Trevor Noah という、南アフリカ出身のコメディアンが書いた自伝(邦題:トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?)を読みました。これも図書館で Kindle 版を借りて、数日で一気に読んでしまいました。アメリカのスタンドアップコメディは正直なところジョークが理解できないところも多いのですが、Trevor Noah のコメディは本当に笑えます。有名人へのインタビューも論理的かつユーモアに富む会話で、「この人めちゃくちゃ頭がいい!」と思わせます。

この本を読むまで、「南アフリカ」という遠い国に関する理解がほとんどなく、彼がどんな環境で育ってきたのか全く想像が付きませんでした。本を読んで、「タフさのレベルが違う」と思いました。日本でも最近貧困が問題になるし、アメリカでも貧富の格差は広がっています。でも、途上国の貧困は想像もつかない世界でした。しかも、アパルトヘイト下で黒人の母とスイス人の父から生まれたトレバーは、その存在自体が「犯罪」だったのです。

こんな環境下でも全く運命を悲観することなく、前向きに生きてきたTrevor Noahもすごいですが、それ以上に彼の母親の教育と世界観に驚きます。アパルトヘイトの中で白人との子供を生み、黒人が差別をされてホワイトカラーの仕事につく見込みが無い時にタイピングを学び、お金がなくても本をたくさん読み、Trevorが自分の周囲だけが「当たり前の世界」だと思わないように育ててきたのです。

世界史の授業の中でしか聞いたことのないアパルトヘイトを実際に黒人として体験したTrevorの本を読み、自分の環境を嘆くことが恥ずかしくなりました。Trevorは過酷なはずの環境をユーモアを交えて軽快に語り、テンポよく話が進むので、あっという間に読み終わってしまいました。かなりおすすめです。