January 04, 2019

Tuvaband

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ノルウェー/ドイツの新人・女性ソロユニット、
Tuvaband


デビューアルバム「Soft Drop」
(2018/9/7)

Mazzy Star, Cat Power, Feist, Jenny Hval, Lana Del Rey, London Grammar, Courtney Barnettと比較される彼女。

Bon Iver, Alice Boman, Lisa Crannerからの影響を明かすノルウェー出身の女性SSW、Tuva Hellum Marschhäuser嬢を中心とするベルリン拠点の単独プロジェクト。

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忘れ去られた仄暗い廃村から木霊するように寂寞感を漂わせる霧深く霊妙なリヴァーヴ&ボーカル。

Ambient/Folk/Lo-fi/Piano/Alternative/Experimental/Dream pop/Shoegaze/Post rock/Slow-core/Classicalを咀嚼し、北欧人ならではの内省的な繊細さを宿した、静謐で憂いのあるアトモスフェリックサウンドが紡ぐメランコリックな幻想的世界。

アルバムのラストには意外にも、90年代に大ヒットしたスカパンク系ロックパンド・NO DOUBTの代表曲"JUST A GIRL"のカヴァーが収録されているのですが、原曲とは意趣異なるオルタナ調の再構成が綿密に施され、本作のテイストを損なうことなく幽玄極まりない音霊が舞う本作を見事に締めくくっている。

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Iceland Airwaves 2018にも出演を果たした、スカンジナビア産の儚くも美しき新たなカナリアによる傑作であり、無論、2018年度のマイベストアルバムの1つです。

mix and mastering by Philip Shaw Bova (Feist, Land of Talk, Stars, Rosie June, Little Scream, Zoe Sky Jordan).

同郷のFlunkも属するレーベル・AntiFragile Musicより。



そして元々は、男女デュオ編成で2017年に良質なデビューEP「Mess」をリリースするも互いの音楽性に違いが生じ、新たなソロプロジェクト発足を思案していた際に、このまま活動を続けるべきとの元パートナーの助言により活動継続を決心したのだとも述べてます。

ちなみにその昔、ブログ移転時にも一部引用しましたが、かつてトムヨークは2006年にこう語っていました。

「新しい音楽のプラスとなるのはメインストリームの入り口がもう少し緩やかになって色んなタイプの音楽が入れるようにすることだと思う。良い音楽はちゃんと存在するし、そうした人たちは夜遅くに音楽をかけてるんだ。だから逆転させればいいんだよ。そうすればこの国の音楽業界なんて粉々にぶっ飛んでしまうに決まってる。それで良い音楽が当たり前のように流れるようになるんだ」。

更には、「音楽業界が廃れたのはネットのせいだ、と責任を押し付けてるのを見てると笑っちゃうよ。そうではなくて、人が買いたいと思うようなものを彼らが売り込んでないからだと、誰が見ても明らかなのに」と、辛辣且つ尤もな意見を口にしていたことさえあります。

そう、このTuvabandにしてもメインストリーム向きではありませんが、それを定義づけてるのは紛れもなく、世の中に蔓延するある種の偏見に過ぎません。

売れないという近年ますます顕著な被害観念を免罪符としながらリスクをより恐れ、主流の枠組みを緩和・拡大することなく寧ろ旧態依然としたまま固執してるビジネスライクな音楽業界然り、それに毒された消費者然り、それこそが元凶なのだと思います。

しかしながら、そんな時代の趨勢にけっして迎合することなく、自らのアート表現を徹頭徹尾貫く音楽原理主義者という点では、トム率いるRadioheadも、このTuvabandも近からずとも遠からずですし、だからこそ掛け値なしに敬意と称賛の念を抱かざるを得ません。

もちろん今は、口コミやブログなどを通じて支持する音楽を少しでも広めたい、その魅力を知ってほしいという一心でもってリスナー側も何かしら発信できるわけで、送り手と受け手が持ちつ持たれつ互いに補完し合いながら音楽文化を底上げし健全化してゆければ、色んな音楽がもっと認知され世の中を駆け巡るでしょうし、同時に、良い音楽であれマイナー扱いされがちな存在がきちんとクローズアップされる風土へと様変わりしてほしい。それがただの理想論的な希求であろうとも心から常々そう願うばかりです。

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余談が少し長くなりましたが、最近の彼女のインタビューによれば、現在はセカンドアルバムの新曲を完成させ、ライブで演奏するミュージシャンとレコーディングの準備をしているとのこと。

日本人による貴重な現地ライブリポート記事を見つけたのでそちらも是非ご覧下さい(最近のオスロでは浴衣や羽織が流行っているらしい)。

Tuvaband - Wolfpack (MUSIC VIDEO)


Tuvaband - When You See Me In My Bubble (MUSIC VIDEO)
 

Tuvaband - I'm Just A Girl (cover)


Tuvaband - Everything We Do Is Wrong (MUSIC VIDEO) ※デビューEP収録曲


Tuvaband - Eventually Silence (MUSIC VIDEO) ※デビューEP収録曲


Tuvaband - Unknown (MUSIC VIDEO) ※本作未録曲シングル
 

Tuvaband - (It's Not About) Running (MUSIC VIDEO) ※本作未録曲シングル


Tuvaband Live 'Unknown'  in Berlin 26.04.18.


