幸町IVFクリニック 院長と培養士のIVFこぼれ話

幸町IVFクリニックの院長と培養士の、役に立つような、立たないようなブログです。 (主に院長の文句?)

培養士

不妊治療の助成金の支給要件が期限付きで緩和! ・・・するのか?

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。

昨日のニュースで、共同通信から、以下そのまま

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厚生労働省は9日、
新型コロナウイルスの感染拡大で不妊治療の延期を余儀なくされるケースが想定されることから、国が実施する治療費助成の年齢上限を緩和すると発表した。治療開始時の妻の年齢を「43歳未満」から「44歳未満」に引き上げる。本年度に限った措置。

 また妻が40歳未満の場合は通算6回まで、妻が40歳以上は通算3回までとの条件についても、対象年齢を「41歳未満」「41歳以上」とする。

 国は現在、夫婦の合計所得が730万円未満であることを条件に、体外受精や顕微授精にかかる費用を補助している。
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一瞬、おぉ!!って思いましたが、よく見ると厚労省は・・・とのこと。
東京都は、都独自に収入制限が拡充されたりしてるので、国の制度とどこまで同じ運用になるのかわかりませんが、東京都も同様に要件が緩和されるといいですね。

要件緩和も期限付きなので、コロナウイルスが収束したら、スタートダッシュができるように、今できることを始めましょう。お家で!!

国民全員が真剣に取り組めば、きっと早期に収束できるはずです。
頑張って乗りきりましょう。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明」をうけて

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。

先日、4月1日付で日本生殖医学会から不妊治療の延期を薦める声明が発表されました。
これを受けて当院でも対応に追われ、1日の午後はてんやわんやとなりました。
強制力はないのでスルーするか・・・。
いやいや、今後の状況を考えるとそういうわけには・・・。
散々検討しましたが、医学的なリスクが大きいときに「患者さんの自己責任」として責任を押しつけた上で治療を行うことが適正とも思えず、苦渋の決断ですが当院としては、現時点では胚移植は薦められないという結論になりました。

既に凍結胚移植の予定で治療を進めている患者さんには慌てて連絡し、声明の主旨をご理解頂いた患者さんには胚移植を一旦中止していただく対応を取りました。
連絡に対応した看護師の話では、皆さん一様にがっかりされていたようで、看護師自身も電話では厳しい現状をお話ししつつも、普段、頑張って通院されている患者さんを見知っているだけに心を痛めていました。

当院では、所詮、赤ちゃんを妊娠したら、頑張ってね!と送り出すことしかできず、そこから先は他院に委ねることになります。指摘されている妊娠経過中のリスクはもちろん、もし出産時にコロナウイルスに関連して分娩の受け入れ先が決まらない等が起きる可能性も全くないとは言えず、当院の患者さんに起きたらと考えただけでゾッとします。

実際のところ、当院としては胚移植はお勧めできませんが、採卵に関しては現時点では通常通り対応しています。もちろん、卵巣刺激開始時に必ず、非常事態宣言等が発令された場合に採卵が中止になる可能性について説明はしていますが、実質的には戒厳令のような外出禁止などのよほどのことがなければ、採卵した後は凍結タンクへ納めるまでは責任をもって対応するつもりです。また、平常時に戻った際の準備もしっかり進めています。

一見、治療の先が見えないようにも感じますが、それは私たちも同じ閉塞感を感じています。
感染症は、いずれ必ず収束します。その時にスタートダッシュができるように、現時点でできることに目を向けて一緒に頑張りましょう。
また通院が必要な方は、くれぐれも感染しないようご自愛下さいね。


妊活ドックは自費検査です。

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。 

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昨日、ブログの年納めのご挨拶をしたんですが、そういえば妊活ドックの費用について書き忘れてたので、追加します。

 

先日も、検査のみを希望する方から電話でお問い合わせがあって、妊活ドックの説明と費用について説明したら、何で保険適応されないんですか!?って怒られたよーって受付さんがいうので、詳しく説明していきますね。

 

妊活ドックは基本的に自費で行う検査です。

 

日本では国民皆保険制度っていう一見おサイフに優しい制度があって、病院へ行って治療や検査をしても負担額は3割で済むっていう刷り込みがあるのかもしれません。でも実際には、病院で何をやっても3割負担で済むというわけではなく、保険を適応される場合とされない場合があります。

 

保険を適応される場合は、基本的に何か病気を疑う症状がある場合です。治療やそれに伴う検査の費用は、保険適応が承認されている内容に限って3割負担のみで済みます。

逆に、特に病気を疑う症状がなく、本人の希望によって検査する場合や保険承認されていない治療法を行う場合は保険適応を受けることができないので、10割負担の自費になります。

 

(・・・ちなみに、一般不妊治療歴がなく、最初から体外受精を希望している場合、この場合は体外受精そのものが保険適応となる治療法ではないので、検査も最初からすべて自費になります。保険適応になる不妊治療は一般不妊治療のことを指しています。)

 

つまり、ざっくり言うと

病気を疑う症状がある、病気を疑う状態である病気の可能性があるので、承認範囲内で保険診療

症状や状態はないけど気になるので検査したい→病気じゃないので自費診療

という違いがあります。

 

不妊の検査で保険が適応されるって聞きましたけど!?

