ニジェール

2014年10月22日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (3)

ニジェール ゲレウォール (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと「ゲレウォール」の様子をご紹介します。

ボロロ遊牧民の集まる平原で、サヘル遊牧民の美男子コンテストとも言われる「ゲレウォール」の集いが始まりました。朝はヤーケ、そして夕方にゲレウォール。深夜まで、歌い踊る声が響きます。

ゲレウォールの様子です。
ゲレウォールはパフォーマンスをするボロロの男性の中から、少女が「最も美しい男」を選ぶ祭りです。参加する男性はその美の基準にかなう様、数日前から腹をへこませるために食事をぬいたり、お守りをつけ願をかけ、長時間かけてメイクします。

夕方、ゲレウォールが始まりました。赤い顔料を顔にぬり、準備をする男性達。

ニジェール ゲレウォール (2)
髪の毛にもお守りのグリグリ Gris-Gris

ニジェール ゲレウォール (3)
腕の飾りをつけてもらいます。

ニジェール ゲレウォール (4)
顔の赤の顔料のパレットはゲレウォールで足首につける音を鳴らす楽器。

ニジェール ゲレウォール (5)
念入りに顔料を塗ります。

ニジェール ゲレウォール (6)
ゲレウォールは上半身裸。スレンダーボディがボロロの美。腹の出たボロロは禁止です。

ニジェール ゲレウォール (7)
いよいよゲレウォールのパフォーマンスが始まりました。

ニジェール ゲレウォール (8)
ボロロの美を精一杯パフォーマンス、白い目と白い歯。

ニジェール ゲレウォール (9)
胸にはたくさんのお守り グリグリGris-Grisが。

ニジェール ゲレウォール (10)
ゲレウォールを見守る女の子たち。

ニジェール ゲレウォール (11)
脚かざりを鳴らし、フォーマンスが派手になってきます。前にでてきてアピールする若者も。
若者達のパフォーマンスが最高潮に達した頃には、初め大勢いた参加者から選ばれた15人ほどになっていました。

ニジェール ゲレウォール (12)
そしていよいよ「美男子」を選ぶ少女二人が若者達の前へ。この少女もこの日、突然選ばれるのでとても緊張しています。

ニジェール ゲレウォール (13)
少女達が現われるとゲレウォールを取り巻く観衆が沸き、見たさに詰め寄ってきます。少女の一人が震えていました。観衆が大騒ぎする中、少女が一人の男性を指差し「最も美しい男」を選びました。そしてその瞬間、祭りは突然終了します。

「選ばれた男性」は私たち日本人が予想した人と同じでした。もしかして美的センスは似ているのでしょうか・・・。

で、この選んだ少女と選ばれた男性はどうなるのか。
結婚するのではなく、ひとときを楽しむことができるんだそうです。あとはこの二人次第なのだと。

日没と同時にゲレウォールは終わりましたが、歌や踊りは夜中1時ごろまで続きました。
そして翌朝、朝8時にはボロロ牛や家畜を連れて放牧へと出かけていきます。
お祭りの日も、遊牧民の生活のサイクルはすべて放牧する動物の時間とともにあります。


Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子
ニジェール ゲレウォール (14)

***ニジェールの旅・ツアーについては随時発表・実施しておりますので西遊旅行アフリカ担当までお問い合わせください。

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2014年10月15日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (2)

‎ニジェール ヤ-ケ (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと最も美しい男性を女性が選ぶ祭り、「ゲレウォール」の様子をご紹介します。
ボロロ遊牧民の集まるキャンプで、ゲレウォールの集いが始まりました。朝はヤーケ、そして夕方にゲレウォール。深夜まで、歌い踊る声が響きます。

