付けてそっちの加勢に行くからな)

    ベルトルトも壁の前からライナーの様子を確認する。

    ベルトルト
    (向こうに行った4人はライナーの相手。奇しくも爆風から生き残ったエレンについてた104期生のみんなだけか…正直言えば…みんなまとめて吹き飛んでほしかった…)

    進撃の巨人82ネタバレ

    (僕に見せてくれ、君達が最期に何を残すのか…)

     

    アルミンとエレンはじっと超大型巨人を眺めている。

    アルミン
    「自分で考えた作戦だけど、成功は…僕がどれだけ耐えられるかで殆ど決まるなぁ」

    エレン
    (アルミン…お前…まさか…)

    アルミン
    「……エレン…悪いけど僕は海を見るまでは死ねない。だから大事に至らない辺りで切り上げるけど…後は任せたよ?ほ、ほら…僕ってそんな…勇敢じゃないから」

    エレン
    (いいや…違うぞ……オレが知ってるお前は…)

    アルミン
    「エレン…わかってるよね?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    アルミン
    「だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!?」

    そう言うとアルミンはエレンの肩から降りる。

    エレン
    (ク…クソッ……)

    突然エレンの体はグラリと体制を崩し、壁の上から落下し地上に落ちる。

    アルミン
    「エレン!!」

    ベルトルト
    「やっぱり…勝負はもう付いてたんだ…おそらくは重度の脳震盪。まだまともに立ち上がることもできないようだね。もう十分だ、終わりにしよう」

    超大型巨人はアルミンに向かって腕を振りかぶる。

    進撃の巨人82ネタバレ

    壁を飛び降り攻撃をかわしたアルミンはアンカーを腕に巻きつけた反動で巨人の顔の前まで飛び、もう一度アンカーを発射する。

    ベルトルト
    「アルミン…君は最期までよく戦ったよ」

    超大型巨人は体から熱風を発し始める。超大型巨人から煙が上がったことを離れた所からミカサが確認していた。

    ミカサ
    「エレン…アルミン…。いや、2人に任せた。私達は鎧を殺る。」

    ジャン
    (3本の雷槍で鎧を仕留める方法があるとすりゃ…もうこれしかねぇ…奴が動けねぇうちに勝負を懸ける…勝負は一度きり、どうなろうとこれが最後だ)

    進撃の巨人82ネタバレ

    ジャンが鎧の巨人の背後から大声を上げながら斬りかかる。

    ジャン
    (まず俺が囮になる。)

    鎧の巨人は家の屋根ごと背後のジャンを振り払う。屋根の破片に紛れながらサシャが1本目の雷槍を発射するが、これは頭の上を通過し、代わりに破片が顔面に直撃する。

    (コニーとサシャは雷槍を2本使って両側から鎧の顎を狙え)

    サシャの反対側から発射されたコニーの雷槍は鎧の顎に命中し顎の右側が破壊される。

    ライナー
    (!?)

    コニーはそのまま屋根の破片を受けて負傷したサシャを抱きかかえて遠ざかる。ジャンも破片が刺さり無事ではない様子。

    ジャン
    (顎を吹っ飛ばされたら鎧の口が開くはずだ。ミカサは残りの1本で鎧の口の中からうなじを狙え)

    進撃の巨人82ネタバレ

    (なぜアンカーが外せないんだ、近づくことはできないはずなのに…)

    アルミン
    「やっぱり!!骨は消費しないんだ!!肉に刺さらなければアンカーは抜けない!!」

    アルミンが放ったアンカーは超大型巨人の歯にしっかりと刺さっている。

    「そして何より!!熱風を放っている時は筋肉を動かせない!!」

    ベルトルト
    (けどアルミン…それが君の最後か?君がその知恵を絞ってようやくできる抵抗は…そうやって炙られ続けることなのか?)

    アルミン
    「息が!!これ以上はもう…!!イヤ、まだだ!!この程度じゃ足りない!もっと時間を稼ぐんだ!!」

    進撃の巨人82ネタバレ

    (今、楽にしてやる)

    超大型巨人は熱風の勢いを上げるとアルミンの体は焼かれていく。

    アルミン
    「ッ!!……(…耐えろ、まだ 離すな。エレンに託すんだ、僕の夢、命すべて。僕が捨てられる物なんてこれしか無いんだ。きっとエレンなら、海に たどり 着く)」

    アルミンの服は焼けてなくなり、生身の体が熱風にさらされて黒く焼け焦げていきついに剣の柄から手が離れる。

    進撃の巨人82ネタバレ

    一方、ミカサは雷槍を持ったまま鎧の巨人の前に立ち尽くしている。

    ミカサ
    (口は開いてない…それでもやるしかない)

    コニー
    「ミカサっ、無茶だ!!」

    ???
    「___イヤ、よくやった!!」

    コニーの後ろから声がし、同時に発射された雷槍が鎧の巨人の左顎で爆発する。

    ライナー
    「んな!?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ハンジ
    「今だ!!ミカサ!!」

    ガコッと開かれた鎧の巨人の口に向かってミカサが飛ぶ。巨人も右腕で応戦するが、ミカサはそれをかわして雷槍を口の前で構える。

    ライナー
    「オイ…まさか…」

    ミカサ
    「ライナー、出て」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ベルトルト
    「終わった…」

    黒焦げのアルミンを見てベルトルトはそうつぶやく。

    「さぁ…次は…エレンと馬を…」

    地上に落下したエレンを見てベルトルトは目を見開く。

    「これは…硬質化…?…え?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    エレン
    「殺った」

    エレンは超大型巨人のうなじからベルトルトを切り離す。

    ベルトルト
    (陽動作戦…最初にエレンは動けないと思わせたのも、アルミンの抵抗も…硬質化した巨人のカカシを造るための時間稼ぎ…すべては僕の周りに敵がいなくなったと思い込ませるため…

    僕の隙を作るための…)

    エレンはアルミンの前に立ち、作戦を伝えられた時の言葉を思い出す。

    アルミン
    『一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンにウソついたことあった?』

    エレン
    「クソ…わかってたハズなのに…」

    進撃の巨人82ネタバレ

     

    ■進撃の巨人 最新83話 ネタバレにつづく…

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    ■進撃の巨人 82話 ネタバレ 「勇者」です。

     

    アルミン
    「エレン…作戦は以上だ。あとはすべてを実行に移し、超大型(ベルトルト)を騙すことさえできればこの勝負、僕達の勝ちだ」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ジャン
    「いいか!?超大型はアルミンとエレンで何とかすると信じろ!俺達は鎧をアルミン達の方から遠ざければいい!微妙な距離を飛び回って注意を引け!」

    ミカサ・サシャ・コニー
    「了解!!」

    4人は鎧の巨人に向かうが巨人は相手にする素振りも見せず、まっすぐに壁の方に走り続ける。

    ミカサ
    「!?」

    コニー
    「な!?無視かよ!?」

    ジャン
    「野郎!!エレンに狙いを絞る気か…!?」

    ミカサはすぐに反転して鎧の巨人を追う。

    進撃の巨人82ネタバレ

    ミカサは雷槍を鎧の巨人の左足の膝裏に打ち込むと鎧の巨人は体制を崩し倒れ込む。

    ジャン
    「オイ!?」

    ミカサ
    「鎧の注意を引けないのなら今ここで息の根を止めるしかない。ここでエレンとアルミンを守る」

    ジャン
    「ああ…わかった!!」

    コニー
    「雷槍は残り3本だぞ!?クソっ……でも!!」

    サシャ
    「やるしかありません!!だって…戦わないと!!勝てませんから!!」

    4人は空から鎧の巨人を取り囲む。

    ライナー(鎧の巨人内)
    (___何だ!?今何を食らった!?一撃で鎧の膝が砕けたのか!?)

    進撃の巨人82ネタバレ

    ライナー
    (何があったんだ…?状況がわからない…力もあまり残ってない。…だが、あそこにエレンがいる。エレンを奪い去ることが俺達の勝利であることに変わりはないはずだ。

    そうだろベルトルト。早くこいつらにカタを付けてそっちの加勢に行くからな)

    ベルトルトも壁の前からライナーの様子を確認する。

    ベルトルト
    (向こうに行った4人はライナーの相手。奇しくも爆風から生き残ったエレンについてた104期生のみんなだけか…正直言えば…みんなまとめて吹き飛んでほしかった…)

    進撃の巨人82ネタバレ

    (僕に見せてくれ、君達が最期に何を残すのか…)

     

    アルミンとエレンはじっと超大型巨人を眺めている。

    アルミン
    「自分で考えた作戦だけど、成功は…僕がどれだけ耐えられるかで殆ど決まるなぁ」

    エレン
    (アルミン…お前…まさか…)

    アルミン
    「……エレン…悪いけど僕は海を見るまでは死ねない。だから大事に至らない辺りで切り上げるけど…後は任せたよ?ほ、ほら…僕ってそんな…勇敢じゃないから」

    エレン
    (いいや…違うぞ……オレが知ってるお前は…)

    アルミン
    「エレン…わかってるよね?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    アルミン
    「だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!?」

    そう言うとアルミンはエレンの肩から降りる。

    エレン
    (ク…クソッ……)

    突然エレンの体はグラリと体制を崩し、壁の上から落下し地上に落ちる。

    アルミン
    「エレン!!」

    ベルトルト
    「やっぱり…勝負はもう付いてたんだ…おそらくは重度の脳震盪。まだまともに立ち上がることもできないようだね。もう十分だ、終わりにしよう」

    超大型巨人はアルミンに向かって腕を振りかぶる。

    進撃の巨人82ネタバレ

    壁を飛び降り攻撃をかわしたアルミンはアンカーを腕に巻きつけた反動で巨人の顔の前まで飛び、もう一度アンカーを発射する。

    ベルトルト
    「アルミン…君は最期までよく戦ったよ」

    超大型巨人は体から熱風を発し始める。超大型巨人から煙が上がったことを離れた所からミカサが確認していた。

    ミカサ
    「エレン…アルミン…。いや、2人に任せた。私達は鎧を殺る。」

    ジャン
    (3本の雷槍で鎧を仕留める方法があるとすりゃ…もうこれしかねぇ…奴が動けねぇうちに勝負を懸ける…勝負は一度きり、どうなろうとこれが最後だ)

    進撃の巨人82ネタバレ

    ジャンが鎧の巨人の背後から大声を上げながら斬りかかる。

    ジャン
    (まず俺が囮になる。)

    鎧の巨人は家の屋根ごと背後のジャンを振り払う。屋根の破片に紛れながらサシャが1本目の雷槍を発射するが、これは頭の上を通過し、代わりに破片が顔面に直撃する。

    (コニーとサシャは雷槍を2本使って両側から鎧の顎を狙え)

    サシャの反対側から発射されたコニーの雷槍は鎧の顎に命中し顎の右側が破壊される。

    ライナー
    (!?)

    コニーはそのまま屋根の破片を受けて負傷したサシャを抱きかかえて遠ざかる。ジャンも破片が刺さり無事ではない様子。

    ジャン
    (顎を吹っ飛ばされたら鎧の口が開くはずだ。ミカサは残りの1本で鎧の口の中からうなじを狙え)

    進撃の巨人82ネタバレ

    (なぜアンカーが外せないんだ、近づくことはできないはずなのに…)

    アルミン
    「やっぱり!!骨は消費しないんだ!!肉に刺さらなければアンカーは抜けない!!」

    アルミンが放ったアンカーは超大型巨人の歯にしっかりと刺さっている。

    「そして何より!!熱風を放っている時は筋肉を動かせない!!」

    ベルトルト
    (けどアルミン…それが君の最後か?君がその知恵を絞ってようやくできる抵抗は…そうやって炙られ続けることなのか?)

