日本マイクロソフトは11月18日、「Windows 10」初の大型アップデート「November Update」に関する記者説明会を開催した。

 November Updateはこれまで「TH2」と呼ばれていたもので、対象年に2~3回配信されるというWindows10の大型アップデートにおける第1弾となる。7月29日にリリースされた製品版は「TH1」と呼ばれており、THとはWindows 10の開発コード名である「Threshold(スレッショルド)」の略称だ。

 説明会の冒頭に登壇した日本マイクロソフト Windows本部本部長の三上智子氏によれば、Windows 10が7月29日にリリースされてから、Windows 10が動作しているデバイスの数は全世界で1億1000万台になるという。これはMicrosoftが掲げる「3年以内に10億台のデバイスをWindows 10で動かす」という目標の10%以上を既に達成したことになる。

 また、業務用デバイスでWindows 10が動作している数も1200万台を超え、ビジネスの現場でも導入が順調に進んでいるという。

 11月12日にリリースされた初のメジャーアップデート「November Update」は、1000万を超えるユーザーからのフィードバックをもとに、200以上の機能追加や改善を施したという。三上氏は「Windows 10は皆さんと一緒に作るOSです」とコメントし、さらなる改善のためフィードバックをユーザーに求めた。

 続いて、November Updateで具体的にどこが変わったのかを説明しよう。

●パーソナルアシスタント「Cortana」が日本語に対応

 8月末よりWindows Insider Previewで提供されていた音声対応パーソナルアシスタント機能「Cortana(コルタナ)」の日本語版が、November Updateで正式に提供開始となった。日本以外ではオーストラリア、インド、カナダで、英語版によるCortanaの提供を開始している。

 Cortanaは単に多言語対応するのではなく、国ごとに異なる風習や文化に合わせて言葉遣いなどを最適化するのが特徴になっている。日本語では丁寧さ、細やかな対応を重視しているとのこと。

●日本語フォント「游ゴシック」の改善

 日本国内ユーザーからのフィードバックで一番多かったというフォントのレンダリングも改善された。フォント表示の最適化技術である「ヒンティング」を修正することで、システムフォントの「游ゴシック」をはじめとする游明朝ファミリーの表示品質が向上している。

●話題のワードも簡単に変換できるMS-IMEのクラウド候補

 Bingのサジェスト機能を利用することで、最新のワードを変換候補に表示できる「クラウド候補」機能も紹介された。最新のアニメタイトルや難しいワード、流行語も“Windows 10標準の日本語入力ソフト”で候補に表示することができる。

●細かい使い勝手が向上したMicrosoft Edge

 Edgeで複数のタブを開いているときに、カーソルをタブの上に乗せるとWebサイトのプレビューが表示できる。また、Microsoftアカウントによる設定の同期機能や、最新Web標準への対応が盛り込まれた。

●標準搭載アプリの改良

 「Skypeビデオ」やインタラクティブなプレゼンテーションアプリ「Sway」などが追加されたほか、メールやフォト、カレンダーなどの改良が施されている。

●多数の法人向け機能も強化

 企業でWindows 10を利用する際のエンタープライズ機能もNovember Updateで強化されている。その中の1つである「Windows Update for Business」は、Windows Updateを企業ユース向けに拡張したもので、グループポリシーを設定するとアップデートのタイミングをコントロールすることができる。本機能はシステムセンターといった既存の管理ツールとの統合も検討されているという。

 業務アプリを企業内で配信、管理することができる「ビジネス向けWindowsストア」も実装。プライベートストアで企業アプリを管理することができる。

 他にもモバイルデバイス管理(MDM)機能や、複数のデバイスでWindowsの設定をローミングできる「Azure Active Directory Join」、セキュリティの強化といった法人向け機能もNovember Updateのタイミングで拡張、強化が進められている。

 また、個人のデータと企業のデータを分離して後者のデータを保護する「Enterprise Data Protection」機能は、近日中にWindows Insider Programでリリース予定だ。

Microsoftが10月に更新した同社製品OSのライフサイクル一覧表(英語版)によると、「Windows 7 Professional」と「Windows 8.1」搭載のPCは2016年10月31日に販売を終了する。また、「Windows 8」搭載のPCは、「Windows 7 Professional」よりも早い2016年6月30日に販売を終了するとしている。

Windows 7 Professional」は2009年10月22日、「Windows 8」は2012年10月26日、「Windows 8.1」は2013年10月18日にそれぞれ一般提供を開始。Windows8シリーズはそれまでと異なり、“タッチ操作”を利用する設計になっていた。ただ、この操作方法は大不評で、発売後もあえてWindows 7搭載のPCを買い求める人も少なくなかったという。