ヤーケの様子です。

‎ニジェール ヤ-ケ (2)
顔に塗る黄色の顔料。自然の岩から採取します。

‎ニジェール ヤ-ケ (3)
髪の毛にもグリグリ(Gris-grisお守り)をつけます。一番の美男子でありますように・・・

‎ニジェール ヤ-ケ (4)
ベースとなる赤の顔料を顔に塗ります。

‎ニジェール ヤ-ケ (5)
目が大きく白目を強調することが「美」。アイラインをしっかりひきます。

‎ニジェール ヤ-ケ (6)
ヤーケの「黄色の顔料」をつけます。その様子を観察する小さな男の子。来るべき日のための勉強です。

‎ニジェール ヤ-ケ (7)
ヤーケの衣装をつけます。ボロロの刺繍は女性たちの手仕事。

‎ニジェール ヤ-ケ (8)
飾りをつけて仕上げに入ります。

‎ニジェール ヤ-ケ (9)
皮の腰巻を着用。ちなみにボロロ男性の美の基準は「スレンダー」であること。ちなみに腹の出たボロロはダメです・・・。

‎ニジェール ヤ-ケ (10)
ボロロ遊牧民のシンボルともいえる帽子をかぶります。

‎ニジェール ヤ-ケ (11)
これで完成。

‎ニジェール ヤ-ケ (12)
ヤーケのパフォーマンスが始まりました。

‎ニジェール ヤ-ケ (13)
背が高く、細く、白目・白い歯、そして豊かな表情がポイント、美男子の証です。

‎ニジェール ヤ-ケ (14)

そばでは、草陰から少女たちがヤーケを見物していました。いつかは美男子を選ぶ、「来るべき日」のために。


Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子

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2014年10月08日

ボロロ遊牧民とゲレウォール in ニジェール 2014 (1)

ニジェール ボロロ遊牧民 (1)

2014年9月末に訪れたニジェール、ボロロ遊牧民の暮らしと「ゲレウォール」の様子をご紹介します。

今年は「雨季」の到来が遅く、旱魃に至らないかと心配されましたがその後の雨は順調で遊牧民たちもいつもより少し遅いながらも「塩の平原」へ家畜を連れて北上していました。
運よく移動中の大きなボロロ遊牧民のグループに遭遇。聞いたところ、今日みんな集合してきて明日には2週間に及ぶゲレウォールが始まるとのこと。私たちがその場所へ到着すると、ちょうどボロロの首長も到着したばかりで、さっそくごあいさつへ。私たちツーリストの滞在のお願いすると快く受け入れてくれました。

ボロロ遊牧民のキャンプの様子です。

ニジェール ボロロ遊牧民 (2)
移動途中のボロロ遊牧民

ニジェール ボロロ遊牧民 (3)
ロバの背に乗る女の子

ニジェール ボロロ遊牧民 (4)
ボロロ遊牧民たちがどんどん到着し、二週間ほどをすごす「住まい」を作り上げていきます。

ニジェール ボロロ遊牧民 (5)
完成したベッド。ゲレウォールのお祭りのときはベッドも家財道具も飾りをつけて最大限のおしゃれをします。

ニジェール ボロロ遊牧民 (9)
夕方、「ボロロ牛」が放牧から帰ってきました。

ニジェール ボロロ遊牧民 (6)

乳絞り。ボロロ遊牧民にとって「牛」はただの家畜ではなく、自然と自分達の間にいる特別な存在。彼らが持つ「ボロロ牛、Bororo Zebu」は彼らにとって他の牛とは違います。名前をつけて呼び、牛も自分の飼い主に強い愛着を示すことで知られています。また、ボロロ牛に関するいくつかのタブーがあり、「子牛のロープを踏んだりしてはいけない」、「ミルクを取るカラバッシュ(ひょうたん)の桶は他の用途に使ってはいけない」など暮らしの中にはこういった決まりごとがたくさんあるようです。

ニジェール ボロロ遊牧民 (7)

ミレットをついて夕食の準備も始まりました。遊牧民の食事は意外と遅く、長時間かけて準備・調理し、食べるのは夜9時、10時以降。シンプルな食事で、ミレットにミルクを混ぜたものを食べます。

ニジェール ボロロ遊牧民 (8)

日没前、ラクダに乗ってボロロの若者たちが到着しました。トゥアレグ族と近い場所に住み、またその文化を受け入れ模倣する彼ら、一瞬トゥアレグ族かと思うこともあります。明日から始まるゲレウォールに参加する若者たちでしょうか。

Text & Photo by Mariko SAWADA 澤田真理子

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2012年09月07日

ニジェール テネレ砂漠・アラカウの大砂丘

テネレ砂漠arakao (6)
テネレ砂漠の中でも最も美しい砂丘地帯がアラカウ (Arakao)。ニジェールがフランスから独立した1960年以降、アイール山地とテネレ砂漠境界付近の探索が行われました。1972年に航空写真をとり、東側の開いた馬蹄形の岩山に囲まれた砂丘地帯だとわかりました。この丸い、馬蹄形の岩山は死火山のカルデラで、その陥没部分に北東から吹く風で砂丘が押し込まれ、高さ200m、長さ15キロ以上にわたる砂山を作り上げています。