    アルミン
    「息が!!これ以上はもう…!!イヤ、まだだ!!この程度じゃ足りない!もっと時間を稼ぐんだ!!」

    進撃の巨人82ネタバレ

    (今、楽にしてやる)

    超大型巨人は熱風の勢いを上げるとアルミンの体は焼かれていく。

    アルミン
    「ッ!!……(…耐えろ、まだ 離すな。エレンに託すんだ、僕の夢、命すべて。僕が捨てられる物なんてこれしか無いんだ。きっとエレンなら、海に たどり 着く)」

    アルミンの服は焼けてなくなり、生身の体が熱風にさらされて黒く焼け焦げていきついに剣の柄から手が離れる。

    進撃の巨人82ネタバレ

    一方、ミカサは雷槍を持ったまま鎧の巨人の前に立ち尽くしている。

    ミカサ
    (口は開いてない…それでもやるしかない)

    コニー
    「ミカサっ、無茶だ!!」

    ???
    「___イヤ、よくやった!!」

    コニーの後ろから声がし、同時に発射された雷槍が鎧の巨人の左顎で爆発する。

    ライナー
    「んな!?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ハンジ
    「今だ!!ミカサ!!」

    ガコッと開かれた鎧の巨人の口に向かってミカサが飛ぶ。巨人も右腕で応戦するが、ミカサはそれをかわして雷槍を口の前で構える。

    ライナー
    「オイ…まさか…」

    ミカサ
    「ライナー、出て」

    進撃の巨人82ネタバレ

    ベルトルト
    「終わった…」

    黒焦げのアルミンを見てベルトルトはそうつぶやく。

    「さぁ…次は…エレンと馬を…」

    地上に落下したエレンを見てベルトルトは目を見開く。

    「これは…硬質化…?…え?」

    進撃の巨人82ネタバレ

    エレン
    「殺った」

    エレンは超大型巨人のうなじからベルトルトを切り離す。

    ベルトルト
    (陽動作戦…最初にエレンは動けないと思わせたのも、アルミンの抵抗も…硬質化した巨人のカカシを造るための時間稼ぎ…すべては僕の周りに敵がいなくなったと思い込ませるため…

    僕の隙を作るための…)

    エレンはアルミンの前に立ち、作戦を伝えられた時の言葉を思い出す。

    アルミン
    『一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンにウソついたことあった?』

    エレン
    「クソ…わかってたハズなのに…」

    進撃の巨人82ネタバレ

     

    ■進撃の巨人 最新83話 ネタバレにつづく…

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    ■進撃の巨人 81話 ネタバレ 「約束」です。

    進撃の巨人81ネタバレ

    ■倒れても意志は潰えず

    猿巨人の投げた礫に被弾し、意識を失いかけるエルヴィンだが歯を食いしばりもう一度前を向く。しかし、その直後馬と共に地面に崩れ落ちる。

    兵士
    「団長が…!!」
    「振り返るな!!進め!!」

    兵士達は横一列に並び、猿巨人にまっすぐに突っ込んでいく。

    猿巨人
    「哀れだ…歴史の過ちを学んでいないとは…」

    進撃の巨人81ネタバレ

    「しまいには壁の中のヤツら全員、年寄りから子供まで特攻させるんだろうな…どうせ誇り高き死がどうとか言い出すぞ…発想が貧困でワンパターンな奴らのことだ。

    …ふざけやがって」

    猿巨人は怒りのあまり握っていた礫を粉々につぶしてしまう。

    「……あ…粉々にしちゃったか…ハハ…何やってんだ俺。何本気になってんだよ?お前は父親とは違うだろ?」

    そう言いながらもう一度礫を作り直して腕を振りかぶる。

    「何事も楽しまなくちゃ。みんなを誇り高き肉片にしてあげようぜ」

     

    兵士
    「二発目来るぞ!!撃て!!」

    兵士達は一斉に信号弾を猿巨人に撃って煙幕を作る。

    進撃の巨人81ネタバレ

    (自己犠牲の精神。自分が言ってたのがこれだ。ヒッチは今頃何を…イヤ…あいつはまだ寝てるか…あぁ…いいな)

    進撃の巨人81ネタバレ

    猿巨人の投げた礫は兵士の一団を一斉に殲滅する。

    猿巨人
    「しゃあああああああ、ゲームセットォ!!ハハ、わかるか!?投げ方を変えたんだよ。これならイチコロでしょ」

    全滅したと思われた兵士だが、煙の中からは3名の兵士が信号弾を構えながらなおも突っ込んでくる。

    兵士
    「撃てぇぇぇぇ」

    猿巨人
    「だから…そんなもん撃って何になるってんだよ…そんなに叫んで__何の意味があるってんだよ!!」

    猿巨人は目の前に迫る兵士に石を投げつけると、生き残った3名の兵士も肉片と化す。

    猿巨人
    「……あ~あ、かわいそうに…」

    進撃の巨人81ネタバレ

    信号弾の煙の中から立体機動装置のアンカーが放たれ、猿巨人の右肩に着弾する。

    進撃の巨人81ネタバレ

    煙の中から現れたリヴァイに対し、猿巨人は雄叫びを上げながら左手で振り払おうとする。
    リヴァイはアンカーを外し、左手を切りながら背後に回り込む。

    猿巨人はライナーとのやり取りを思い出す。

    『え?一人の兵士に気を付けろって?』
    『はい…リヴァイ兵長は危険です』

    進撃の巨人81ネタバレ

    (リヴァイか!!)

    リヴァイは背後からもう一度アンカーを飛ばし、今度はうなじを狙う。

    猿巨人
    (マズイ!!うなじを__)

    猿巨人はとっさに右手でうなじを押さえるが、リヴァイが狙ったのはうなじではなく猿巨人の目。

    猿巨人
    (!?何だ!?何も見えない!!目をやられたのか!?)

    リヴァイは地面に降り、猿巨人の両足首を切る。ガクンとバランスを崩す猿巨人。

    リヴァイ
    「さっきはずいぶんと楽しそうだったな。もっと楽しんでくれよ」

    猿巨人
    (足が__くッ__!!硬質化!!__ダメだ間に合わな…)

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイはそのまま猿巨人のうなじに飛びつき切り刻む。

    猿巨人
    「オオオオオオオ」

    雄叫びを上げる猿巨人をリヴァイは容赦なく切り刻むと、ついに中から本体が現れる。すかさずリヴァイは本体の口に剣を突きつける。

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイ
    「巨人化直後…体を激しく損傷し、回復に手一杯な内は巨人化できない。そうだったよな?」

    そういうとリヴァイは剣を押し込み、口から目にかけて貫通させる。

    「オイ、返事をしろよ。失礼な奴だな…」

    (こいつはまだ殺せない__誰か…生きてる奴はいねぇのか?瀕死でもいい、まだ息さえあればこの注射を使って巨人にする。そいつにこいつを食わせて「獣の巨人」の力を奪う__

    誰か…一人だけ生き返らせることが__)

    リヴァイの頭にはエルヴィンの顔が浮かぶ。

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイ
    「!?」

    背後からの巨人を間一髪かわすが、猿巨人の本体を咥え、樽を背負った巨人は逃走を始める。咥えられた猿巨人の本体を見て呆然とするリヴァイ。

    リヴァイ
    「オイ……どこに行く。止まれ。まだお前には用が…」

    猿巨人本体
    『お前ら!!あいつを殺せ!!』

    命令され、ただ立っていただけの巨人達が一斉にリヴァイの方を向いて走り出す。

    猿巨人本体
    「痛ぇ。やりやがったなリヴァイ…痛ぇよぉ…だが武器は使い果たした頃だろ……お前らはこれで全滅。かなり危なかったが我々の勝ちだ」

     

    リヴァイの眼前には巨人の群れが迫る。リヴァイは歯のこぼれた刃を捨て、新しい刃に付け替える。

    リヴァイ
    「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…俺は__誓った!!」

    巨人に向かってアンカーを射出し、リヴァイは単独で先頭を始める。そこから少し離れたところでは一人の兵士が目をさましていた。

    兵士
    「何で…俺…生きてる…のか…?誰か…オーイ…生き残った奴はいないのか…?」

     

    進撃の巨人81ネタバレ

    ジャン
    「あいつ……どうやったら死ぬんだよ…俺達にあれを…どうしろって言うんだよ…」

    アルミンはジッと超大型巨人を眺めている。他のみんなもしゃべらない。

    ジャン
    「なぁ?アルミン…もうエレンを逃がすことにすべてを懸けるしか…」

    アルミン
    「……」

    ジャン
    「聞いてんのかよアルミン…」

    アルミン
    「…やせてる」

    進撃の巨人81ネタバレ

    アルミン
    「ハンジさんの言った通りだ!!やっぱり『超大型巨人』は消耗戦に弱い!!エレンの実験を思い出して。続けて巨人化できるのは3回まで、全身を硬質化できるのは2回が限度。

    限度を越えた後は力が先細りするだけで、有効な力は何一つ発揮できなかった。15mの巨人でそれなら60mの巨人はもっと燃料効率が悪いはずだ。

    ライナーとベルトルトが正体を明かした時は熱風を出し続けて攻撃したけど…あれは骨格以外のすべての肉を消費して熱を生み出していたんだ。筋繊維を失った後はもうそこから動けないただの巨人の骸骨だ。」

    ジャン
    「…つまり。何だよ?」

    ミカサ
    「アルミン」

    アルミン
    「作戦がある」

    進撃の巨人81ネタバレ

    「僕達二人で…勝ってみせるから…」

    ミカサ
    「わかった、鎧(ライナー)は私達に任せて」

    ジャン
    「遅ぇよバカ…本当にもうダメかと思ったぞ…」

    アルミンは立体機動装置で壁の上のエレンの所へ向かう。ライナーとミカサは鎧の巨人の方へと向かう。

     

    アルミンはエレンの言葉を思い出す。
    『何でか知らねぇけど、オレは自由を取り返すためなら、力が湧いてくるんだ』

    アルミン
    「(この作戦が上手くいけば…僕は…もう…海を見には行けないな)僕はなぜか外の世界のことを考えると、勇気が湧いてくるんだ」

    アルミンは震えながら剣を構え、巨人化したエレンの喉元に突き立てる。

    アルミン
    「エレン!起きろ!」

    進撃の巨人81ネタバレ

    気絶していたエレンはうっすらと目を開ける。

     

    ■もう一度だけでいい…立て!!

