マスコミ不信日記

オーウェルが描いた、じょじょに「ある言葉」が使えなくなり、言論の自由が奪われ、魂が管理されていく、静かで不気味な全体主義の近未来は、支那や北朝鮮よりむしろ現在の日本の姿そのものではないだろうか?
──西村幸祐「『1Q84』ではなく『一九八四』の世界を迎えた日本」〜『メディア症候群』より

また共産主義の亡霊が…(平成22年9月の呟きまとめ)

先月は、軽い気持ちで投下したこれ↓が局地的にえらく騒ぎになりまして。
Togetter - 「ツイッター批判記事を書いた朝日・藤生京子記者がアカウントを削除して逃亡するまで」

ツイッターの力学に異論続々(7/15 朝日)
「数が多い人が勝っているという思いこみに基づく競争は、まさに市場原理。こんなところまで新自由主義的な論理がまかり通っているかと思うと、うんざりです。有名人にとっては宣伝の道具なのに、普通の人たちに、有名人とコミュニケーションできたかのような幻想や錯覚を抱かせているだけ」(香山リカ)

まあいろいろ反応があって面白かったです。ブログとツイッターの微妙な読者層の違いというか。
「言葉を慎め」的な指摘が結構あったのは意外といえば意外。いやー日刊ゲンダイや週刊朝日ほど言葉遣いが下品じゃないつもりですが(皮肉

香山リカが何を言っているのかわからないのは今に始まったことじゃないので(毒)ここで注目したいのはこの記事を書いた藤生京子という記者。
翌月にはこんな記事も書いて、こちらの反響もまとめておいた。
朝日新聞「今、再びマルクスに光」への罵倒・嘲笑
今、再びマルクスに光 入門・解説書や新訳、相次ぎ刊行(8/28 朝日)
 6月に新訳『共産党宣言』(作品社)を発表した的場昭弘・神奈川大教授(経済思想)も確信を込めて言う。「千年、二千年単位で構想されたマルクスの世界観にとって、ソ連・東欧の失敗は序曲にすぎない。共産主義を求める波は今後も繰り返し訪れる」

多大な犠牲を出した体制をそんな言葉で片付けるのって、人としてどうなの? 共産主義の非人間性を的確に体現しています。

この手の「識者の発言を切り張りして自分の主張を反映させる記事」というのはマスコミがよく使う手口ですよね。
遡れば藤生もこんな記事を書いてた。朝日のサイトでは無署名ですが一応ソース
曲がり角の保守系論壇誌 過激にあおる雑誌台頭(2007年08月22日)
ろくでもない。まあ、典型的な朝日脳ですな。
論壇ネタばかり書いてるけど、そんなに読解力があるかというと当の論壇の中の人(東浩紀、宮台真司、菅原琢)の評価からみてもだめっぽい。
 consaba
“その起爆力に、期待が高まっている。”(藤生京子) RT @hazuma この記事、RTしただけで読んでいなかった。読んであまりの好意的評価にびびっている。http://book.asahi.com/clip/TKY201003100273.html
 miyadai
そういえば、昨日の朝日新聞にクール・ジャパノロジーの紹介記事が、藤生京子名義で出ていたけれど、単調な記述でしたね。どうも文脈を分かっていないようです。僕が話題提供した「カワイイ問題」は単なるネタなのにな。本質は、日本的な文脈無関連化機能が、国際的に需要されるようになった点です。
 M_A_Suslov
理解者ぶっていて何も読み取れていない、という最悪の例。「学会を超えて、うなずく人の少なくない主張だろう」関係ないがな。QT @sugawarataku    問題の核心は政府の政策にあるに決まってるだろ。何にもわかっていない。 http://bit.ly/9128OR

