幸町IVFクリニック 院長と培養士のIVFこぼれ話

幸町IVFクリニックの院長と培養士の、役に立つような、立たないようなブログです。 (主に院長の文句?)

2019年05月

体外受精は男の子ができやすい?

幸町IVFクリニック院長 雀部です。
IVF
幸町IVFクリニック

今日は、体外受精と男女比の話です。

体外受精をはじめとする生殖補助医療において、受精卵診断を行わずに胚移植を行った場合、理論的には男女比は1:1になるはずです。ところが、実際にはわずかですが男の子が多く生まれているということをご存知ですか?

生殖補助医療(ART)が、性比に及ぼす影響を検討した研究を紹介します。今月発表されたばかりの最新の論文です。

Narvaez, J. L., et al. (2019). "Trends and correlates of the sex distribution among U.S. assisted reproductive technology births." Fertil Steril.

アメリカにて、2010-2014年にARTによって生まれた214,274人の子供が対象です。受精卵診断を実施した10,266人のうち53.5%が男児、受精卵診断を実施しなかった204,008人のうち50.6%が男児でした。

受精卵診断を実施しなかったART周期について、さらに詳しく検討しました。その結果、胚盤胞移植は男児が生まれやすく (修正リスク比 1.03; 95%信頼区間, 1.02-1.04)、顕微授精は男児が生まれにくい(修正リスク比  0.94; 95%信頼区間, 0.93-0.95) 、単一胚移植後の単胎児においても顕微授精は男児が生まれにくい(修正リスク比 0.93; 95%信頼区間, 0.90-0.95)ことがわかりました。

1個胚移植と比較して、2個胚移植は男児が生まれにくく(修正リスク比 0.98; 95%信頼区間, 0.97-0.99) 、3個以上の胚移植も男児が生まれにくい(修正リスク比 0.98; 95%信頼区間, 0.96-0.99)ことがわかりました。

アメリカでは、2006-2014年の間、ARTにて生まれた児のうち男児の割合は50.5%~51.2%で推移したそうです。男女比には、胚盤胞移植、顕微授精、胚移植の際の胚ステージや胚数が関係している可能性が考えられると結論しています。

理由はわかっていませんが、体外受精は、わずかに男の子の方が生まれやすいみたいです。そして、胚盤胞移植を行うと男の子が生まれやすく、顕微授精を行うと女の子が生まれやすいようです。もちろん男女産み分けに使えるレベルの話ではないので、あえて胚盤胞移植や顕微授精を行う意味はありませんので、誤解が無いようにお願いします。






 

コーヒー好きは妊娠しやすい?

幸町IVFクリニック院長 雀部です。
IVF
幸町IVFクリニック


今日は、コーヒーと妊活の話です。

皆さんのなかにもコーヒーを毎日飲まれている方がいらっしゃるかと思います。私自身も毎日1-2杯飲みますが、コーヒーの香りが気分転換になっていいですよね。そのコーヒーですが、妊活にもいい影響を及ぼしてくれるみたいです。

今年4月に発表されたばかりの論文を紹介します。

Lyngso, J., et al. (2019). "Impact of female daily coffee consumption on successful fertility treatment: a Danish cohort study." Fertil Steril.

研究の目的は、日々のコーヒー消費が、生殖補助医療を受けているご夫婦の臨床的妊娠、生児獲得に影響するかどうかを明らかにすることです。

前向きのコホート研究です。 

合計1708人の女性が受けた、1511周期の人工授精、2870周期の体外受精と顕微授精周期、1355周期の凍結胚移植周期が対象です。

主要評価項目は、臨床的妊娠率と生児獲得率です。

体外受精または顕微授精を受けている女性の日々のコーヒー消費は、臨床的妊娠率、生児獲得率に影響を及ぼしませんでした。

1日1-5杯のコーヒーを飲む、人工授精を受けている女性は、コーヒーをまったく飲まない女性と比較して、臨床的妊娠率(修正相対危険度1.49、95%信頼区間1.05-2.11)、生児獲得率(修正相対危険度1.53、95%信頼区間1.06-2.21)が高いことがわかりました。

結論は、
1日1-5杯のコーヒーを飲む、人工授精を受けている女性は、まったく飲まない女性に比べて、1.5倍妊娠しやすく、生児を獲得しやすかった。
しかし、体外受精、顕微授精を受けている女性に関しては、日々のコーヒー消費は、妊娠、生児獲得に影響を及ぼさなかった。
でした。

ほっとしているコーヒー好きの方、多いのではないでしょうか?コーヒー好きは、妊活に有利かもしれません。少なくともマイナスにはなっていないようです。

ただし、飲み過ぎはだめです。WHOは、妊娠を予定している女性は、カフェインの摂取量を1日300mg(マグカップで約2杯)未満とするように推奨しています。


記事検索