この情報も間違いではありません。ご夫婦で妊娠希望しているのに妊娠しないという「症状」や「状態」(これは3年前からだろうが、昨日の夜から思いつこうがどちらでもいいんです)があって、治療を希望しているのですから、検査や治療は保険が承認されている範囲で適応されて3割負担となります。

一方で妊活ドックの場合、「症状や病態があるわけではないけど、いずれ妊娠を希望したときのために検査しておきたい」という理由で検査するので、自費診療ということになります。同様に人間ドック等も「特定の症状はないけど自身の健康チェックのため」という理由で受けるので自費診療ですよね。

 

不妊クリニックのホームページをみると保険適応って書いてるとこもあるけど?って思われるかもしれません。本来はどこの施設も「妊娠を希望しているから受診するんですよね?」って前提で内容を紹介しているので、保険適応できる場合もあります。もし同じ施設でも、最初から「治療は希望してないので検査のみで」って堂々と主張したら、本来なら保険適応にはならないはずです。(なってたら、厳密には不正請求です。)

 

まあ、検査始めました!って説明しといて、私がいうのもナンですが・・・。

本当は、とりあえず妊活ドック受けてみて、それから妊娠する時期を考えようっていうのは、あまり健全ではないです。

えぇっー!?妊活ドックって自費なの!?

ってドン引くなら、むしろ妊活ドック検討しようかなって思ったのをよい機会に、早めに妊娠・出産に取り組んで、ご夫婦だけでは上手くいかないかなって思ったら早く病院へ相談しようって考えて頂くのが一番望ましいと思います。その方が検査だって保険でできる項目もありますし。

 

妊活ドックはどちらかというと、「今まで全然、妊娠・出産なんて考えもしなかったってご夫婦が、ある日急に、妊娠するぞ!って思ったら実際には妊娠しにくいご夫婦だった」って後から後悔することがないようにしたいって思いで始めた検査です。

 

世の中の多くの方は妊娠や出産なんてものは生理現象のように簡単だし、そんなに大変じゃないってし、思っているかもしれません。でも確実に、妊娠しにくいご夫婦もいますし、安全に出産までたどり着けない赤ちゃんもいます。でもそれがご自身に当てはまるなんて全く考えてない方がほとんどだと思います。

今すぐ妊娠を希望していなくても、それらの情報を予めご夫婦が知っている上での選択かどうか、で妊活の結果も満足度も大きく変わると思います。人生、お金も大事。時間も大事。でも時に妊活の場合は時間の方が圧倒的に大事になることもしばしばです。妊活ドックを検討しようって思われたら、実際に検査を受ける前に、本当にドックが必要なのか、それともよく考えたら治療を検討しているのかをご夫婦で話し合ってみるのがよいと思います。ぜひ色々話し合って最良の選択をして下さいね。

 

さて。追加といいつつ長くなりましたが、今度こそ本当に年納めです。

すいません。年末年始でお休みを頂きます。

 

皆様、どうかよいお年をお迎え下さい。


来年は1月5日から通常診療です。

来年もどうぞよろしくお願いします。




 

 

妊活ドックの注意事項

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。

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幸町IVFクリニック


皆さんは年越し準備、終わりましたか?

クリスマスが過ぎると、あっという間にクローズモードで、慌ただしさが2倍になるような気がします。

今年も1年、早かったですねー。ついこの前まで半袖だった気がするんですが・・・。

はぁ・・・。文句ばっかり言ってても仕方ないので、楽しい年越し企画でも考えるほうが建設的ですね。

ちなみに私はひたすら「何食べよっかな~♪」ばっかりですが・・・。

 

さて。前回は最近当院で始めた「妊活ドック」のご紹介をしましたが、今回はこの注意点について書いていきます。

検査の注意点?

え?痛いとか?

いえいえ。そんなのではなく。検査自体の意味合いについて説明します。

 

皆さんは、病院の検査って聞くとどう感じますか?

