グジャラート州

2017年09月17日

今注目を浴びるグジャラートへ!

東京は渋谷区にある、渋谷区立松濤美術館。
現在、インドテキスタイルファン必見の展覧会が開催されているのでご紹介します!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華
Hatanaka Kokyo Collection – Masterpieces of old Indian textiles
2017年8月8日(火)〜9月24日(日)
August 8 - September 24,2017
詳しくはリンク先をご覧ください

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本画家、畠中光享氏のインド染織コレクションから約150件を選び、制作当初の姿である「布」という広い画面でみることによりその魅力を紹介します(紹介文より)。

会場では、ターバン用の布が天井から床まで何枚も並んでいたり、天然染料で染められた木版更紗やカシミール地方のペイズリー模様の織物があったり・・・その多くを、ガラス越しでなく、直接見ることができます。

展示をご覧になって、インドのテキスタイルについてもっと知りたい!現地でどんな風に作られているのかを見てみたい!と思った方は、ぜひ西遊旅行の人気ツアー「グジャラート・テキスタイル紀行」へ!

ツアーでは、インド最西のグジャラート州西部の街・ブジを拠点に、染め・織り・刺繍などが作られる村や工房を巡ります。また、手仕事が作られている現場を見るだけでなく、実際に職人さんとともにワークショップを体験します。

55
インドの人間国宝・ギータさん宅で刺繍のワークショップ

43
絞り染の工房にて。極小の「しぼ」でクジャクが描かれています

30
木版更紗アジュラクの工房にて。天然染料による木版更紗は一度廃れてしまいましたが、地元の人の努力により復活しました

テキスタイルファンのほかに、写真撮影やスケッチがお好きな方にもオススメのこのコース。 普段のツアーでは訪れないような村を訪問し、ワークショップの間は数時間滞在しますので、その間にゆったりと村での滞在をお楽しみいただけます。

グジャラート州はモディ首相の出身地だということもあり、近年開発が進められ、中心都市のアーメダバードはここ10年で近代都市に変貌を遂げました。

日本企業も多数進出し、日本の新幹線の技術を利用したムンバイ・アーメダバード間高速鉄道事業の起工式典に安倍首相が訪れたばかりです。

今、注目を集めるグジャラートへ。この秋、ぜひ訪れてみてください!

ご紹介したテキスタイルツアーはこちら!
グジャラート テキスタイル紀行 
10月21日(土) ~ 10月28日(土) 8日間 298,000円 催行決定!残席あります!

ほかにもあります!グジャラートを訪れるツアー!
グジャラート Gujarat 
11月18日(土) ~ 11月29日(水) 12日間 348,000円
02月03日(土) ~ 02月14日(水) 12日間 348,000円
02月21日(水) ~ 03月04日(日) 12日間 348,000円

美しきグジャラート 階段井戸とシャトルンジャヤ巡礼
11月18日(土) ~ 11月25日(土) 8日間 278,000円
12月27日(水) ~ 01月03日(水) 8日間 328,000円 満席!キャンセル待ち受付中 
01月27日(土) ~ 02月03日(土) 8日間 278,000円
02月17日(土) ~ 02月24日(土) 8日間 278,000円

※催行状況は2017年9月15日現在のものです。詳しくはお問い合わせください。

nakatani_saiyu at 09:07|Permalink

2017年05月25日

【発表!】インド・バングラデシュのこだわりの旅6選

2017年10月〜2018年2月に出発する、
インド・バングラデシュの新コースを発表いたしました!
お手元に届きましたでしょうか?
(まだ届いてない!という方は、無料でお送りしますのでこちらまでご連絡ください^^)

image

ラインナップは以下です!


