アガデス

2014年10月22日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (3)

ニジェール ゲレウォール (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと「ゲレウォール」の様子をご紹介します。

ボロロ遊牧民の集まる平原で、サヘル遊牧民の美男子コンテストとも言われる「ゲレウォール」の集いが始まりました。朝はヤーケ、そして夕方にゲレウォール。深夜まで、歌い踊る声が響きます。

ゲレウォールの様子です。
ゲレウォールはパフォーマンスをするボロロの男性の中から、少女が「最も美しい男」を選ぶ祭りです。参加する男性はその美の基準にかなう様、数日前から腹をへこませるために食事をぬいたり、お守りをつけ願をかけ、長時間かけてメイクします。

夕方、ゲレウォールが始まりました。赤い顔料を顔にぬり、準備をする男性達。

ニジェール ゲレウォール (2)
髪の毛にもお守りのグリグリ Gris-Gris

ニジェール ゲレウォール (3)
腕の飾りをつけてもらいます。

ニジェール ゲレウォール (4)
顔の赤の顔料のパレットはゲレウォールで足首につける音を鳴らす楽器。

ニジェール ゲレウォール (5)
念入りに顔料を塗ります。

ニジェール ゲレウォール (6)
ゲレウォールは上半身裸。スレンダーボディがボロロの美。腹の出たボロロは禁止です。

ニジェール ゲレウォール (7)
いよいよゲレウォールのパフォーマンスが始まりました。

ニジェール ゲレウォール (8)
ボロロの美を精一杯パフォーマンス、白い目と白い歯。

ニジェール ゲレウォール (9)
胸にはたくさんのお守り グリグリGris-Grisが。

ニジェール ゲレウォール (10)
ゲレウォールを見守る女の子たち。

ニジェール ゲレウォール (11)
脚かざりを鳴らし、フォーマンスが派手になってきます。前にでてきてアピールする若者も。
若者達のパフォーマンスが最高潮に達した頃には、初め大勢いた参加者から選ばれた15人ほどになっていました。

ニジェール ゲレウォール (12)
そしていよいよ「美男子」を選ぶ少女二人が若者達の前へ。この少女もこの日、突然選ばれるのでとても緊張しています。

ニジェール ゲレウォール (13)
少女達が現われるとゲレウォールを取り巻く観衆が沸き、見たさに詰め寄ってきます。少女の一人が震えていました。観衆が大騒ぎする中、少女が一人の男性を指差し「最も美しい男」を選びました。そしてその瞬間、祭りは突然終了します。

「選ばれた男性」は私たち日本人が予想した人と同じでした。もしかして美的センスは似ているのでしょうか・・・。

で、この選んだ少女と選ばれた男性はどうなるのか。
結婚するのではなく、ひとときを楽しむことができるんだそうです。あとはこの二人次第なのだと。

日没と同時にゲレウォールは終わりましたが、歌や踊りは夜中1時ごろまで続きました。
そして翌朝、朝8時にはボロロ牛や家畜を連れて放牧へと出かけていきます。
お祭りの日も、遊牧民の生活のサイクルはすべて放牧する動物の時間とともにあります。


Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子
ニジェール ゲレウォール (14)

***ニジェールの旅・ツアーについては随時発表・実施しておりますので西遊旅行アフリカ担当までお問い合わせください。

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2014年10月15日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (2)

‎ニジェール ヤ-ケ (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと最も美しい男性を女性が選ぶ祭り、「ゲレウォール」の様子をご紹介します。
ボロロ遊牧民の集まるキャンプで、ゲレウォールの集いが始まりました。朝はヤーケ、そして夕方にゲレウォール。深夜まで、歌い踊る声が響きます。

