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株・FXの投資系からゴシップ情報2ch系まとめ

    ちはやふる

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    ■ちはやふる 167話 ネタバレです。

     

    伊勢先生
    「こんにちは、今年も運営ご苦労様。村尾くん。」

    村尾
    「あ、伊勢先生」

    伊勢先生
    「今年も子供たちはがんばってるか思うてな、どうやA級は。(どうや、詩暢ちゃんは)」

    ちはやふる167ネタバレ

    若宮
    (?なんでうちがそんなこと思うんや。新の勝ちも負けもうちには関係あらへんのに。ただ、確かめてはみたい。あんたが新より強いなんてことがあるのか___)

    若宮は目の前の千早を見る。千早はそんなことお構いなしに柔軟体操中。

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    「し、失礼しました。(からだ、よく動く。どこにも不安はない)」

    千早は原田先生の言葉を思い出す。

    原田先生
    「いいなあ千早ちゃん。腰が痛いとか、膝が痛いとかないだろう。目が見えにくいとかも。それがあたりまえだと思ってるだろう。いつかわかるよ」

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    (先生、私。わかってるつもりです。)

    千早は若宮の前に向かい合って座る。

    (からだがこわばってコテンパンだった16歳の対戦、指をケガしてどうにもならなかった17歳での対戦。詩暢ちゃんはいつも変わらず強くいてくれた。)

    運営員
    「札を並べてください」

    千早
    (うっ…また「ちは」ない感じ?)

    ちはやふる167ネタバレ

    (どんな札が並んでも詩暢ちゃんはきっと変わらず強い。18歳、私今日こそ恥ずかしくない試合をする。)

     

    読手が席につく。

    理音
    (!!専任読手の五十嵐さん。五十嵐さんが読むの?)

    桜沢先生
    (豪華ね、専任読手に読んでもらえる機会はそうそうない。理音、落ち着いて取りなさい)

    五十嵐
    「なにわづにーーーさくやこのはなふゆごもりーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーー」

    理音
    (さすがの強い音の波っ)

    五十嵐
    「たまのおよーーー」

    千早
    (空札っ)

    千早は払いに行った手を空中で空振りさせる。

    伊勢先生
    (……!あの子いい動きだな)

    ちはやふる167ネタバレ

    (迷いがない動き、よく練習してきてある。しかも速い)

    若宮
    「…………(動き出しが速くてもべつに?って感じや)」

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんは決まり字まで聴いてからの取りが特徴)

    若宮
    (決まり字ジャストであの手の下を抜いたらええ………)

    ちはやふる167ネタバレ

    五十嵐
    「おくやまに」

    若宮と千早の取りはほぼ同時。

    伊勢先生
    (おっ)

    村尾
    (おっ!?どっちだ!?)

    千早
    「ど、どーぞ。(あっ、また。先生にも肉まんくんにも怒られるー。だってたぶんセイムだったからー)」

    譲られた若宮は黙って札をとりに立つ。

    伊勢先生
    (変わらんな…きわどい取りのとき譲りそうになる詩暢ちゃんの癖。強すぎて基本的に取りすぎるからその反動かもしれんけど)

    ちはやふる167ネタバレ

    幼い若宮は試合中の部屋に入り、グイグイと無理矢理に人を押しのけ札の前に座る。

    女性
    「えっ、なに?なにこの子。試合中…」

    若宮
    「やらせて、うちにもやらせて。」

    女性
    「あんたルール知ってんの?」

    若宮
    「知ってる」

    ちはやふる167ネタバレ

    「うちにもやらせて」

    伊勢先生
    (ものすごい早さで飲み込んでいった。)

    伊勢先生は自分が教えたことを思い出す。
    『全体を取るための暗記じゃ強ぉならん、札を想ってこだわりを持つんや』

    『暗記ではペアにする札や友達同士、夫婦や三角関係とかな。物語を入れていくんや』

    伊勢先生
    (深すぎる没入。でも優しくて、友達とかるたを取るとわざと負けてしまう。明星会にも来んくなった。力になってやれんかった。たった一人きりの練習であそこまで強く)

     

    五十嵐
    「いまはただーーー」

    これは若宮が鋭く払う。

    観客
    (おおっ)
    (さすが速い!)

    五十嵐
    「ひとづてならで いうよしもがなーー」

    ちはやふる167ネタバレ

    村尾
    (おおっ?さっきからいい勝負じゃないか)

    桜沢先生
    (クイーンが”いい勝負”させるなんてそうそうないのに)

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんの練習スタイルは一人取り……一人では閃光のように速く取る)

    ちはやふる167ネタバレ

    (でも、ほんのすこしでも「いる」と思うと、一人のときのペースでは取れなくなる)

    千早が次の札も連取。

    観客
    (あの子、そうだ、綿谷新を昨日負かした子だ)
    (クイーン相手にもこの押し、すげえ)

    若宮
    (新に勝ったのもまぐれとも言い切れん……?冗談やない)

