秋利美記雄 ベトナムの縫製工場を巡る

ベトナムをはじめとするアジアの縫製工場を巡っているコンサルタント・秋利美記雄が見聞したインドシナ地域の四方山話を披露する。

カテゴリ: カンボジア

Southern Corridor Road

昨日、大メコン圏(GMS)の3つの主要な経済回廊を紹介したが、
そのうち、南部回廊はタイのバンコクとベトナムのホーチミン市という、この地域の2大商都を結ぶ
幹線であるという意味で他の2つの経済回廊とは違った色を帯びてくる。
すなわち、2大消費市場を結ぶという意味である。
さらにいえば、カンボジアの人口の90%はこの回廊沿いにあり、
とくにベトナム国境沿いの地域に集中しており、現在でもベトナムとの結びつきが強い。
それ故、今回のつばさ橋の開通はプノンペン-ホーチミン市間の往来の流れを円滑にするという意味で
カンボジアの国全体にとっても大きな意味を持つ。

カンボジア人口分布

これまでホーチミン市-プノンペン間は車で移動すると、メコン川の渡渉点ネアックルンで
渡しのフェリーを使わなければならなかった。
このフェリーは、交通量が少なく流れのよいときでも30分、渋滞すると、数時間も待たなければならず、
交通の障害になっていた。
そのため、この地点でのメコン川を渡す橋の建設が長い間待たれていた。
2004年、日本の協力でプロジェクトが開始し、10年以上の歳月を経て、今年2015年4月完成した。
この橋は、その形が2羽の鳥が手を取り合い、翼(つばさ)を広げているように見えることから、
また、カンボジアと日本のさらなる関係発展を祈って、「つばさ橋」と命名された。

ツバサ橋

さて、ホーチミン市-プノンペン間は、この橋のおかげでどれだけ時間短縮できるようになったか
近いうちに実際に確かめてみたいと思う。


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ベトナム航空2

このブログの読者の方々はきっとベトナムに某の興味を持っているだろうからと思い、
冒頭にベトナムに因んだクイズを出題する。

問題
「ホーチミン市発着のベトナム航空のすべての定期便の路線の中で飛行距離が最短の行先はどこ?」

04

ホーチミン市からハノイまでは直線距離で1100km以上、中部のダナンまでも600km超で俄然遠い。
これらが最短だとは誰も思わないだろう。

ベトナム南部でホーチミン市からフライトがあるのは?と考えると...

ビーチリゾートで有名なニャチャン?
カンボジア国境の海に浮かぶフーコック島?
これらは飛行機で行けるところとして、よく知られている。

でも、飛行距離は、それぞれ380km、300kmある。

それよりもっと近くてベトナム航空が飛んでいるところはなかったろうか?

52

ある。
たしかに、ある。

そう、南部の軽井沢に例えられる高原リゾートと言えば...

ダラット

たしかに、ここにもベトナム航空はホーチミン市から飛んでいる。

ベトナム駐在の方々の中には、休日でダラットにゴルフに出かけた方も少なくないはずだ。

されば、正解はダラットか?
と言えば、ブー(不正解の音)

??????

では、果たして、正解は...

07

カンボジアの首都プノンペン

たしかに、ダラットもかなり近いのだが、
ホーチミン市-ダラット間は215km、一方、ホーチミン市-プノンペン間は214kmで、
微差ながら、プノンペンのほうが近い。

国際線であるホーチミン市-プノンペン線が、
国内線のどの路線よりも短距離だというところがネタとしては面白かった。

「面白かった」と過去形なのは、これはおよそ5年前までの話で、今では事情が変わっている。
現在では、カンボジア国境にあるキンザン省の省都ラックザーに飛ぶ路線が193kmと最短だ。

で、何が言いたいかといえば、プノンペンはホーチミン市から実に近い
ホーチミン市―プノンペン線は国際線なのに、おおかたの国内線よりも飛行距離は短い。
ほとんど最短なのだ。

ところが、いざ、行くとなると、実に不便だ。

飛行機で行くとすれば、フライト時間はわずか40分強なのに
料金はほぼ等距離のダラット行きの軽く倍以上する。
往復で400USD前後するし、格安チケットはほぼなし。
格安航空などを使えば、バンコクやシンガポールに行くほうが安くつく。

それでは、と陸路を行けば、今度は時間がかかり過ぎる。
ホーチミン市-プノンペン間には1日数便のバスの便があり、
片道10USD程度で行けるのだが、時間は6-7時間以上みておく必要がある。
となると、1日をバス旅行でつぶす覚悟が必要だということだ。

ちなみに、今から20年近く前、私が初めてカンボジアに行った際には、
面白半分で、ホーチミン市のREXホテル脇にあったバス発着場から
京都駅行き札をつけたままのボロボロの日本の中古バスで陸路プノンペンへ向かった。
早朝6時に出発し、夕方の6時着、実に12時間かかったことを申し添えておく。

