秋利美記雄 ベトナムの縫製工場を巡る

ベトナムをはじめとするアジアの縫製工場を巡っているコンサルタント・秋利美記雄が見聞したインドシナ地域の四方山話を披露する。

ベトナムやカンボジアやミャンマーやタイなど
東南アジアでのアパレル生産に必要な情報を提供する
アパレル情報サイト
「アパレル・リソースinインドシナ 」(http://apparelresource.asia
の舞台裏を紹介しています。

日本の企業の皆様にはベトナムでの商品調達に関するアドバイスを、
ベトナムの企業の皆様には日本へのセールスの相談をうけています。

<連絡先>
会社:My Lang Consultant Co., Ltd.
住所:288/G7 Nam Ky Khoi Nghia Str., Distr.3, HCMC, Vietnam
WEBSITE:http://mylang.com.vn
E-MAIL:info@mylang.com.vn

ベトナムでの最大の繊維産業展示会サイゴンテックス2017は今年4月5日から8日まで4日間開催された。
昨年よりもさらに多い1200社近くの企業が出展参加した。
ただ、今年は開催2日めがベトナムの祝日フンブーン王の命日に重なったこともあって、客入りは極めて良くなかったようだ。
年々拡大する開催規模に合わせて、昨年から第7区のサイゴン展示会議センター(SECC)に会場を移したが、集客面では課題が残っている。


日系設備メーカーを中心に話を伺ってみた。


川上製作所

井上陽亮地域販売担当

今年1月に現地法人Kawakami Cutting System Vietnamを立ち上げた。
現地法人設立後としては初めての展示会出展となる。

今回の展示会では、同社の延反機は主力のNK2000シリーズを中心にすでにベトナムで300台以上の販売実績があるが、単に延反にとどまらず、前後の一連の工程をカバーするシステムを紹介したい。

ベトナムに投資・進出してきている中国資本のアパレル生産工場を中心に導入に積極的な姿勢が見られる。
数十ラインを擁する大手工場がベトナム進出時に一括して購入する事例などがすでにある。
また、ベトナムの工場でも大手では興味をもつところが出てきた。
逆に言えば、ベトナムの縫製工場も従来のやり方では到底こうしたハイテク工場には太刀打ちできず、立ち行かなくなるところが出てくると思う。

こうしたハイテク設備を導入した大量生産型工場か小ロットながらも高付加価値の製品を手がける工場の双極に分かれていき、姿勢のはっきりしない生産工場は淘汰されていくだろう。

さらには、業界の好調さを反映してか、素材の裁断の代わりに型抜きを行うカバンや靴のメーカーも関心を示した。


Hashima Vietnam

大塚俊輔販売課長(General Sales Manager)
 
2014年に現地法人として生産工場を設立。
2016年に国内販売のためのハノイ事務所設立。
2017年にHCMC事務所を開設。

2016年はTPPの状況待ちで一旦売上が落ちたが、2017年になり倍増した。
TPPなしでもベトナム生産の需要があり、設備投資を行う必要があると各社が判断している模様。

高額商品であるX線検針機、自動裁断機が好調に売れている。
とくに、アパレルよりも靴業界が積極的でX線検針機の売れ行き好調の原動力となっている。


島精機ベトナム

西峰社長

2016年9月にホーチミン市に現地法人設立。6名体制で営業活動を開始。
現地企業、中国・香港企業など外資企業向けに横編み機、日系企業向けに自動裁断機という2つの柱でベトナム市場を開拓していく。

昨年までの様子を把握していないので、はっきりしたことは言えないが、TPPが頓挫した影響は少ないのではないか。


ペガサスベトナム

武田誠二ハノイ支店所長

中国などでの知名度を活かして、日系・外資系企業の既存顧客は確保できているが、
現地企業の市場をいかに開拓していくかが課題。









脱中国の流れで近年多くの商品バイヤーが仕入のためにベトナムを訪れている。

だが、ベトナムでの仕入は中国での仕入のようには進まない。

何でもかんでも仕入れてやろうと、総花的に考えてやってきた人たちはがっかりして帰るのがオチである。

では、何を狙って仕入れに来ればいいのか?

ベトナム仕入のメリットを活かせるのは加工度の高い商品

製品原価に限ると、原材料費と加工賃の2つの要素である。
商品の仕入原価の中で占める割合の高いものといえば、原材料、加工賃、輸送費、関税などが挙げられる。ベトナムの場合は他の東南アジアの国々と同じように原材料が乏しい。多くの原材料は隣の中国からの輸入となる。従って、原材料費は中国よりも高いケースが少なくない。
一方で、加工賃の正体はほとんどが人件費で、これについては中国よりも安い。その上、加工の質は中国と並ぶか、しばしばより丁寧との評価を得られている。
したがって、原材料費の占める割合の少ない製品、あるいは別の言い方をすれば、加工度の高い製品はベトナムで作って仕入れると、中国からの仕入よりも旨味を感じられる。
逆に、原材料費の割合が高く、加工の少ない製品だと、どうしても中国製品には勝てない。

高額商品こそ狙い目

一般に、アパレル製品だと、ニット製品よりも布帛製品のほうが加工の手間がかかるものが多い。そのため、ベトナムでは布帛製品の仕入・調達先と考えるほうがメリットを活かしやすい。