    五十嵐
    「おお」

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (いつもは決まり字まで手元で聴く詩暢ちゃんが「おおえ」を囲って「おおこ」を抜いた。「おおえ」を攻めにいった綾瀬さんの動きを止めた)

    若宮
    (子供のころから何度当たっても新には一度も勝てたことがない)

    新は若宮が払った札を「はい」と渡すが、若宮はそれを荒々しく新の手から奪い取る。

    若宮
    (うちが勝たんうちに、どうでもいい子に負けるやなんて許さへん。うちの唯一の友達がどうでもいい子に)

    ちはやふる167ネタバレ

    考え事をしている間に次の札が準備される。

    五十嵐
    「うか」

    『か』が音になるかならないかのタイミングで千早の手がすばやく札を払う。

    千早
    (いま、いま、いま、聞け)

    同時に札を取りに行くタイミングで千早と理音の目が合う。

    桜沢先生
    (理音と綾瀬さん、さっきからものすごくよく聴けてる。「うら」もまだ出てないのに1字のタイミングで…相性…?)

    理音・千早
    (聴く、聴く、聴く、聴く、聴く、聴く。ずっと一番聴いて来たのは五十嵐さんの読み。)

    千早のスマホ、理音のCDの専任読手は五十嵐七段の読み。

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (詩暢ちゃん、人のかるたを受け入れろ。人の強さを。自分のかるたしか取れなければ、クイーンの寿命は短いぞ。)

     

    ■ちはやふる 最新168話 ネタバレにつづく…

    5
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    ■ちはやふる 167話 ネタバレです。

     

    伊勢先生
    「こんにちは、今年も運営ご苦労様。村尾くん。」

    村尾
    「あ、伊勢先生」

    伊勢先生
    「今年も子供たちはがんばってるか思うてな、どうやA級は。(どうや、詩暢ちゃんは)」

    ちはやふる167ネタバレ

    若宮
    (?なんでうちがそんなこと思うんや。新の勝ちも負けもうちには関係あらへんのに。ただ、確かめてはみたい。あんたが新より強いなんてことがあるのか___)

    若宮は目の前の千早を見る。千早はそんなことお構いなしに柔軟体操中。

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    「し、失礼しました。(からだ、よく動く。どこにも不安はない)」

    千早は原田先生の言葉を思い出す。

    原田先生
    「いいなあ千早ちゃん。腰が痛いとか、膝が痛いとかないだろう。目が見えにくいとかも。それがあたりまえだと思ってるだろう。いつかわかるよ」

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    (先生、私。わかってるつもりです。)

    千早は若宮の前に向かい合って座る。

    (からだがこわばってコテンパンだった16歳の対戦、指をケガしてどうにもならなかった17歳での対戦。詩暢ちゃんはいつも変わらず強くいてくれた。)

    運営員
    「札を並べてください」

    千早
    (うっ…また「ちは」ない感じ?)

    ちはやふる167ネタバレ

    (どんな札が並んでも詩暢ちゃんはきっと変わらず強い。18歳、私今日こそ恥ずかしくない試合をする。)

     

    読手が席につく。

    理音
    (!!専任読手の五十嵐さん。五十嵐さんが読むの?)

    桜沢先生
    (豪華ね、専任読手に読んでもらえる機会はそうそうない。理音、落ち着いて取りなさい)

    五十嵐
    「なにわづにーーーさくやこのはなふゆごもりーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーー」

    理音
    (さすがの強い音の波っ)

    五十嵐
    「たまのおよーーー」

    千早
    (空札っ)

    千早は払いに行った手を空中で空振りさせる。

    伊勢先生
    (……!あの子いい動きだな)

    ちはやふる167ネタバレ

    (迷いがない動き、よく練習してきてある。しかも速い)

    若宮
    「…………(動き出しが速くてもべつに?って感じや)」

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんは決まり字まで聴いてからの取りが特徴)

    若宮
    (決まり字ジャストであの手の下を抜いたらええ………)

    ちはやふる167ネタバレ

    五十嵐
    「おくやまに」

    若宮と千早の取りはほぼ同時。

    伊勢先生
    (おっ)

    村尾
    (おっ!?どっちだ!?)

    千早
    「ど、どーぞ。(あっ、また。先生にも肉まんくんにも怒られるー。だってたぶんセイムだったからー)」

    譲られた若宮は黙って札をとりに立つ。

    伊勢先生
    (変わらんな…きわどい取りのとき譲りそうになる詩暢ちゃんの癖。強すぎて基本的に取りすぎるからその反動かもしれんけど)

    ちはやふる167ネタバレ

    幼い若宮は試合中の部屋に入り、グイグイと無理矢理に人を押しのけ札の前に座る。

    女性
    「えっ、なに?なにこの子。試合中…」

    若宮
    「やらせて、うちにもやらせて。」

    女性
    「あんたルール知ってんの?」

    若宮
    「知ってる」

    ちはやふる167ネタバレ

    「うちにもやらせて」

    伊勢先生
    (ものすごい早さで飲み込んでいった。)

    伊勢先生は自分が教えたことを思い出す。
    『全体を取るための暗記じゃ強ぉならん、札を想ってこだわりを持つんや』

    『暗記ではペアにする札や友達同士、夫婦や三角関係とかな。物語を入れていくんや』

    伊勢先生
    (深すぎる没入。でも優しくて、友達とかるたを取るとわざと負けてしまう。明星会にも来んくなった。力になってやれんかった。たった一人きりの練習であそこまで強く)

     

    五十嵐
    「いまはただーーー」

    これは若宮が鋭く払う。

    観客
    (おおっ)
    (さすが速い!)