    ■進撃の巨人 最新82話 ネタバレにつづく…

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    ■進撃の巨人 81話 ネタバレ 「約束」です。

    進撃の巨人81ネタバレ

    ■倒れても意志は潰えず

    猿巨人の投げた礫に被弾し、意識を失いかけるエルヴィンだが歯を食いしばりもう一度前を向く。しかし、その直後馬と共に地面に崩れ落ちる。

    兵士
    「団長が…!!」
    「振り返るな!!進め!!」

    兵士達は横一列に並び、猿巨人にまっすぐに突っ込んでいく。

    猿巨人
    「哀れだ…歴史の過ちを学んでいないとは…」

    進撃の巨人81ネタバレ

    「しまいには壁の中のヤツら全員、年寄りから子供まで特攻させるんだろうな…どうせ誇り高き死がどうとか言い出すぞ…発想が貧困でワンパターンな奴らのことだ。

    …ふざけやがって」

    猿巨人は怒りのあまり握っていた礫を粉々につぶしてしまう。

    「……あ…粉々にしちゃったか…ハハ…何やってんだ俺。何本気になってんだよ?お前は父親とは違うだろ?」

    そう言いながらもう一度礫を作り直して腕を振りかぶる。

    「何事も楽しまなくちゃ。みんなを誇り高き肉片にしてあげようぜ」

     

    兵士
    「二発目来るぞ!!撃て!!」

    兵士達は一斉に信号弾を猿巨人に撃って煙幕を作る。

    進撃の巨人81ネタバレ

    (自己犠牲の精神。自分が言ってたのがこれだ。ヒッチは今頃何を…イヤ…あいつはまだ寝てるか…あぁ…いいな)

    進撃の巨人81ネタバレ

    猿巨人の投げた礫は兵士の一団を一斉に殲滅する。

    猿巨人
    「しゃあああああああ、ゲームセットォ!!ハハ、わかるか!?投げ方を変えたんだよ。これならイチコロでしょ」

    全滅したと思われた兵士だが、煙の中からは3名の兵士が信号弾を構えながらなおも突っ込んでくる。

    兵士
    「撃てぇぇぇぇ」

    猿巨人
    「だから…そんなもん撃って何になるってんだよ…そんなに叫んで__何の意味があるってんだよ!!」

    猿巨人は目の前に迫る兵士に石を投げつけると、生き残った3名の兵士も肉片と化す。

    猿巨人
    「……あ~あ、かわいそうに…」

    進撃の巨人81ネタバレ

    信号弾の煙の中から立体機動装置のアンカーが放たれ、猿巨人の右肩に着弾する。

    進撃の巨人81ネタバレ

    煙の中から現れたリヴァイに対し、猿巨人は雄叫びを上げながら左手で振り払おうとする。
    リヴァイはアンカーを外し、左手を切りながら背後に回り込む。

    猿巨人はライナーとのやり取りを思い出す。

    『え?一人の兵士に気を付けろって?』
    『はい…リヴァイ兵長は危険です』

    進撃の巨人81ネタバレ

    (リヴァイか!!)

    リヴァイは背後からもう一度アンカーを飛ばし、今度はうなじを狙う。

    猿巨人
    (マズイ!!うなじを__)

    猿巨人はとっさに右手でうなじを押さえるが、リヴァイが狙ったのはうなじではなく猿巨人の目。

    猿巨人
    (!?何だ!?何も見えない!!目をやられたのか!?)

    リヴァイは地面に降り、猿巨人の両足首を切る。ガクンとバランスを崩す猿巨人。

    リヴァイ
    「さっきはずいぶんと楽しそうだったな。もっと楽しんでくれよ」

    猿巨人
    (足が__くッ__!!硬質化!!__ダメだ間に合わな…)

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイはそのまま猿巨人のうなじに飛びつき切り刻む。

    猿巨人
    「オオオオオオオ」

    雄叫びを上げる猿巨人をリヴァイは容赦なく切り刻むと、ついに中から本体が現れる。すかさずリヴァイは本体の口に剣を突きつける。

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイ
    「巨人化直後…体を激しく損傷し、回復に手一杯な内は巨人化できない。そうだったよな?」

    そういうとリヴァイは剣を押し込み、口から目にかけて貫通させる。

    「オイ、返事をしろよ。失礼な奴だな…」

    (こいつはまだ殺せない__誰か…生きてる奴はいねぇのか?瀕死でもいい、まだ息さえあればこの注射を使って巨人にする。そいつにこいつを食わせて「獣の巨人」の力を奪う__

    誰か…一人だけ生き返らせることが__)

    リヴァイの頭にはエルヴィンの顔が浮かぶ。

    進撃の巨人81ネタバレ

    リヴァイ
    「!?」

    背後からの巨人を間一髪かわすが、猿巨人の本体を咥え、樽を背負った巨人は逃走を始める。咥えられた猿巨人の本体を見て呆然とするリヴァイ。

    リヴァイ
    「オイ……どこに行く。止まれ。まだお前には用が…」

    猿巨人本体
    『お前ら!!あいつを殺せ!!』

    命令され、ただ立っていただけの巨人達が一斉にリヴァイの方を向いて走り出す。

    猿巨人本体
    「痛ぇ。やりやがったなリヴァイ…痛ぇよぉ…だが武器は使い果たした頃だろ……お前らはこれで全滅。かなり危なかったが我々の勝ちだ」

     

    リヴァイの眼前には巨人の群れが迫る。リヴァイは歯のこぼれた刃を捨て、新しい刃に付け替える。

    リヴァイ
    「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…俺は__誓った!!」

    巨人に向かってアンカーを射出し、リヴァイは単独で先頭を始める。そこから少し離れたところでは一人の兵士が目をさましていた。

    兵士
    「何で…俺…生きてる…のか…?誰か…オーイ…生き残った奴はいないのか…?」

     

    進撃の巨人81ネタバレ

    ジャン
    「あいつ……どうやったら死ぬんだよ…俺達にあれを…どうしろって言うんだよ…」

    アルミンはジッと超大型巨人を眺めている。他のみんなもしゃべらない。

    ジャン
    「なぁ?アルミン…もうエレンを逃がすことにすべてを懸けるしか…」

    アルミン
    「……」

    ジャン
    「聞いてんのかよアルミン…」

    アルミン
    「…やせてる」

    進撃の巨人81ネタバレ

    アルミン
    「ハンジさんの言った通りだ!!やっぱり『超大型巨人』は消耗戦に弱い!!エレンの実験を思い出して。続けて巨人化できるのは3回まで、全身を硬質化できるのは2回が限度。

    限度を越えた後は力が先細りするだけで、有効な力は何一つ発揮できなかった。15mの巨人でそれなら60mの巨人はもっと燃料効率が悪いはずだ。

    ライナーとベルトルトが正体を明かした時は熱風を出し続けて攻撃したけど…あれは骨格以外のすべての肉を消費して熱を生み出していたんだ。筋繊維を失った後はもうそこから動けないただの巨人の骸骨だ。」

    ジャン
    「…つまり。何だよ?」

    ミカサ
    「アルミン」

    アルミン
    「作戦がある」

    進撃の巨人81ネタバレ

    「僕達二人で…勝ってみせるから…」

    ミカサ
    「わかった、鎧(ライナー)は私達に任せて」

    ジャン
    「遅ぇよバカ…本当にもうダメかと思ったぞ…」

    アルミンは立体機動装置で壁の上のエレンの所へ向かう。ライナーとミカサは鎧の巨人の方へと向かう。

     

    アルミンはエレンの言葉を思い出す。
    『何でか知らねぇけど、オレは自由を取り返すためなら、力が湧いてくるんだ』

    アルミン
    「(この作戦が上手くいけば…僕は…もう…海を見には行けないな)僕はなぜか外の世界のことを考えると、勇気が湧いてくるんだ」

    アルミンは震えながら剣を構え、巨人化したエレンの喉元に突き立てる。

    アルミン
    「エレン!起きろ!」

    進撃の巨人81ネタバレ

    気絶していたエレンはうっすらと目を開ける。

     

    ■もう一度だけでいい…立て!!

    ■進撃の巨人 最新82話 ネタバレにつづく…

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    ■進撃の巨人 80話 ネタバレ 「名も無き兵士」です。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人に壁の上まで蹴り飛ばされ巨人化したまま気絶しかかっているエレン。壁の外側ではリヴァイとエルヴィンが上を見上げている。

    リヴァイ
    「オイ…あれはエレンか?…壁の上まで吹っ飛ばされたってわけか…『超大型巨人(ヤツ)』に」

     

    ■巨体が響かせる人類敗北の音。

    屋根の上から飛ばされたエレンを眺めるジャンとミカサ。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ジャン
    「ありゃさすがに突っ込みすぎた…あの巨体に無策で挑めばああなっちまう…何か一発逆転の策でも無い限り

    この奪還作戦も俺達の命も…人類の未来もおしまいだ」

    コニー、サシャ、アルミンも悲壮な顔でエレンを見ていた。

    ジャン
    「…だからって、このまま大人しく皆殺しにされてたまるか!!攻撃を仕掛けるぞ!!」

    全員立体機動を使い、超大型巨人の方に向かう。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサ・コニー・サシャ
    「了解!!」

    ジャンは超大型巨人の右肩に立体起動のアンカーを刺し、顔の高さまで飛ぶ。

    ジャン
    「オイ!!ウスノロ!!その目ん玉ぶっ潰してやる!!」

    コニー
    「この…バーカ!!」

    サシャ
    「変態大魔王!!」

    ジャン
    (…見え透いた陽動だろう。奴も背後のミカサに気付いているハズだ)

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人の首元に雷槍が突き刺さろうとする瞬間、首元から熱風が吹き出され、雷槍は吹き飛ばされる。

    吹き飛ばされた雷槍はミカサの背後で爆発。巨人に突き刺していたアンカーも外れ、飛び込まなかったアルミン以外の4人は吹き飛ばされる。

    アルミン
    「…みんな!!」

    (やっぱりダメか!?この熱風は発射した雷槍さえ跳ね返す。その上アンカーが抜かれて立体機動で近づくことさえ出来ない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサはアルミンの元に来る。

    アルミン
    「ミカサ…!!血が!?」

    ミカサ
    「雷槍の破片を少し受けた、大丈夫浅いから。それより…どう?」

    アルミン
    「…え?」

    ミカサ
    「何か…反撃の糸口は……」

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人はそのまま壁の方に向かって歩き始める。と、同時に隣の家が破壊される。

    アルミン・ミカサ・ジャン
    「!?」

    3人の顔は絶望に変わる。

    進撃の巨人80ネタバレ

     

     

    壁の外では獣の巨人が壁に向かって岩を投げ続けている。

    リヴァイ
    「獣はここらにアタリをつけたみてぇだな。ここもすぐに蜂の巣になる。エルヴィン…反撃の手数が何も残されてねぇ言うんなら、敗走の準備をするぞ…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    隣りでは兵士達がもめ始めている。

    兵士1
    「オイ!!馬が逃げたぞ!!お前らの担当だろ!?」

    兵士2
    「うるせぇ!!もう意味ねぇだろ!?」

    兵士1
    「なんだと!?」

    兵士2
    「あんなに強かった調査兵団がみんな一瞬で死んだんだぞ!?…つーか、お前もわかってんだろ。いくら馬を守ったってなぁ…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士2
    「理屈じゃわかっていたさ、人類がただ壁の中にいるだけじゃいつか突然やって来る巨人に食い滅ぼされる。

    誰かが危険を冒してでも行動しなくちゃいけない…誰かを犠牲者にさせないために自分を犠牲にできる奴が必要なんだって…

    そんな勇敢な兵士は誰だ?…そう聞かれた時、それは俺だって…思っちまったんだ…でも…まさか…そうやって死んでいくことが…こんなに何の意味も無いことだなんて、思いもしなかったんだ…

    …考えてみりゃそういう人達の方が圧倒的に多いはずなのに…何で…自分だけは違うって…思っちまったんだろう…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    リヴァイ
    「俺は獣の相手だ、奴を引きつけて」

    エルヴィン
    「無理だ、近づくことすらできない」

    リヴァイ
    「だろうな、だが…お前とエレンが生きて帰ればまだ望みはある。すでに状況はそういう段階にあると思わないか?大敗北だ。

    正直言って…俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている…」

    エルヴィン
    「あぁ、反撃の手立てが何もなければな…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    その間も獣の巨人は絶え間なく岩のつぶてを投げ続ける。

