インドの民族

2016年08月18日

【復活!】オリッサ・バスタール民俗行②ドングリア・コンド族

前回から引き続き、4年ぶりに復活した人気コース「オリッサ・バスタール民俗行」のみどころをご紹介します。

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白い民族衣装に3つの鼻飾り、たくさんの装飾品で着飾ったドングリア・コンド族

前回ご紹介したボンダ族の訪れる定期市と並び、旅のハイライトとなるのがドングリア・コンド族の訪れるチャティコナの水曜市です。

ドングリア・コンド族の属する「コンド族」は、オーストラロイド(オーストラリアやニューギニア、メラネシアの人々と同種)に分類されます。

オリッサ州南東部・密林に覆われた「ニャンギリの丘」に暮らし、山の神“Niyam Raja”を信仰するドングリア・コンド族。山からはジャックフルーツやマンゴー、蜂蜜、竹などを取り、畑ではバナナやパパイヤ、生姜、オレンジなどを作ります。そして、収穫した作物をチャティコナの水曜市などの定期市で売り、生活必需品を購入します。

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ニャンギリの丘から市場を目指して歩くドングリア・コンド族の人々

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何人かのグループで山から下りてきます

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週に一度の市場は大賑わい

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作物を売ったお金で生活必需品を買います

男性はサゴ椰子からジュースを取り、強壮剤に。薬草の知識にも長け、山から取れる薬草でケガや病気を治療します(マラリアや蛇のかみ傷を治すという調査結果も!)。

豊かな山の恵みによって、何百年とシンプルな暮らしを続けて来たドングリア・コンド族。しかし、ここ10数年、彼らの生活が脅かされています。ニャンギリの丘にアルミニウムの原料となるボーキサイトが眠っていることがわかったのです。その価値はおよそ20億ドル。

イギリスに本社を持つ鉱山開発会社・ベタンダリソーシーズは、ドングリア・コンド族の聖なる山“Niyam Dongar”に露天掘りの鉱山を開発する計画をしています。


ボンダ族と同様、ドングリア・コンド族の村へも観光客の入場が禁止されています。彼らと出会えるのは、週に一度の定期市だけ。この機会に、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

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 11月12日発コースは催行間近!
オリッサ・バスタール民俗行 
今も息づく貴重な少数民族の文化を求めて、インド北部の山岳地帯を行く。5ヶ所で定期市を訪問。失われゆく各部族の伝統文化を求め、驚きに満ちた東インドへ。 
 

nakatani_saiyu at 16:58|Permalink

2016年08月10日

【復活!】オリッサ・バスタール民俗行①ボンダ族の伝説

前回の階段井戸に続き、総合パンフレット140号の注目ポイントをご紹介していきます。


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ボンダ族の女性。頭の上の葉っぱは、この後仲買人に売っていました。2009年弊社添乗員撮影。

4年ぶりに復活した「オリッサ・バスタール民俗行」

写真好きの方や民俗学好きの方にご好評いただいていたコース「オリッサ・バスタール民俗行」。

オリッサとは、インド東部オリッサ州
バスタールとは、オリッサ州の西部に広がるバスタール地方のことです。
ここでは、ドラヴィダ系の少数民族の方々が昔ながらの暮らしを続けています。

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インド政府は、少数民族の生活保護の為、村への観光客の立ち入りを禁止しています。
彼らと出会う唯一のチャンスは、各地で開催される定期市
買い物のため、山から下りてきた少数民族の方々と出会うことができます。

ツアーでは、各地で開催される定期市を巡ります

2012年、ツアーのハイライトのひとつ・ボンダ族が訪れるアンカデリの木曜市での写真撮影が禁止され、ツアーが出来なくなっていましたが、今年、再び解禁になったという知らせが!さっそく、ツアーを復活致しました。

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山から下りてきて、市場へ向かうボンダ族の人々。2012年弊社添乗員撮影。

ボンダ族の伝説と暮らし

オリッサ州に暮らす少数民族の中でも、最も印象的なのがボンダ族の人々です。
人口は12000人ほど(2011年の調査による)
女性の服装は、短い布を腰に巻き、上半身は裸で、胸の前にたくさんのビーズのネックレスをたらしています。頭はスポーツ刈りで、そのまわりにもビーズを巻きつけ、真鍮のピンで留めています。

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頭にもたくさんのビーズ。真鍮のピンでまとめています。

このボンダ族の服装は、インドの古代叙事詩「ラーマーヤナ」に由来していると言う伝説があります。

昔、ラーマーヤナのヒロインであるシータが裸になって水浴びをしていると、ボンダ族の女性たちがくすくす笑いました。怒ったシータはボンダ族の女性たちも裸にし、さらに頭をスポーツ刈りにしてしまいました。許しを請うたボンダ族に対して、シータは彼女たちが着ていたサリーの一部を腰に巻くことを許しました。

この話は、ヒンドゥー教の人々が後から作ったものなのでは。。と個人的には思いますが、
太いシルバーの首飾りや、ビーズの装飾は、森での暮らしや狩りの際、身を守るためだという説が有力です。

また、ボンダ族の男女関係も独特です。ボンダ族の女性は、自分より年下の男性と結婚します。男性が一人前になるまでは女性が世話をし、年老いたあとは男性が女性の面倒を見ます。

ボンダ族の男性はお酒が大好き。椰子や米からお酒を作り、市場で売るのですが、道中自分で全部飲んでしまい、市場に着くころにはべろべろに酔っぱらっています。

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ツアーの後半、マルドゥーンの土曜市で、ボンダ族が仲買人に売っていた葉っぱを見つけました。

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竹ひごのようなもので丸く加工された葉っぱは、お皿として使われていました。中に入っているのは食用の蟻です。