アラカウは首都のニアメからアガデスまで約1000キロを走り、そこからテネレ砂漠に入りまる2日砂漠を走ったらたどりつける砂丘。さらに砂丘のどの地点に行くかはドライバーの砂丘越えの腕にもかかってくる、砂漠を知り尽くしたスタッフとだけ行けるサハラの絶景ポイントです。

では美しいアラカウの写真をどうぞ・・・
テネレ砂漠arakao (1)
砂丘越えの様子。スタックすると助け合わなくてはならず、必ず複数台で行動です。

テネレ砂漠arakao (2)
朝の光に輝く砂丘。中央部から北を眺めた景色です。

テネレ砂漠arakao (5)
中央部の砂丘から西を眺めた景色。奥の岩山の手前の砂丘は、砂が岩山にあたって吹き返されてできた「砂の山」です。

そしてキャンプ。この景色の中での一夜がとても楽しみなのは、お客様だけでなく、スタッフも同じことです。
テネレ砂漠arakao (3)
夕日を眺めに砂丘に登っていたお客様がテントに戻り、夕食の準備。

テネレ砂漠arakao (4)
たき火を囲むひととき、そして満天の星・砂漠の夜がやってきます。

朝に夕に美しく、月夜に輝く砂丘のシルエットもなかなかのものです。

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子

西遊旅行で行く、ニジェール・テネレ砂漠の旅
「アイール山地とテネレ砂漠」2012-2013年冬 11月17日出発コース 催行決定 


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2012年05月21日

ニジェールの旅 ゲレウォール ボロロ遊牧民の祭り

ゲレウォール01
9月下旬のニジェールの美男子コンテスト、ゲレウォールのコースを発表しました。

9月半ばの西アフリカ。雨期の明けるこの季節はサハラ砂漠やサヘルに暮らす遊牧民の祭りの季節です。ニジェールでは「塩の平原」に家畜を連れた人々が集まり、牧草の北限となる塩の大地に遊牧民の家族、そして氏族が集まり、結婚や子供の誕生を祝う祭りを執り行います。その中でも特筆すべきなのが、ウォダベ遊牧民、通称ボロロ族による「ゲレウォール」。男性がメイクをして美を競い、それを女性が選ぶというもので、まさに「砂漠の美男子コンテスト」。

ニジェールのボロロ遊牧民の祭りはさまざまな行事で構成されています。ゲレウォールとは祭りのハイライト、女性がもっとも美しい男性を選ぶもので、そのほかにもボロロの男の美を見せる踊りヤーケ、女性達の歌と踊りのバーゴ、夜に行なわれる集い・歌・踊りのドーサなどいくつもの行事があります。ボロロの男性は、背が高くスリムな体が美しいとされ、この祭りに向けて痩せたり、また祭りでは背が高く見えるように背伸びをして踊ったりします。白目や白い歯も美の象徴とされメイクでもパフォーマンスでも強調されます。

ゲレウォール02
男性の美しさを魅せる「ヤーケ」のパフォーマンス。白目や白い歯が強調されます。

ゲレウォール03
赤い顔料を塗った男性達によるゲレウォール。この中から一人の男性が選ばれます。

ゲレウォール04
女の子が「美男子」を選ぶ瞬間。きれいなだけでなく「背が高い」というのもポイントが高いようです。

ツアーでは自然発生する遊牧民の祭りを訪問しています。プログラムや何が見れるのか・・・などは流動的ですが、時代の大きな変化の中で、いまだアフリカ・サヘルに強く残される伝統風習に直に触れることは、非常に貴重な体験となるはずです。

文・写真Mariko SAWADA



西遊旅行のアフリカ 2012年ニジェールの旅 GUEREWOL ゲレウォールを訪れるツアー
Gurewol111ニジェール ボロロ遊牧民の祭典とトゥアレグの都アガデスへ






Tenere Arakaoニジェール大紀行 遊牧民の祭典ゲレウォールと最も美しいサハラ、アイール山地とテネレ砂漠






西遊旅行のゲレウォール、ニジェールに関する記事
ゲレウォール GUREWOL
サハラ砂漠・サヘルの遊牧民 ウォダベ WODAABE

ブログAfrican Dream のニジェールの中にも記事がありますので是非ごらんになってください。


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2011年12月05日

クロワ・デ・アガデス Croix d’Agadez

croixd'agadez01
クロワ・デ・アガデス – アガデス十字と呼ばれるトゥアレグ族の銀細工ジュエリー。ニジェール、特にアガデスを訪れると土産物屋として見かけるアクセサリーです。