    リヴァイ
    「…なぜそれをすぐに言わない?…なぜクソみてぇな面して黙っている?」

    エルヴィン
    「…この作戦が上手く行けば…お前は獣を仕留めることができるかもしれない。ここにいる新兵と私の命を捧げればな」

    岩のつぶてはもうすぐそこの家まで飛んできている。

    エルヴィン
    「…お前の言う通りだ、どの道我々は殆ど死ぬだろう。イヤ…全滅する可能性のほうがずっと高い。それならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむ無しなのだが…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「地下室に何があるのか…知ることもなくな…」

    リヴァイ
    「…は?」

    エルヴィンは一つため息をついて、そこにあった箱の上に腰掛ける

    エルヴィン
    「俺は……このまま地下室に行きたい…俺が今までやってこれたのも…いつかこんな日が来ると思ってたからだ…いつか…『答え合わせ』ができるはずだと

    …何度も…死んだ方が楽だと思った。それでも…父との夢が頭にチラつくんだ。」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「…すぐそこにあるんだ…だが、リヴァイ。見えるか?俺達の仲間が…」

    エルヴィンの背後には死んでいった仲間達の影が浮かぶ。そしてその影はリヴァイとエルヴィンを囲み、じっと2人を見つめている。

    エルヴィン
    「仲間達は俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ、まだ戦いは終わってないからな」

    岩は壁に当たるところまで飛んできており、兵士達は走って逃げ惑う。

    エルヴィン
    「すべては俺の頭の中…子供じみた妄想にすぎない…のか?」

    リヴァイ
    「お前はよく戦った。おかげで俺達はここまで辿り着くことができた…俺は選ぶぞ」

    進撃の巨人80ネタバレ

    うつむいていたエルヴィンは顔を上げ、少しだけ微笑む。

     

    獣の巨人は次のつぶての準備をしている。

    獣の巨人
    「お!!」

    壁の方からは「おおおおおおおおおお」と叫び声が聞こえる。

    エルヴィン
    「突撃!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    獣の巨人
    「まぁこのまま終わるとは思ってなかったけど…特攻か…もうちょっと何かあると思ってたんだけどな」

    エルヴィン
    「今だ、撃て!!」

    合図を聞き、兵士達は離れたところから獣の巨人に向かって信号弾を一斉に打つ。

    獣の巨人
    「煙…?あぁ、信号を送るってやつか…」

    エルヴィン
    「来るぞ!!動け!!」

    兵士達は一斉にバラけ始める。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「総員による騎馬突撃を目標『獣の巨人』に仕掛ける!!当然!!目標にとっては格好の的だ!!我々は目標の投石のタイミングを見て、一斉に信煙弾を放ち!!

    投石の命中率を少しでも下げる!!我々が囮になる間にリヴァイ兵長が『獣の巨人』を討ち取る!!

    以上が作戦だ!!」

    リヴァイ
    「…何!?俺だけ立体機動で獣に接近しろと!?獣の周りは更地だぞ!?利用できるような木も家もねぇ!!」

    リヴァイ
    「いいや…丁度いい高さの立体物が」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「巨人を伝って忍び寄り、『獣の巨人』を奇襲しろ」

    リヴァイは並び立つ巨人の首元を切り取りながら立体機動で空中を移動する。
    隣りには信煙弾を打ちながらまっすぐに獣の巨人に向かっていく兵士達。

    リヴァイ
    (すまない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士
    「……俺達は、今から…死ぬんですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「…どうせ死ぬなら最後に戦って死ねということですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「いや…どうせ死ぬなら…どうやって死のうと命令に背いて死のうと…意味なんかないですよね?」

    エルヴィン
    「まったくその通りだ」

    兵士
    「…!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「岩で体を打ち砕かれても同じだ、人はいずれ死ぬ。ならば人生には意味がないのか?そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?

    死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も無意味だったのか?

    いや違う!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!あの勇敢な死者を!!哀れな死者を!!想うことができるのは!!生者である我々だ!!

    我々はここで死に、次の生者に意味を託す!!それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「兵士よ!!戦え!!」

     

    ■勝つために彼らは死ぬ!!


     

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    ■それは人類初勝利の裏側で起きていた悲劇……。

    《回想シーン》

    ベルトルト・フーバー(以下ベルトルト)「あれで穴を塞ぐなんて…無茶な作戦だエレンが食われるかもしれない。もしそうなればまだ何もわからないままだ」

    ライナー・ブラウン(以下ライナー)「あぁ…いざとなったら俺の巨人で何とかするしか無さそうだ」

    ベルトルト「でも…作戦が成功したらせっかく空けた穴が塞がれてしまう」

    ライナー「構わねぇさ…俺達がこの5年間ずっと探してた手掛りをようやく見つけることができた」

    マルコ・ボット(以下マルコ)「オイ…二人共…一体の…何の話をしているんだ?」

    ライナーとベルトルトは瞳孔を開いてマルコの一声に驚愕した。聞かせてはならない人間に話を聞かれてしまったからだ。二人は恐る恐る背後から声のする方に振り向く。

    マルコ「“俺の巨人”って何だよライナー?“せっかく空けた穴”って言ったのか?ベルトルト?」

    言葉を失うベルトルト。現実を受け入れたくないと言った表情のライナー。

    ライナー「…マルコ」

    しばらくの沈黙が続く。言葉を選んで離さなければ会話を続けられる状態ではなかった。

    ライナー「今の話は…冗談だ……」

    とっさに出た言葉であったとしても言い訳苦しいにも程がある内容だった。だが、そんなライナーの言葉に耳を傾けるマルコ。

    マルコ「…き、気は確かか!?君らしくないな!?こんな状況じゃバカ言いたくなる気持ちもわからなくないけど!!」

    嘘か本当か。普段のライナーからは想像もつかない回答に驚きながらも、現状が戦場であるのに何をそんな悠長なことを言っているのだと言わんばかりの動揺を見せた。

    マルコ「でも!!今は…ほら!?作戦に集中しろよ!?一体でも巨人を惹きつけて精鋭班の負担を減らすんだ」

    立体機動装置を作動させて屋根の上から隣の建物に飛行する。

    マルコ「見ろ!!巨人が迫ってる!!行くぞ!!」

    マルコは二人から離れた。心臓が大きく一度鼓動する。危険を察知したかのように…。

    マルコ『エレンは…巨人に変身した人間は…巨人になれる。突然現れて突然消える超大型巨人の正体もおそらく人間…ってことになる。つまりどこかに人の姿をした敵の巨人がいるってことで…それは―…』

    心臓が1つ2つと大きく鼓動する。感づいてはいけないことに気がついてしまった時のような焦りがマルコを襲う。とりあえずこの場から離れなければ。そんな時だった…。

     

    背後から鈍い音がした。振り向けばライナーがマルコを押さえつけて飛びかかってきたのだ。

    ベルトルト「ライナー!?」

    ライダーはマルコを上から覆いかぶせるようにして近くの建物の屋根に押さえつけた。

    マルコ「ラ…ライナー何…を!?」

    マルコの両腕を後ろで縛り上げるライナー。

    マルコ「ライナー…冗談なんだろ?」

    ベルトルト「………いいやマルコ…お前は察しが良いから…ダメなんだよ」

    血相を変えたライナーが言い放つ。身の危険を感じたマルコは叫んだ。

    マルコ「ひっ……誰かぁあああああ」

    ダンっと目の前に一人の人物が降り立つ。アニだ。アニはマルコが捕まってる状態を見て血相を変えていた。どうしてこんな状況になってるのか把握しきれていない様子で。

    マルコ「アニ!!助けてくれ!!」

    アニ・レオンハート(以下アニ)「どう…いうこと?」

    マルコ「ライナーがおかしいんだ助けてくれ!!」

    ライナー「俺達の会話を聞かれた。もう生かしておけない」

    アニ「ふざけるな!!クソ野郎!!」

    マルコ「…………!?」

    背後から足音が迫る。

    ベルトルト「ライナー!!巨人だ!!こっちに来る!!」

    ライナー「アニ!!マルコの立体機動装置を外せ!!」

    マルコ「……!?……はっ!?」

    マルコはライナーによって壁にたたきつけられ、放たれた言葉にマルコもアニも唖然とした。この戦場において立体起動装置を外すということは死に値するも同然。

    ライナー「早くやれ!!」

    アニ「何…で私が?あんたらの不始末だベルトルトやりな!!」

    ライナー「いいやお前がやれ!!」

    アニ「だから何で!?」

    ライナー「お前さっきコニーを命張って助けてたよな!?なぜあそこでそんな危険を冒した!?この悪の民族に情が移っちまったからか!?違うってんなら今ここで証明してみせろよ!!」

    ライナー「お前と!!お前の帰りを待つ親父が!!汚れた民族と違うって言うんなら!!今すぐ証明しろ!!」

    ベルトルト「ライナーもうすぐそこまで来てるぞ!!」

    ズシン…ズシン…っと鈍い巨大な足音が近づいてくる。

    マルコ「何…が??」

    ライナー「アニ!!」

    ベルトルト「ライナーもう――」

    近くまで中型の巨人が迫ってきていた。アニは決意したかの用に無我夢中でマルコの立体機動装置を取り外す。

    マルコ「うわぁあ……やめろおおおおおおおおおおおおおお」

    4

    マルコ「アニ!?やめてくれよ!?何で!?何で!?何で!??何でだよ!??アニ!?」

    状況を飲めないマルコ。ただひたすら悲願し目には大粒の涙を浮かべる。だが、ライナーはそんなマルコを無視してアニの行動を認めた。

    ライナー「それでこそ戦士だ。アニ…よくやった」

     

    マルコは勘付いてしまった。今の状況は作られたものだと。

    アニ「ライナー…どうする?」

    ライナー「まだだ…やるなら集まってからだ」

    2

    少し前にどのように巨人を狩るか図ったが、それはあくまで兵団として狩るのではなくこの状況を作るためだったと。

    マルコ『そうか…あの時は――巨人が集まるのを待っていたのか……』

    マルコの立体機動装置をアニは外へと投げつけた。そしてライナー、ベルトルト、アニの三人はマルコを置いてその場を離れた。

    マルコ「う…待ってくれ……何だよ…何で……そんなに…急ぐんだよ」

    ベルトルトは一瞬マルコの方を振り返った。そこにはこの状況に絶望し涙を流しながら現実を受け入れられない表情のマルコが寝そべっていた。

    マルコ「まだ…ちゃんと…話し合ってないじゃないかぁああああああ」

    マルコの背後には既に巨人が迫っていた。もう遅い。悲痛な叫びを上げながら巨人に掴まれたマルコ。ゆっくりと巨人の口の中へと流されていく。巨人はマルコの上半身にかぶりつき、肉も骨ももろとも砕ききった。

    その一連の流れを見守る三人。現実を受け入れたくないといった表情を浮かべる。アニは見ていられなかった。涙を流しながら下を向く。マルコは巨人に喰われたのだ。

    ライナー「オイ……何で…マルコが喰われてる…………」

    三人は沈黙した。

     

     

    ==========

    《ウォールの上にて》

    ライナーとベルトルトは共にジーク戦士長の元でキャンプ用のホットドリンクを口にする。

    ジーク戦士長「だからぁ……アニちゃんならきっと大丈夫だよ。拷問なんか受けちゃいないって。大体考えにくい話じゃない?俺達の能力があれば傷一つで大概のことは何とかできるんだから。ましてや要領のいいアニちゃんのことだ。どこかで身を隠してキックの練習とかしてんだよどーせ」