    五十嵐
    「ひとづてならで いうよしもがなーー」

    ちはやふる167ネタバレ

    村尾
    (おおっ?さっきからいい勝負じゃないか)

    桜沢先生
    (クイーンが”いい勝負”させるなんてそうそうないのに)

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんの練習スタイルは一人取り……一人では閃光のように速く取る)

    ちはやふる167ネタバレ

    (でも、ほんのすこしでも「いる」と思うと、一人のときのペースでは取れなくなる)

    千早が次の札も連取。

    観客
    (あの子、そうだ、綿谷新を昨日負かした子だ)
    (クイーン相手にもこの押し、すげえ)

    若宮
    (新に勝ったのもまぐれとも言い切れん……?冗談やない)

    五十嵐
    「おお」

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (いつもは決まり字まで手元で聴く詩暢ちゃんが「おおえ」を囲って「おおこ」を抜いた。「おおえ」を攻めにいった綾瀬さんの動きを止めた)

    若宮
    (子供のころから何度当たっても新には一度も勝てたことがない)

    新は若宮が払った札を「はい」と渡すが、若宮はそれを荒々しく新の手から奪い取る。

    若宮
    (うちが勝たんうちに、どうでもいい子に負けるやなんて許さへん。うちの唯一の友達がどうでもいい子に)

    ちはやふる167ネタバレ

    考え事をしている間に次の札が準備される。

    五十嵐
    「うか」

    『か』が音になるかならないかのタイミングで千早の手がすばやく札を払う。

    千早
    (いま、いま、いま、聞け)

    同時に札を取りに行くタイミングで千早と理音の目が合う。

    桜沢先生
    (理音と綾瀬さん、さっきからものすごくよく聴けてる。「うら」もまだ出てないのに1字のタイミングで…相性…?)

    理音・千早
    (聴く、聴く、聴く、聴く、聴く、聴く。ずっと一番聴いて来たのは五十嵐さんの読み。)

    千早のスマホ、理音のCDの専任読手は五十嵐七段の読み。

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (詩暢ちゃん、人のかるたを受け入れろ。人の強さを。自分のかるたしか取れなければ、クイーンの寿命は短いぞ。)

     

    ■ちはやふる 最新168話 ネタバレにつづく…

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    ■ちはやふる 167話 ネタバレです。

     

    伊勢先生
    「こんにちは、今年も運営ご苦労様。村尾くん。」

    村尾
    「あ、伊勢先生」

    伊勢先生
    「今年も子供たちはがんばってるか思うてな、どうやA級は。(どうや、詩暢ちゃんは)」

    ちはやふる167ネタバレ

    若宮
    (?なんでうちがそんなこと思うんや。新の勝ちも負けもうちには関係あらへんのに。ただ、確かめてはみたい。あんたが新より強いなんてことがあるのか___)

    若宮は目の前の千早を見る。千早はそんなことお構いなしに柔軟体操中。

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    「し、失礼しました。(からだ、よく動く。どこにも不安はない)」

    千早は原田先生の言葉を思い出す。

    原田先生
    「いいなあ千早ちゃん。腰が痛いとか、膝が痛いとかないだろう。目が見えにくいとかも。それがあたりまえだと思ってるだろう。いつかわかるよ」

    ちはやふる167ネタバレ

    千早
    (先生、私。わかってるつもりです。)

    千早は若宮の前に向かい合って座る。

    (からだがこわばってコテンパンだった16歳の対戦、指をケガしてどうにもならなかった17歳での対戦。詩暢ちゃんはいつも変わらず強くいてくれた。)

    運営員
    「札を並べてください」

    千早
    (うっ…また「ちは」ない感じ?)

    ちはやふる167ネタバレ

    (どんな札が並んでも詩暢ちゃんはきっと変わらず強い。18歳、私今日こそ恥ずかしくない試合をする。)

     

    読手が席につく。

    理音
    (!!専任読手の五十嵐さん。五十嵐さんが読むの?)

