新聞など特殊指定廃止も 公取委検討へ 来年6月までに結論(11/3 中日新聞)
 公正取引委員会(公取委)の上杉秋則事務総長は二日の定例会見で、新聞発行など五分野に対し設けている、独占禁止法の適用を除外する規定である「特殊指定」について、廃止も含めた見直しを行うことを明らかにした。関係者への事情聴取などを行い、来年六月までに結論を出す。

 特殊指定の対象には新聞社のほか、教科書販売業、海運業、食品缶詰・瓶詰め業、新聞・雑誌などの広告での懸賞がある。上杉事務総長は「多くが施行してから年月を経ており今は規制緩和の時代。現在も必要な規制か、わざわざ特殊指定する必要があるか、の二点を検証したい」と述べた。

 新聞社で特殊指定とされているのは(1)新聞社による定価以外での販売(学校教材用など一部の大量一括購入を除く)(2)販売店の割引販売(3)新聞社による販売店への新聞の注文部数以上の供給。公取委は、独禁法には新聞社が販売店に小売り(再販売)をする際の価格を指定できる再販売価格維持制度(再販制度)があるため、行政として二重に規制する必要はない、という立場とみられる。

これですか。
新聞業における特定の不公正な取引方法(平成11年7月21日公正取引委員会告示第5号)

正直、存在意義がよく分かりません。すごーくいい加減な理解なんですがこういうこと?
 再販制度→定価販売しても独禁法違反にならない
 特殊指定→定価販売しないと独禁法違反になる
事務総長会見の要旨と日本新聞協会の声明を追記に載せました。しかし会見とほぼ同時に抗議声明が出るなんて、新聞協会は随分手際がいいですね。
でもって国民の過半数が期待していない(読売調べ)文字・活字文化振興法を持ち出してくるとは、いかにこの法律が業界の既得権維持しか目的としてないか自ら暴露しているようなものです。

景品バラマキや、「1年契約なら3ヶ月無料」のような契約で事実上特殊指定は空文化しているのではないでしょうか。禁止されているはずの押し紙・積み紙が常態化していることだって、当事者の新聞労連も認めてますよね?
悪徳商法?マニアックス ココログ支店 朝日新聞創刊125周年記念特別企画経由で、
くまりんが見てた! ? 朝日新聞創刊125周年記念特別企画
週末の夕方事務所のチャイムがなったので出てみれば朝日新聞の勧誘員。いつものように「紙の新聞は読まないガウよ」と断ろうと思ったが「いやいや今回は特別。聞創刊 125 周年記念特別企画で営業にはドンとドロップダウンの指令が・・・」というのでどういうことか聞いたら「もう気を入れて拡販せよと指令が飛んでいるので自腹を切ってでも拡販しなきゃならないからここは4ヶ月私が自腹を切るので是非入れてください。」自腹切らすんじゃ悪いからいいよというと「いやいや営業経費でなんとかなりますからご安心を」と、おいおいお一体どっちなんだよ。

とこっちが態度を決めかねているのに財布から 4 ヶ月分の朝刊購読料だと 11160 円を取り出して手渡し、「これは販売店には黙っていてください。」つうことは本社から営業経費が出るのかそれとも報奨金で賄えるのか。どっちでも良いけどとりあえず受け取って 4 ヶ月間、朝日をタダで購読出来ることに。コチトラとしては asahi.com には載ることもないネタをタダで提供して貰えるわけで結構なことなのだけれどこんなことまでして部数を伸ばしても単なる解決すべき問題の先送りに過ぎないんじゃないだろうか?

さらにこちらも。新聞は3割引きが相場に --知らずに損する定価購読者--
 新規の勧誘、定期購読に関係なく、25%程度の値引きが当たり前になっていることが分かる。この値引き分は、定価で購読している人の価格に実質的に上乗せされている訳であるから、律儀に値引き交渉もせず定価で購読している人が、いかに搾取されており、また、いかにおめでたい存在かがわかる。モノの価格が下がるデフレ状況のなかで、新聞代を平気で定価で払い続ける人は頭がおかしいと思われても不思議ではない。

 「新聞業における特定の不公正な取引方法」の改正(1999年9月施行)によって、新聞の異なる定価の設定や定価の割引をしても、不公正な取引方法に該当しないことが既に法制化されており、値引き自体は全く問題がない。従って公取も「販売業者が購読者に無代紙(購読契約した新聞を一定期間無料で提供するもの)を提供する行為は,原則として値引き行為に該当する」として、値引き(無代紙)については、全く問題視していない。問題視しているのはモノ(高額な景品類)だけである。

 しかし、かなり多くの新聞購読者が、値引きが合法的かつ当たり前のことであるという事実を知らない。いや、より正確には、メディアによる報道統制で、知らされていない。そして、電気やガスなどの公共料金と同じような感覚で、請求されるままに支払っている。新聞社にとっては、いいカモだ。