    ライナー「しかし…正体がバレていることは確かなんです」

    ベルトルト「…いくらアニでも……」

    ジーク戦士長「へぇーまだ決意が固まってないってこと?」

    ジーク戦士長「そーですか。じゃあこの間の決定したことは一体何だったのでしょうか?」

    3

    核心をつかれて焦る二人。

    ジーク戦士長「もう一度やってもいいんだぞライナー?ただし次お前が負けたらその「鎧」は他の戦士に譲ってもらう」

    ライナー「い…いえ。そんなつもりは……」

    ひときわ大きく心臓が鼓動する。ドクンドクンと脈を打つ。

    ジーク戦士長「じゃあしっかりしようよ。目標は一つだろ?ここで座標を奪還しこの呪わた歴史に終止符を打つ……もう終わらせよう」

    二人は沈黙した。

    ジーク戦士長「終わりにしたいんだよ俺達で」

    ベルトルトは少し間を置いて語りだした。

    ベルトルト「わかりました。アニのことは一旦頭から離します。こんな地獄はもう僕達だけで十分だ」

    ジーク戦士長はベルトルトを眼鏡越しから見つめた。

    ベルトルト「もう……終わらせよう」

    ライナー「ベルトルト」

     

    そんな三人のやりとりの横から拙い声が遮った。

    謎の四つん這い巨人「ジーク戦士長。敵兵力多数接近。麓まで来ています」

    ウォールから下を見下ろせば四つん這いの巨人が三人に警告を知らせに来ていた。

    ジーク戦士長「勇敢なる戦士達よ。ここで決着をつけ我々の使命を果たそうじゃないか」

    三人は近いの祝杯を上げた。それぞれの目標を胸に。風が吹き荒れる。

     

    祝杯を終え、ライナーはキャンプセットをウォールから外壁に蹴り落とした。

    ライナー「行くぞ!」

    ベルトルト「あぁ」

    ベルトルトとライナーはウォール上をかけながら話し合った。

    ライナー「ベルトルト」

    ベルトルト「ん?」

    ライナー「散々言ってきたことだが……俺とはこれから離れた位置につくわけだ。少しは自分で考えて行動しろよ」

    ベルトルト「あ…あぁ」

    ライナー「俺の指示ばっか仰ぐんじゃなくてな」

    ベルトルト「あぁ…わかってるよ」

    ライナー「本当は誰よりも高い能力を持ってるはずなのに肝心な所で人任せだ。正直今まで頼りにならなかったぜ」

    ベルトルト「……わかってるよ」

    ライナー「終わらせるんだろ?ここで」

    ライナーはベルトルトの意思を確認するかのように駆けながら後ろを振り返る。

    ベルトルト「そうさ…ここで勝って終わらせてやる」

    ベルトルトの決意の表情を確認したライナーは少し微笑んだ。

    ライナー「その調子で愛しのアニの元まで踏ん張ろうぜ」

    ベルトルト「だッ……だからそんなんじゃ……」

    ライナー「アニだって絶対絶命の窮地に駆けつける野郎が現れれば王子様だと誤認するはずだ。たとえお前でもな。そしてクリスタだ……あぁ。ユミルとの約束だ。絶対に救い出してやるぞ」

    誓いを胸に胸部を拳で叩く。

    ベルトルト「あぁ…絶対に」

     

    ライナー「じゃあな頼んだぞ相棒」

    ベルトルト「任せろ」

    二人はそれぞれ背中合わせになり、お互いに近いの拳をふりあげ気合を入れた。そしてウォールを挟む形でそれぞれは目的を果たすために地に降り立った。

     

     

    ==========

    《樽の中》

    ベルトルト『ライナーが巨人化してしばらく経った……奇襲が上手くいかなかったことはわかる。だったら合図はまだかライナー!?そっちはまだ…無事なのか!?』

    ウォール外の樽の中でひっそりと作戦の合図を待つベルトルト。

     

     

    ==========

    《ウォール内部》

    ベルトルトの予想は的中。巨人化したライナーは兵団達に寄って首を取られていた。

    調査兵団「やったぞ!!頭を吹っ飛ばした!!「鎧の巨人」を仕留めたぞ!!」

    ジャン・キルシュタイン(以下ジャン)「ハハハ……やったな……今まで散々手こずらせやがってざまぁねぇな悪党め」

    やっと鎧の巨人との終止符を打ったことによる喜びからジャンが叫ぶ。だが傍らで喜びを見せないどころかひたすら泣きじゃくる二人がいた。

    サシャ・ブラウス(以下サシャ)「うぅ…っ……」

    コニー・スプリンガー(以下コニー)「……う……っ」

    二人の泣き顔につられて卑屈な顔になるジャン。現実を受け入れたくないといった表情を浮かべる。

    ジャン「何泣いてんだてめぇら!?オラ!!立て!!まだ終わっちゃいねぇぞ!!まだライナーを殺しただけだ!!」

    コニー「うぅ……」

    ジャン「泣くな!!俺達が殺したんだぞ!?」

    そんなやり取りを周りは呆然と見ていた。巨人化したエレンも鎧の巨人に対峙する形で地べたに座り込みながら、現実を呆然と見つめた。

    ハンジ・ゾエ(以下ハンジ)「まだだぞ!!装備を整えて次に備えろ!!」

    ミカサはそんな状況を見ながらも横で血相を変えるアルミンに近寄る。

    ミカサ・アッカーマン(以下ミカサ)「アルミン」

    アルミン・アルレルト(以下アルミン)「…交渉…出来る余地なんて無かった……」

    ミカサ「えっ?」

    アルミン「何せ僕たちは圧倒的に情報が不足してる側だし、巨人化できる人間を捕まえて拘束出来るような力も無い……力が無ければこうするしか…ないじゃないか……。これは…仕方なかったんだ…」

    ミカサはアルミンの言葉に言い返すことも掛ける言葉もなく黙りこんだ。そして目の前で消沈してるはずの鎧の巨人が少し動いたのに気づく。

    ミカサ「あっ…動いた」

    アルミン「…えっ?」

    鎧の巨人「オォオオオオオォォォオオオオオオオオオオオオオォオオオオオ」

    突然雄叫びを上げて崩れ落ちる鎧の巨人。全員突然の出来事に唖然とした。

    兵団「オイ…まだ雷槍が食い足りねぇってのかよ!?粉微塵にしてやれ!!」

    アルミン『クソ!!これも「巨人の力」か!!』

    脳裏に以前起こったお事を浮かべるアルミン。

     

     

    ==========

    《ウォール外》

    リヴァイ・アッカーマン(以下リヴァイ)「これは……鎧の叫びか!?」

    鎧の巨人の雄叫びを外から聞いていたリヴァイ。そしてその声はベルトルトの元にも届いていた。

    ベルトルト「来た!!合図だ!!」

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    四つん這いの巨人の上に置かれた樽の中に息を潜めるベルトルト。その樽を持ち上げるは猿の巨人。そしてそれはウォール内部目掛けて豪速球で投げつけられた。

     

    上空を猛スピードで飛び去る樽。それを目の当たりにして血相を変えるリヴァイ。

    リヴァイ「なっ!?―――」

     

     

    ==========

    《ウォール内部》

    ハンジ「雷槍を撃ち込め!!こうなったら体ごと全部吹き飛ばすぞ!!」

    雄叫びを上げた鎧の巨人の息の根を止めようと動くハンジと兵団たち。だが違和感を覚えたアルミンは雄叫びの合図に勘付いていた。

    アルミン『さっきの叫び……まさかベルトルトを』

    上空を見上げるアルミン。そして樽の存在を捉える。

    アルミン「ダメです!!ライナーから離れて下さい!!」

    ハンジ「えっ!?」

    アルミン「上です!!上から超大型巨人が降ってきます!!ここは丸ごと吹き飛びます!!」

    重空を指差すアルミン。だがもう近くまで樽は飛んできていた。

     

    ベルトルト『どこだライナー!?今行く!!』

     

    ■負けられぬ理由がここにもある!!

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    空を見つめているエルヴィン
    エルヴィン
    「…クッ…やられた」

    エルヴィンの視界を飛んでいくのは猿の巨大が投げた巨大な樽
    樽の中にはベルトルトが入っていた

     

    【エレン達サイド】

    鎧の巨人の所にいるエレン達

    ハンジ
    「クソッ!!全員【鎧の巨人】から離れろ!!」
    【超大型巨人】が!!ここに落ちてくるぞ!!」

    その場から離れる一同

    進撃の巨人 ネタバレ 78

     

    アルミン
    (まずい!!この距離じゃもう…!!)

     

    【ベルトルトサイド】

    ベルトルトが樽の穴から外を見る

    ベルトルト
    (地面の距離…今だ!!まずはここいらを吹き飛ばす!!)

    だがその時、ベルトルトが樽の穴からうなだれている鎧の巨人と、うなじからむき出しのライナーを見る

    ベルトルト
    (ライナー!?)

    ベルトルトが樽の蓋を開けて空中に飛び出していく

    ベルトルト
    「ライナアアア!!!」

    その声に振り返るエレン達

    ベルトルトがアンカーを建物の屋根に刺し、立体機動でライナーの元へ駆けつける

    ベルトルト
    「ライナー!!」

    ベルトルトがライナーの頭部が無いのを見て絶句する

    進撃の巨人 ネタバレ 78

     

     

     

    ベルトルト
    「…ライナー?」

    ベルトルトがライナーの心臓部に手を当てるするとライナーの心臓が鼓動しているのに気付く

    ベルトルト
    「生きてる…これは…全身の神経網に意識を移す事に成功したのか?
    …そうだ、神経網を通じて巨人の脳を利用すれば記憶を失わずにすむ
    でも、これは…最終手段だまさか本当にやるなんて…君がここまで追い詰められるなんてな…ライナー…一つ…頼みがある」
    もしできるなら少しだけ体を動かしてくれ,できなかったら…すまない覚悟を決めてくれ、終わらせてくる」

    巨人エレン、アルミン達の方にベルトルトが目をやる

     

    ベルトルトの方を見ているエレン達

     

     

    ハンジ
    「ひとまずは助かった…ベルトルトがライナーの状態に気付いて攻撃を中断したんだ
    ふー…好都合だと言っていいだろう」

    だがその時、ベルトルトが立体機動でエレン達の方へ近づいてくる

    モブ兵団
    「!!目標前方より接近!!ベルトルトです!!

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    ハンジ
    「作戦以下の通り!!
    リヴァイ班はアルミン指揮の下エレンを守れ!!
    その他の者は全員で目標二体を仕留める!!鎧に止めを刺せ!!
    【超大型巨人】は作戦通り!!力を使わせて消耗させろ!!」

    ハンジ、モブ兵団が立体機動でベルトルトに近づいていく
    だがその時、アルミンが立体機動でハンジの前に飛び出していく

    アルミン
    「待ってください!!」

    ハンジ
    「!?アルミン何を!?」

    アルミン
    「これが最後の交渉
    チャンスなんです!!」

    ハンジ
    「…!」

    アルミンが屋根の上に降りる

    アルミン
    「ベルトルト!!そこで止まれ!!」

     

    それを聞いたベルトルトが少し離れた屋根の上に降りる

    エレン
    (アルミン…そりゃ一体…何のマネだ?)