だめだこいつ(ry あんた著書も評判悪いよ!(レビューを書いたのは私じゃないので念のため)
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starsツイッター批判記事を書いた藤生京子、自分のツイッターアカウントを削除して逃亡
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ゼロアカ媚び媚び路線なのでそういう手合いと同年代かと思ってたけど、結構上なのな。
e-hon 本/吉本隆明のDNA/藤生京子/著 姜尚中/〔ほか〕インタビュイー
藤生 京子 (フジウ キョウコ)       
1965年、群馬県生まれ。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。1988年、朝日新聞社入社。徳島、京都支局で勤務後、大阪・東京本社学芸部。1996年から約4年間、AERA編集部。2000年に東京本社学芸部(現・文化グループ)に戻り、アジアネットワーク主査などを経て主に文化面を担当

ジャニーズやら韓流やらの代わりに論壇系アイドルwwの追っかけか。しかも趣味の悪い。
8月の共産主義万歳特集のあと署名記事が見当たりませんが、「藤生先生の次回作にご期待ください!」って感じですかね<変なフラグ立てんな

あと適当に共産つながり。
  1. マスコミ不信日記
    mediadistrust 日本共産党も「希少動物の保護という観点から、1億円を払うのは無駄ではない」と都のパンダ借受に賛成 http://ryotaroneko.ti-da.net/e2412130.html 「そんな金があったら貧困対策に回せ」と主張しないのか。格差批判は口先だけで支那への朝貢優先とな!
  2. マスコミ不信日記
    mediadistrust 座布団一枚!だいたいゴロゴロ寝てるばかりで、大して面白いものじゃないのでは @xumi2: 希少動物どうし共感があるのでしょうか。 @yoshidajinja088: パンダかえしていいよ 北極熊と月の輪熊並べてみたらパンダ見た気になるから〜日本共産党も都のパンダ借受に賛成
  3. マスコミ不信日記
    mediadistrust http://blog.livedoor.jp/saihan/archives/51542849.html 「共産党員が増えている!」なんて朝日記事もありましたがとっくに幻滅してそう @kannaQ: 若い党員は、今の古参幹部に物言いたくても言えないってないてる人多いらしいしねw
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日本共産党も尖閣問題ではGJといわれてましたが、

でも言うだけですからねー。野党で共闘して民主政権を倒すぐらいやってもらわないと(日米密約では民主党に協力姿勢を示してたけど、その後は関係が悪化してますよね)。

まあ党勢もひどいようだし。
  1. マスコミ不信日記
    mediadistrust 共産党員高齢化、活動率低下も 志位氏が危機感 http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010092501000322.html 若者の共産党離れw 「派遣切り、蟹工船ブームで若者に共産党が人気」というマスコミ報道は一体何だったのか?
  2. 朝日歌壇鑑賞会事務局長
    asapykadan マスゴミ発「●●ブーム」報道は一切無視すべき。そんなブームは捏造か、とうに峠を越したかのどちらかだから。RT @mediadistrust「共産党員高齢化、活動率低下も」http://bit.ly/dxcYdq「蟹工船ブームで若者に共産党が人気」というマスコミ報道は一体何?
  3. マスコミ不信日記
    mediadistrust 報道に偽装した宣伝で、マスコミが儲けようという意図が見え透いてますよね。韓流とかそんなのばかり @asapykadan: マスゴミ発「●●ブーム」報道は一切無視すべき。そんなブームは捏造か、とうに峠を越したかのどちらかだから。RT @mediadistrust: 蟹工船ブーム
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いま振り返れば蟹とか格差とか共産党とかをマスコミが持ち上げたのも、民主党に政権を取らせる為のダシに使われただけのようにもみえますね。ご愁傷様。
<10/17、18 更新>

マスゴミ「尖閣デモの2600人<公園占拠の20人」

花うさぎの「世界は腹黒い」:10.2 中国の尖閣諸島侵略糾弾!全国国民統一行動

 海外の報道陣が取材に来てましたが、帰宅してみると、AFPとCNN、ウォール・ストリート・ジャーナルなどが 速報を流しており、これをソースに2チャンネルでは深夜まで「祭り」状態が続いていたのですね。例によって国内のメディアはほとんど報道していないようです。