例えば貧血の検査。

だるいしクラクラするので、病院に行って血液検査してみたら、あ、鉄分足りてないので貧血ですねー、とか。血液検査は問題ないので貧血ではないですね、とか。

 

例えば胃が痛いので、胃カメラの検査。

カメラで胃の中を診て、胃がんがありますね、とか。がんはないけど胃の粘膜が荒れてるので胃の炎症ですね、とか。

 

などなど、検査をしたら、必ず答えが出るという印象ありませんか?

確かに、何かを調べる目的で検査するのですから、答えが出て当然なんですが、妊活の検査に関して言うとそこが確定的ではない。というのが今回のポイントです。

 

具体的には、妊活検査の項目ですべて「問題なし」という結果が出た人が、

「じゃあ、妊娠したくなったらすぐに妊娠できるってことですね!?」

って聞いても、医師からは

「いや、それはその時になってみないと判らないです。」って答えが返ってきます。

 

はぁあぁぁ?!それじゃ検査なんてやる意味あるの?って思いませんか?

私なら思いますね、きっと。

 

どういうことかというと、妊活の検査っていうのは、「妊娠できる身体かどうか」を調べているのではなく、「妊娠が成立するために必要なチェックポイントが機能しているかどうか」を調べている検査です。つまり、チェックポイントはそれぞれ正しく機能していても、それらが必要なときに正しいタイミングで機能を発揮しないと妊娠は成立しません。正しいタイミングで機能を発揮するかどうかを確認するとしたら、実際に妊娠を目指してみるしか確認する方法はありません。なので前述のようなやりとりになっちゃうんですね。

 

では、わざわざ検査する意味はどこに?ってことになりますが、実際に妊娠可能かどうか?は判らなくても、最低限、これだけは正しく機能していないと自然妊娠が難しいという項目を調べておきましょうというのが妊活ドックの目的です。

もし、これらの検査項目で問題が発覚した場合は、赤ちゃんがほしいと思った際にはできるだけ早く不妊専門医へ相談した方がよいということになります。それが、今すぐなのか、まだもうちょっと先でもよいのかは検査結果や年齢などを総合的に判断した医師のアドバイスを基にご夫婦の家族計画を検討して頂くのがよいと思います。

 

では「問題なし」の方は?

 

前述のように、「すぐに妊娠できる身体です!」という意味の結果ではないらしい・・・と認識しておく必要があります。妊娠にとって必要な機能は、最低限正しく働いているらしい。でも実際には妊娠を目指してみないとわからないのだから、「私は大丈夫!!」って過信しないことが大切です。いざ妊娠を目指してみて上手くいかなければ、やはり医療サポートが必要になる可能性もあるかも。くらいに頭の片隅に残しておいて家族計画を検討して下さい。

 

妊活ドックの危ういところは、この「問題なし」という結果の解釈です。

以前に「問題なし」という結果が出ていると、数年経ってから妊娠を望んだ際に、この結果が拠り所になってしまって、医療サポートを受けようっていう考えが最初に出てこずに時間もお金も回り道してしまうこともあります。

実際、当院で治療している方達の不妊原因をみると、約半分以上の方が「問題なし」の不妊症、いわゆる原因不明です。現時点でできる検査だけでは、妊娠に必要な要素をすべて網羅することはできないことを如実に表す割合だと思います。

 

私見ですが、せっかく妊娠に対して「意識高い系」(揶揄してるんじゃないですよ)で、しっかり準備する目的で妊活ドックを受けたのに、それが実際の家族計画を間違った方向に結びつけてしまう可能性がある、ということがとても心配です。検査の結果を正しく解釈して、ぜひご夫婦の未来の計画へ活用していただけると嬉しいです。

 

妊活ドックについて気になることがあれば、ぜひお問い合わせ下さい。

 

 

ではでは

年末になって、急に寒さが増して来ましたね。折角のお休みですから体調不良に気をつけて。

暖かくして、楽しい新年を迎えて下さいね。

 

今年はこれで年納めです。(外来は1228日までやってますよ)

来年は15日から通常診療です。

来年もどうぞよろしくお願いします。





妊活ドック始めました

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。
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幸町IVFクリニック


院長が、ブログのネタがない!とネタなしゾンビでウロウロするので、しばらく私が担当します。

といっても、そうそう目新しい話があるわけでもなく。

院内のよもやま話をご紹介する程度ですが・・・。

軽い読み物としてたまにお付き合い下さい。

 

12月に入って、当院では「妊活ドック」なるものを始めたのですよ。

何を今更?!と思われるかもしれませんが、今まで当院では検査だけ希望という方の診療を受けていなかったので、院内的にはちょっと新しい感じです。

 

内容は、不妊治療経験のある方から見るとワリと一般的ですが、治療経験がないと婦人科っていうだけで敷居が高いのかも・・・?