    アルミンが息を吸い大きな声を出す

    アルミン
    「ベルトルト!!話をしよう!!」

    ベルトルト
    「話をしたら!!全員死んでくれるか!?」

    その言葉を聞いて青ざめるアルミン

    ベルトルト
    「僕達の要求は わずか二つ!!エレンの引き渡しと!!壁中人類の死滅!!
    これが嘘偽りの無い現実だアルミン!!もうすべて決まったことだ!!」

    アルミン
    「だ、誰が!!そんなことを決めた!?」

    ベルトルト
    「…僕だ」

    アルミン
    「…!?何だって!?」

    ベルトルト
    「僕が決めた!!君達の人生はここで終わりだ!!」

    アルミン
    「それは残念だよ!!僕はもう!!」
    アニの悲鳴は聞きたくなかっていうのに!!」

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    ベルトルト
    「!?」

    アルミン
    「アニを残虐非道な憲兵から解放させてあげられるのはもう君しかいなかったんだよ!?
    このままじゃアニは家畜のエサに…」

    ベルトルト
    「すればいい!!」

    アルミンの言葉を途中で遮り、立体機動でアルミンの所まで移動し始めるベルトルト

    アルミン
    「!!」

     

    ミカサ
    「アルミン!!」

    動いたベルトルトを見てミカサがアルミンの元へ向かう

     

    跳躍しているベルトルトが言う

    ベルトルト
    「ブタのエサにでもすればいい!!本当に捕まえているのなら!!」

    アルミン
    「クッ…」

    危険を察知したアルミンがその場から離れようとする
    だがベルトルトが先回りし着地するザザッと立ち止まるアルミン

    アルミン
    「ッ!!」

    ベルトルト
    「どこへ行くアルミン?話をするんだろ?」

    ブレードを構えるベルトルト,アルミンもブレードを構える

    進撃の巨人 ネタバレ 78

     

    ベルトルト
    「アニの話を出せばまた僕が取り乱すと思ったか?
    大人しくて気の弱いベルトルトなら言いくるめて隙をつけると思ったのか?」

     

    巨人エレンが向かおうとするがエレンの肩に乗っているジャンが言う

    ジャン
    「下がれエレン、分かってんだろ?お前と超大型じゃ分が悪いって…お前の出る幕じゃねぇぞ」

    エレン
    (クソ…アルミン…何で!?)

     

    アルミンに言うベルトルト

    ベルトルト
    「その実、本命はどちらでもないただの時間稼ぎだ
    僕の周りを兵士で囲い別の兵士にライナーを殺しに行かせるための、無駄話」

    アルミンが手に持つブレードが震えている

    ベルトルト
    「僕にはわかるそうやって震えているうちは何もできやしないって」

    アルミン
    「…そこまで見えていて何で話に乗ったの?」

    ベルトルト
    「…確認したかった」

    ベルトルトがマルコの言葉を思い返す

    マルコ
    【話をしていないじゃないか!!】

    また第49話のエレンを背負いながら、鎧の巨人の中で泣き叫ぶ自身を思い返す

    ベルトルト
    「君たちを前にした途端にまた泣き言を繰り出し
    許しを請うんじゃないかってね,でも…もう大丈夫みたいだ、うん
    君達は大切な仲間だしちゃんと殺そうと思ってる」

    アルミン
    「それは…僕達が…【悪魔の末裔】だから?」

    ベルトルト
    「いいや、君達は誰も悪くないし悪魔なんかじゃないよ
    でも全員死ななきゃいけないもうダメなんだ」

    強い目で言うベルトルト

    次の瞬間、ミカサが背後からベルトルトに斬りかかってくる

     

     

    だがそれに気付いていたベルトルト、ブレードでミカサの攻撃をガードする
    しかしミカサは力ずくでブレードを振ってくる
    ベルトルトのブレードが逸らされミカサのブレードが首に向かってくる

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    ベルトルト
    「!!」

    なんとか頭を逸らすベルトルトだが右耳を切り落とされる

     

    次の瞬間、ベルトルトが右足をミカサの左頭部に放ってくる

    ミカサ
    「!!」

    ミカサが左腕でガードするだが耐え切れず吹っ飛ばされる

    アルミン
    「ミカサ!!」

    ベルトルトがアルミンに向かう

    アルミン
    「ッ!! ウッ!!」

    その時、ミカサがブレードの刃をベルトルトの方に投げる
    ベルトルトがブレードでそれを弾いて回避する
    すぐさまミカサが体勢を立て直しベルトルトの方に向かってくる

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    ベルトルト
    「!!」

    それを見たベルトルトが屋根の上から飛び降り逃げていく

    アルミン
    「あ…!!」

    追おうとするアルミンをミカサが静止させる

    ミカサ
    「追わないでアルミン!!」

    立体機動で逃げていくベルトルト

    ミカサ
    「ライナーを助けに行った彼がいつ巨人になるかわからない
    距離を取らないとまたあの爆風に巻き込まれる」

    アルミン
    「それがベルトルトは…あの爆風を起こす気は無いらしい
    瀕死のライナーが剥き出しのままじゃ自分で止めを刺す事になるから…
    今ならライナーを人質にして白刃戦に挑める」

    ベルトルトに蹴られた腕がビリビリと痺れるミカサ

    ミカサ
    「…そのハズなんだけど…彼には…何か考えがあるように見えた…
    というか…あれが本当にベルトルトなの?私には まるで別人に見えた」

    アルミン
    「…僕もだ」

     

    【鎧の巨人サイド】

    鎧の巨人に止めを刺そうとハンジ班が近づいていく

    ハンジ班
    「急げ!!鎧は虫の息だ!!早く止めを…!?」

    ハンジ班が鎧の巨人に到着し驚く鎧の巨人の体勢が仰向けに変わっていた

    ハンジ班
    「なっ…!?仰向けになってる…!?これじゃ止めが…」

    鎧の巨人のうなじが地面に接している為、ライナーにトドメを刺せない兵団達
    さらに鎧の巨人のうなじの部分ではライナーの頭部が再生中だった

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    【ベルトルトサイド】

    立体機動で移動しているベルトルト

    ベルトルト
    (すごく変な気分だ…恐怖もあまり感じていないし
    周りがよく…見える…
    きっと…どんな結果になっても受け入れられる気がする
    そうだ…誰も悪くない…全部仕方なかった
    だって世界はこんなにも残酷じゃないか)

     

    大きく上空へと跳躍するベルトルト

    その下の方をハンジとモブリットが立体機動で移動している

    ハンジ
    「飛び上がったぞ…まさか!?」

    モブリット
    「しかしライナーはすぐ近くですよ!?」

    ハンジ
    「ッ!!一旦離れろ!!」

    その時、ベルトルトの方から眩しい光が辺りを照らしていく

    モブリット
    「ハンジさ―!!」

    ハンジ
    「!!」

    次の瞬間、巨大なキノコ雲が上がり周囲の建物が崩壊してしまう

    進撃の巨人 ネタバレ 78

    更に爆発の爆風がエレン達に迫る

    ジャン&コニー&サシャ
    「うわあああああ!!」

    巨人化エレンが左腕で3人を爆風から守る
    ミカサ、アルミンが建物の影に避難する
    リヴァイ、エルヴィンがその光景を見ている
    ハンジ、モブリットの生死は不明

     

    爆風が収まり辺りを見回すエレン達

    ジャン
    「お前ら生きてるか!?」

    コニー
    「わかんねぇよ!!お前は!?

    サシャ
    「ま…まだ何とか…ゲホゲホ」

    アルミン、ミカサが立体機動でエレン達の所にやってくる

    ジャン
    「ミカサ!!アルミン!!無事か、お前ら!?」

    ミカサ
    「大丈夫」

    ジャン
    「ハンジ班は!?」

    ミカサ
    「…」

    アルミン
    「ベルトルトの近くにいた…」

    ジャン
    「…まさか…生き残ったのは…俺達だけか…?」

    キノコ雲が出来た方向を見る一同するとそこには超大型巨人の姿

    進撃の巨人ネタバレ78-12
    【この戦い、仲間の死を振り返ってはいられない】

     

    【進撃の巨人】ネタバレ 第79話へ続く…

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    ■進撃の巨人 80話 ネタバレ 「名も無き兵士」です。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人に壁の上まで蹴り飛ばされ巨人化したまま気絶しかかっているエレン。壁の外側ではリヴァイとエルヴィンが上を見上げている。

    リヴァイ
    「オイ…あれはエレンか?…壁の上まで吹っ飛ばされたってわけか…『超大型巨人(ヤツ)』に」

     

    ■巨体が響かせる人類敗北の音。

    屋根の上から飛ばされたエレンを眺めるジャンとミカサ。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ジャン
    「ありゃさすがに突っ込みすぎた…あの巨体に無策で挑めばああなっちまう…何か一発逆転の策でも無い限り

    この奪還作戦も俺達の命も…人類の未来もおしまいだ」

    コニー、サシャ、アルミンも悲壮な顔でエレンを見ていた。

    ジャン
    「…だからって、このまま大人しく皆殺しにされてたまるか!!攻撃を仕掛けるぞ!!」

    全員立体機動を使い、超大型巨人の方に向かう。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサ・コニー・サシャ
    「了解!!」

    ジャンは超大型巨人の右肩に立体起動のアンカーを刺し、顔の高さまで飛ぶ。

    ジャン
    「オイ!!ウスノロ!!その目ん玉ぶっ潰してやる!!」

    コニー
    「この…バーカ!!」

    サシャ
    「変態大魔王!!」

    ジャン
    (…見え透いた陽動だろう。奴も背後のミカサに気付いているハズだ)

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人の首元に雷槍が突き刺さろうとする瞬間、首元から熱風が吹き出され、雷槍は吹き飛ばされる。

    吹き飛ばされた雷槍はミカサの背後で爆発。巨人に突き刺していたアンカーも外れ、飛び込まなかったアルミン以外の4人は吹き飛ばされる。

    アルミン
    「…みんな!!」

    (やっぱりダメか!?この熱風は発射した雷槍さえ跳ね返す。その上アンカーが抜かれて立体機動で近づくことさえ出来ない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサはアルミンの元に来る。

    アルミン
    「ミカサ…!!血が!?」

    ミカサ
    「雷槍の破片を少し受けた、大丈夫浅いから。それより…どう?」

    アルミン
    「…え?」

    ミカサ
    「何か…反撃の糸口は……」

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人はそのまま壁の方に向かって歩き始める。と、同時に隣の家が破壊される。

    アルミン・ミカサ・ジャン
    「!?」

    3人の顔は絶望に変わる。

    進撃の巨人80ネタバレ

     

     

    壁の外では獣の巨人が壁に向かって岩を投げ続けている。

    リヴァイ
    「獣はここらにアタリをつけたみてぇだな。ここもすぐに蜂の巣になる。エルヴィン…反撃の手数が何も残されてねぇ言うんなら、敗走の準備をするぞ…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    隣りでは兵士達がもめ始めている。

    兵士1
    「オイ!!馬が逃げたぞ!!お前らの担当だろ!?」

    兵士2
    「うるせぇ!!もう意味ねぇだろ!?」

    兵士1
    「なんだと!?」

    兵士2
    「あんなに強かった調査兵団がみんな一瞬で死んだんだぞ!?…つーか、お前もわかってんだろ。いくら馬を守ったってなぁ…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士2
    「理屈じゃわかっていたさ、人類がただ壁の中にいるだけじゃいつか突然やって来る巨人に食い滅ぼされる。