 しかし、日本国民を本当に怒らせた船長釈放から十日近く経過しても、民意を図る世論調査を発表したのはFNN・産経新聞の合同調査のみ、そしてこの空前の抗議デモすら報道しないとなると、もはや報道機関としての存在意義そのものが問われている、というか自ら否定しているといっても過言ではないでしょう。

Protesters holding Japanese national flagsChina accused of invading disputed islands (CNN)
Tokyo Protests Blast China's Response to Collision (WSJ)
Japan government support slides on handling of China (Reuters)
元空幕長らの団体が代々木で集会、中国対応で民主党政権を批判(AFP)

これだけの人数が集まったというのは画期的なのでは。
AFPの「右派系団体」という書きぶりはどうかと思うところもありますが、報道するだけまだましでしょう。

海外メディアが取材しているのに、国内メディアが知らないとかありえない。だいたい参加した人たちは自ら情報を得ているわけで、仮にも報道機関を名乗る組織の人間がそれ以下の情報収集能力って貴様らそれでもプロか!といいたい。

しかし「渋谷 抗議行動」で国内のニュースサイトを検索してもこのデモは全く記事がなく、代わりに引っかかるのはこんなのばかり。
渋谷で“ナイキ公園”に抗議 代執行直前「公園を返せ」(9/23 共同)
 23日午後、激しい雨の中、公園に反対派団体のメンバーら約150人が集結。ハンドマイクで「公園は企業の宣伝の場ではない」と訴え、「公園を返せ」「行政代執行を中止しろ」とシュプレヒコールを上げた。


宮下公園:改修工事 「納得いかない」 反対派団体、代執行に抗議 /東京(9/25 毎日)
 同日午前10時、日置康正・区土木部長が公園内で執行を宣言し、区職員らによりテントやテーブルの撤去が始まった。区は執行に先立ち15日に同公園に9カ所ある出入り口を封鎖していた。作業は午後3時20分に終了し、約80件の違法占用物が運び出されたという。公園入り口には「守る会」メンバーら約20人が座り込んで抗議活動を行った。

極左ポータルwレイバーネットが宣伝してるぐらいだからお里が知れる。
多人数で整然としたデモは黙殺され、少人数でも揉めれば揉めるほど報道されるというのも変な話です。主催者名でぐぐったらこんなのがあった。
「宮下公園」から世界を見つめる〜民主主義の貧困〜
ゲスト:ピーターバラカン(ブロードキャスター)
竹信三恵子(朝日新聞経済部編集委員)
植松青児(みんなの宮下公園を守る会)

佐野和俊(渋谷にスケートパークをつくってもらおう会)

こういうふうにマスコミ上層部とパイプのあるプロ市民団体の活動は、報道上も優遇されるわけですね。以前にも書いたところですが。
平成21年5月 マスゴミ「身内やプロ市民の集会は伝えても偏向NHKへの抗議デモは報道しません」
遡ればこういうことも。
平成17年6月 酔夢ing Voice - 西村幸祐 - フォラツェン医師との再会------家族会座り込み2日目
2年前のフォラツェン氏のインタビューで最大の収穫だったのは、5月30日の国民大集会をTBS「News23」が1秒も報道しなかった理由を、TBS関係者が「あれは、ナショナリズムの集会だから」と彼に言ったという証言を得られたことだ。その証言を、私は「諸君!」(平成15年7月号)の「拉致家族と朝日新聞&筑紫哲也の深すぎる溝」に書いた。

一方、報道されるのは。

一定の「法則」があるのは明らかでしょう。
いくら報道内容の取捨選択の自由があるからって、権利の濫用はここまで許されるのか?