クロワ・デ・アガデスの「クロワ」=「十字」という呼び名は後に西洋人が、キリスト教の「十字架」のモティーフに似ていることからつけた名前。実際には十字ではなく、トゥアレグの部族やエリアを象徴するものであり、アガデスやティミアなど各地域を表すモデルが存在しています。

croixd'agadez03アガデスの鍛冶屋工房にあった「トゥアレグ十字」の表。トゥアレグの有力な部族・地域を表し21種類あります。有名なのは、アガデス、ティミア、イフェロアン、インガルのものでペンダントやピアスなどのアクセサリーにアレンジされています。





その起源については諸説あり、かつてのエジプトのファラオの紋章を取り入れた説、イスラム化する以前にキリスト教に触れたトゥアレグ族が「十字架」のモティーフを取り入れたという説など様々。私が最もお気に入りはアガデスで聞いた「恋」にまつわる説。
 “ある少女に恋したアガデスのスルタンの息子。その恋を告白するのにどうすればいいか、スルタンお抱えの鍛冶屋に相談しました。トゥアレグの社会において、家事を支える食器や、戦いの武器、そして装飾品の銀細工を作り出す鍛冶屋は大切な存在。鍛冶屋はスルタンの息子の相談を受け、考えました。そこでできあがったのがこの「クロワ・デ・アガデス」。トゥアレグの書き言葉タマシェク語で「愛」を意味する言葉「タルハ」を表すと ○+・。これをタテに書いて並べるとこのアガデス十字のデザインになるのです。果たして鍛冶屋は銀細工で美しくこの「タルハ」を「クロワ・デ・アガデス」の形に仕上げ、スルタンの息子はこの銀細工による「愛の告白」で恋人を手に入れました”、という話です。事実ではないにしても、なんとも夢のある話です。

 トゥアレグの銀細工はカースト(階級)の存在するトゥアレグ社会でにおいて鍛冶屋階級が担当して作っています。まず、ろうでクロワ・デ・アガデスの形を作り、それに粘土をつけてかたどりします。その粘土を火にかけて焼き、ろうがとけたところに銀貨などを溶かした銀を流し込み、冷まし、型をわってでてきた銀を整形・磨いて作ります。現在もアガデスやティミア、イフェロアンには銀細工の鍛冶屋工房があります。中には成功してフランスの有名アクセサリー店に出品している工房も。それでも2007年以降の観光客の減少で、鍛冶屋産の収入も少なくなってしまい、観光客を探して売りに歩いている職人達もたくさんいます。

croixd'agadez04アガデス Sidi Mohamed Koumama
鍛冶屋工房では手作業で銀細工が作られています。ツアー中でもデザインの希望を伝えてオーダーすると砂漠から帰ってくるまでに作ってくれたりします。






アガデスのお店では銀製のクロワ・デ・アガデスのペンダントが大きさにより15~30ユーロ、トァアレグの伝統的な意匠を取り入れた「作品」になると100ユーロを越えるものもあります。
もともとはそのトゥアレグ十字を見るだけでその人がどこの地域の出身者がわかり、父から息子へと引き継がれたもの。今ではおしゃれなアクセサリーとして外国人に人気のアイテムになっています。

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子

西遊旅行のニジェールの旅
ニジェール・アイール山地とテネレ砂漠塩のキャラバンルートを行く

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2011年11月08日

アガデスのグランド・モスク Grande Mosquée de AGADEZ

アガデス グランドモスク agadez02
ニジェール北部の中心地アガデス。11世紀頃からトゥアレグ族の町として発達し、サハラ交易の要衝として、サハラ横断「塩のキャラバン」の終着地として栄えました。現在はアルリットを中心とするウラン鉱山の交易の中継地でもあり、アイール山地ティミアからの野菜や果物が並び、冬には観光客も訪れるちょっとした「町」の様相です。

ニジェール北部を訪れる観光客は、主にテネレ砂漠やアイール山地を訪れるため、あまりアガデスで時間を過ごすことはありませんが、アガデスのグランド・モスクは是非訪れてみてください。

アガデス グランドモスク agadez grande mosque01スーダン・サヘル様式、27mの高さのミナレットを持つアガデスのグランドモスク
この「スーダン・サヘル様式」というのは現在のスーダンではなく、かつてこのサハラとその南縁部のサヘル地域を指した呼び名で、マリやモーリタニアなどでも同様の様式のモスクが見られます。ミナレットの上のほうには椰子の木の棒を突き出して作られ、これは単なるデザインではなく、年に一度、モスクの修復の際の足場に使われるものです。このミナレットの突起物以外、なんの外部も内部も装飾は無く、とてもシンプルなものです。