    誰かが危険を冒してでも行動しなくちゃいけない…誰かを犠牲者にさせないために自分を犠牲にできる奴が必要なんだって…

    そんな勇敢な兵士は誰だ?…そう聞かれた時、それは俺だって…思っちまったんだ…でも…まさか…そうやって死んでいくことが…こんなに何の意味も無いことだなんて、思いもしなかったんだ…

    …考えてみりゃそういう人達の方が圧倒的に多いはずなのに…何で…自分だけは違うって…思っちまったんだろう…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    リヴァイ
    「俺は獣の相手だ、奴を引きつけて」

    エルヴィン
    「無理だ、近づくことすらできない」

    リヴァイ
    「だろうな、だが…お前とエレンが生きて帰ればまだ望みはある。すでに状況はそういう段階にあると思わないか?大敗北だ。

    正直言って…俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている…」

    エルヴィン
    「あぁ、反撃の手立てが何もなければな…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    その間も獣の巨人は絶え間なく岩のつぶてを投げ続ける。

    リヴァイ
    「…なぜそれをすぐに言わない?…なぜクソみてぇな面して黙っている?」

    エルヴィン
    「…この作戦が上手く行けば…お前は獣を仕留めることができるかもしれない。ここにいる新兵と私の命を捧げればな」

    岩のつぶてはもうすぐそこの家まで飛んできている。

    エルヴィン
    「…お前の言う通りだ、どの道我々は殆ど死ぬだろう。イヤ…全滅する可能性のほうがずっと高い。それならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむ無しなのだが…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「地下室に何があるのか…知ることもなくな…」

    リヴァイ
    「…は?」

    エルヴィンは一つため息をついて、そこにあった箱の上に腰掛ける

    エルヴィン
    「俺は……このまま地下室に行きたい…俺が今までやってこれたのも…いつかこんな日が来ると思ってたからだ…いつか…『答え合わせ』ができるはずだと

    …何度も…死んだ方が楽だと思った。それでも…父との夢が頭にチラつくんだ。」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「…すぐそこにあるんだ…だが、リヴァイ。見えるか?俺達の仲間が…」

    エルヴィンの背後には死んでいった仲間達の影が浮かぶ。そしてその影はリヴァイとエルヴィンを囲み、じっと2人を見つめている。

    エルヴィン
    「仲間達は俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ、まだ戦いは終わってないからな」

    岩は壁に当たるところまで飛んできており、兵士達は走って逃げ惑う。

    エルヴィン
    「すべては俺の頭の中…子供じみた妄想にすぎない…のか?」

    リヴァイ
    「お前はよく戦った。おかげで俺達はここまで辿り着くことができた…俺は選ぶぞ」

    進撃の巨人80ネタバレ

    うつむいていたエルヴィンは顔を上げ、少しだけ微笑む。

     

    獣の巨人は次のつぶての準備をしている。

    獣の巨人
    「お!!」

    壁の方からは「おおおおおおおおおお」と叫び声が聞こえる。

    エルヴィン
    「突撃!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    獣の巨人
    「まぁこのまま終わるとは思ってなかったけど…特攻か…もうちょっと何かあると思ってたんだけどな」

    エルヴィン
    「今だ、撃て!!」

    合図を聞き、兵士達は離れたところから獣の巨人に向かって信号弾を一斉に打つ。

    獣の巨人
    「煙…?あぁ、信号を送るってやつか…」

    エルヴィン
    「来るぞ!!動け!!」

    兵士達は一斉にバラけ始める。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「総員による騎馬突撃を目標『獣の巨人』に仕掛ける!!当然!!目標にとっては格好の的だ!!我々は目標の投石のタイミングを見て、一斉に信煙弾を放ち!!

    投石の命中率を少しでも下げる!!我々が囮になる間にリヴァイ兵長が『獣の巨人』を討ち取る!!

    以上が作戦だ!!」

    リヴァイ
    「…何!?俺だけ立体機動で獣に接近しろと!?獣の周りは更地だぞ!?利用できるような木も家もねぇ!!」

    リヴァイ
    「いいや…丁度いい高さの立体物が」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「巨人を伝って忍び寄り、『獣の巨人』を奇襲しろ」

    リヴァイは並び立つ巨人の首元を切り取りながら立体機動で空中を移動する。
    隣りには信煙弾を打ちながらまっすぐに獣の巨人に向かっていく兵士達。

    リヴァイ
    (すまない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士
    「……俺達は、今から…死ぬんですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「…どうせ死ぬなら最後に戦って死ねということですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「いや…どうせ死ぬなら…どうやって死のうと命令に背いて死のうと…意味なんかないですよね?」

    エルヴィン
    「まったくその通りだ」

    兵士
    「…!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「岩で体を打ち砕かれても同じだ、人はいずれ死ぬ。ならば人生には意味がないのか?そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?

    死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も無意味だったのか?

    いや違う!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!あの勇敢な死者を!!哀れな死者を!!想うことができるのは!!生者である我々だ!!

    我々はここで死に、次の生者に意味を託す!!それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「兵士よ!!戦え!!」

     

    ■勝つために彼らは死ぬ!!


     

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    ■進撃の巨人 第79話 ネタバレ 「完全試合」です。

     

    ■下手投げの豪腕ーーーー!!

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    コニー
    「お…おい。家が…降ってくるぞ。空から…家が…あぁ…もしかしたらあの中にエレンの…エレンの家ぇぇがああああ(イェーガー)アハハハハ」

    ジャン
    「サシャ、コニーを少し殴れ」

    大型巨人(ベルトルト)が撒き散らした家の破片が空から落下する様子を、エレンの肩や家の屋根に乗り眺めているミカサ達。

    ミカサ
    「私達の位置はわかってないみたい」

    アルミン
    「あぁ…火のついた瓦礫をバラ撒いて」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    エレン
    (あの野郎、今度は…オレの街に火をつけやがった)

    ジャン
    「アルミン、どうする!?このままここに燃える家が降ってくるのを待つか!?」

    アルミンは判断に困り、何も言えないでいる。

    コニー
    「なっ…なぁハンジさんは!?」

    サシャ
    「本当にみんなさっきの爆風で死んだんですか?」

    ミカサ
    「わからない。でもベルトルトが私達に救出させる猶予を与えることは無い。ともかく私達の指揮官は今、アルミンあなたにある。」

    ミカサはアルミンの肩をポンと叩く。

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    アルミン
    「こ…これより撤退…団長らと合流し指示を仰ごう。『超大型巨人』は当初の作戦通りに消耗戦で対応する。目標本体が露出するまで…巨人の力を使わせるんだ。あの巨体は壁を超えることは出来ないから…力尽きるまでシガンシナ区の檻の中に閉じ込めてやればいい」

    ジャン
    「イヤ待て、アルミン。ベルトルトを団長達のいる壁に近づけるのはマズい…」

    アルミン
    「え!?」

    ジャン
    「奴は手当たり次第に火を撒き散らしてんだぞ?それは壁の向こう側に繋いである馬の頭上だって例外じゃねぇよ」

    アルミン
    「あ…」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    ジャン
    「確かに超大型を倒すなら消耗戦が最善策なんだが…立体機動のガスが限られてるのは俺達も同じだ。やっぱ時間は俺達の味方をしねぇよ…」

    アルミン
    「そ…それじゃあ。『ベルトルト』はここで倒さなくちゃいけないの…!?今ここにいる僕達だけの力で…」

    その場にいるのは、エレン・コニー・サシャ・ミカサ・ジャン・アルミンの6人。
    話している間にもベルトルトが無作為に投げる家の破片が近くに落ち始めている。

    コニー
    「ア、アルミン、火がもう!!」

    サシャ
    「指示を!!はよせんと!!」

    アルミン
    (僕にはわかる。そうやって震えているうちは何もできやしないって)
    「ジャン…代わってくれないか…?」

    ジャン
    「…は!?」

    アルミン
    「ぼ、僕にはわからない!!…どうすればいい!?さっきだってベルトルトの読みをハズしてこのザマだ…!!ジャン…君のほうが向いてる」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    ジャン
    「あるタイミングで超大型を引き付けなきゃならねぇが、それまで見つからねぇようにしろエレン。アルミン…俺は状況は読めるがこの場を打開できるような策は何も浮かばねぇ…最終的にはお前に頼るからな…」

     

     

    壁の上から自分たちの方向にゆっくりと近づいてくる超大型巨人を見つめているエルヴィン。

    エルヴィン
    「さぁどうする?『獣の巨人』。すべては作戦通りか?」

    1人の兵士がリヴァイに近づく
    「こっちは片付いたぞ、残りの小せぇのは前方にいる奴らだけだ。しかしどうやって『獣の巨人』を仕留めればいい?奴はあそこに鎮座したまま動きそうにないぞ」

    獣の巨人は街から遥か遠くにただ座っている。

    リヴァイ
    「あぁ…どうにも臆病なんだろうな。そもそもタマが付いてねぇって話だ。」

    兵士
    「お前は休んでろ!!とりあえず小せぇのを全部片付ける!!行くぞ!!」

    数人の兵を引き連れて立体機動で前方に飛んでいく。

    リヴァイ
    (クソ…さっきの爆発…あいつらはどうなってる…樽に入ったベルトルトが投げ込まれたが、すぐには爆発しなかった。ハンジ達は上手くかわしたのか…?…とにかく俺も早くそっちに___)

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    壁の内側を気にしていたリヴァイの周囲に大小様々の大きさの岩石が激突し、建物を破壊する。
    前線にいた兵士は岩石に衝突し、町中に侵入していた巨人もろとも粉々にされている。

    獣の巨人
    「う~~ん…球1コ分高かったか…あ、そこ置いといて」

    岩石は獣の巨人が投げたものらしく、隣には樽を背負った巨人が投げるための岩石を運んできている。

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    獣の巨人は砕いた岩石を握ったまま、野球にピッチャーのように大きく振りかぶる。

    獣の巨人
    「目指すは完全試合(パーフェクトゲーム)だ」

     

     

    エルヴィン
    「前方より砲撃!!総員物陰に伏せろおおおお」

    突然の命令に兵士達は戸惑いを隠せない。

    リヴァイ
    「クソ!!お前ら___!!」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    進撃の巨人-ネタバレ-79 進撃の巨人-ネタバレ-79

    味方の巨人もろとも、投げられた岩石は家を破壊していく。逃げ遅れた兵士もこれに巻き込まれ粉々になっていく。

    リヴァイ
    「ッ…!!」

    リヴァイは家の影に隠れなんとか岩石から逃れる。
    この様子を壁の上から見ていたエルヴィンはその威力に呆然と眺めることしかできない。

    兵士
    「なっ何なんだよこの砲撃音は!?」
    「敵は大砲なんて持ってたの!?」
    「だとしたら100門はあるぞ!!
    「お前ら落ち着け!!馬が荒れるぞ!!」

    そこにリヴァイが立体機動で駆けつける

    兵士
    「リヴァイ兵長!!」

    リヴァイ
    「巨人から投石だ!!全員馬を連れて壁側に後退しろ!!」

    兵士
    「了解!!」
    「急げ!!射線の死角を移動しろ!!」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    兵士
    「うあああああ」