そもそも既存メディアは「公共性」「多様な言論」を口実にさまざまな特権―電波の安価な占有、記者クラブ、再販制、取材源秘匿、証言拒否権などなど―を得ているはずなのに、公共の関心にも応えず、多様性もないなら特権を剥奪すべきではないのか、というのが問われるはず。
はやぶさ帰還の中継がなかったときもそうでしたが、なかなかそういう議論にならない(特にツイッター界隈では必死なマスコミ擁護が散見したり)のが残念ですね。
<10/17 更新>

山崎正和の新聞擁護・ネット叩きがかなり酷い

H22.8.8 読売H22.8.8 読売いささか旧聞に属しますが、8月8日の読売新聞1面「地球を読む」より。
そこ、二匹目の泥鰌とか言わない!

報道の電子化 山崎正和 劇作家
「情報選択する責任」 拡散
「紙」の権威 近代の知恵

現にブログもツイッターも人の一回の発信量を短くし、短い断片的な文章になじんだ若者を生みだしている。どちらも粘り強い論理的な発言には不向きであり、刹那的で情緒的なやりとりを誘いやすい。携帯電話メールにいたっては、日に数十回も送受信する高校生がいるというが、これでは内容は空疎どころか、朝夕の挨拶以上のものになるのは難しいだろう。

今日の新聞の役割は社会的権威の是非はもちろん、日々の事件についてもその重要性を判別し、多忙な現代人が最低でも知るべき情報を限定することだろう。専門分化の進む社会の中で、万人が共有すべき知識を選別することである。啓蒙とはいわないまでも、注意喚起が新聞の使命であり、そのためには熟達のプロが必要なのはいうまでもない。

出版も同じであって、編集者の仕事はまず筆者を選ぶことであり、原稿の主題と文体を評価することである。時流に反した言い方だが、言論の自由とは誰でも好きなことを好きなように書く自由ではない。電子出版はそれを可能にしたようだが、これは議長のいない大衆討論のようなものであって、言論が言論を打ち消しあう効果を招くだけだろう。出版社とプロの編集者は、真に自由で上質な言論の関守(せきもり)としてこそ不可欠なのである。

今のところ日本の新聞はまだ健全だが、それは宅配制と再販制の維持によって守られているからである。この小論でわかりきったことをあえて書いたのも、この制度の必要性を一部の「市場自由論者」に教えたいからであった。

そしてこの現状を維持してゆけば、広告料の問題もやがて新聞、雑誌の勝利で終わるかもしれない。「電子チラシ」は有料で掲出される掲示板に過ぎないから、求人広告などを除いて、読者が積極的に探してサイトを見るとは考えにくい。読者にとって、商品の広告は優れた記事の横にあるから見るものであり、発行者に権威があるから信用するものである。もし電子検索会社がこの真似をしようとすれば、結局、彼ら自身が新聞社になって、時間と金をかけて権威を養うほかはないだろう。

酷いな。最初に一読した感想は「こんなに粗雑な文章を書く人だったっけ?」というものでした。
「一回の発信量が短い」「断片的」なものを否定するなら短歌や俳句はどうなんだとか(それも微妙だけど)、新聞が老人向けに文字を拡大して情報量を減らすなど愚の骨頂でしょう。

新聞広告に信用があるなら、それを裏切ったこの事件では責任を負うべきでは?
平成電電匿名組合募集新聞広告/記録・雑記
素晴らしい権威をお持ちのはずの新聞の頂点に君臨する渡辺恒雄が、大連立騒動はじめどれだけ日本に害悪を及ぼしたかを直視しろ!とか突っ込みどころが多すぎです。