実際に、大手スポーツメーカーのM社では、東南アジアの調達戦略を考える際に、インドネシアをニット製品、ベトナムを布帛製品の調達先として分けて考えていた。

さらには、洗い加工、プリント加工、手刺繍などの、人手のかかる面倒な2次加工の必要な製品もベトナムで作ると大いにメリットが出る。

こうした商品は高額になりやすいので、安い仕入先として考えられがちなベトナムと結びつきにくいのだが、加工度の高い高額商品を比較的に安く仕入れられるのがベトナムだという言い方もできると思う。

私自身が関わった仕事では、スキーウェアなどアウター製品、紳士スーツ、ウェディングドレス、手刺繍バッグなどがこれらに相当する。 
 

材料が現地調達できるなら、可能性あり

プリントスターなどのTシャツブランドと知られるトムスが数年前からベトナムに進出している。ベトナム中部に大型工場を建設中だ。

Tシャツは加工度の高くないニット製品なので、先の説明からすれば、ベトナムには不向きということになる。だが、Tシャツに使われる綿の天竺生地はベトナムでも広く生産されているため、中国からの輸入に頼る必要はない。

もちろん中国のほうが生産規模が大きく、競争も激しいので、安いものはベトナム以上に安いが、ベトナムでもこの手の生地は多く生産しているため、1枚分の原材料費を比べたところでさほど差は開かない。

こうなると、ベトナムで作って仕入れるメリットも出しやすい。

Tシャツも無地のままだと、生産ロットが価格決定の大きな要素となるが、これに先に挙げたプリント加工などの2次加工が加わると、話は少しちがってくる。


セレクトショップのバイヤーが来て買い付けるのはまだ無理

出来合いの商品を買い付けて売りたいセレクトショップのバイヤーにとってはまだまだベトナムは難しいだろう。

というのも販売市場が違いすぎるからだ。日本市場というものにまったく知らないに等しいベトナムのメーカーが企画して作る商品というのは日本では通用しない。これは街中のショップや市場を回って商品を見ればわかることだ。ベトナムでも海外の商品の写真をもとに見よう見まねで作ってはいるが、まだコピー商品でさえ碌にできない。

そのため、出来上がった商品を買いに来るというスタンスでの仕入れというのはまだまだ難しく、あくまで自ら商品を企画して作るほうがメリットは出やすい。オリジナル商品を開発して仕入れたいバイヤーには非常に向いている。

ただし、雑貨類でアジアを感じさせるエスニック調のものを仕入れる場合には、当然ながらこの限りではない。実際に、現地の市場やショップ並んでいる商品を買い付けて日本で販売している業者も少なくない。


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今や日本の繊維製品は大半が海外調達。
とりわけ中国や東南アジアからの輸入が占める割合が圧倒的に高い。
それで、この業界人は中国や東南アジア各地を文字通り飛び回っていることだろう。

アジアに強いスカイチーム

私もメンバーになっているベトナム航空は3大航空連合のうちのスカイチームに加盟している。
スカイチームは日本の航空会社が加盟していないグループなので、
日本の方々にはあまり馴染みがないかもしれないが、
世界最大の航空会社であるデルタ航空を中心とした航空連合で、
アジアに強く、とくに我々のような繊維業界の中でも調達に携わる人にとっては
非常に使い勝手のいいアライアンスだ。
skyteam-members

というのも、2015年4月現在加盟している20社のうち、
繊維業界の方が頻繁に訪れるアジアの主要都市をハブ空港としている航空会社が数多くあるからだ。
一覧にすると以下のとおり。

航空会社 ハブ空港
大韓航空 ソウル
中華航空 台北
中国東方航空 上海、西安
中国南方航空 広州、北京
ガルーダ航空 ジャカルタ、バリ
ベトナム航空 ホーチミン市、ハノイ

中国の大手2社のほか、中国、台湾、インドネシア、ベトナムのフラッグキャリア4社がこの航空連合に加盟していて、これだけ揃えば、繊維調達関係者はスカイチームを使うしかないという顔ぶれだ。

一度の出張で資材調達と縫製工程を見て回れる

縫製工程が中国からベトナムをはじめとする東南アジアにシフトしている昨今であるが、
これまで何度もこのブログでも語ってきたとおり、原材料の調達が難しいというデメリットがある。
東南アジアでかろうじて生地の調達が可能な国といえば、タイ、インドネシア、マレーシアといったところか。それでも十分満足なものが揃うかと問われれば、答えはNOだ。

台湾、韓国、中国などでの資材調達は視野に入れておきたい。

一度の出張で資材調達と縫製工程を見て回ろうとすれば、
資材調達の地を軸にした航空会社を使うのが、便利がいい。

つまり、ソウル、台北、上海、広州といったところだろうが、
上の表を見れば一目瞭然で、それぞれの空港を拠点にしている最大の航空会社が揃っている。

スターアライアンスでは、全日空とタイ航空が入っているものの、
スカイチームと比較すると、台湾はエバー航空、韓国はアシアナ航空、中国は中国国際航空で
利便性の面で劣る感は拭えない。

ベトナム航空は全日空(ANA)と資本提携したが...

昨年、スカイチームのベトナム航空はスターアライアンスの全日空と資本提携したが、
日本とベトナムの間の直行便は、これまでの日本航空とのコードシェア便が
全日空とのそれに振り替えられるだけで、
航空連合の枠を超えて何か変化があるというような話は今のところ伝わってこない。
ベトナム縫製も含めて、当面やはりスカイチームが繊維業界人には一番便利だろう。

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