    リヴァイ
    「オイ立て!!死にてぇか!?」

    エルヴィンも壁の上から降りてくる。

    兵士
    「団長!!」

    リヴァイ
    「……状況は?」

    エルヴィン
    「最悪だ。奴の投石で前方の家は粗方消し飛んだ。あの投石が続けばここもすぐに更地になり我々が身を隠す場所はなくなる。」

    リヴァイ
    「壁の向こう側には逃げられそうにないのか?」

    エルヴィン
    「ああ……『超大型巨人』がこちらに迫って来ている。炎をそこら中に撒き散らしながらな…仮に兵士が壁で投石を逃れても馬は置いていくしかない。ここを退いてもその先に勝利は無いだろう」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    エルヴィン
    「獣は兵士が前方の一カ所に集まるように小型の巨人を操作していたのだろう。そこで小型の巨人を相手にしていたディルク・マレーネ・クラース班は先ほどの投石で全滅したようだ。

    つまり内門側の残存兵力は新米調査兵士と諸君達とリヴァイ兵士長、そして私だ」

    エルヴィンが話終わると同時に再度岩石が頭上を飛び交う。

    兵士
    「うあああ」
    「ひいいいいい」
    「もうダメだああああ」
    「おしまいだ…何で俺こんな所に…」

    リヴァイ
    「エルヴィン…何か…策はあるか?」

     

     

    壁の内側ではエレン達がベルトルトの歩みを止めようとしている。

    「叫べエレン!!」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    エレンの叫び声にベルトルトは横目でエレン達の方を見る。

    ジャン
    「気付いた!!」

    しかしベルトルトは向かってくることはなくそのまま壁の方に直進する。

    ジャン
    「んな!?あの野郎、無視かよ。俺達が嫌がることをわかってやがる…!!」

    コニー
    「オイどうすんだジャン…!?このままじゃ___」

    ジャン
    「わかってるよ!!エレン!!ノッポの足を止めるぞ!!」

    コニー
    「けどよ!?どうやってアイツを倒せばいいんだ!?」

    サシャ
    「蒸気の熱風で立体機動は無力化される…ですよね!?」

    ジャン
    「わかってるっての!!だから今は___」

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    ミカサ
    「私がやる、皆で注意を引いて。コニー雷槍を」

    コニー
    「オウ!」

    ジャン
    「アルミンは少し離れた所で奴を観察しろ!!もうベソかくんじゃねぇぞ!?必ず手掛かりがあると信じろ!!」

    アルミン
    「うん…!」

    ベルトルトの正面に回った6人はアレン意外バラバラに飛び散る。

    アレン
    (見下ろしてんじゃねぇよ……てめぇは___ただデケェだけだろうが!!)

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    サシャ
    「お…!?押してる!?」

    コニー
    「行けエレン!!倒しちまえ!!」

    ミカサ
    「……」

    ジャン
    (きっと何か…手はあるハズだ…!!)

    アルミン
    「あ…」

    ベルトルトは右足にしがみつくエレンをそのまま持ち上げ、そのまま足を振り上げる

    進撃の巨人-ネタバレ-79

    ミカサ
    「エ……エレン…」

    壁に激突したエレンは上を向いたまま動けずにいる

     

     

    ■情報も戦力も作戦も何もかもが、足りない…

     

    ■進撃の巨人 第80話 ネタバレにつづく

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    ■進撃の巨人 80話 ネタバレ 「名も無き兵士」です。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人に壁の上まで蹴り飛ばされ巨人化したまま気絶しかかっているエレン。壁の外側ではリヴァイとエルヴィンが上を見上げている。

    リヴァイ
    「オイ…あれはエレンか?…壁の上まで吹っ飛ばされたってわけか…『超大型巨人(ヤツ)』に」

     

    ■巨体が響かせる人類敗北の音。

    屋根の上から飛ばされたエレンを眺めるジャンとミカサ。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ジャン
    「ありゃさすがに突っ込みすぎた…あの巨体に無策で挑めばああなっちまう…何か一発逆転の策でも無い限り

    この奪還作戦も俺達の命も…人類の未来もおしまいだ」

    コニー、サシャ、アルミンも悲壮な顔でエレンを見ていた。

    ジャン
    「…だからって、このまま大人しく皆殺しにされてたまるか!!攻撃を仕掛けるぞ!!」

    全員立体機動を使い、超大型巨人の方に向かう。

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサ・コニー・サシャ
    「了解!!」

    ジャンは超大型巨人の右肩に立体起動のアンカーを刺し、顔の高さまで飛ぶ。

    ジャン
    「オイ!!ウスノロ!!その目ん玉ぶっ潰してやる!!」

    コニー
    「この…バーカ!!」

    サシャ
    「変態大魔王!!」

    ジャン
    (…見え透いた陽動だろう。奴も背後のミカサに気付いているハズだ)

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人の首元に雷槍が突き刺さろうとする瞬間、首元から熱風が吹き出され、雷槍は吹き飛ばされる。

    吹き飛ばされた雷槍はミカサの背後で爆発。巨人に突き刺していたアンカーも外れ、飛び込まなかったアルミン以外の4人は吹き飛ばされる。

    アルミン
    「…みんな!!」

    (やっぱりダメか!?この熱風は発射した雷槍さえ跳ね返す。その上アンカーが抜かれて立体機動で近づくことさえ出来ない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    ミカサはアルミンの元に来る。

    アルミン
    「ミカサ…!!血が!?」

    ミカサ
    「雷槍の破片を少し受けた、大丈夫浅いから。それより…どう?」

    アルミン
    「…え?」

    ミカサ
    「何か…反撃の糸口は……」

    進撃の巨人80ネタバレ

    超大型巨人はそのまま壁の方に向かって歩き始める。と、同時に隣の家が破壊される。

    アルミン・ミカサ・ジャン
    「!?」

    3人の顔は絶望に変わる。

    進撃の巨人80ネタバレ

     

     

    壁の外では獣の巨人が壁に向かって岩を投げ続けている。

    リヴァイ
    「獣はここらにアタリをつけたみてぇだな。ここもすぐに蜂の巣になる。エルヴィン…反撃の手数が何も残されてねぇ言うんなら、敗走の準備をするぞ…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    隣りでは兵士達がもめ始めている。

    兵士1
    「オイ!!馬が逃げたぞ!!お前らの担当だろ!?」

    兵士2
    「うるせぇ!!もう意味ねぇだろ!?」

    兵士1
    「なんだと!?」

    兵士2
    「あんなに強かった調査兵団がみんな一瞬で死んだんだぞ!?…つーか、お前もわかってんだろ。いくら馬を守ったってなぁ…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士2
    「理屈じゃわかっていたさ、人類がただ壁の中にいるだけじゃいつか突然やって来る巨人に食い滅ぼされる。

    誰かが危険を冒してでも行動しなくちゃいけない…誰かを犠牲者にさせないために自分を犠牲にできる奴が必要なんだって…

    そんな勇敢な兵士は誰だ?…そう聞かれた時、それは俺だって…思っちまったんだ…でも…まさか…そうやって死んでいくことが…こんなに何の意味も無いことだなんて、思いもしなかったんだ…

    …考えてみりゃそういう人達の方が圧倒的に多いはずなのに…何で…自分だけは違うって…思っちまったんだろう…」

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    リヴァイ
    「俺は獣の相手だ、奴を引きつけて」

    エルヴィン
    「無理だ、近づくことすらできない」

    リヴァイ
    「だろうな、だが…お前とエレンが生きて帰ればまだ望みはある。すでに状況はそういう段階にあると思わないか?大敗北だ。

    正直言って…俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている…」

    エルヴィン
    「あぁ、反撃の手立てが何もなければな…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    その間も獣の巨人は絶え間なく岩のつぶてを投げ続ける。

    リヴァイ
    「…なぜそれをすぐに言わない?…なぜクソみてぇな面して黙っている?」

    エルヴィン
    「…この作戦が上手く行けば…お前は獣を仕留めることができるかもしれない。ここにいる新兵と私の命を捧げればな」

    岩のつぶてはもうすぐそこの家まで飛んできている。

    エルヴィン
    「…お前の言う通りだ、どの道我々は殆ど死ぬだろう。イヤ…全滅する可能性のほうがずっと高い。それならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむ無しなのだが…」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「地下室に何があるのか…知ることもなくな…」

    リヴァイ
    「…は?」

    エルヴィンは一つため息をついて、そこにあった箱の上に腰掛ける

    エルヴィン
    「俺は……このまま地下室に行きたい…俺が今までやってこれたのも…いつかこんな日が来ると思ってたからだ…いつか…『答え合わせ』ができるはずだと

    …何度も…死んだ方が楽だと思った。それでも…父との夢が頭にチラつくんだ。」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「…すぐそこにあるんだ…だが、リヴァイ。見えるか?俺達の仲間が…」

    エルヴィンの背後には死んでいった仲間達の影が浮かぶ。そしてその影はリヴァイとエルヴィンを囲み、じっと2人を見つめている。

    エルヴィン
    「仲間達は俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ、まだ戦いは終わってないからな」

    岩は壁に当たるところまで飛んできており、兵士達は走って逃げ惑う。

    エルヴィン
    「すべては俺の頭の中…子供じみた妄想にすぎない…のか?」

    リヴァイ
    「お前はよく戦った。おかげで俺達はここまで辿り着くことができた…俺は選ぶぞ」

    進撃の巨人80ネタバレ

    うつむいていたエルヴィンは顔を上げ、少しだけ微笑む。

     

    獣の巨人は次のつぶての準備をしている。

    獣の巨人
    「お!!」

    壁の方からは「おおおおおおおおおお」と叫び声が聞こえる。

    エルヴィン
    「突撃!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    獣の巨人
    「まぁこのまま終わるとは思ってなかったけど…特攻か…もうちょっと何かあると思ってたんだけどな」

    エルヴィン
    「今だ、撃て!!」

    合図を聞き、兵士達は離れたところから獣の巨人に向かって信号弾を一斉に打つ。

    獣の巨人
    「煙…?あぁ、信号を送るってやつか…」

    エルヴィン
    「来るぞ!!動け!!」

    兵士達は一斉にバラけ始める。

     

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「総員による騎馬突撃を目標『獣の巨人』に仕掛ける!!当然!!目標にとっては格好の的だ!!我々は目標の投石のタイミングを見て、一斉に信煙弾を放ち!!

    投石の命中率を少しでも下げる!!我々が囮になる間にリヴァイ兵長が『獣の巨人』を討ち取る!!

    以上が作戦だ!!」

    リヴァイ
    「…何!?俺だけ立体機動で獣に接近しろと!?獣の周りは更地だぞ!?利用できるような木も家もねぇ!!」

    リヴァイ
    「いいや…丁度いい高さの立体物が」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「巨人を伝って忍び寄り、『獣の巨人』を奇襲しろ」

    リヴァイは並び立つ巨人の首元を切り取りながら立体機動で空中を移動する。
    隣りには信煙弾を打ちながらまっすぐに獣の巨人に向かっていく兵士達。

    リヴァイ
    (すまない…)

    進撃の巨人80ネタバレ

    兵士
    「……俺達は、今から…死ぬんですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「…どうせ死ぬなら最後に戦って死ねということですか?」

    エルヴィン
    「そうだ」

    兵士
    「いや…どうせ死ぬなら…どうやって死のうと命令に背いて死のうと…意味なんかないですよね?」

    エルヴィン
    「まったくその通りだ」

    兵士
    「…!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    エルヴィン
    「岩で体を打ち砕かれても同じだ、人はいずれ死ぬ。ならば人生には意味がないのか?そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?

    死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も無意味だったのか?

    いや違う!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!あの勇敢な死者を!!哀れな死者を!!想うことができるのは!!生者である我々だ!!

    我々はここで死に、次の生者に意味を託す!!それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!」

    進撃の巨人80ネタバレ

    「兵士よ!!戦え!!」

     

    ■勝つために彼らは死ぬ!!


     

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