ツイッターで取り上げて西村幸祐氏より返信を頂きました。
  1. マスコミ不信日記
    mediadistrust http://bit.ly/92W5bv 山崎正和「ブログもツイッターも粘り強い論理的な発言には不向き」「言論の自由とは誰でも好きなことを好きなように書く自由ではない」「日本の新聞は宅配制と再販制に守られているからまだ健全」(8/8 読売) 耄碌したな… #katsuji
  2. 西村幸祐
    kohyu1952 山崎正和氏は70年代初頭までです。新潮の「鷗外闘う家長」からちょっと変になった。また宣伝になりますがw、8月16日発売「表現者」9月号で拙論「幻の黄金時代」の連載完結。この連載でも80年代の山崎氏を改めて批判しました。単行本になるのは先ですが・・ @mediadistrust
  3. 西村幸祐
    kohyu1952 山崎正和氏について追記。実は僕も80年代当時は山崎氏の『柔らかい個人主義の誕生』の脆弱性を見抜けませんでした。当時はあれを読んで納得してた。反省するしかありませんが、今になって80年代の同時代史を書く事によって彼の嘘や論理の駄目さが分かった次第。@mediadistrust
  4. マスコミ不信日記
    mediadistrust http://bit.ly/d3qAGw 私も敬意を払っていましたが、道徳・歴史教育軽視の発言で中教審会長としての適性に疑いを持ちました @kohyu1952 山崎正和氏は70年代初頭までです。〜今になって80年代の同時代史を書く事によって彼の嘘や論理の駄目さが分かった次第。
-- this quote was brought to you by quoteurl

■道徳教育も歴史教育も不要とは…
山崎正和・中教審会長が語る「教育」観への疑問 それでは国籍不明の地球市民は育っても「日本人」は育たない
産経新聞論説委員 石川水穂(「正論」07年9月号)
 最も懸念されるのは、今年二月から第四期中教審会長に就任した劇作家、山崎正和氏の発言である。

 山崎氏は四月二十六日、日本記者クラブでの講演で、道徳(倫理)教育について、「個人の見解」と断りつつ、次のように述べた。「私はアドバイスを求められれば、現在の教育システムの下で倫理教育を行うのは無理だと思っている。なぜかというと、現代社会は一面で価値観の多様化を認めている。他人のものを盗まない。暴力を振るってはならない。女性を差別してはならない。これくらいは共通認識で教えられるが、本当に倫理の根底に届くような事柄は、学校制度になじまない」

 山崎氏は平成十二年に出版した著書『歴史の真実と政治の正義』(中央公論新社)の中で、こう書いている。「国家は特定の民族文化の伝統から離れ、純粋に合理的な法と制度の体系として働くほかに生きる道はない」「そのための具体的な一歩として、国家は初中等学校における歴史教育を廃止すべきだ、ということを重ねて繰り返しておきたい」

 また、山崎氏はこの著書で、こう書いている。「『東京裁判』の描いた戦争の姿はまさに法的真実であって、戦後の日本はそれを政治的正義の立場から受けいれたのであった」「サンフランシスコ講和条約の条文のなかに、日本は『東京裁判』の判決を否定しないという誓約を明記した。それを前提にして日本は新しい国内体制をつくり、旧敵国とさまざまな条約を結び、結果として平和で豊かな社会を楽しむことができた」「『南京虐殺』にしても『慰安婦問題』にしても、日本があの『侵略戦争』を全体として認めた以上、そこから状況証拠によって問われている罪なのである。日本人の目から見て非難の証拠が曖昧であり、事件の存否に論争の余地があるとしても、それは法の性質として当然だといわなければならない」

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柔らかい個人主義の誕生―消費社会の美学 (中公文庫) 文明としての教育 (新潮新書) 日本人の内と外―対談 (中公文庫) 社交する人間―ホモ・ソシアビリス (中公文庫) 不機嫌の時代 不機嫌からの精神史的考察 (講談社学術文庫)