ヤーケの様子です。

‎ニジェール ヤ-ケ (2)
顔に塗る黄色の顔料。自然の岩から採取します。

‎ニジェール ヤ-ケ (3)
髪の毛にもグリグリ(Gris-grisお守り)をつけます。一番の美男子でありますように・・・

‎ニジェール ヤ-ケ (4)
ベースとなる赤の顔料を顔に塗ります。

‎ニジェール ヤ-ケ (5)
目が大きく白目を強調することが「美」。アイラインをしっかりひきます。

‎ニジェール ヤ-ケ (6)
ヤーケの「黄色の顔料」をつけます。その様子を観察する小さな男の子。来るべき日のための勉強です。

‎ニジェール ヤ-ケ (7)
ヤーケの衣装をつけます。ボロロの刺繍は女性たちの手仕事。

‎ニジェール ヤ-ケ (8)
飾りをつけて仕上げに入ります。

‎ニジェール ヤ-ケ (9)
皮の腰巻を着用。ちなみにボロロ男性の美の基準は「スレンダー」であること。ちなみに腹の出たボロロはダメです・・・。

‎ニジェール ヤ-ケ (10)
ボロロ遊牧民のシンボルともいえる帽子をかぶります。

‎ニジェール ヤ-ケ (11)
これで完成。

‎ニジェール ヤ-ケ (12)
ヤーケのパフォーマンスが始まりました。

‎ニジェール ヤ-ケ (13)
背が高く、細く、白目・白い歯、そして豊かな表情がポイント、美男子の証です。

‎ニジェール ヤ-ケ (14)

そばでは、草陰から少女たちがヤーケを見物していました。いつかは美男子を選ぶ、「来るべき日」のために。


Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子

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2014年10月08日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (1)

ニジェール ボロロ遊牧民 (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと「ゲレウォール」の様子をご紹介します。

今年は「雨季」の到来が遅く、旱魃に至らないかと心配されましたがその後の雨は順調で遊牧民たちもいつもより少し遅いながらも「塩の平原」へ家畜を連れて北上していました。
運よく移動中の大きなボロロ遊牧民のグループに遭遇。聞いたところ、今日みんな集合してきて明日には2週間に及ぶゲレウォールが始まるとのこと。私たちがその場所へ到着すると、ちょうどボロロの首長も到着したばかりで、さっそくごあいさつへ。私たちツーリストの滞在のお願いすると快く受け入れてくれました。

ボロロ遊牧民のキャンプの様子です。

ニジェール ボロロ遊牧民 (2)
移動途中のボロロ遊牧民

ニジェール ボロロ遊牧民 (3)
ロバの背に乗る女の子

ニジェール ボロロ遊牧民 (4)
ボロロ遊牧民たちがどんどん到着し、二週間ほどをすごす「住まい」を作り上げていきます。

ニジェール ボロロ遊牧民 (5)
完成したベッド。ゲレウォールのお祭りのときはベッドも家財道具も飾りをつけて最大限のおしゃれをします。

ニジェール ボロロ遊牧民 (9)
夕方、「ボロロ牛」が放牧から帰ってきました。

ニジェール ボロロ遊牧民 (6)

乳絞り。ボロロ遊牧民にとって「牛」はただの家畜ではなく、自然と自分達の間にいる特別な存在。彼らが持つ「ボロロ牛、Bororo Zebu」は彼らにとって他の牛とは違います。名前をつけて呼び、牛も自分の飼い主に強い愛着を示すことで知られています。また、ボロロ牛に関するいくつかのタブーがあり、「子牛のロープを踏んだりしてはいけない」、「ミルクを取るカラバッシュ(ひょうたん)の桶は他の用途に使ってはいけない」など暮らしの中にはこういった決まりごとがたくさんあるようです。

ニジェール ボロロ遊牧民 (7)

ミレットをついて夕食の準備も始まりました。遊牧民の食事は意外と遅く、長時間かけて準備・調理し、食べるのは夜9時、10時以降。シンプルな食事で、ミレットにミルクを混ぜたものを食べます。

ニジェール ボロロ遊牧民 (8)

日没前、ラクダに乗ってボロロの若者たちが到着しました。トゥアレグ族と近い場所に住み、またその文化を受け入れ模倣する彼ら、一瞬トゥアレグ族かと思うこともあります。明日から始まるゲレウォールに参加する若者たちでしょうか。

Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子

***ニジェールの旅・ツアーについては随時発表・実施しておりますので西遊旅行アフリカ担当までお問い合わせください。

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2012年05月21日

ニジェールの旅 ゲレウォール ボロロ遊牧民の祭り

ゲレウォール01
9月下旬のニジェールの美男子コンテスト、ゲレウォールのコースを発表しました。

9月半ばの西アフリカ。雨期の明けるこの季節はサハラ砂漠やサヘルに暮らす遊牧民の祭りの季節です。ニジェールでは「塩の平原」に家畜を連れた人々が集まり、牧草の北限となる塩の大地に遊牧民の家族、そして氏族が集まり、結婚や子供の誕生を祝う祭りを執り行います。その中でも特筆すべきなのが、ウォダベ遊牧民、通称ボロロ族による「ゲレウォール」。男性がメイクをして美を競い、それを女性が選ぶというもので、まさに「砂漠の美男子コンテスト」。

