秋利美記雄 ベトナムの縫製工場を巡る

ベトナムをはじめとするアジアの縫製工場を巡っているコンサルタント・秋利美記雄が見聞したインドシナ地域の四方山話を披露する。

タグ:TPP



Denimsandjeans.comというウェブサイトが主催するデニムの展示会に出かけてきた。
ベトナムでは初めての開催になる。
TPPの発効を見込んで、海外からのベトナム進出が加速している。

主催企業はバングラ企業らしく、バングラで6年展示会を続け、今年はベトナムでも実施するということらしい。

TPPを見込もうが、そうでなかろうが、要はベトナムに生産工場を持つ企業の情報がほしかったので、
とりあえず参加してみた。


開催場所はGem Center。昨年完成した本格的な多目的イベントホールだ。



参加企業は、バングラ、パキスタン、インドが中心で他にイタリア企業も。
ベトナム企業はちらほらと見え、中国企業は皆無という、珍しい展示会だ。
(実際には参加企業リストに中国企業1社と香港企業1社あり)



以前にベトナム北部でデニムの合弁事業を行っていた韓国のTae Changが
いったんはベトナムから撤退したものの、3年前に戻ってきている。
TCE Vietnamとして、現在では、ナムディンの工場を稼働させ、HCMCに販売事務所を開いている。



あとは、中華系生地メーカーが1-2社。

初年度はこんなもののかといったところだろう。
新しい試みゆえ来年以降どうなるか見守っていきたい。


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スライド1
年代的に長渕剛を聞いて育った世代は皆、TPPに関して同じように感じるのではないか。
少なくとも私はそうだ。

ベトナムでも日本でもTPPの話題で持ちきりで、セミナーの類はことごとく満員と伝え聞くが、
こと、アパレルビジネスに関して言えば、たいていの方は直接的にはなんら影響ない。

日本へのアパレル輸入ビジネスでは何ら影響はない

ベトナムはTPPを構成する12か国のうちの1つである。
そのベトナムはTPPによって12か国中最大の利益を得られると見られている。
しかもその立役者は繊維産業になると言われているので、
現地にいる身として、頻繁にTPPの影響について訊ねられるが、
実際、現地に関わる日本のアパレル企業のほとんどは対日ビジネス一辺倒なので、
直接的な影響は皆無である。
直接的な影響というのは端的に言えば、関税障壁撤廃による影響のことである。
関税がなくなって安く輸入できれば、もっとベトナムへ発注しようということになるが、
そうはならないので、影響はない。

TPPも自由貿易協定(FTA)の一つで、加盟国間で互いに関税障壁を撤廃する協定である。
物品の移動の障壁となる関税を撤廃することで貿易を促進することを狙いとしている。
では、関税撤廃を掲げながら影響がないというのはどういうことなのか?

TPPは適用ルールが厳しい協定

自由貿易協定(FTA)で特恵関税を適用する際のルールが原産地規則で、
これは、ある製品がどの国の製品であるかを決定する規則なのであるが、
それぞれの協定によって条件がまちまちである。
FTAの交渉というのはこのルールを折衝によって取り決める過程をいうのだから、
この規則の内容が協定ごとに違うのは当たり前なのだが。

日本へのアパレル輸入ビジネスにおいては、
すでに2008年の日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)において、
2工程ルールという原産地規則に則って関税緩和措置が採られている。
一方で、TPPの根幹をなす原産地規則はヤーンフォワードというルールで、
これは言い方を換えれば3工程ルールと呼ぶこともできる。(下図参照)

原産地規則
Jetroホーチミン、ホーチミン日本商工会共催「TPP協定における繊維分野の合意についての説明会」資料より

AJCEP、TPPのいずれの協定の原産地規則でも、
協定加盟国内において、必要工程数を実行すると原産地と認められることなっていて、
それがクリアできれば、免税措置を適用されることになっている。
2工程のみ加盟国内で実行すればよいルールのほうが
当然ながら、3工程ルールよりも規則としては緩いと言える。
つまり、TPPの原産地規則はAJCEPのそれよりも厳しいルールだと言うことができるわけだ。
(ルールだから当然、例外はあるのだが、ここではひとまず基本原則についてのみ言及することにする。)
だから、日本国内だけにアパレル輸入をされている方々はTPPなどほとんど関係ないといってもいいだろう。

TPPの影響が大きいのは米国向けのビジネス

では、なぜ世界がTPP、TPPと長渕剛のごとく、叫び続けているかと言えば、
アメリカ市場への輸出に大きな影響が出るからである。

米国向け大型縫製工場

米国経済の規模は、GDPの比率で言えば、TPP12か国のGDP全体の実に62%を占める巨大経済市場である。
現在まで、そのアメリカ市場は海外から輸入される多くの繊維・アパレル製品に20%近い関税をかけて、国内業者を保護しているのだが、
この関税障壁が撤廃されることで米国市場が世界に向けて大きく開放されることになる。
そして、TPP12か国加盟国中で、繊維産業が盛んで、この米国の繊維市場に最も積極的に浸透してくるであろうと見られているのがベトナムなのである。

したがって、TPPの関税ルールによる恩恵を受けたければ、米国市場向けに製品を輸出するビジネスを展開する必要がある。
その際適用されるルールはヤーンフォワードルール、つまり3工程ルールなので、紡績・製糸、製織・編立、縫製・裁断のいずれの工程に関わっても、好影響を受けられる。
TPPという新しい枠組の設定によって、ベトナムからアメリカ向けのアパレル製品の輸出が増大することが期待できるので、どの工程に関わろうとも少なくとも受注増というメリットが得られるというわけだ。

日本の商社はこのチャンスに米国向けビジネスをなぜ展開しないのか?