    桜沢先生
    (豪華ね、専任読手に読んでもらえる機会はそうそうない。理音、落ち着いて取りなさい)

    五十嵐
    「なにわづにーーーさくやこのはなふゆごもりーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーーいまをはるべと さくやこのはなーーーー」

    理音
    (さすがの強い音の波っ)

    五十嵐
    「たまのおよーーー」

    千早
    (空札っ)

    千早は払いに行った手を空中で空振りさせる。

    伊勢先生
    (……!あの子いい動きだな)

    ちはやふる167ネタバレ

    (迷いがない動き、よく練習してきてある。しかも速い)

    若宮
    「…………(動き出しが速くてもべつに?って感じや)」

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんは決まり字まで聴いてからの取りが特徴)

    若宮
    (決まり字ジャストであの手の下を抜いたらええ………)

    ちはやふる167ネタバレ

    五十嵐
    「おくやまに」

    若宮と千早の取りはほぼ同時。

    伊勢先生
    (おっ)

    村尾
    (おっ!?どっちだ!?)

    千早
    「ど、どーぞ。(あっ、また。先生にも肉まんくんにも怒られるー。だってたぶんセイムだったからー)」

    譲られた若宮は黙って札をとりに立つ。

    伊勢先生
    (変わらんな…きわどい取りのとき譲りそうになる詩暢ちゃんの癖。強すぎて基本的に取りすぎるからその反動かもしれんけど)

    ちはやふる167ネタバレ

    幼い若宮は試合中の部屋に入り、グイグイと無理矢理に人を押しのけ札の前に座る。

    女性
    「えっ、なに?なにこの子。試合中…」

    若宮
    「やらせて、うちにもやらせて。」

    女性
    「あんたルール知ってんの?」

    若宮
    「知ってる」

    ちはやふる167ネタバレ

    「うちにもやらせて」

    伊勢先生
    (ものすごい早さで飲み込んでいった。)

    伊勢先生は自分が教えたことを思い出す。
    『全体を取るための暗記じゃ強ぉならん、札を想ってこだわりを持つんや』

    『暗記ではペアにする札や友達同士、夫婦や三角関係とかな。物語を入れていくんや』

    伊勢先生
    (深すぎる没入。でも優しくて、友達とかるたを取るとわざと負けてしまう。明星会にも来んくなった。力になってやれんかった。たった一人きりの練習であそこまで強く)

     

    五十嵐
    「いまはただーーー」

    これは若宮が鋭く払う。

    観客
    (おおっ)
    (さすが速い!)

    五十嵐
    「ひとづてならで いうよしもがなーー」

    ちはやふる167ネタバレ

    村尾
    (おおっ?さっきからいい勝負じゃないか)

    桜沢先生
    (クイーンが”いい勝負”させるなんてそうそうないのに)

    伊勢先生
    (詩暢ちゃんの練習スタイルは一人取り……一人では閃光のように速く取る)

    ちはやふる167ネタバレ

    (でも、ほんのすこしでも「いる」と思うと、一人のときのペースでは取れなくなる)

    千早が次の札も連取。

    観客
    (あの子、そうだ、綿谷新を昨日負かした子だ)
    (クイーン相手にもこの押し、すげえ)

    若宮
    (新に勝ったのもまぐれとも言い切れん……?冗談やない)

    五十嵐
    「おお」

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (いつもは決まり字まで手元で聴く詩暢ちゃんが「おおえ」を囲って「おおこ」を抜いた。「おおえ」を攻めにいった綾瀬さんの動きを止めた)

    若宮
    (子供のころから何度当たっても新には一度も勝てたことがない)

    新は若宮が払った札を「はい」と渡すが、若宮はそれを荒々しく新の手から奪い取る。

    若宮
    (うちが勝たんうちに、どうでもいい子に負けるやなんて許さへん。うちの唯一の友達がどうでもいい子に)

    ちはやふる167ネタバレ

    考え事をしている間に次の札が準備される。

    五十嵐
    「うか」

    『か』が音になるかならないかのタイミングで千早の手がすばやく札を払う。

    千早
    (いま、いま、いま、聞け)

    同時に札を取りに行くタイミングで千早と理音の目が合う。

    桜沢先生
    (理音と綾瀬さん、さっきからものすごくよく聴けてる。「うら」もまだ出てないのに1字のタイミングで…相性…?)

    理音・千早
    (聴く、聴く、聴く、聴く、聴く、聴く。ずっと一番聴いて来たのは五十嵐さんの読み。)

    千早のスマホ、理音のCDの専任読手は五十嵐七段の読み。

    ちはやふる167ネタバレ

    伊勢先生
    (詩暢ちゃん、人のかるたを受け入れろ。人の強さを。自分のかるたしか取れなければ、クイーンの寿命は短いぞ。)

     

    ■ちはやふる 最新168話 ネタバレにつづく…

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    ■ちはやふる 166話 ネタバレです。

    ■太一が「次」を語る。目の前にばあっと道が見えた気がした。

     

    運営員
    「いやー、しかし昨日は驚きましたねー」
    「北央の優勝ですか?」

    「いえいえ、福井の藤岡東ですよ。初出場で4位は大健闘だと思いますが、綿谷新くんが負けるなんてねえ…」
    「あー、団体戦は向いてなかったってことじゃないですか?」