この本の内容と比べても更に劣化しているようにみえます。
「教養の危機」を超えて 『This is 読売』一九九九年三月

市場は刻々に商品を評価し、流行の創造と陳腐化を繰り返すが、この構造はまさに情報の販売にこそふさわしい。これが知識商品に適用されると、市場はたえまなくベストセラーを氾濫させ、その波のなかにロングセラーを沈めて失わせる。今日の日本の出版界では、年に二百種類の雑誌が創刊されては廃刊され、単行本は一日に二百点以上が刊行されているというが、これはどう見ても健康ではない。読者を脅かす情報化とは、テレビやインターネットの映像ではなく、知識を情報のように取引する市場の欠陥のことなのである。

具体的にいえぽ、とくに日本の場合、書評の機能を強め、編集者の能力と権威を高める必要があるのは明白である。欧米諸国に比ペて日本の書評は行数も少なく、専門の書評家も育っていない。業績としての評価が低く報酬も乏しいために、書評は著者たちの片手間仕事にならざるをえない。書評と論壇時評こそ市場の大衆投票の歪みを補い、先導的消費者の役割を果たすものであるのに、そのカが構造的に弱いのである。また筆者にエージェント制度のない日本では、かつては編集者が新人を育て、時間をかけて庇護も選別もおこなってきたが、その機能も弱体化している。出版社や雑誌どうしの競争が激しすぎて、編集者にそのための金も時間もないからである。

THE DAILY YOMIURI Aug 10, 2010このときはまだ、知識人も従来のままでは存在意義を失うから変わらなければならないという自覚があったのに、今ではただ変化を拒否するだけの存在に成り下がったように私にはみえますね。

英訳がデイリー・ヨミウリにも載りましたが、海外の人の感想も聞きたいものです。
「民主主義を支える活字文化を支える再販制度」というのが業界の論理ですから、再販制のない英米や北欧の民主主義は日本より劣ったものなのか?とかね。

In Japan, newspapers still are good shape due to home delivery service chains and the resale price maintenance system, which means newspapers are sold at the same price across the country. I mention the price system because I want to remind advocates of market liberalization of the necessary of the system.

当然ネット上でも批判が多くなります。
活字媒体の電子化とマスメディアの権威の消失 -山崎正和 「報道の電子化」(読売新聞 地球を読む 2010/8/8)を読んで - おれのオレによる俺のためのブログ
一般的に考えて、紙を用いる新聞よりも電子メディアの方が紙や印字、配達などの諸々のコストを削減でき、言葉を発するのに費用を必要としないはずではないか。もちろん、ネット上の記事に対して対価を支払う意識の無い昨今のネットユーザから費用を回収するシステム作りは必要となるが、それさえ実現できれば、諸々のコストは現在より減少し、より記者を囲い良質な記事を生産するための費用に充てる事が出来るはずではないか。

こういった新聞社の怠慢に基づく紙新聞の凋落を、ネット上のまるで性質を異にするポピュリズム的発言の悪に押し付けるこの論は、なんの事はない。結局、巷に溢れるただの紙信奉主義者の懐古主義的論調に他ならなかった。それは氏の以下の一文にも示されている。

さらに忘れてはならないのは、従来の紙媒体が「もの」としての存在感を持っていて、これが無関心な人をも情報に振り向かせたことである。毎朝の新聞は、その手触りとインクの匂いで目を覚まさせたし、書店に足を踏み込めば、列をなす本が装丁と帯の惹句によって読書欲を刺激したものであった。

思わず笑ってしまった真面目な寄稿文 読売新聞『地球を読む 報道の電子化』2010年8月8日付 - feel the wind
新聞社の記事は記者が書いたものがそのまま掲載されるわけではなく、何重にもチェックを受けた上で掲載される構造になっているため、裏付けがない内容は基本的には掲載されないだろう。が、メディアの情報が必ずしもニュートラルで正しい情報とは言えない、ということがこの寄稿文を読むだけで証明出来てしまう。メディアに限らず、どんな業界も法律の変化やテクノロジーの躍進によって構造の変化をしながらビジネスを継続している。比較的近しい分野で言えば、固定電話は携帯電話に取って代わられ、公衆電話はかなりの数が消滅し、今や都心部での若者の一人暮らしでは固定電話を持たない人の方がマジョリティになりつつある。そんな中、NTTの地域会社は徐々にではあるが構造変化をしながら『音声』以外の情報も同時に利用できるライフラインとしての地位を確保すべくビジネスをしている。もっと将来は固定回線そのものが意味の無いものになってしまうかも知れない。でもそれは、時代が求めている変化であって回避しようがない現象だろう。

