こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。

先日、4月1日付で日本生殖医学会から不妊治療の延期を薦める声明が発表されました。
これを受けて当院でも対応に追われ、1日の午後はてんやわんやとなりました。
強制力はないのでスルーするか・・・。
いやいや、今後の状況を考えるとそういうわけには・・・。
散々検討しましたが、医学的なリスクが大きいときに「患者さんの自己責任」として責任を押しつけた上で治療を行うことが適正とも思えず、苦渋の決断ですが当院としては、現時点では胚移植は薦められないという結論になりました。

既に凍結胚移植の予定で治療を進めている患者さんには慌てて連絡し、声明の主旨をご理解頂いた患者さんには胚移植を一旦中止していただく対応を取りました。
連絡に対応した看護師の話では、皆さん一様にがっかりされていたようで、看護師自身も電話では厳しい現状をお話ししつつも、普段、頑張って通院されている患者さんを見知っているだけに心を痛めていました。

当院では、所詮、赤ちゃんを妊娠したら、頑張ってね!と送り出すことしかできず、そこから先は他院に委ねることになります。指摘されている妊娠経過中のリスクはもちろん、もし出産時にコロナウイルスに関連して分娩の受け入れ先が決まらない等が起きる可能性も全くないとは言えず、当院の患者さんに起きたらと考えただけでゾッとします。

実際のところ、当院としては胚移植はお勧めできませんが、採卵に関しては現時点では通常通り対応しています。もちろん、卵巣刺激開始時に必ず、非常事態宣言等が発令された場合に採卵が中止になる可能性について説明はしていますが、実質的には戒厳令のような外出禁止などのよほどのことがなければ、採卵した後は凍結タンクへ納めるまでは責任をもって対応するつもりです。また、平常時に戻った際の準備もしっかり進めています。

一見、治療の先が見えないようにも感じますが、それは私たちも同じ閉塞感を感じています。
感染症は、いずれ必ず収束します。その時にスタートダッシュができるように、現時点でできることに目を向けて一緒に頑張りましょう。
また通院が必要な方は、くれぐれも感染しないようご自愛下さいね。