    ちはやふる166ネタバレ

    寝静まる部屋のふすまがドンドンと勢いよく叩かれる。

    女子部員
    「男子部屋ーー!!まさかまだ寝てる!?起きてー!!時間ー!!遅刻ー!!」

    その音と声に寝ていた先生や部員達がハッと目を覚ます。

    先生
    「や、やばいこんな時間。ウソやろ~~~、服着ろーー。もう直接各々の会場行くぞ、D・E級は先生連れていくから、A・B級は綿谷つれてけよ。」

    バタバタと騒ぎながら藤岡東のメンバーはホテルの玄関を走って出る。

    先生
    「朝食食ってる時間ねえ」

    望月
    「あ、先生。おにぎり買ってあります」

    山本
    「みんなの分の昼のお弁当と飲み物もあります、わけて」

    男子部員
    「すごいーー」
    「女子えらすぎ」

    ちはやふる166ネタバレ

    望月
    「私なんかもう落ち着いて取る瑞沢のメガネの人が憎くて憎くて、まずメガネを払うっていう禁じ手に出てました…」


    「夢でよかったね!!」


    「望月さんって意外と黒いよね!!」

    土屋
    「ぼくなんか勝敗のかかった最後の運命戦で勝つ夢見ましたー」


    「いい夢だね!!」


    「土屋くんて見た目どおりほっこり男子だよね!!」

    新は部員達のやりとりを見つめている。急いでいる部員達はタクシーが来ていないことに焦り始める。


    「先生、フロントの人に呼んでもらいます?」

    先生
    「待って待って、最近入れたタクシーアプリ使ってみたい。えーとどうやるんや、これ。」

    土屋
    「今そんな悠長な…」


    「先生、考えたんですけど。おれ、個人戦出んとみんなの応援しようかと思うんです…」

    藤岡東一同
    「は?」

     

    ちはやふる166ネタバレ

    かなちゃん
    (な、なんてこと。なんてことっ…)

    涙目のかなちゃんはそのままどこかへ走り出す。

    記者
    「お着物での出場は初めてですが、なぜまた?」

    若宮
    「ふふふふ、日頃から着物に親しんでおこうかと思って、日高屋さんのお着物は動きやすいですし。新柄も美しいですし。」

    若宮母
    (詩暢も大人になったもんや、スポンサーにいい顔しといて悪いことあらへん)

    記者
    「なるほど、クイーン戦に向けてもいい積み重ねですよね。狙うはもちろん優勝…」

    若宮
    「当然です。」

    記者
    「去年はなんと準優勝でしたね。そういえば、去年優勝した綿谷新くんが昨日女子選手に負けたことはご存じですか?」

    準優勝の言葉にピクッと顔を引きつらせた後、新が負けたことを聞いて素の表情に戻る。

     

    かなちゃん
    「千早ちゃんっ」

    ちはやふる166ネタバレ

    千早
    「え?」

    かなちゃん
    「若宮さんが着物ででるのに『呉服の大江』が手をこまねいて見てるなんて…」

    かなちゃんの脳裏には母の言葉
    (奏、自覚が足りないんじゃないの)

    千早は少し驚いた表情でかなちゃんを見たあと、若宮に視線を移す。

    ちはやふる166ネタバレ

    (千早に負けた…!?)

    その視線の強さにかなちゃんはぞわっと悪寒が走る。若宮はそのまま無言で背を向けて立ち去っていく。

     

    かなちゃん母
    「おはよう奏、今日もがんばってね」

    かなちゃん
    「あ、お母さん。千早ちゃんのお母さんは…」

    千早
    「お姉ちゃんに泊まるの反対されて帰っちゃった。お姉ちゃんの中でかるたってまだ意味わかんないものみたいで…

    ……………

    でも、かなちゃんごめんね。私、お母さんが買ってくれたあの着物でないと。」

    ちはやふる166ネタバレ

    千早の言葉に驚いた呆気に取られるかなちゃん。
    そのとき、バタバタと藤岡東のメンバーが会場に入ってくる。


    「村尾さんっ、まだ間に合いますか!?」

    村尾
    「あー、よかった。新、遅いよ。対戦決めこれからすぐや、B級は社務所のほうなー。はよ行け」

    舜と滉は2人で社務所に向かって走り出す。


    「でもびっくりしたな、新兄ちゃんあんなこと言うなんて」


    「いや、舜。おれは先生が言ったことのほうがびっくりしたなー」

     

    場面は旅館の前で新が個人戦出場自体を申し出たときに戻る。

    ちはやふる166ネタバレ

    「せめて個人戦はみんなが実力出せるように近くで応援したい…」

    先生はアプリでタクシーの配車予約をしている。

    先生
    「えっと、地図で指定…おっこれでOKか?」

    配車の予約が完了すると、完了の画面を見せながら新の方を見る。

    「アホが、お前の応援とか配車のアプリより役に立たんわ!」

    一同
    「!?」

    先生
    「うちは昨日のアレが実力や」

    ちはやふる166ネタバレ


    「……………………(青ざめる)」

    先生
    「いいか?ウチのことを思うなら__」

    土屋
    「先生、タクシー来ましたー」

    先生とD・E級の選手は急いでタクシーに乗り込むと先生は窓を開けて新に続きを言い始める。

    先生
    「綿谷、うちのことを思うならおまえが狙うのは名人の座や!”OBに名人がいる”。部にとってそれがどれだけ価値があるか、わからんならアホやぞ~~~~、がんばれよお~~~」