ニジェールのボロロ遊牧民の祭りはさまざまな行事で構成されています。ゲレウォールとは祭りのハイライト、女性がもっとも美しい男性を選ぶもので、そのほかにもボロロの男の美を見せる踊りヤーケ、女性達の歌と踊りのバーゴ、夜に行なわれる集い・歌・踊りのドーサなどいくつもの行事があります。ボロロの男性は、背が高くスリムな体が美しいとされ、この祭りに向けて痩せたり、また祭りでは背が高く見えるように背伸びをして踊ったりします。白目や白い歯も美の象徴とされメイクでもパフォーマンスでも強調されます。

ゲレウォール02
男性の美しさを魅せる「ヤーケ」のパフォーマンス。白目や白い歯が強調されます。

ゲレウォール03
赤い顔料を塗った男性達によるゲレウォール。この中から一人の男性が選ばれます。

ゲレウォール04
女の子が「美男子」を選ぶ瞬間。きれいなだけでなく「背が高い」というのもポイントが高いようです。

ツアーでは自然発生する遊牧民の祭りを訪問しています。プログラムや何が見れるのか・・・などは流動的ですが、時代の大きな変化の中で、いまだアフリカ・サヘルに強く残される伝統風習に直に触れることは、非常に貴重な体験となるはずです。

文・写真Mariko SAWADA



西遊旅行のアフリカ 2012年ニジェールの旅 GUEREWOL ゲレウォールを訪れるツアー
Gurewol111ニジェール ボロロ遊牧民の祭典とトゥアレグの都アガデスへ






Tenere Arakaoニジェール大紀行 遊牧民の祭典ゲレウォールと最も美しいサハラ、アイール山地とテネレ砂漠






西遊旅行のゲレウォール、ニジェールに関する記事
ゲレウォール GUREWOL
サハラ砂漠・サヘルの遊牧民 ウォダベ WODAABE

ブログAfrican Dream のニジェールの中にも記事がありますので是非ごらんになってください。


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2011年12月05日

クロワ・デ・アガデス Croix d’Agadez

croixd'agadez01
クロワ・デ・アガデス – アガデス十字と呼ばれるトゥアレグ族の銀細工ジュエリー。ニジェール、特にアガデスを訪れると土産物屋として見かけるアクセサリーです。

クロワ・デ・アガデスの「クロワ」=「十字」という呼び名は後に西洋人が、キリスト教の「十字架」のモティーフに似ていることからつけた名前。実際には十字ではなく、トゥアレグの部族やエリアを象徴するものであり、アガデスやティミアなど各地域を表すモデルが存在しています。

croixd'agadez03アガデスの鍛冶屋工房にあった「トゥアレグ十字」の表。トゥアレグの有力な部族・地域を表し21種類あります。有名なのは、アガデス、ティミア、イフェロアン、インガルのものでペンダントやピアスなどのアクセサリーにアレンジされています。





その起源については諸説あり、かつてのエジプトのファラオの紋章を取り入れた説、イスラム化する以前にキリスト教に触れたトゥアレグ族が「十字架」のモティーフを取り入れたという説など様々。私が最もお気に入りはアガデスで聞いた「恋」にまつわる説。
 “ある少女に恋したアガデスのスルタンの息子。その恋を告白するのにどうすればいいか、スルタンお抱えの鍛冶屋に相談しました。トゥアレグの社会において、家事を支える食器や、戦いの武器、そして装飾品の銀細工を作り出す鍛冶屋は大切な存在。鍛冶屋はスルタンの息子の相談を受け、考えました。そこでできあがったのがこの「クロワ・デ・アガデス」。トゥアレグの書き言葉タマシェク語で「愛」を意味する言葉「タルハ」を表すと ○+・。これをタテに書いて並べるとこのアガデス十字のデザインになるのです。果たして鍛冶屋は銀細工で美しくこの「タルハ」を「クロワ・デ・アガデス」の形に仕上げ、スルタンの息子はこの銀細工による「愛の告白」で恋人を手に入れました”、という話です。事実ではないにしても、なんとも夢のある話です。

