アニリール・セルカン東大の30代男性助教、業績論文の存在確認できず 不正の疑い(11/9 日経)
業績の論文、掲載確認できず=男性助教、盗用指摘も−東大が調査(11/9 時事)

日経と時事の記事は匿名でしたが、朝日が実名報道しました。こんな香具師がいるなんて知らなかった。

宇宙飛行士候補名乗る東大助教、トルコ政府が根拠否定(11/14 朝日)

 「トルコ人初の宇宙飛行士候補」を名乗って講演や執筆活動をしている東京大大学院工学系研究科のアニリール・セルカン助教(36)が、飛行士候補の根拠として示していた公文書についてトルコ政府は13日、政府発行の文書ではなく内容も事実に合わないとの見解を示した。朝日新聞の問い合わせに文書で回答した。

 アニリール助教は東大博士課程を修了、日本の宇宙航空研究開発機構研究員を経て、05年に東大助手(現助教)に就いた。01年に米航空宇宙局(NASA)で宇宙飛行士の訓練を修了したなどと称して各地で講演、科学技術振興機構が運営する日本科学未来館の映像監修もした。

 しかし、宇宙飛行士候補である証明として東大に提出したトルコ運輸省の文書について、トルコ大使館は「運輸省が発行したものでない。署名も本物でない」と否定した。

 助教をNASAの研究事業に招いたとされた米大学教授やNASAも、同様に提出された手紙や訓練証明書について「自分の署名ではない」「文書の書式が違う」と発行を否定している。

 助教をめぐっては、03年度の業績として宇宙機構に申告した論文一覧11本のうち4本の存在が確認できず、宇宙機構が該当部分を報告書から削除した。東京大も経歴や業績の調査を進めている。

 アニリール助教は朝日新聞の10月末の取材に対して「トルコ空軍とNASAの合意に基づいて宇宙飛行士の訓練を受けた。軍事的なことなのでこれ以上は話せない」と話していた。

紙面ではこのあとに、ウェブにはない「おわび」が続いています。

おわび 8月29日付土曜別刷り「be」の「フロントランナー」の記事で、アニリール・セルカン東大助教について、「トルコ人初の宇宙飛行士候補」とある2カ所は誤りでした。該当部分を削除します。読者のみなさまに誤った情報をお伝えしたことをおわびします。

H21.8.29 朝日H21.8.29 朝日

フロントランナー 宇宙物理学者 工学博士 アニリール・セルカンさん(36歳)
宇宙も暮らしも自在に発想
文・後藤絵里 写真・郭允

金曜夜、六本木の東京ミッドタウンに約40人の男女が集まった。建築学者、宇宙研究者、宇宙飛行士候補といくつもの顔を持つこの人の、「セルカン・カレッジ」と名付けられた市民向け講座が始まる。

「よく宇宙人だといわれますが、かんペき地球人です。ただ少し視点が違う。経験のせいです。それを分かち合いたい」

オールバックに聞襟シャツ、お酒もたばこも好き。およそ研究者らしからぬ容姿で、数千年前のシュメール文明から宇宙旅行まで、立て板に水の日本語で語る。その自由な発想にひかれ、教育関係者や広告マン、デザイナーとさまざまな職種の人が集い、耳を傾ける。

その名を一層知らしめたのは独創的な「宇宙エレべーター」の研究だ。00年に米航空宇宙局(NASA)で宇宙に届く構造物の研究会が聞かれたとき、超高層ビルの研究をしていた。「もっと気軽に宇宙に行ける」と発案したのが、地球上空の軌道にある基点をつなぐ4千キロのケーブル。地上約150キロの始点までシャトルで乗組員を運び、その先はエレべーターが宇宙に誘う。建設費用も抑えられ、当時の計算で2018年に実現可能とした。

この発表が評価され、NASAのアドパンスプロジェクトチームのリーダーに抜擢される。折しも母国トルコでは宇宙開発ヘの機運が高まっており、当時の空軍長の強い推薦で、04年にはトルコ人初の宇宙飛行士候補にも選ばれた。「実際に宇宙に行くかどうかより、多くの出会いが最大の収穫だった」