Tuvaband Live 'He Was In His Bubble' in Berlin 26.04.18.


Tuvaband live 'Unknown' at Iceland Airwaves in Reykjavik 10.11.18.


Tuvaband


Official
https://www.tuvabandmusic.com/

saitama79 at 21:29|Permalink New Music 

January 03, 2019

IMOGEN

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UK/ロンドンの新人・女性ソロユニット、
IMOGEN



デビューEP「Faze Green」
(2018/10/26)

Kate Bush, Björk, Bon Iver, Bright Eyesからの影響を明かす彼女。

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哀愁と優麗さが同居した滋味深き聖なるミューズの唄声。

Ambient/Electronic-folk/Piano/Jazz/Minimal/Sad-core/Ethereal/Alt-pop/Experimental/Classicalのエレメントを調和し、厳粛な世界を描き出す悠然且つオーガニックなサウンドスケープ。

情緒豊かなリリシズム、地に足の着いたソングライティング及びアレンジ能力の高さは20歳という若さとは裏腹に完璧にほぼ等しく、思わず息を呑むほど素晴らしい。

Joni Mitchell~Judee Sill~Vashti Bunyan~Tori Amosといったレジェントたちをも想起するのは勿論のこと、Lisa Hanniganとの競演曲を含む待望のアルバムデビューを今月に控えた同世代SSWの新鋭、Rosie Carneyとの親和性も感じさせます。

そして、BBCからのお墨付きを得るベストニューカマーの一人であり、求心力を失いつつあるとされる昨今の音楽界において、砂丘に咲く清廉な一輪の野花のごときエヴァーグリーンな品位と詩性を宿すまさに逸材中の逸材です。

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IMOGEN - White Lines (OFFICIAL MUSIC VIDEO)


IMOGEN - We Never Dance, Do We - RAK Studios (OFFICIAL LIVE VIDEO)

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Official
https://www.facebook.com/im0genmusic/


saitama79 at 11:40|Permalink New Music 

January 02, 2019

Auramics

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US/NYCの新人・女性ソロユット、
Auramics


デビューシングル「Founders of Time」
(2015)

Broadcast, Stereolab, Portishead, Melody’s Echo Chamberと比較される彼女。

シンガー/音楽家/PV監督/アート兼ファッションデザイナーでもあるマルチな才女、Kristi Scarvelis嬢によるソロプロジェクト(デビュー当初のみ男女デュオ)。

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ミステリアスな芳香を薫らせ妖艶にたゆたうメロウ且つ官能的なボーカル。

60’s/Neo Psychedelic/Dream pop/Lo-fi/Experimental/Alt-pop/Trip-hop/Electronic/Indie Rockからの影響を感じさせる、摩訶不思議なシュールさを持ち味とした、レトロ感に溢れるノスタルジックでマジカルな音色たち。

あたかも年代物のオルゴールが奏でるようなそのタイムレスなサウンドメイクは、時代に逆行するかの如く時間軸を歪め、狂おしいまでのセンスと催眠性を備えており、必ずや別世界へと誘われることでしょう。

現状、本作が唯一の公式リリース作品ですが、soundcloudでは他にもいくつか楽曲を発表しており、Velvet Underground & NICO~MBVの流れを汲むガレージ/シューゲ風味の趣もあります。



そして、自らの音楽性の1つに挙げているhauntology(憑在論)とは、ジャック・デリダの『マルクスの亡霊』に登場する用語とのこと。

尚、彼女のインスパイア元の1つであるOramicsは、手書き波形による60年代の音楽制作マシンで、現代では広く普及するDAWの先駆的試みとして近年再評価されロンドン科学博物館に収蔵されているそうです。

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2018年には、ショートホラー映画「Trauma」"Dagger Cordis"を楽曲提供した他、よりアヴァンギャルドな音楽性を指向する別プロジェクト・6th Floor Orchestraのメンバーとしてもデビュー作をリリース。

FBやTwitterの更新はあるもののAuramicsとしての今後の活動予定は不明ながら、俗世間とは一線を画する知られざる才媛です。

Auramics - "Founders of Time" (Official Music Video)

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official


saitama79 at 12:30|Permalink New Music | Music