今では、当時と比べ、半分くらいの時間で行き来できるわけだから、
ベトナムからのカンボジア旅行は手軽になったことに変わりない。

ここ10年位の間にベトナム人もかなり海外旅行をするようになり、
カンボジアは近くて、コストもかからなく、見所もたくさんあることから
ベトナム人の旅行者も多い。

そこへ、昨日、ビッグニュースが飛び込んできた。

つばさ橋の開通だ。

150326_ツバサ橋-1

JICAのサイトより引用させてもらう。
日本の協力で整備が進められている国道1号線は、カンボジアで最も重要な幹線国道で、ベトナム最大の都市ホーチミンにつながる道路でもある。しかし、これ までこの道路は、ネアックルン地区でメコン川により分断され、川を渡るにはフェリーを利用するしかなかった。通常、フェリーの待ち時間は30分程度だが、 繁忙期には3隻のフェリーをフル回転させても7、8時間待たなければならなかった。しかも夜間は、フェリーが運航を休止してしまう。国道1号線の利用者に とって、この地点は最大のボトルネックとなっていた。
『カンボジアで「つばさ橋」開通——ベトナム・カンボジア・タイが1本の道路でつながった』より
陸路のホーチミン市-プノンペン間には2箇所の障害がある。
ホーチミン市側から行くと、市内中心から70kmほどで、カンボジアとの国境に着くが、
この国境での両国の出入国審査が第1の障害で、混み具合にもよるがかなりの時間がかかる。

そして、更に行くと、上記の引用文のように、
プノンペンの手前、やはり70kmほどのところにフェリーの渡し場があって、
これがまた往来の障害になっていた。

だが、これがメコン川を繋ぐつばさ橋の完成で、今後はこの障害が取り除かれるというわけだから、
両国を行き来する利用者にとって朗報であることは間違いない。

プノンペンは、またさらに近くなる。


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今年に入って、NHKと日経新聞から東南アジアの繊維産業の実情に関してコメントを求められたが、
昨日は朝日新聞からの問合せがあった。
日本企業の東南アジアへのシフトが鮮明になるにつれて、こういう機会も増えていくだろう。

担当記者の今回の題材は、カンボジアの最低賃金問題。
来年から128ドルになると決まったカンボジアの最低賃金改定が
進出している日本企業や海外企業に与える影響や
これからこの地域に進出しようとしている企業にあたえる影響について、
専門家としての意見を求められた。

記者に話した内容をまとめておく。

2010年10月に最低賃金を61ドルと決めたカンボジア政府はこれを2014年まで維持すると公言し
外国投資を呼び込んだにもかかわらず、実際には、この4年間で大きく変動せざるをえなかった。
結果は、維持どころか、破格の高騰を見せ、2015年には128ドルとすることになった。
わずか4年で倍以上の金額である。
カンボジアへの進出企業からは「騙された」という声がよく聞かれるが、
この現状を見ると、そうした恨み節を呟きたくなる気持ちはよくわかる。

カンボジアでは、外資規制の緩やかさから、工場建設、法人設立がしやすい環境となっているが、
とはいえ、政府が労働問題に関して確固たる施策を実行できず、
企業経営の安定した基盤を用意できないという弱点を露呈させている現状がある。

労働集約型産業にとっては、最低賃金は企業の死活に関わる最重要事項である。

実際、この128ドルという賃金レベルはどのくらいなのかというと、
隣国のベトナムとの比較が一番参考となるだろう。

ベトナムでも来年2015年1月1日より最低賃金が改定される。
新しい賃金基準については、すでに決定し、発表されている。
ベトナムの最低賃金は地域によって4つに区分されているが、カンボジアの新しい最低賃金は
ベトナムの第2地域とほぼ同レベルになる。

第1地域はホーチミン市、ハノイ、ハイフォンという3大都市の中心部で、製造業は最早姿があまり見られない地域。
第2地域は第1地域の郊外や中部の中心都市ダナンで、ここが現在ベトナムの製造業の中心的な役割をしている。
そうした地域と賃金レベルが同基準になるということは、同様のパフォーマンスが期待されることにつながるが
実際、カンボジアの縫製工場の生産性は、ベトナムのこの地域の工場と比べると、大きく隔たりがあるという。
ベトナムでは、さらに遠隔で、賃金レベルの低い(114ドル)第3地域でも、
南部ではTien Giang省やBen Tre省、北部ではVinh Phuc省やNam Dinh省などアパレル・縫製業の盛んな地域は多い。
もっと言えば、さらに最低賃金の低い(103ドル)第4地域にすら、最近では進出企業がある。
IMG_1922

こうして見ると、今回のカンボジアの最低賃金引き上げによって、
同国の繊維産業の労働コスト面での優位性がかなりはっきりとした形で失われたといっていいかもしれない。

カンボジアでは今回の政府の決定に対して、工場経営者側からも労働者側からも不満が漏れ伝えられ、
来年に関しての、この問題の解決が完全に図られたかすら、誰も確信を持って言うことができない。
こうした賃金基準をコントロールできないカンボジアという国への投資は、
かなり大きなリスクを抱えているということは誰の目にも明らかである。
カンボジアが日本企業をはじめとする外資企業の投資をさらに呼び込みたいと望むなら、
この投資家や企業の不安を取り除くことが最優先課題となるだろう。


 




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