このようなドラヴィダ系の人々は、古代からインド全体に住んでいたと考えられています。
紀元前1500年ごろ、イラン方面からアーリア系の人々がやってきて、ドラヴィダ系の人々はインドの南西部に移動しました。 

次回は、このツアーで出会えるボンダ族以外の人々についてご紹介します。

Text by Megumi Nakatani

ボンダ族がやってくるアンカデリの木曜市を訪れる 
今も息づく貴重な少数民族の文化を求めて、インド北部の山岳地帯を行く。5ヶ所で定期市を訪問。失われゆく各部族の伝統文化を求め、驚きに満ちた東インドへ。 

nakatani_saiyu at 11:26|Permalink

2012年11月09日

グジャラート ラバリ族・ラクダのキャラバンに出会う

グジャラートをバスで旅していると、道路の脇をやってくるラクダの行列とすれ違うことがあります。
男性は白いシャツに白いパンツでヤギなどの家畜を追い、黒いシックな民族衣装に身を包んだ女性たちは家財道具一式を積み込んだラクダをつれています。
彼らは、グジャラート州を中心に遊牧・半遊牧の暮らしをする「ラバリ族」です。

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ラバリ族の男性とヤギの群れ

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ラバリ族の女性とラクダ

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行列はまだまだ続く…。

ラバリ族はラクダとともに遊牧を行ってきた牧畜民です。
もともと現在のパキスタン・シンド州にあたる地域に住んでいましたが、地域がイスラム化するとともに、ヒンドゥー教徒であった彼らは西に逃れてきました。
インドとパキスタンが分離・独立すると、彼らの住む地域の中心に国境がひかれ、多くのラバリ族はインド側に移り住みました。

現在、ラバリ族は家をもちながら一年のうちの何ヶ月かを家畜に餌をやりながら移動して暮らしています。ラクダには家財道具一式、子どもたち、小ヤギが積まれています。

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ラクダに乗った子どもたち

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ラクダに乗った子ヤギ

移動中、ラクダを売ったり、行く先々で農業を手伝ったりしながら生活をしています。

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一日の移動を終え、食事と寝床の支度をするラバリ族

女性たちの黒い衣装をよくみると、美しい刺繍で彩られています。上着(カンチャリ)、スカート(カーグラー)、ベールをつけ、上着の形はそのときの女性の状態(未婚、結婚、寡婦など)によって異なります。

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食事の支度をする女性

ある日であったラバリ族のおじさんは、素敵なポーチを愛用していました。よくみると、細かい端切れがパッチワークされています。

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道中出会ったラバリ族のおじさん

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おじさんのお洒落な水筒カバー

少ない生活用品で豊かに暮らすラバリ族の知恵。物にあふれた現代社会に生きる私たちは、彼らの生活から学べることが多いのかもしれません。

デリーやムンバイなど、どんどん発展する大都会がある一方、こうして昔ながらの生活をする人々とも出会えるインド。中でも、遊牧民との出会い、美しい手工芸、インダス文明の遺跡、大自然に出会えるグジャラートの旅は、西遊旅行一押しのコースです。

グジャラートを旅するコース
2013年冬のコースは間もなく発表です >西遊旅行のホームページにてチェック
グジャラート・テキスタイル紀行を発表しました!

nakatani_saiyu at 17:01|Permalink

2011年12月23日

オリッサのボンダ族 Bonda People in Orissa

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インドに暮らす少数民族の中でも、もっともその伝統を残し、外部の影響を受けずに暮らすボンダ族。
初めてこの市場へ向かって歩くボンダ族の人々を見たとき、「ここは本当にインド?」とさえ感じました。アフリカの未知の部族とであったような印象を受けたのを覚えています。
その衣装、そしてほっそりしたスタイルも「インド」というイメージとは異なるのです。

ボンダ族はボンダヒルと呼ばれる丘陵地帯に住み、外部との接触を余り持たずに暮らしています。特にボンダ族の男性は外部の人間に対して攻撃的で、彼らの居住地へ入ることは簡単ではありません。彼らの暮らす土地が山にあること、そして外部の文化を受け付けず、伝統に執着するからこそ、急激に「インド化」するインド大陸において、もっとも古く、原始的な暮らしを守り続けている民族といわれています。

そんなボンダ族と出会うことができるのが「市場」。ツアーではアンカデリの木曜市でボンダヒルの村からやってくるボンダ族と出会うことができます。

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市場へ向かうボンダの女性たち
壷やバスケットの中に農作物が入っていました。自分達の土地でとれる小さなじゃがいもなど、市場で他の民族とモノの交換をしたりしています。インドでも少なくなった「物々交換」の経済が残っています。

ボンダ族02女性は髪を短く刈り、ビーズ細工を頭に巻いています。首には何十もの銀の輪、胸には子安貝やビーズ製のネックレスを幾重にもたらし、その下には何も身につけず、下半身は20cmほどの布を巻くのみです。







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裸の胸は見事な装飾品で覆いつくされています。そして腰には短い丈の織りの布を巻くだけ。
この絶妙な美のバランスに驚かされます。


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アンカデリの木曜市では、女性は農作物を、男性は自分たちで作ったお酒を売りにやってきます。この市場ではボンダ族の男性の写真撮影は厳禁です。

オリッサお酒01オリッサの少数民族の市場には手作りのお酒の販売コーナーがあり、素焼きの壷に入ったお酒を葉っぱで作ったコップでたしなむ姿が見られます。午後にもなると男女ともにご機嫌な人たちでいっぱいになります。「酔っ払い」はやはり万国共通。


文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子



ボンダ族に出会う東インド、オリッサ少数民族の旅 「オリッサ・バスタール民俗行」
2012年1月28日発催行決定、2月25日発も催行予定です!


sawada_saiyu at 15:19|Permalink