アガデス グランドモスク agadez grande mosque02金曜日の集団礼拝
礼拝の時は外国人はモスク内部には入れませんが、その祈りの景色は圧巻です。アガデスでは金曜日の昼、町中の男性が集まり、モスクの周辺の道路を礼拝所に変えます。アザーンに続き、礼拝が始まるとモスクとその周辺一帯が神聖な祈り場へと変わります。わずか15分ほどの集団礼拝ですが、アガデスの人々の祈りが一体化する瞬間です。集まる人々の衣装も、「アフリカ・サハラのモスクの祈り」を感じさせます。










グランド・モスクのミナレット
礼拝の時以外の日中、観光客はモスクの中に入って見学することができます。中には礼拝所、アガデスのスルタン専用の礼拝所、そしてミナレットへの階段があります。ミナレットは中が狭いことから一度に登れるのは4人まで。通路も暗いのので注意が必要です。蒸し暑い通路をくるくると登っていくと、地上27mのミナレットの頂上へ出ます。2~3人のスペースしかないミナレットの頂上からは土と泥でできたアガデスの町並みが広がっています。
アガデス グランドモスク agadez05

文・写真 Mariko SAWADA  澤田真理子


ニジェール、アガデスを訪れる西遊旅行のニジェールの旅
「ニジェール・アイール山地とテネレ砂漠塩のキャラバンルートを行く」

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2011年10月26日

ニジェールの塩田ティギダンテッスム Teguidda N’tessoumt

ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt01
インガルの北、塩の平原にあるのがTeguidda N’tessounmt。名前そのものが「塩の源」を意味します。まるで「月面世界」のような景色の塩田が造られています。
この地域の水は塩を含み、土壌も塩を含むことからたくさんの家畜をつれた遊牧民が集まる地域です。
雨期明けの9月終わり、乾期の塩作りのための作業の準備が進められていました。

ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt03塩田で働く人々
大きいプールは「塩水の井戸」で、泥と混ぜて塩分濃度の高い水を作り、この水を小さなプールへ移動させ泥を沈殿させ、表面の塩の結晶を採取します。
大きなプールで働くのは男性の仕事、小さなプールで働くのは女性の仕事、と分業されています。



ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt04男性の仕事
塩分を多く含んだ泥を塩水の井戸からの水とかき混ぜる男性。小さな塩田の穴に運ぶまでは男性の仕事です。







ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt02女性の仕事
雨期の間に壊れた塩田の穴を修復する作業をする女性。中の水を抜いて、壊れてしまった穴を補強します。同時にごみなどの不純物も取ります。そして塩田の表面が蒸発してできる「塩の結晶」を採取します。





ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt06
塩田から摂れた塩 右の白い塩は、きれいな表面の塩の結晶で人が食べるための塩。右の泥混じりの塩は家畜の栄養源として売られる「家畜用の塩」です。昔から、人々は家畜のための塩を求め、ここで塩の板を作り、「塩のキャラバンルート」で出荷していました。

ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt07
ティギダンテッスムの塩作り 家畜用として出荷されるものです。左のおわん型の塩は遊牧民がかばんに入れて運ぶためのもの、右側の棒状のものは箱につめてトラックで出荷するためのものです。

昔はこのティギダンテッスムからも「塩のキャラバン」が営まれていましたが、アガデス-アルジェリア(タマンラセット)の幹線道路にも近いことから、早くから車が入るようになり、今ではすべてトラック輸送に変わってしまいました。村の人々も「最期のキャラバンを見たのは20年以上前か」と。
そして、この収入の低い、厳しい塩田の仕事をいやがる男の若者はアルジェリアへと出稼ぎへ行き、ここで働くのは老人と女性だけになってしまっています。

ニジェールに現存する塩田はこのティギダンテッスム、ファシ、ビルマ、セグディエンヌの4箇所。「塩のキャラバン」が衰退する中、多くの遊牧民と家畜を支える伝統の「塩作り」と「塩の道」が続きますように。

