秋利美記雄 ベトナムの縫製工場を巡る

ベトナムをはじめとするアジアの縫製工場を巡っているコンサルタント・秋利美記雄が見聞したインドシナ地域の四方山話を披露する。

タグ:ネット販売



昨日も書いたように、今回のTPPの合意で一番インパクトがあるのは、<ベトナム生産-米国市場参入>のパターンだ。これは、アパレル製品の形でもいいし、アパレル以外の資材でも可能だ。
資材類の場合は、ベトナムでアパレル製品にしてから、米国市場に輸出されるパターンが多くなるのだろうが。

なにしろ市場の規模がまるで違う。
1つの注文の規模も違う。
ときどきベトナムの縫製工場から、嫌味のように、米国の客の注文書や契約書を見せてもらうことがあるが、0の数が桁違いだ。
1つの品番で0が1個ちがうくらいなら、まだいい。
でも、2個も3個もちがうと、もう話にならない。沈黙を決め込むしかなくなる。
日本の客でたとえば、1型5000枚くらいのパンツの発注すれば、「どうだ!」くらいの顔しているが、同じような商品で米国向けに1型で10万-20万枚縫っていても、それほど驚くにあたらない。
そんな工場に1型1000枚以下の商品の注文の話などできはしない。

日本向けは工賃が若干高かったのは、今は昔の話で、今では他市場向けとほとんど遜色ない。
それでいて、品質面は小うるさいので、生産工場からは敬遠されてしまう。
ちょっとくらい工賃が安いくらいのことなら、安くても、100倍売って、100倍発注する顧客が大事されるのは当たり前だ。


日本の大手商社などをはじめ、資金力があるところは、アパレル製品輸出の分野でベトナムから米国市場向けにもっと積極的であってもいいと思う。
商社などはこうした事業ができてこそ、その存在価値があるのであって、日本向けのたいして儲からない、ちまちました商売をやっている時代ではないだろう。日本向けのOEMなどは小売や専門の業者に任せておけばいいのである。
現在のベトナムなら、日本向けのOEMは商社経由でなく、一般の小売やOEM・ODM業者だって、やり方次第で縫製メーカーとの直接取引することは十分可能だ。
商社は米国向けに大きく商売を拡大するに限る。いつまでも韓国勢や台湾勢ばかりに稼がせておく必要はない。それができないくらいなら、とっととベトナム事務所は畳んだほうがいいだろう。

さらには言えば、昨今はEC販売の台頭で販売の形も大きく変わりつつあり、小規模のネット販売業者でさえも米国市場を狙えるようになってきている。
ネット販売の業者でさえ、アマゾンなどのルートに乗せれば、米国市場に進出することが可能だし、実際、それに挑戦しているところもある。

小さな会社が米国市場を狙うというのはそれだけで胸が躍る。
かつてベトナムでスーツ生産工場を立ち上げた時には、フィリピンに進出していた日本のスーツ工場の技術協力を得たのだが、彼らもまた若かりし頃に米国市場に夢を抱いて、フィリピンにスーツ工場を作ったという思い出話を聞かせてもらったことがある。数十年経って、労務問題の難しさからフィリピンを離れ、ベトナムに移転することになるのだが、当時の技術主任のYさんはベトナムからまた米国向けをやりたいと、まるで少年のような面持ちで仰言っていたことを思い出す。

千載一遇の大チャンスだ。

もし米国向けのビジネスに関われるなら、私も是非挑戦してみたい。
ベトナムを足掛かりにそうしたビジョンをお持ちの方々がいらしたら、是非お声をかけていただきたい。


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最近は、ベトナム繊維業界の「何でも屋」と化している私だが、それなりに活動の方針もある。
今の私の仕事を簡単にご紹介しておきたい。

中小企業が相手

まず、現在の仕事の対象は、圧倒的に中小企業が中心
以前、大手商社に長年勤めていたことから、知り合いの方々は今でもその印象をお持ちのようだが、大手企業の仕事はある程度形が固まっている。
中国プラスワンのシフトも大手企業がずいぶん先に手を付け、中小企業がそれを追いかける恰好だ。
大手のベトナム生産あるいは東南アジア生産は全般的にもうすでに落ち着いている。

しかし、まだ中国生産の比率を落とせないでいる中小企業が今頃ベトナムにやってきている現状で、そうした中小企業をお手伝いするというのが、私の為すべき仕事だと自覚している。我々にしても中小企業なので。

大手企業と違い、人的資源やノウハウの乏しいこれらの企業の方々に我々の持つ経験やネットワークを活用いただこうという試みである。

新規事業のサポート

それで、ベトナムのコンサルティング会社ミラン・コンサルタントのほうは、ベトナムを注としたインドシナ地域での新規事業展開のサポートを中心目標としている。
具体的には、
  1. 視察ツアーを通じての事業展開の可能性の調査サポート
  2. 顧問サービスを通じての事業展開の戦略・方針立案サポート
  3. 記事執筆・講演などを通じての情報・ノウハウ提供
である。

アパレルOEM生産

また、日本の貿易会社カラコロモのほうは、小売業者やネット販売(EC)業者向けのOEM生産・販売に注力している。
こちらは、具体的には、
  1. 情報サイト「アパレル・リソースinインドシナ」を通じて、アパレル調達のための情報提供
  2. 主として、ベトナム北部の生産工場群を活用してのアパレル商品や雑貨類の調達・仕入れのサポート
である。

中小企業を相手にする理由

中小企業を相手にする一つの大きな理由は、企業の顔がはっきり見えるから。
中小の場合、社長自らが積極的に現場に出ていかなければならず、それ故に、実際に社長にお会いし、何を考えているかを直接伺えるのがポイント。
逆に言えば、現場のスタッフに任せて、現場に出てこない社長が指揮を執る企業ならば、私も前向きにならないということだ。

ネット販売や小売店などの小さな事業でも、トップが自ら出てきて、目の前で決済してくれれば、これ以上に気持ちよく仕事ができる環境はないと最近感じている。

そういう中小の社長さん方、ぜひご連絡ください。



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