2024年03月25日
甘い考えと甘い夢(Sweet Dreams Are Made Of This)
今年の確定申告初日
私は、ガルーダインドネシア航空の機上でダウンロードして持ってきた「ゾンビになるまでにしたい100のこと(ゾン100)」というアニメをipadで観ていました。
ブラック企業で鬼のように働く主人公のアキラ
そんなある日、突然街はゾンビで溢れパニックに陥る。
アキラもゾンビから逃れるために必死に逃げるが、ふと『今日から会社に行かなくてもいいんじゃね?』ということに気づき、“やりたい事リスト”に書いたやりたい事を実行し、パンデミックの中の逃亡生活を楽しみ始める。

もしも私が「確定申告期なんだから、この時期税理士は忙しくて当然でしょ」と何の疑いもなく業界の常識ってヤツを受け入れていたならば、きっと今頃私も依頼された仕事は全部請けて事務所で仕事に忙殺されていたに相違ありません。
普段“当たり前”と思っている日常や常識も、案外“当たり前“じゃないのかも・・。

そうしてサーフボードを抱えてインドネシアのジャワ島の西の端っこまでやってきた私は、しょっちゅう電波が切断してしまうホテルのwifiで日本のSNSを眺めていました。
正直、人が何しようがあまり関係ないと思っているのでどうでも良いことなのですが・・
この時期の同業者の皆さんの投稿を見ていると、『大丈夫かいな?』とその投稿者のことが心配になってきてしまうのです。

おそらく(私は他人のことなど全く分かっていないのですが)税金に関する知識はたくさん努力をして勉強をして豊富にお持ちなのでしょう。
しかしその一方で、税務に関する“知見“が不足していて、『とにかく決まり通りにちゃんとやらなくては!』と気を張っているように見えて・・『そんな風に税務と向き合っていたら疲れちゃうでしょ』って思ってしまうのです。

「不相当に高額(低額)」っていくらよ?
「不当に減少」って何が不当なのよ?
「社会通念」ってどこで知るのよ?
そんな不確定概念にまみれた税金の世界を上手に泳ごうと思ったら、永遠に“正解”が無いって事実に見切りをつけて(もちろんリスクを見極めたうえで。その際の判断に重要なのが知見です)どこか楽観的であることも必要なのではないかと思うのですが、それじゃダメでしょうか(笑)?

そもそもですが・・この世の中って、とりわけビジネスの世界ってそんなキレイな世界ではなくて、(表面的にはフェア見えますが)現実は結構シビアな弱肉強食の世界だと思うのです。
サラリーマンはもちろん、特に何の特色も持たない税理士なども最たるもので、“取り換え可能な労働力”として良いように搾取されがちな存在であるということは、疑う余地もない事実だと思うのです。

ならば、カモを探している他人(特に、お金持ちになる方法や事業規模拡大を謳うコンサルなど)に頼ろうなんてことは考えずに、まずは何でも自分で考え、そして自ら行動を起こすこと。

1980年代の古い曲になりますが
Eurythmicsというバンドの《Sweet Dreams(Are Made Of This)》という曲の歌詞が昔から好きでした。
出だしは、こんな歌詞ではじまります。
Sweet dreams are made of this
(甘い夢は、こんな風にして作られるのだ)

そして歌は続きます。
I've traveled the world and the 7 seas、Everybody's lookin' for something
(7つの海を渡り、世界を旅して分かったことは、誰もが何かを探しいるということ)
正解が分からないから、どうしたら良いか分からないから、誰かが“最適解”や“最短ルート”を知っていて教えてくれるのではないかと思って、つい他人を頼ってしまう。
そんな弱さにつけこんで人をカモってやろうと企む者がこの世に存在するのも、実は、自らで考えることを放棄して誰かのカモになりたがっている人がいるから・・
Some of them want to use you
(あなたを利用したいと思っている人がいる)
Some of them want to get used by you
(あなたに利用されたいと思っている人がいる)

この詞を書いたAnnie Lennoxが何を意図してこのような詞を書いたのかは私には分かりませんが、この少し観念的で意味アリげな歌詞は私の胸に刺さるものがあるのです。
そして後半、こんな歌詞が続きます。
Hold your head up
(前を向け)
Keep your head up, movin' on
(前を向いて自ら動き続けろ)

そんな税金の世界に生きる私たちだから
最近の訳の分からない税制とちゃんと向き合おうとすればするほどすり減っていくばかりのそんな日々を、うまくストレスと向き合いながら乗り切っていきたいものではありませんか。
ゾンビパンデミックの中でも、本当に自分のやりたいことに気づいて楽しみを見つけたゾン100のアキラのように。
【追記のつぶやき】
新規の顧問契約や相続の依頼が続き、ついに事務所のスタッフからは「もうこれ以上は無理です」と言われてしまいました。
フラリと旅に出た先で「私がお手伝いします」って人に偶然出会ったりはしないだろうか
(´▽`)my sweet dream