だが、実際のところ、日本の企業でアパレル製品を米国市場へ輸出しよう、米国市場で販売しようというところがどれだけあるだろうか?
本来なら、ここは貿易ビジネスを専門とする商社の出番だろうが、
ある大手商社に籍を置いていた私の経験から言うと、
実際に米国市場へのアパレル製品の輸出を手掛けられる商社は数えるほどしかない。
それはなぜか?
なぜなら、商社と言っても、まず、繊維部門にいるスタッフは英語もろくすっぽ話せないのがゴロゴロいて珍しくないからだ。(理由はもっと書こうと思えば書けるが、ひとまずこれだけでも十分ではないだろうか?)
実情を知らない方々は驚くかもしれないが、これは事実である。

関係スタッフに能力がないのはやむかたあるまいが、
ともあれ、米国向けのアパレル輸出を展開しようという日本企業がほとんどないのは淋しい限りである。


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今週前半はアメリカのオバマ大統領のベトナム訪問という一大イベントがあり、ベトナム中、この話題で持ちきりだ。

ハノイでもサイゴンでも人々はオバマ大統領を大歓迎

最初に訪問したハノイでは、夜中、地元庶民で賑わうブンチャー(つけ麺)屋にお忍びで出かけ、周囲を驚かせた。(「オバマ大統領がハノイで入ったブンチャー屋はここ!」)


24日午後にホーチミン市入りすると、今度は多数のホーチミン市民から大歓迎を受けた。
弊社事務所のあるナムキコイギア(Nam Ky Khoi Nghia)通りは空港から市内に入る幹線道路で
当日は交通規制が敷かれることになっていた。
予定の午後3時を過ぎると、誰もが外に出て、オバマ大統領の通り過ぎるのを見ようと待ち構えていた。









ベトナム戦争当時の南ベトナムの首都サイゴンは、ホーチミン市と名称を換えた今でも、人々の間では親米色が強い。アメリカ人は戦争時代に一緒に「北」と戦った同志であって、敵とは見なしていない。

TPP推進や中国封じ込め政策はベトナムの利害に合致

しかも、オバマ大統領は今後のベトナム経済の大きなカギを握るTPP推進の最大の功労者である。
このTPPによってベトナムは世界経済の中へ大きくはばたくチャンスを得ようとしているのだ。

さらには、今回のベトナム訪問でオバマ大統領はベトナムへの武器禁輸解除を発表した。
TPPにしても、この武器禁輸解除にしても、中国の封じ込め政策は一貫している。

中国の南進に脅威を感じているベトナムとしては、アメリカが強力な後ろ盾になってくれることを強く望んでいる。
それゆえ、今回のオバマ大統領の訪問が大いに歓迎されているのはまったく不思議でも何でもない。


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あけましておめでとうございます。

昨日は仕事始め。
先月23日から仕事とプライベートを兼ねて、日本に帰国していたが、
ありがたいことに仕事初めの昨日から早速のコンサルの仕事が立て続けに入っており、2件とも電話にて対応した。

2件の相談はいずれもかなり専門的な内容で、私としても興味深いものだった。

今やもはや単にアパレル製品の縫製加工地を変更するだけではすまなくなっている。
縫製加工の変更はもちろんだが、それを取り巻く環境からアパレル生産のビジネスを模索するという点で2件の問合せは共通していた。

2015年のTPPの合意を軸とした大きな変化が、世界の中でのベトナムのアパレル生産基地としての地位を確固たるものにしていくのだろう。
以前このブログで「今後、5年間はベトナムでのアパレル生産が有利な理由」や「まだまだこれから10年間はベトナムでのアパレル生産が有利だといえる理由」という記事を書いたが、日に日にこうした記事の中で書いたことが現実化されているのを感じる。
昨日のような問合せが来ることも、今回のアパレル生産のベトナムへのシフトの波が本格的なものである一つの証拠であるといってもいいだろう。

縫製加工地を変更するというだけの、表層的な動きだけでなく、もっと深い位置からの変化が起こるだろうと誰もが感じているのだ。

いずれの問合せも大多数と同じく日本からの問合せで、日本との取引の可能性に関しても質問を受けた。それに対して、私ははっきりとした可能性の絵姿を提示した。世界的な大きなうねりの中で日越間のアパレル取引がどうなっていくのか、私自身には明確な未来像が見え始めているからだ。

今年のこのブログではそうした今後のベトナムと日本のアパレル取引の可能性についても語っていきたい。


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