テレビ局の「電波利益率」は1000倍 - 池田信夫 blog
複数の人から教えてもらったが、テレビ局の電波利用料が河野太郎氏のブログで初公開(?)された。
テレビ局の電波利用料負担は、総計で34億4700万円にしかならない。
一方で営業収益は3兆1150億8200万円。
電波を独占して上げる収益に対して利用料が千分の一。
低すぎませんか。

「あるある」の場合、年間広告費50億円のほぼ半分が「電波料」で、関西テレビだけで2.5億円とっていた。1本の番組だけで、関テレの電波利用料(1000万円)の25倍だ。「著作権」でも「言論の自由」でも何でも口実にして、彼らが電波利権を守りたい理由がよくわかる。

どれどれ。
衆議院議員 河野太郎発行メルマガ「ごまめの歯ぎしり」ブログ版 » 本邦初公開?
国民の共有財産である電波を使用する対価である電波利用料が不当に低いのではないかという思いで、総務省に、まず、各テレビ局ごとの電波利用料の負担金額を出して欲しいと要求すると、なんと総務省の課長は、個別の負担金額は開示しておりませんときた。

なんで出さないのかとたずねると、テレビ局のプライバシー。
あのね、個人が儲けた金額に応じて支払う所得税がプライバシーだというならばわかるが、国民の共有財産を使用してお金を儲けているときに、共有財産の使用料がいくらかを出さなくて良いということにはならないだろ
、と突っ込むと、これまで国会の答弁でも個別テレビ局ごとの負担額は出したことがありません。

じゃ、仕方がない。政調の審議会で電波法の改正案を了承するときの条件が、各テレビ局ごとの収益金額と電波利用料をだすということだったが、出さないんじゃ、あの決定は白紙だね。お宅の局長が自ら出しますといったものを課長がひっくり返すんだねと脅す。

河野太郎議員GJ。父親とはえらい違いだw
それにしても総務省課長の弁明には呆れるしかない。さていつも「官の情報隠し」を糾弾しているマスコミ・ジャーナリスト各氏はどうしたんでしょうねぇ(ニヤニヤ
ということで、本邦初公開(?)、テレビ局ごとの電波利用料。
営業収益100億円以上のテレビ局、但しNHKは経常事業収入。
      営業収益(H18)  電波利用料 (単位百万円)
NHK 675,606 1,215
日本テレビ 288,636 317
東京放送 277,400 318
フジテレビ 377,875 318
テレビ朝日 227,687 318
テレビ東京 111,200 317
北海道放送 13,245 15
札幌テレビ 16,553 15
北海道テレビ 14,369 15
北海道文化放送 13,521 14
(中略)
毎日放送 69,514 10
朝日放送 74,192 10
関西テレビ 72,429 10
讀賣テレビ 66,895 10
テレビ大阪 14,494 1
(後略)

テレビ局の電波利用料負担は、ここにあげなかった局を含めて総計で34億4700万円にしかならない。
一方で営業収益は3兆1150億8200万円。
電波を独占して上げる収益に対して利用料が千分の一。
低すぎませんか。

はい、低すぎると思います。
404 Blog Not FoundNews - 電波利用料の耐えられない格差に放送局別の利用料と収益との比率。
1/1000どころか、テレビ愛知とテレビ大阪は一万分の一以下。

しかしもっと驚きなのは、これが合法だということでしょう。

電波利用料 - Wikipedia
電波利用料の年額を次に示す。無線局免許状の免許の有効期間を超えない範囲で、あらかじめ支払う前納が可能な場合がある。

これを見ると、あくまで電波利用料の基準は出力とアンテナの数で決まるようです。

だから広い北海道のテレビ局が関西の準キー局より高くなるってことなんですかね。それにしたっておかしい。

分かりやすいのが携帯電話会社との比較でしょう。
「電波利用料制度に関する研究会」報告書(案)に対する意見募集(総務省)から。
電波利用料・歳入歳出の内訳携帯業界と放送業界の電波利用料格差

左の図は以前にも紹介した電波利用料の受益と負担の図の平成19年度版。
負担は携帯事業者が85%で放送局が5.8%、受益は地上デジタル関係が32%、携帯エリア整備が5.2%。いくら地デジが携帯にも関係するからって素人目にも異常です。
デジタル地上波放送のコストは携帯利用者が負担?[斎藤健二, ITmedia]2002年8月1日
 テレビと直接関係ない携帯電話事業者が、間接的にデジタル地上波放送のコストを負担するのは、電波のひっ迫対策の一環という位置付けのため。「テレビのデジタル化によって、空いた周波数をほかの無線局に使う」(総務省総合通信基盤局)のが、その根拠となっている。

 しかし727億円だったはずが、1800億円と2倍以上に増えるとなると、話は変わってくる。「デジタル地上波放送のコストアップによって、電波利用料からの負担額が増えたのが問題」(ドコモ広報部)というわけだ。

右は「電波利用料制度に関する研究会」の配布資料から、三菱総研が作成した「携帯電話事業者と放送事業者の経済指標による比較について」[PDF]。
比較の結果、携帯電話産業の方が、その産業規模に比して電波利用料を多く支払っていることが判明した。その格差は、売上ベースの指標では4.4〜6.5倍、利益ベースの指標では2.4〜4.0倍、資産ベースの指標では6.0〜10.2倍程度である。また、周辺産業を含めた市場規模に対する支払比率の観点でも、7.3倍の格差が観測された。

何だ、こんなに分かりやすい資料があるんじゃないですか。報道では一切取り上げられないので気が付きませんでした。

ちょっと古いですが平成13年度の電波利用料がNTTドコモは約240億円、auは70億円(ドコモはグラフから推測)という資料もあります。やはり総務省の電波有効利用政策研究会から。
[PDF]電波利用料の在り方について(ドコモ)
[PDF]電波利用料に対する考え方(KDDI)
めぐりめぐって携帯利用者の負担になるんですからたまったものではない。

こういうことこそマスコミのよく言う「国民的な議論」が必要なんじゃないですかね。野党も何やってるのかと問い詰めたいところです。
<3/3 更新>