ニジェール 塩田 teguidda N'tessoumt05
ティギダンテッスムの塩田とその周辺の「塩の平原」で草をはむ家畜、雨期明けのひとときの光景

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子


ニジェール「塩の道」に関するコラム
「ニジェールの塩のキャラバン Azalai アザライ 2011」




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2011年10月17日

2011年のゲレウォール、ニジェールの美男子コンテスト

ニジェール ゲレウォール gurewol-2011a
2011年9月末のニジェールのゲレウォールの旅から帰国。今回訪問したのはアバラクの北35キロの砂漠が会場の遊牧民ボロロの祭典でした。今年は旱魃が心配されることから遊牧民ボロロの人々は政治集会も兼ねて集まり、数日間は例年に無い大規模な集いも。雨の少なかった夏は、家畜の命、遊牧民の移動先を左右します。各氏族の代表が集まり、この冬の乾期を乗り切れるのか、弱った家畜に与える薬や食料の確保を話し合っていました。

お祭りの会場ではあちこちで集い、歌と踊りが繰り広げられ朝から晩まで歓声が途切れることはありません。「ボロロは疲れを知らない民族」と、トゥアレグ族やジェルマ族のスタッフがいいます。確かに、長距離を歩いて移動し続ける力、そして唄い踊り続ける体力はすごいものです。しかも日中の40度を越える炎天下で。

ニジェール ゲレウォールgurewol-2011b
夕方、ゲレウォールが始まりました。赤い顔料を顔にぬり、準備をする男性達。スリムなボディが「美男子の条件」であり、参加者の中には3日間食事をせずウエストを細くして準備をしていた若者もいました。「腹の出たボロロ」の参加は許されるものではないようです。

ニジェール ゲレウォールgurewol-2011c美男子を選ぶ少女。今日は15歳の少女3人が美男子を選ぶことになりました。男性がパフォーマンスをする場所から離れたところで少女が選ばれ、衣装を変えます。頭飾り、そして胸には白い布を巻いて。
若者達のパフォーマンスが最高潮に達した頃、同じ氏族の男性達から候補者の男性が選ばれ、ターバンでできたちょんまげのようなものがつけられます。このターバンのちょんまげをつけてもらった男性の中から「美男子」が選ばれます。 
-そしていよいよ少女達が若者達の前へ。







ニジェール ゲレウォール gurewol-2011d
少女達が現われるとゲレウォールを取り巻く観衆が沸き、見たさに詰め寄ってきます。少女の一人が震えていました。観衆が大騒ぎする中、少女が「最も美しい男」を選び、祭りは突然終了します。選ばれたのはとても背が高い細身の男性。ボロロの美の条件を満たした男性です。

この日、ゲレウォールに続き、男性達の歌と踊りのドーサが行われ、夜中中、歌い声、手をたたく音が途絶えることはありませんでした。
ボロロの祭典、この出会いと楽しみの後にはまた長い移動と放牧の旅が待っています。ゲレウォールの会場を後にすると、アガデスまでの道中で、既に南下を開始したボロロ遊牧民たちに出会いました。「草の少ない今年の乾期は厳しくなりそう」、と。

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子

ニジェールのゲレウォールについての紹介
ゲレウォール GUREWOL
サヘルの遊牧民 ウォダベ(ボロロ)  


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2011年06月12日

ニジェール WODAABE ウォダベ遊牧民との出会い

遊牧民の移動する季節(9~10月)にニジェールを旅すると出会うことができる、通称ボロロと呼ばれるウォダベの人々。日本ではあまり知られていない民族ですが、2009年、2010年の遊牧民の移動の季節に見た彼らの暮らしをご紹介したいと思います。
wodaabe01

ウォダベ(ボロロ)は西アフリカに広く分布するフラニ族の一派で、ニジェールからナイジェリア、カメルーン北部までの間を移動する遊牧生活を営んでいます。男女ともに“美しさ”で知られ、有名な9月のゲレウォールの祭りなど、暮らしの中にウォダベ独特の文化が息づいています。

WODAABEウォダベ
フラ語で「WODA」はタブーを意味しWODAABEはPeople of Taboo 「タブーの人々、タブーを守る人びと」を意味します。タブーは「禁忌」とも訳されますが、“何をしてはならない、何をすべきである”という形で、個人や共同体における行動のありようを規制する広い意味での文化的規範をさします。もともとの宗教は自然崇拝ですが17世紀にはイスラムへ改宗。それでもイスラム以前の文化が色濃く残っています。

遊牧の暮らし
角の大きな“ボロロ牛”と呼ばれるゼブ牛、ラクダ、ロバなどの家畜を飼い、雨期の6~9月の間、雨にあわせて南から北へと移動してきます。兄弟とその妻たち、子供たちからなる複数の家族の集団で移動し、牧草地に数日滞在し、また移動していきます。

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ウォダベのキャンプ。木と天幕でできたシンプルな移動住居です。テントの中を除くと女性達がくつろいでいました。

