【旅の本】南インドカルチャー見聞録【旅の本】ムガル美術の旅

2017年12月04日

世界遺産ラージャスターンの丘陵城塞群と悲劇の王妃パドミニ

2013年世界遺産に登録された、「ラジャスタンの丘陵城塞群」。ジャイサルメールやジャイプールなどラジャスタン州の様々な都市にある6つの城塞がまとめて世界遺産に登録されています。今回は、それらの城塞の中でも日本ではまだあまり知られていない、チットルガール城(チットール城塞、Chittorgarh Fort)と、そこに暮らしていたという伝説が残る悲劇の王妃パドミニについてご紹介します。

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チットルガール城

誇り高き勇敢な戦士ラージプート

インド西部のラジャスタン州。誇り高き勇敢な戦士として知られた「ラージプート」の人々が暮らしています。ラージプートの起源は定かではありませんが、5〜6世紀ごろ中央アジアからやって来た騎馬遊牧民によるという説があります。

かつて西インドにはラージプートによる様々な王朝が栄えました。街ごとに堅牢な城塞が建てられ、2013年には6つの城がまとめて世界遺産に登録されました。ジャイプルのアンベール城、ジャイサルメールのジャイサルメール城など、美しい街と巨大な城の姿はとてもエキゾチックです。

かつてのメーワール王国の首都・チットルガール

チットルガールは、ウダイプルから日帰りでも訪れることができる城下町。かつてメーワール王国というラージプートの王国の首都として栄えていました。

ラージプートはヒンドゥー教徒でしたが、周囲にはイスラームの王朝が栄えており、チットルガールはその歴史の中で3度侵略を受けました。

悲劇の王妃パドミニ

14世紀、メーワール王国にハルジー朝が攻め込みました。その原因となったのは、一人の美しい王妃だと言われています。それがパドミニ(Padmini, Padmavati)。インド全土でその美貌は評判になっており、王でさえ直視することができず、宮殿の中に大きな鏡を設置し、水汲みに来たパドミニが水面に映る姿をさらに鏡に写してこっそり眺めていたそうです。

ハルジー朝の王・アラウディンは、メーワール王にパドミニの姿を一目見せてくれたらメーワールへの侵略を諦めて撤退すると言いました。メーワール王は水面に映るパドミニの姿をアラウディンに見せましたが、その美しさをどうしても自分のものにしたいと考えたアラウディンは猛攻を仕掛け、ついに城は陥落。パドミニは敵の手に渡ることを拒み、城に残った女性たちと共に火の中に身を投げてしまいました。

15世紀に建てられた勝利の塔の周囲には、戦争で殉死した夫の後を追って自ら命を絶った女性たちの墓石があります。こうして16世紀までに13000人を越える女性がなくなりました。

そんな悲しい伝説を残すチットルガール城ですが、現在は地元の人々が家族連れで集まり、ピクニックを楽しむ姿が多く見られます。

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(左)城塞から街を見下ろす (右)パドミニ宮殿

インドで物議を醸している大作映画「Padmavati」

2017年12月1日、この悲劇の王妃パドミニを主人公にした映画、その名も「Padmavati」がインドをはじめ全世界で公開されることになりました(なんと日本でも!)。

予告編がYouTubeに公開されていますが、当時の城塞の様子や人々の衣装などがものすごく豪華で、美しい細密画を見ているようです。


↑予告編です

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↑王妃パドミニを演じるのは「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」のディーピカー・パドゥコーンです

しかし、この映画の上映に対して、インドで大規模な反対運動が起こっています。パドミニが夢の中で敵であるアラウディンに恋をする描写があるそうで、「ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒のロマンスなどけしからん」という意見や「夫の為に殉死したパドミニのイメージを汚す」と行った意見が。監督の家の前でデモがおこったり、映画の予告編を上映した映画館が襲撃を受けたりしています。

そして、12月3日現在上映予定日を過ぎてしまいましたが、未だに公開の目処が立っていません。映画は無事インドで、そして日本で、公開されるのでしょうか?無事公開になった暁にはぜひご覧になり、本物のチットルガール城を見にラジャスタンのツアーへお越しください!

※2018年1月18日追記※
一度上映が延期になっていた上記映画ですが、タイトルを「Padmaavat」と変更して上映が決定したようです!詳しくは右のリンク先をご覧ください→https://www.spaceboxjapan.com/

*** チットルガールを訪れるツアー ***

ラジャスタン 砂漠と色彩のインド三都周遊
2017年 12/9 発 
2018年 1/27 、2/4 、3/17 発
9日間 298,000円
1/27発 は【催行決定】、2/4発 は【間もなく催行】です!!
※データは2017年12月3日現在のものです。


nakatani_saiyu at 19:06│ ラジャスタン州 | ヒンドゥー教
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