2020年11月13日

馬場紀寿『初期仏教』を読む

初期仏教阿呆陀羅經師の薦め馬場紀寿『初期仏教』(岩波新書)を読んだ。
ネットで読める本書、著者へのインタビューが読むだけでも、目から鱗が落ちる思いがした。

BookLive電子書籍版を利用したが、購入以前に冒頭を少しばかり “試し読み”ができる。この部分を読んだだけでも、学ぶところは多かった。

「初期仏教は
 全知全能の神を否定した
 人間の知覚を越えた宇宙の真理や原理を論じていない
 老荘思想のように「道」と一体となって生きることは説かない
 極楽浄土の阿弥陀仏も、苦しいときに飛んで助けに来てくれる観音菩薩も説かない
 永遠に生きている仏も、漫荼羅で描かれている仏世界も説かない
 公案に集中するとか、只管只坐をするといったこともない
 葬送儀礼を執り行うことはなく
 祈祷をすることもない」
と日本社会一般で通念化されている「仏教」との相違を挙げ、「個の自律」を説くという。

まさに、わたしが永らく思い描いてきた仏教の理想は、初期仏教にあったのだ。
本書が示す仏教とは、日本のみならず、世界の基準となる仏教である。
精緻な研究を、かくも一般の読者にも理解できる内容で記述されていることに驚くばかりであるが、仏教とは何たるかを改めて思い知らされた。
まさに目覚めた思いがする一書であった。

一読を薦めるというより、仏教に関わるすべての人々に必読を薦めるものである。

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Posted by saikakudoppo at 18:27│Comments(2)
この記事へのコメント
宇宙のリズと一致は
半世紀前に池田大作が盛んに言っていましたが
元を辿れば戸田城聖の生命論ということになりますね
生命論もリズム一致も日蓮が聞いたらびっくりすることでしょう
Posted by 犀角独歩 at 2020年12月18日 09:53
ご無沙汰しております
お題目を唱えると宇宙のリズムと合一し自然に仏界に至るのです
という僕の信仰は一体何?
ってなりますわな
日本仏教というものが原初の仏教から
かなーり遠いというかほとんど別物になってると大聖人さまも知ったらひっくり返るに違いないです
ですがまあこれもまあ進歩というか進化ということにしておきましょう
いまのバチカンだって原始キリスト教とは違うのですから
今風に言えばiBukkyo12PRO
って感じバージョンアップしているんですということでひとつ
Posted by オガンダム at 2020年12月16日 15:30