というわけで、ざっくり解説していきます。

詳しくは当院ホームページの「妊活ドック」http://www.saiwaicho.com/dock.html

でも紹介してるので、こちらも参考にして下さい。

 

女性用の検査としては、

    女性基本セット 35,450

・抗ミューラー管ホルモン(AMH

・性周期関連のホルモン検査

・甲状腺刺激ホルモン

・抗精子抗体

・クラミジア・トラコマティス抗体

・糖尿病スクリーニング検査

・経腟超音波検査(2回)

 

たくさん書いてありますが、行うのは血液検査と経腟超音波検査です。

血液検査では、性周期の調節機能や卵巣機能、甲状腺機能などに関わる各種ホルモンや身体の中に精子を殺してしまうような抗体がないかどうか、卵管や骨盤内で癒着を発生させてしまうような感染症にかかったことがないかどうか、糖尿病の傾向がないかどうかを調べる項目を行います。

経腟超音波検査では、腟の中に超音波プローブを入れて、骨盤内臓器(ここでは主に子宮や卵巣とその周辺)を観察して子宮の奇形や筋腫、卵巣内の嚢腫の有無などなど子宮の周辺状況を診断します。

また、月経周期に合わせて検査を行うので、実際に正しく排卵が起きているかどうかも確認します(卵巣の状況によっては検査が参考値になることもあります。その場合には別の周期にドックを組み直すかどうか、採血前に相談になります)。

 

男性用の検査としては、

②男性基本セット 6,330

・一般精液検査

 

女性の検査に比べるとかなり項目がさみしいですね・・・。

そう。不妊領域では男性の検査ってまず最初に精液検査。それ以外は必要に応じて追加になることが多いので、妊活ドックのようにスクリーニング目的の検査では項目がさみしくなってしまうのです。もちろん所見に問題があれば精査する項目はたくさんありますが、スクリーニングなら、とりあえずは精液検査だけでも大丈夫です。

 

ただし。誤解して欲しくないので声をにして言いたいのですが!

女性の検査に比べて男性の検査項目が少ないので、やっぱり妊娠は女性がするもの、女性が頑張るものと思ってる男性って結構多いのではないですか?

実際、妊娠が成立するために必要なチェックポイントを無事通過するためには、女性側の因子によって大きく影響を受けるのも事実です。でも、健常な赤ちゃんが生まれるために必要な要件となると、男性の寄与率は50%。つまり精子が健常でないとせっかく着床しても流産してしまう原因となることだってあります。

赤ちゃん欲しいから、奥さんに協力します。じゃなく、赤ちゃんが欲しいので自分の健康も見直そうってご主人が思ってくれるきっかけになると嬉しいですね。

 

 

③追加オプション ※希望の場合は申し出てください。

・子宮頸部細胞診(液状検体) 6,300円 ※結果は郵送になります。

・風疹抗体検査 2,900

・感染症セット(梅毒・B/C型肝炎・HIV) 6,020

・卵管通水検査 7,570円 ※基本セットと同じ周期にはできません。

 

前述の女性の検査・男性の検査に加えて、ご本人の希望によって行う検査です。

子宮の頚がんの検診、風疹抗体の検査は自治体によってタイミングが良ければ無料でできることもあるので、オプションになってます。

また、感染症は血液や体液の接触によって感染が成立する項目の検査です。感染している場合、生まれてくる赤ちゃんやご家族への対応が必要なので、妊娠を目指すご夫婦にはやっておいて頂きたい項目です。

卵管通水検査は、腟側から生食を注入して卵管につまりがないかどうかを調べます。卵管に通過性がないと自然妊娠は難しく、体外受精または卵管の通過性を回復する処置が必要になります。妊娠へのアプローチを考える上で一気に方針が変更になるので、早めに検査することも必要です。ただし・・・。ネット等で見かけるかもしれませんが、ちょっと痛い検査です(大丈夫な人もいますが・・・)というわけで、全員が行うセットに組み込むのはちょっとねぇ・・・。というわけで、オプションにしてみました。事前にクラミジアの検査の結果が出てないと検査できないので、通水検査ご希望の場合は妊活ドックとは別の周期で改めて予定を組むことになります。

 

と、こんな感じで妊活ドックを始めてみました。

長くなってきたので、今回は項目の説明まで。

次回は妊活ドックの注意事項について書きますね。

ではでは。




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