    そう言いながらタクシーは発車し、運転手と話を始める。

    先生
    「え?配車アプリで呼ばれた車でない?」

    運転手
    「ちがいますねーー」

    先生
    「あれ?」

     

    ちはやふる166ネタバレ


    「あ、これ乗ってったらいいんでない?」

     

    場面は会場に戻る。

    運営
    「A級1回戦組み合わせします。」

    集まる選手達の中で、千早は新の姿を見つける。

    千早
    (新!私…昨日本当に新に勝ったのかな、神様みたいに思ってた男の子にどうやって勝ったのかな。よく覚えてないんだ、新は覚えてる?)

    ちはやふる166ネタバレ

    千早
    (やろうね、今日。もう一回)

    頬を赤くして千早の方を見る新の後ろから若宮が声をかける。

    若宮
    「『高校ナンバーワンは自分や』?よくもまあそないなうぬぼれ。新あんたのせいやで、潰したるわ」

     

    【C級試合場 近江神宮敷地内 幼稚園】
    選手達
    「えー、なんで」
    「ない、あれ。なんで袴?一人で」

    目の前には瑞沢のユニフォームではなく着物で会場に現れたかなちゃん。

    「暑すぎるでしょ」
    「ここでやってるレンタルのやつ?」
    「物好き…コスプレ気分なんじゃないの?」

    ちはやふる166ネタバレ

    かなちゃん
    (千早ちゃんに頼んだ自分が恥ずかしい)

    運営
    「始めまーす、C級1回戦、番号の席に着いてくださいーい」

    対戦相手がドンッと畳に座るなか、かなちゃんは着物を整えながら静かに座って相手に一礼する。その姿に他の選手たちは美しさから驚いてかなちゃんを見ている。

    かなちゃん
    (私よ。私よ。かるたは千早ちゃん。)

    ちはやふる166ネタバレ

     

    B級会場では机くんが肉まんくんに言われたかなちゃんへの告白の言葉を思い返して緊張している。となりにはいつの間にか昇給した筑波の姿も。そして各チームのD級選手達の対戦も始まる。

    猛烈な出場者数のD・E級の会場で宮内先生は応援に専念する。

    宮内先生
    (3年生にとってはまさしくこれが最終戦。見にいってあげたいけど、1年生たちの方が心配…今日は綾瀬さんも体調良さそうだった。みんな、力を出しきるのよ。

    ああ、最後だなんて思っちゃだめ。永遠に続く今日のように楽しむのよ、のびのびと。)

    涙ぐむ宮内先生。

     

    ちはやふる166ネタバレ

    若宮
    「若宮勝ちました、21枚差です。」

    田丸
    (冷や汗しかでない…こんなに暑いのに…)

    肉まんくん
    「おい田丸!なにやってんだよ、もっと踏んばれよ!モメたり間合い取ったり」

    田丸
    「えええ…でもどうやっても勝つとこまでは持っていけません」

    肉まんくん
    「バカ!聞いたことねーのか、個人戦は団体戦!自分の粘りがほかのメンバーを助けるって信じてしつこく食らいつくんだよ!」

    田丸
    「えっ…その責務!それって私が次のエースだからですか?」

    肉まんくん
    「えーとえーとえーと、もうそういうことでいいよ…」

    後ろではベスト8の組み合わせが始まる。

    ・美馬慧一郎(北央) 対 西田優征(瑞沢)
    ・山城理音(富士崎) 対 長谷川朱音(筑豊女)
    ・綿谷新(藤岡東) 対 日向良彦(富士崎)
    ・若宮詩暢(津咲) 対 綾瀬千早(瑞沢)

    ちはやふる166ネタバレ

    若宮
    「一番当たりたない人に当たってしまいましたわぁ。綿谷新を負かした女子選手やなんて」

    この言葉を聞いた田丸の背中に悪寒が走る。

    千早
    (太一が「次」を語る。目の前にはばあっとかるたの道が続いてる。)

    若宮
    (潰す。どんだけ無様な試合したか知らんけど。新、あんたの敵討ったるわ)

     

    ■ちはやふる 最新167話 ネタバレにつづく…

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    ■ちはやふる 165話 ネタバレです。

    千早
    (太一がいる。近江神宮に太一がいる)

    運営
    「各校選手のみなさーーん、並んでくださーい」

    宮内先生
    「あっ、いけない、みなさん表彰式ですよ。整列を」

    かなちゃん
    「あ…」

    太一
    「行けよみんな、見てるよ」

    ちはやふる165ネタバレ

    太一・母
    「………」

    千早・母
    「よかったですね、真島さん。太一くん、間に合って」

    太一・母
    「どうなんでしょう、太一は間に合ったんでしょうか。間に合わなかったんでしょうか……」

     