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食事の準備をするウォダベの女性。ミレットを臼で脱穀し、さらにミルクと混ぜ合わせておかゆ状にしたり練り物にしたりします。主食はミレット、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品で肉は貴重なためめったに食べません。

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左の写真はカラバッシュ(ひょうたん)の器。美しく飾られた器はウォダベの女性にとって大切な財産であり誇り。母から娘に受け継がれたり、ときにはこの器をめぐって女性達のケンカもあるそうです。
右の写真は豪華なベッド。木枠の上にマットを置いただけのシンプルなつくりですが、美しく飾られています。

“塩の平原”を目指す
ウォダベは遊牧民。いつも家畜のえさとなる草地を探して移動しますが、1年の移動にサイクルがあります。雨季の6~9月にカメルーン・ナイジェリアから北上し、9月半ばにはニジェール北部のインガル、ティギダン・テスム付近の“塩の平原”に集まります。そして家畜に塩を摂らせ、9月~10月の祭りの季節が終わると再び南へと移動を開始します。この季節は、遊牧民の往来が激しく、アバラク~アガデスの幹線道路、インガルロード、マランデット周辺の草地で移動する遊牧民とすれ違います。

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左の写真は家(キャンプ)を解体し、移動の準備。 右の写真はテント、家財をロバに積んで移動する様子。この季節のニジェールの風物詩とも言える光景です。

そして、ウォダベのもうひとつの美しい景色は牛の放牧。彼らの牛は乳を与えてくれる大切な家畜である以上に、自然とウォダベの人々の間に位置する存在として認識されています。通称ボロロ牛と呼ばれ、角が大きく臆病。その遊牧光景はウォダベの暮らしを象徴する、もうひとつの「砂漠の美」なのです。

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文・写真 Mariko SAWADA  澤田真理子

ニジェール:ウォダベ遊牧民と出会う旅 & ”ゲレウォール” 美男子コンテスト 2011
ウォダベ遊牧民の祭典と”塩の平原”へ GUEREWOLゲレウォール      

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2011年06月09日

“Beauté ” 美しさが一番、ウォダベ(ボロロ)遊牧民

ウォダベ(ボロロ)族は西アフリカに広く分布して暮らすフラニ族の一派。ウォダベは家畜とともに移動して暮らし、その生活を捨てるとウォダベではない、というくらい伝統的な遊牧の暮らしを守っています。そして「美」に対するこだわりがとても強く、常に小さな鏡を持ち自分の美しさをチェック。スタイル、髪形はもちろんのこと帽子、刀、お守り(グリグリ)などのアクセサリーにも気を使い、自分の家畜である牛は角を大きくし飾り、ラクダにはお守りをつけて愛でます。

そんな彼らの“美”へのこだわりを“美男子コンテスト”ゲレウォールの会場から探ってみました。

guerewol09
ゲレウォール“美男子コンテスト”のメイクアップ。みんな同じ顔料、衣装を身につけ「美」を競います。白目や白い歯を際立てるためのメイクアップは真剣そのもの。

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若者は常に小さな手鏡を腰にさし、美しさをチェック。
赤い皮袋はお守りグリグリ。災いから身と美を守ります。その下のビーズの飾りのついた円錐形の入れ物はアイシャドィウ。ウォダベ(ボロロ)の美でもある「白目」を強調するようアイシャドゥを入れて目ぢからをつけます。




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そしてゲレウォールの“ヤーケ”の踊り。本番の気合はなかなかのものです。「白目」、「白い歯」を強調し、背が高くすらっとして見えるよう、体を縦にゆらします。これらはウォダベ(ボロロ)の美の象徴。

お祭りの舞台以外でもおしゃれはかかせません。
髪形、スタイルにもこだわり、前髪を盛り上げるのは女性のおしゃれ。男の子はも髪の毛を伸ばして編み、普段はターバンや「ボロロ帽」と呼ばれる帽子をかぶっています。
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ゲレウォールの祭りの日、品定めに集う女の子たちに出会いました。彼女らの美男子を選ぶ目。
美男・美女の集う祭典、くぎづけになること間違いなしです!
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文・写真 Mariko SAWADA  澤田真理子