そして今年7月29日、最新OS「Windows 10」が提供開始。高性能であることがウリだったものの、ユーザーの賛否は二分。対応していないソフトやアプリも多いうえ、OSアップデートが勝手にされるという報告もあり、不満を訴える声もあった。

後続OSが不評だったこともあり、愛用者が多いWindows 7。しかし、Windows 7 Home Basic、Home Premium、Ultimateはすでにソフト販売・搭載PC販売ともに終了しており、来年のProfessionalの販売終了によってWindows 7シリーズは完全に供給されなくなる。このニュースにTwitterでは、

「もう販売終わるんすか・・・Win7使い勝手いいだけに残念」
「来るべき時が来たか。win7ユーザーとして、今度はサポート終了の時期が恐ろしく感じる」
「むしろ今Win7のPCを買っておくべきか?」
「こういうのを見るとWin7のディスク2、3枚買っておいて損はないんじゃないかと思えてくる」

など残念がる人や、あえてWindows 7搭載のPCの購入を検討する声が続出。また、

「今すぐどうこうってワケじゃ無いけど、会社のOSが移行する前にWin10に慣れとかないと……。
めんどいorz」

と、しぶしぶだがWindows 10利用を覚悟する声が投稿されている。

これまでWindows 8にガッカリしたり、Windows 10へのアップデートを拒んできた人にとっては、Windows 7の駆け込み購入か、Windows 10への対応を検討するタイミングなのかもしれない。

 10月24日、女性クリエイターグループ「つくる女」(つくるじょ)のメンバー2人がPCの自作に挑むイベント「リタ・ジェイさんと一緒に自作しちゃうじょ?!」がツクモパソコン本店4Fで開催された。

 なお、イベントの模様はニコニコ生放送でも配信され、会場でも実況の模様を見ることができた。

■ AMD提供のイベントでASUSのZ170搭載Mini-ITXマザーが初お披露目!?

 つくる女メンバーで声優の山下まみさんと、漫画家の羽生麻里さんがPCの自作にチャレンジする趣旨のニコ生イベント。今回はゲストとして絵本作家でコメディアン"インコさん"としても知られるリタ・ジェイ氏を迎え、小型ゲーミングPC「G-GEAR mini」を組み上げた。

 今回のイベントでは、ASUSのmini-ITXマザーボード「Z170I PRO GAMING」が国内初登場。G-GEAR miniのマザーボードとして実際に組み込む様子が見られた。提供がAMDということでビデオカードは「RADEON R9 380」が登場したものの、組み立てるマシンはIntelのCPUおよびチップセット搭載という、なかなか攻めた内容となっている。

 実際の組み立て作業はリタ・ジェイ氏が行ない、つくる女の2人は組み立て手順の確認と簡単なアドバイスをする役回し。イベントではこのほか、マイクロソフトの嶋内愛氏による「DSP版Windows 10のインストールイメージを手動でUSBメモリに入れる」方法が紹介された。

■ 自作PC初挑戦ながらサクサクと組み立てるリタ・ジェイ氏

 リタ・ジェイ氏がPCの自作に挑戦するのは今回が初めてということだったが、組み立て作業は思いの外スムーズに進行した。危なげなく組み上げていく様子にはアドバイザー役の山下さんや羽生さんだけでなく、観客やニコ生視聴者からも驚きの声が上がっていた。

■ USBメモリでWindows 10をインストールする方法を解説

 PCが組み上がったところで、マイクロソフトの嶋内愛氏がWindows 10の"小ネタ紹介"として、USBメモリを用いたDSP版Windows 10のインストールイメージコピー、およびUSBメモリからのインストール方法を解説した。

 これはWindowsが搭載している「メディア作成ツール」で行なっている処理を手動で行なう手法。インストールイメージをUSBメモリにコピーした後、USBメモリからインストールを行なうには、UEFIからブートデバイスの優先順位をUSBにする必要がある。

■ ランダムお題を即興で描く「デジタルアートバトル」で対決

 最後のセッションでは、ランダムに選ばれたお題2つを組み合わせて、即興で絵にする「デジタルアートバトル」でリタ・ジェイ氏とつくる女が対決。リタ・ジェイ氏は大阪で開催された同名の大会で優勝しており、勝負を始める際にはかなりの自信を見せていた。

 お題は「とにかく明るい」+「お化け」、そして「とにかく暗い」+「忍者」の2つ。それぞれ5分の制限時間で描かれた絵はかなりシュールなもので、会場とニコ生実況を盛り上げていた。

 勝負の結果はリタ・ジェイ氏の2勝。

 絵本作家が見事デジタルアート勝負を制し、会場が大いに盛り上がる中、イベントはお開きとなった。

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