    【表彰式】
    『優勝 東京都 北央学園』
    「おめでとう!」

    ヒョロが表彰状を受け取る姿に千早は猛烈な拍手を送り続ける。

    ちはやふる165ネタバレ

    千早
    (すごいなあ、北央)

     

    準優勝
    静岡県 富士崎高校

    3位入賞
    東京都 瑞沢高校

    4位入賞
    福井県 藤岡東高校

     

    ちはやふる165ネタバレ

    真琴
    「理音、無理。おれたちの前に先輩が二度優勝したときも桜沢先生は笑わなかった。てゆーか一度も見たことがない、ないんじゃね?ほほえみの機能」

    エロム
    「おれあるよ、見たこと」

    真琴
    「えっ、エロム、いつ!?」

    エロム
    「入部したてで百首覚えるの必死でさーー下の句見て上の句が浮かばなきゃダメじゃん?」

    ちはやふる165ネタバレ

    周りの人間はエロムの発言に一勢に沈黙する。

     

    その頃廊下では綾瀬家の親子ゲンカが始まっていた。

    千早・母
    「あ、千歳?いままだ近江神宮なんだけど、お母さん方と明日の個人戦も見ていかないかってことになって、ホテル取って一泊していってもい__」

    千歳
    「ハァ!?やだよ!!お父さんも同窓会とか言って何時に帰ってくるかわかんないのに、千早はかるた友達たくさんいるからいーでしょ、お母さん帰ってきて」

    千早・母
    「ええっ、あのねぇ千歳…さすがのかるたバカのあの子もね、明日が最後なの。もうかるた引退なの、見守ってあげてもいいでしょ!?」

    千歳
    「お母さんまで私より千早の方が大事ってゆーの、もう知らない!!」

    ちはやふる165ネタバレ

    太一
    「いらねーよみんな。おれの応援とか…」

    そう言った太一はうつむいて座っている新を見つける。

    太一
    「…………」

    ちはやふる165ネタバレ

    太一
    (いらねーよ、おれのj言葉とか。でもわかるよ、身体のはしから焼かれていくような、息もできないような)

    太一・母
    「太一、タクシー綾瀬さんと一緒に乗りましょ、新幹線ギリギリですって」

    タクシーに向かう太一が急いで着替え中の瑞沢部員を見つける。

    千早
    「早く着替えて着替えて~~~早く早くーーー太一捕まえないとーー。あれっ、なんではいらない、靴が」


    「先輩それ私の靴」

    千早
    「ごめん、私の靴どこ、ない。いいやもう、貸して」


    「ええーーー」

    千早
    (太一、なんで来てくれたの太一。なんで太一。太一)

    ちはやふる165ネタバレ

    机くん
    「綾瀬、真島いた!?」

    肉まんくん
    「あれ、いない!?」

    宮内先生
    「真島くんはもう行かないと帰れなくなるからってお母さま方と一緒に…」

    机&肉まん
    「えーーーーー、なんだそれーー。あいつ何しに来たんだーー」

    ちはやふる165ネタバレ

    千早
    (ごめん…きっと太一はきっと謝りにきてくれたんだ。団体戦最後の日にもう全部終わりの日に。もう終わり、もう一緒にかるたはできない)


    「ち、千早。これ」

    新が持ってきたのは自分の隣に置かれていた箱。

     

     

    女子トイレでは桜沢先生が笑顔の練習をしていた。

    桜沢先生
    「……………」

    廊下に出ると、富士崎部員達が何やらざわついている。

    生徒
    「ちがうって、そんなんつまんないって」
    「じゃあこれは?」

    ちはやふる165ネタバレ

    鷲尾六段
    「なんとしても桜沢先生をほほえませたいみたいですよ。さっきからずっとあの調子で…」

    桜沢先生
    「…………なんとしても笑っちゃいけない気持ちになってきました」

    鷲尾六段
    (逆☆効☆果)

    桜沢先生
    「あの子たちを明日笑わせることだけ考えます」

    鷲尾六段
    「個人戦…次があるっていいですね」

    桜沢先生
    「準優勝校への皮肉ですか」

    鷲尾六段
    「いえ、とんでもない。次があるからぼくらは息ができるんです」

    ちはやふる165ネタバレ

    ちはやふる165ネタバレ

     

    【翌朝・東京】
    おばちゃん
    「あら周防さん、珍しいねえ朝早くから」

    周防名人
    「おはようございます(小声)」

    おばちゃん
    「あ?なに?あんたご飯食べた?」

    周防名人
    「これおみやげです。さつま大納言(小声)」

    周防名人は畳の上に札を並べ、ふと若宮詩暢のことを思い出す。

    若宮
    『こんくらいの小さな神様みたいに見えてます』

    それを真似るように周防名人は札に向かって挨拶をする
    「お、おはようございます」

    ちはやふる165ネタバレ

    太一
    「おはようございます」

    周防名人
    「お、お…おは…」

    太一は周防名人の前に座り同じように札に挨拶をする。

    『次がある』

     