ニジェール・ゲレウォール ”美男子コンテスト” 2011
ウォダベ遊牧民の祭典と”塩の平原”へ GUEREWOLゲレウォール      

sawada_saiyu at 16:01|Permalink

2011年06月04日

“ゲレウォール GUEREWOL” 男の美を競う、ボロロ遊牧民の祭典

9月半ば、ウォダベ(ボロロ)遊牧民がニジェールの“塩の平原”で行なう、「最も美しい男」を選ぶ祭り、“ゲレウォール“。
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この祭りの季節は、離れ離れになっていたボロロやトゥアレグ遊牧民の家族、そして氏族が一斉に集まる季節。氏族ごとのお祭りや祝い事がもたれます。そしてこの遊牧民の祭りの中で、特筆すべきなのがゲレウォール。ウォダベ(ボロロ)遊牧民が最も美しい男を選ぶ、砂漠の美男子コンテストです。
最新の2010年の祭りの様子をご紹介しましょう。

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ウォダベの祭りはさまざまな行事で構成されています。ゲレウォールとは祭りのハイライト、女性がもっとも美しい男性を選ぶもので、そのほかにも男の美を見せる踊りヤーケ、女性達の歌と踊りのバーゴ、夜に行なわれる集い・歌・踊りのドーサなどいくつもの行事から構成されています。

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ヤーケは独特の刺繍の衣装、黄色の顔料、麦藁帽子が特徴。ウォダベの男性にとって、化粧や表情作りで白目・白い歯をめだたせ、踊るときに背を高く見せることが美の象徴です。

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バーゴは女性達の歌と踊り。みんな着飾って集まります。盛り上がった前髪はウォダベ(ボロロ)の女子たちのおしゃれの特徴でもあります。

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ゲレウォール。若者達が氏族長にあいさつをし、いよいよ最も美しい男を選ぶ儀式が始まります。美しい体を見せるのもポイントで上半身は裸。顔は赤色の顔料でメイクアップされます。

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盛り上がってくると美をアピールしたい若者がどんどん前にでてきます。長老達も歓声を上げ鼓舞します。この長老も、かつての美男子ですから。

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祭りの後半、異なる氏族から選ばれた美しい二人の少女が儀式のメイクと衣装を身に着けます。そして踊る若者達の前へ。

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踊る若者達の中から、各家族によって候補者が選ばれます。その選ばれた若者にターバンの頭飾り(ちょんまげのようですが)を巻き、少女の前に。少女はこの中ら「一番の美男子」を選びます。少女が手をさして一人の男性を選んだ瞬間に祭りは終わります。

この二人は「結婚」するわけではありません。この選ばれた美男子はこの少女とひとときの恋愛を楽しむ・・・というものなのです。そしてこの祭り自体がボロロ遊牧民達の出会いの場所。着飾って集う男女。何組のカップルが誕生したのでしょうか。
数週間を“塩の平原”と祭りで過ごしたウォダベの人々は来年のこの時期まで、再び南へと遊牧の旅に出ます。来年の再会を楽しみにしながら。

文・写真 Mariko SAWADA  澤田真理子

ニジェール・ゲレウォール”美男子コンテスト” 2011
ウォダベ遊牧民の祭典と”塩の平原”へ GUEREWOLゲレウォール      

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2011年02月08日

かつてはキリンの楽園、ニジェール

2010年末から2011年2月初めまで日本とニジェールを2往復。さらに首都ニアメからアイール山地とテネレ砂漠の入り口アガデスまで1000キロ。苦労の果て、目の前に広がるテネレ砂漠の美しさは格別です。
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さて、ニジェールで気になるのが「キリン」。アイール山地にはたくさんの岩刻画が残されていますがニジェールの岩刻画の特徴はなんといっても「キリン」の多さ。実にさまざまな手法で表現され、中にはダボスの岩刻画のように最大・最高傑作とさえいわれるものもあります。




niger_giraffeニジェール・アイール山地の岩刻画は諸説がありますが、紀元前6000年以降の作品が多いといわれています。このモデルとなったキリンは、ジラフ・カメロパルダリス・ペラルタと呼ばれる、ほかのアフリカに暮らすキリンとは異なるもの。かつてはニジェール全土に棲息していましたが1900年代に激減し、1995年には65匹にまで減ってしまいました。その後の保護努力で2009年には200匹まで回復しています。このキリンは首都ニアメから60㎞のクレ付近でみかけることがあります。

ホンモノのキリンと出会うチャンスはなかなかなくても、素敵な岩のキリンたちがいます。アイール山地のアナコムのキリンの岩刻画は、アーチストによるキリンの模様のさまざまな表現が見られます。

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beer niger01そして旅の夜は「キリンビール」。BEER NIGERと呼ばれるニジェールのビール。日本のお客様には「キリンビール」と親しまれています。

砂漠とキリンに乾杯

文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子


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