  なお、モノ(景品類)の提供で価格別割合で最も多かったのは「2,001〜5,000円」(34.1%)であり、真ん中をとると3,500円程度ということになる(2,000円相当以上が公正競争規約違反とされるから相変わらず守られていない)。3ヶ月の契約で3,500円相当のモノを貰うとしたら、やはり25-30%引きだから、新聞の値引きは「2割3割当たり前」の世界なのだ。新聞は定期購読しないのが最良の方法であるが、もし宅配で読まないと気が済まない人がいたら、堂々と、3割引きを最低ラインとして値引き交渉していただきたい。

販売正常化実現・再販制度維持のために(新聞労連)より「「販売正常化」こそ、新聞の未来を救う(笹崎穏司さんの講演)−2004年10月7日、第112回中央委員会から」
■普及率が意味するもの

 お手元にあるABC部数の県別普及率をご覧下さい。
 東京都は74.79%、この中には相当数の残紙も含まれているはずです。東京ですから官公庁や大企業、中小企業や商店などの事業所世帯に入っている部数もケタ違いに多いのです。それでも74.79%ということなのです。一般家庭だけの普及率はどうなっているのでしょうか。驚くべき時代になりました。
 このことからも80%とか90%、ましてや100%以上なんていうのはどう考えたっておかしい数字ということになります。「無読(読まない人)が増えた、無読が増えた」と頭をかかえながら100%! 冗談じゃありません。
 つまり、押し紙であるかどうかは別にしても、販売店の現場にはかなりの過剰な積み紙があるということになります。もちろん全部が全部、積み紙というわけではありません。過剰な残紙を持たずにまともに経営している販売店も少なくありません。どうしてこのように販売店によって積み紙があるところと、積み紙がないところが出てくるのでしょうか。その原因の大半は発行本社の販売政策にあります。

■折込みスポンサーに対する詐欺行為

 次に販売店に過剰な残紙がダブついているとどういうことになるのか。一つは先ほど言いました無代紙の乱用ということになります。お店にしてみればタダ同然のものですから、安い拡 材で効果抜群というわけです。もう一つ、これが大問題なのです。
 販売店に山のように残紙があれば、その処分に困ります。さすがに後ろめたいことをやっているという自覚だけはありますから、夜中とか、まだ誰も起きていない早朝とか、夜陰にまぎれて古紙回収業者が運び出すことになります。新品でピカピカの残紙だけでなく、最初から捨てられる運命にある余分なチラシが大量に運び出されているのです。
 その上に発行本社には原価を払うわけですから困るといえば困るわけですが、それが不思議とそれほど困るわけではない。先ほどの捨ててしまった折込みチラシの収入が原価相当分以上にあるからです。ですから、本社も販売店も「アン、ウン」の呼吸で押し紙とも積み紙とも区分けのつかないような過剰な残紙を抱えることになるのです。
 もう少し詳しく話します。例えば3,000部を扱う販売店があるとします。仮に2,000軒の読者しかないとすれば3分の1の1,000部は過剰な残紙です。(正確には適正予備紙を2%として40部、過剰残紙は960部となります)
 この販売店には2,000部しか配達していないのに3,000枚の折込みチラシが届けられます。毎日のように20種類前後のチラシが入ります。折込み収入は地域によって異なりますが、例えば1ヵ月に一部あたり1,500円とすれば、この店は1ヵ月に450万円の収入があるわけです。そのうちの3分の1、1,000枚の折込みは捨ててしまうわけですから、1ヵ月に150万円は不当極まりない収入です。これはスポンサーに対する重大な裏切り行為であって、明らかに詐欺行為なのです。
 スポンサーにしてみれば、この不景気の中で、泣きたくなるような経費をつぎ込んでチラシをつくり、折込み料を払って販売店に届けているチラシです。1枚だって捨てられていると知ったら頭にくるはずです。チラシの制作費は直接経費だけでも折込料の2倍くらいはかかりますから、この販売店は1店で300万円もドブに捨てていることになるのです。

守れない、というか守る気のないルールにしがみつくんじゃない、と言いたいですね。
それにしても内閣改造の直後にこういう動きが出てくるというのはなかなか興味深いです。郵政民営化と同様に抵抗勢力を炙り出すことを狙ってるのだとしたら、かなりの深謀遠慮ではないかと。