実は新聞も同じで『宅配制度』、『紙』、『広告依存収益モデル』から変化を求められているのであって、懐古主義を押しつける方が筋違いであり、またその文面が1-2面に堂々と掲載されていることが不思議である。プロパガンダとして掲載するのであれば、中学生にも論破されるようなロジックはあり得ないだろう。もし山崎氏が言われるような『深刻な危機』ということであれば、このレベルの文章をメインのコーナーに載せた新聞社の体制のことを指しているのだろう。

2010年8月8日付読売新聞コラム〜地球を読む〜|合言葉は「日本が大好き!」
だとするならば、このコラムから読み取れる読売新聞の本音は

新聞社の権威によって情報操作を可能なさしめ、もって国民を「誘導」する

という、考えたくもない情報統制の是認である。いや、もっと言ってしまえば、それを未来永劫保証するためには宅配制度と再販制を維持せよ!と要求しているのである! まさに読売新聞社が希求してやまないものは「国民を自らの主張によって洗脳し続ける」ことであるという恐ろしい結論に到達せざるをえない。

これは多分読売新聞のみならず新聞・テレビといったマスメディアに共通する「欲求」であろうから、今の日本がどれほど危険な状況に置かれているか理解できるだろう。

なんとしてもマスコミから権威を奪い取らない限り、「操作されていない生の情報」に接することが不可能になるだろう。

あまりにも危険な思想の一端を垣間見せてくれたという意味において、このコラムは極めて秀逸であると評価したい。

木星にでも行ってたんだろうか。: Vanityの雨乞いブログ(Dragon Age: Origins編)
 デンバーでは地方紙が廃刊となり、記者たちはしょうがないから読者の自発的な投稿をベースにニュース発信をはじめたが、イラクやリーマンの記事はまったくなくなり、デンバーの市街電車の路線や存続の話ばかりになった。
 
 え、それのどこがダメなの?
 アメリカの市長なんて交通渋滞を放置したらすぐクビになるよ。市民の興味として、毎日の通勤や買い物のための移動の安全・安定を願ってるんじゃないの? まずインフラストラクチャーの整備を市(なのか郡なのかグレーター・デンバーなのかしらんが)に期待してるんでしょ?
 それは「低俗」なのか? まあ「小市民的」ではあるけど、えー、だめなんだあ。
 全部のジャーナリズムがこぞってイラクやリーマンばかり書いてるから破綻したんじゃないの?


 「権威」とは知的な分業のための社会制度なんだって。僕は権威ありますけどね、ってことですかね。権威がないと発言してはいけないんだって。だからこの人物にとって、得体の知れない連中が跋扈するネットは忌々しいのだ。まあ事実、自分も入れて何事も90%はカスだけどね。

 あとよ、「啓蒙」って何よ? 劇作家なら「蒙」の意味くらいしってるよね?
 誰が「蒙」なんだろう。少なくともこの人物はその範疇にはいないところからしゃべってるんだろうね。


 こうやって一個一個つっこんでると、楽しんでるのが私だけになりそうなくらい、イヤーな話のオンパレードになってしまいそう。

そりゃネットも暴走する小沢一郎信者とか、的外れなことを言って失笑を買う売れっ子識者とか(誰とは言いませんが)ダメなところもあるけど(お前が言うなという声も聞こえそうですが)、こんな駄文を新聞の一面に載せて平気でいられる輩に言われたくないですね。
<9/27 更新>続きを読む
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