朝日新聞の「フロントランナー」が持て囃した奴の化けの皮が剥がれたのは、「自費出版詐欺」を指弾されて倒産した新風舎社長・松崎義行に続いて二人目ですね。
それにしても朝日が率直に間違いを認めて謝罪するなんてどうしたんだ。天変地異の前触れか(毒

しかし、もはや事態は宇宙飛行士候補詐称にとどまりそうにありません。のちに「セルカン事件」として語り継がれることになるかもしれない、彼にまつわる様々な疑惑を暴いてきたのはネットでした。
アニリール・セルカン経歴詐称、業績捏造の追及blog
博士論文(D. thesis) は盗用?
アニリール・セルカン氏の博士論文中の文章や画像について、他者のサイトや報告書からの盗用が疑われている。

現在、本文353ページ中、186ページ (約53%) において文章の盗用(ほぼ丸ごとコピペ)や画像・グラフ・データの盗用が確認されている
(他者からの引用であるp.23,46,66,161,212,333や、p.351-361の清水建設の方が1st Authorの論文は除いて計算している)

盗用元の文章の主語を "I" に変えたり、盗用元の重要用語・主題に "ATA" の固有名詞や"by author"の修飾語句を付加し、あたかも自分の研究であるかのように書いており極めて悪質である。
※ "ATA"とは、アニリール・セルカン氏が、トルコ近代化の父・アタチュルク(ATATURK)から名を取ったもの。

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑
1、東京大学工学部内のHPで紹介されていたセルカン氏の経歴・研究業績は、本当に全て事実なのでしょうか?(いうまでもなく、一般社会常識的には、大学機関が外部に公開する在職教員の経歴・業績は全て事実であって当然です)
2、東京大学では、助教を含む教職員の採用は、公正・公平な公募を通じて選考することになっております。では、東京大学工学部当局は、セルカン氏の教員採用にあたって、セルカン氏の経歴・研究業績をなんらかのエビデンス(例えば在職証明書や表彰記録、論文の別刷りなど)をもって確認したのでしょうか?
3、朝日新聞Be フロントランナーなどのメディアで、セルカン氏は「東京大学の宇宙物理学者」として紹介されておられますが、では宇宙物理に関する論文はいままでどのような学術誌で発表されておられたのでしょうか?
4、建築家の安藤忠雄氏やSF作家のアーサー・C・クラーク氏などを交えたとされるセルカン氏のATA宇宙エレベーター計画は、どこの国のなんという研究機関で現在遂行中なのでしょうか?
5、セルカン氏は宇宙飛行士候補ということになっておられますが、それを証明するものは公開可能でしょうか?

専門的なことは分からないけどすごい…どうなってるんだこれ。
確かに「本物の宇宙飛行士なら宇宙服にトルコ国旗が刺繍されているはずで、星条旗なのはおかしい」とか言われてみれば納得するしかない。
On the career of Dr. Serkan ANILIR: National Pride

日経が実名報道しなかったのは、日経BP社から著作を出していてサイトに度々登場していたからかもしれません。下手に追及するとブーメランが直撃しかねないという。

日経BPのサイト「ECO JAPAN」のインタビューリストには名前が残っていますが、記事は抹消済み。

アニリール・セルカン『ポケットの中の宇宙』貴様らマスコミは、こういう企業の隠蔽体質を批判してきたのではないのか!

最新の著作は読売傘下の中央公論新社から刊行されていますが、アマゾンのレビューに興味深い指摘が。

果たしてどこまで「延焼」するのか、現時点では予想がつきません。むろん一番問題があるのは東京大学でしょうね。騙されたでは済まされない。
現総長の濱田純一は東大新聞研究所(現・社会情報研究所)出身で、かつては“メディア規制”反対キャンペーンでマスコミのパシリ役を買って出たり、朝日新聞「報道と人権」委員を務めるなどしていました。メディアの専門家中の専門家にリテラシーがないってどういうことよ(絶望

この事件が科学不信を増幅させて、「よく分からない研究に国費を使うな」みたいな流れになるとしたら不幸なことですね。
あと、マスコミの東大偏重――特に朝日・NHK・岩波・赤旗など左翼に顕著ですが――がこういう輩をのさばらせてきた面もあるのでしょう。これを機に見直す動きが出ればよいのでしょうが…まず無理だろうな(嘆
<11/17 更新、10/03/05 画像追加>