    【近江神宮・個人戦】
    桜沢先生
    「今回の個人戦は史上最多の出場者よ。D級500人、C級200人、B級150人、A級100人。でもいつもどおりやりなさい。いつもどおりやって、全員メダルをもらってきなさい」

    富士崎部員
    「はいっ」

    千早
    「うちもがんばるよ、全員入賞だよ!!」

    瑞沢部員
    「ハイッ」

    かなちゃん
    「優勝者、D級はブロック別に7人も出るから、C級は4ブロックで4人ですね。B級は2人…」

    机くん
    「がんばります!!」

    そのとき階段の方がザワザワとざわつきはじめる。

    ちはやふる165ネタバレ

    若宮
    「もちろん一人やんなあ?」

     

    東京では太一と周防名人が練習。

    ちはやふる165ネタバレ

    『返すから』

     

    ■ちはやふる 最新166話 ネタバレにつづく…

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    ■ちはやふる 第164話 ネタバレです。

     

    千早
    「瑞沢 5勝!」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    村尾
    (まさか…まさか新が、クイーンにも負けたことのない新が負けるなんて)

    礼が終わった瞬間、白目を向いて畳に顔を打ちつけて寝る千早。

    肉まんくん
    「あっ」

    机くん
    (久しぶりに出た、綾瀬の即寝)

    かなちゃん
    「しっ、静かに。まだ終わってないです。決勝戦のほうが。」

    肉まんくん
    (残り枚数は2枚のはず。運命戦か?)

    ちはやふる-ネタバレ-164

    太一
    (まさか…北央2勝、富士崎2勝、両校タイでの運命戦!?)

    北央顧問・ 持田
    (木梨くんは地区予選からろくに勝ってない。なのに…)

    桜沢先生
    (ヨロシコ……けっして調子は悪くなかったのに)

    ヨロシコ
    (………なんなんだ。なんなんだこの執念…目の前でみるみる白髪になっていきそうなほど消耗してるのがわかるのに、運命戦にまで持ち込まれたっ…)

    ここから2連続で空札が続く。

    ちはやふる-ネタバレ-164

    ヒョロはここで初めて太一が会場に来ていることに気付く。

    ヒョロ
    (真島!おせーよ!さんざんメールしたのになにやってんだよ、おせーよバカ)

    (…………)

    (遅くはないか。よかった、ここまで粘ってて。見てろよ、真島。見てろよ。)

    ちはやふる-ネタバレ-164

    読手
    「決勝戦、北央学園対富士崎高校は、3対2で北央学園の勝ちです」

    両校
    「ありがとうございました」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    須藤
    (…………すげえよヒョロ。おれがえらそうに先輩風吹かせても叶えられなかったことを)

    須藤は泣いている優華璃嬢の肩を叩き、北央全員で握手の手を差し伸べる。

    ちはやふる-ネタバレ-164

     

    喜ぶ北央とは逆に下を向いて全く声の出ない富士崎メンバー。

    江室
    (準優勝…)

    市村
    (2年連続で)

    真太・奏太
    (準優勝…)

    観客
    「勝ち切れなかったな富士崎」
    「団体戦での富士崎時代も終わりか?」
    「強豪の歴史も永遠じゃないな」

    桜沢先生
    「…………」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    桜沢先生
    「その涙に成長はあるの?理音。去年言ったことは覚えてる?」

    理音
    「は…」

    桜沢先生
    「泣かない!」

    理音
    「はい…わ…『私がかるたの神様でも最後は瑞沢の懸命さに微笑むわ』……」

    驚いた顔の桜沢先生。

    理音
    「う…うう…すみません、先生すみません…結果を出して先生に微笑んでほしかった…」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    桜沢先生
    (でも3年間じゃない、ずっとじゃない。後悔しても遅い___)

     

     

    宮内先生
    「み、みなさんよくがんばりましたね。3位決定戦勝利!お疲れさまです」

    瑞沢部員は全員壁側にいる太一の方を向いていると、太一の方に手が伸びる。

    ちはやふる-ネタバレ-164


    「なにしてるんや太一、なにしてるんや。なんでえんようなってるんや、せっかくの全国大会で。

    千早が主将としてしか取れてなかったのはおまえがえんかったせいやろ」

    太一を含め、瑞沢メンバーは新の言葉に呆然としている。


    「…………いや、ごめん。負けといて言うことでない。瑞沢強かった、完敗や。」

    そう言うと新は太一から離れる。入れ代わりに千早が『たいち』と書かれたハチマキを頭から外しながら近寄ってくる。

    千早
    「遅いよ…」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    千早
    「終わっちゃったよおーーーーーー」

    ちはやふる-ネタバレ-164

    太一
    「ごめん……みんな…」

    机くん
    「真島……」

    かなちゃん
    「部長…」

    瑞沢部員
    「真島部長……っ」

    千早
    (全部もう遅い。みんなで戦う夏はこれで終わり。だけど、終わりの瞬間に違う始まりの瞬間に。太一がいる)

    ちはやふる-ネタバレ-164


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