ちなみに、日本と同様に新聞の再販制度が認められ、日本より先に郵政事業を民営化したドイツでこんな動きがあるそうです。
ドイツ郵便に新聞や通販など参入・独自の宅配網生かす(10/26 日経)
 【フランクフルト=後藤未知夫】2008年から郵便が完全自由化されるドイツで、郵便事業への新規参入が相次いでいる。新聞社や通販会社、国外の郵便会社が独自の宅配網を生かし全国規模で郵便サービスに乗り出す。迎え撃つ民営化会社のドイツポストは、欧州連合(EU)域内周辺国へ進出や、物流事業の強化を急いでいる。

 ドイツの郵便市場の規模は年間売上高で約100億ユーロ(約1兆4000億円)。同国は1995年のドイツポストの株式会社移行後、98年から新規参入を認めている。扱い対象が100グラム以上という制限があるため、新規参入組は今のところ小包などを中心に扱っているが、来年の規制緩和で下限は50グラム以上に引き下げられ、08年からはがきや封書など50グラム未満の郵便物にも参入が可能になる。

日本の新聞配達網は世界一とかマスコミは自画自賛してますが、こういう前向きの話は絶対でてきませんね。何かがおかしいんじゃないかと思います。
公取委事務総長の会見要旨
 独禁法の特殊指定見直しについて、公正取引委員会の上杉秋則事務総長が2日行った会見の要旨は次の通り。
 5業種の特殊指定のうち教科書、海運、食品の缶詰・瓶詰については、それぞれつくってから40年以上が経過。新聞は1999年、オープン懸賞も96年に見直したが、さらに見直すべき部分が残されており、宿題になっていた。
 問題となる行為が現在でもあるのか、あるとすればその規定ぶりが今日の必要性に合っているのかどうかを検証する必要がある。法律上、すべての業種に適用される一般指定があった上で、特定の業界に特有の問題があるということで特殊指定をしている。一般指定では駄目なのか、過剰規制の面がないか、などの観点から見直しが必要だ。廃止を含めて見直し作業に取り掛かる。
 見直し作業が完了したものから順次手当てをしていきたい。新たな指定には関係事業者からの意見聴取や公聴会開催などの手続きが義務付けられている。有識者や関係業界、一般の意見も十分聴いた上で作業を進める。
 新聞についても廃止を含めて検討する。見直しの観点は(1)つくった時に問題となった行為が現在でもあるのかどうか(2)仮に問題があるとして一般指定の規定があるのに特殊指定を置いておく意味があるのかどうか−の2点。必要だと納得できるなら存続もあるし必要でなければ廃止もある。
 99年の見直しの際は、著作物再販制度の見直し作業と同時並行だった。新聞の販売店が特定の客だけに値引きする場合については、発行本社が指定した定価を維持していないということになり「再販と表裏一体だ」との議論があった。再販見直しの結論を待つよりは、まとめられるところだけをまとめて作業を打ち切ったため、販売店部分が宿題になっていた。それだけを見直せばいいとは考えていない。
 スケジュールとしては、例年6月にある人事異動の時期までに終えるよう担当者に指示を出す。ただ5業種の中にはほとんど存続意味のないものもあり、そういうものは早く処理していいのではないか。必要性について業界の意見とわれわれの考えが違うものは、時間をかけてよく議論すればいいと思っている。
 規制改革の時代、そもそも必要があるのかどうかという観点で見直すことが必要だ。著作物再販制度の見直しまでは、現時点で考えていない。

新聞協会の声明全文 特殊指定見直し表明で
 日本新聞協会が2日に出した「新聞の特殊指定見直し表明に関する声明」の全文は次の通り。
 本日、公正取引委員会は、新聞業をはじめとする「特定の不公正な取引方法」(特殊指定)の見直し作業に入る方針を発表した。
 新聞は民主主義の基礎である国民の知る権利に応え、公正な情報を提供するとともに、活字を通じて日本文化を保持するという社会的・公共的使命を果たしている。
 新聞業の特殊指定は、差別定価や定価割引などを禁止することにより、その流通システムを守り、維持するために定められたものである。新聞の再販制度と特殊指定は一対のものであり、特殊指定の見直しは、その内容によっては、再販制度を骨抜きにする。
 その結果、経営体力の劣る新聞販売店は撤退を強いられ、全国に張り巡らされた戸別配達網は崩壊へ向かう。しかしながら、多くの国民は毎日決められた時間に新聞が届けられること、誰もがどこでも同じ価格で、容易に入手できることを望んでいる。
 本年7月に施行された文字・活字文化振興法は「すべての国民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備すること」を基本理念に掲げ、そのための施策の実施を国と地方公共団体に義務付けた。
 特殊指定の見直しは、著作物再販の存続を決めた公取委自身の4年前の決定と矛盾するばかりか、文字・活字文化振興法にも背く。官民あげて活字文化の振興に取り組む法制度がつくられた矢先に、時代の要請に逆行するような動きには強く抗議せざるを得ない。われわれは、現行規定の維持を強く求める。