 トゥアレグの銀細工はカースト(階級)の存在するトゥアレグ社会でにおいて鍛冶屋階級が担当して作っています。まず、ろうでクロワ・デ・アガデスの形を作り、それに粘土をつけてかたどりします。その粘土を火にかけて焼き、ろうがとけたところに銀貨などを溶かした銀を流し込み、冷まし、型をわってでてきた銀を整形・磨いて作ります。現在もアガデスやティミア、イフェロアンには銀細工の鍛冶屋工房があります。中には成功してフランスの有名アクセサリー店に出品している工房も。それでも2007年以降の観光客の減少で、鍛冶屋産の収入も少なくなってしまい、観光客を探して売りに歩いている職人達もたくさんいます。

croixd'agadez04アガデス Sidi Mohamed Koumama
鍛冶屋工房では手作業で銀細工が作られています。ツアー中でもデザインの希望を伝えてオーダーすると砂漠から帰ってくるまでに作ってくれたりします。






アガデスのお店では銀製のクロワ・デ・アガデスのペンダントが大きさにより15~30ユーロ、トァアレグの伝統的な意匠を取り入れた「作品」になると100ユーロを越えるものもあります。
もともとはそのトゥアレグ十字を見るだけでその人がどこの地域の出身者がわかり、父から息子へと引き継がれたもの。今ではおしゃれなアクセサリーとして外国人に人気のアイテムになっています。

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子

西遊旅行のニジェールの旅
ニジェール・アイール山地とテネレ砂漠塩のキャラバンルートを行く

sawada_saiyu at 17:40|Permalink

2011年11月08日

アガデスのグランド・モスク Grande Mosquée de AGADEZ

アガデス グランドモスク agadez02
ニジェール北部の中心地アガデス。11世紀頃からトゥアレグ族の町として発達し、サハラ交易の要衝として、サハラ横断「塩のキャラバン」の終着地として栄えました。現在はアルリットを中心とするウラン鉱山の交易の中継地でもあり、アイール山地ティミアからの野菜や果物が並び、冬には観光客も訪れるちょっとした「町」の様相です。

ニジェール北部を訪れる観光客は、主にテネレ砂漠やアイール山地を訪れるため、あまりアガデスで時間を過ごすことはありませんが、アガデスのグランド・モスクは是非訪れてみてください。

アガデス グランドモスク agadez grande mosque01スーダン・サヘル様式、27mの高さのミナレットを持つアガデスのグランドモスク
この「スーダン・サヘル様式」というのは現在のスーダンではなく、かつてこのサハラとその南縁部のサヘル地域を指した呼び名で、マリやモーリタニアなどでも同様の様式のモスクが見られます。ミナレットの上のほうには椰子の木の棒を突き出して作られ、これは単なるデザインではなく、年に一度、モスクの修復の際の足場に使われるものです。このミナレットの突起物以外、なんの外部も内部も装飾は無く、とてもシンプルなものです。









アガデス グランドモスク agadez grande mosque02金曜日の集団礼拝
礼拝の時は外国人はモスク内部には入れませんが、その祈りの景色は圧巻です。アガデスでは金曜日の昼、町中の男性が集まり、モスクの周辺の道路を礼拝所に変えます。アザーンに続き、礼拝が始まるとモスクとその周辺一帯が神聖な祈り場へと変わります。わずか15分ほどの集団礼拝ですが、アガデスの人々の祈りが一体化する瞬間です。集まる人々の衣装も、「アフリカ・サハラのモスクの祈り」を感じさせます。










グランド・モスクのミナレット
礼拝の時以外の日中、観光客はモスクの中に入って見学することができます。中には礼拝所、アガデスのスルタン専用の礼拝所、そしてミナレットへの階段があります。ミナレットは中が狭いことから一度に登れるのは4人まで。通路も暗いのので注意が必要です。蒸し暑い通路をくるくると登っていくと、地上27mのミナレットの頂上へ出ます。2~3人のスペースしかないミナレットの頂上からは土と泥でできたアガデスの町並みが広がっています。
アガデス グランドモスク agadez05

文・写真 Mariko SAWADA  澤田真理子


ニジェール、アガデスを訪れる西遊旅行のニジェールの旅
「ニジェール・アイール山地とテネレ砂漠塩のキャラバンルートを行く」

sawada_saiyu at 21:25|Permalink