【インド・こだわりの旅4コース】


ラジャスタン Rajasthan


グジャラート テキスタイル紀行


原インドを撮る ソンプール・メーラと聖地バラナシ


ナガランド ホーンビル・フェスティバル見学


【バングラデシュ・こだわりの旅2コース】

黄金のベンガル バングラデシュ

 シュンドルボンの祭りドゥブラ・ラッシュ・メーラ見学


バングラデシュ テキスタイル紀行


さて、こんなにバラエティに富んだラインナップ、どれを選べばいいかわからない。。
ということで、ツアー担当者に「オススメコース」を聞いてみましたら、ズバリ

「グジャラート テキスタイル紀行」8日間 298000円


とのこと!

image

・インド最西部、マハトマガンディーとモディ首相の出身地、最近は日本からのビジネス進出でも注目されるグジャラート州
・その中でも最も西部にあり、豊かな染織文化が息づくカッチ地方を巡ります
・カッチ地方の中心にある街ブジに3連泊し、染織で名高い村々や工房を巡りカッチの大自然も堪能
・最終日、デリーに戻ってからも各州の手工芸品が一堂に集まる施設ディリーハットクラフトミュージアムを訪問

などなどテキスタイルファン必見のコースです。また、タイトルに「テキスタイル」とついてはいますが、
実はテキスタイル以外の目的で訪れる方が必ずいらっしゃるのもこのコース。

・ブジに3連泊する→のんびり滞在型の旅がお好きな方。
・素朴な村々を巡り、各村で染織のワークショップなど滞在時間も長い→スケッチや写真撮影がお好きな方。他のツアーと比べてゆっくりとスケッチ、お写真に時間がとれます!

個人的には、何度訪れても様々な発見があり、また行きたくなるのがグジャラートです。
今までにもいくつかブログを書きましたので、よかったら読んでみてください

※過去のブログの内容には、今回訪れない観光地が紹介されている可能性があります。

そしてそして。。もちろん「グジャラートテキスタイル紀行」以外のコースも魅力たっぷり
ですので、次回以降、ご紹介していきたいと思います^^

Text by Megumi NAKATANI

nakatani_saiyu at 22:33|Permalink

2016年07月12日

【イベント報告】美味しいコーヒーとともに聞く グジャラートテキスタイルの魅力

すこし時間が経ってしまいましたが、 6月19日(日)、 サザコーヒー会長の鈴木誉志男氏をお招きし、
ミニイベント「美味しいコーヒーとともに聞く グジャラートテキスタイルの魅力」を開催させていただきました。今回は、その簡単なご報告をさせていただきます。

textile (5)
鈴木氏の貴重なコレクションを西遊旅行・東京本社5階の会議室に展示させていただきました。

textile (2)
アヒール族のミラー刺繍。家の入口に飾り、魔除けにするものだということです。今回も会場の入り口に展示させていただきました。

鈴木氏は茨城県ひたちなか市に本社を置くサザコーヒー会長で、日本コーヒー文化学会常任理事。
コロンビアに自社農園を持ち、現地を訪れる機会も多く、
 その豊富な経験から、NHK文化センターの講師としても活躍されています。 

どうして南米、そしてコーヒー関係の方がインド・グジャラートのお話を??と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。鈴木氏がテキスタイル収集を始めるきっかけとなったのは、仕事で訪れた南米で出会った、
インディオの女性たちが作る「モラ」という刺繍布でした。モラ刺繍にすっかり魅了された鈴木氏は、南米では飽き足らず、手仕事を求めて世界中を旅するようになり、インドネシアの絣、そしてインドのミラー刺繍などをコレクションしてこられたそうです。

textile (4)
絞りやミラー刺繍の新作&アンティーク…


textile (3)
今はもう作る人がいなくなってしまったモチ刺繍(左の白い布に花の刺繍)や、インドの人間国宝ソフィアさんのミラー刺繍など、貴重なコレクションをお借りしました。

インドだけでなく世界の様々な国の歴史や文化を交えたユーモアたっぷりのお話しと、お持ちいただいた美味しいコーヒーのおかげで、2時間の講演はあっと言う間に終了。来てくださったお客様からは、「コレクターの方からの話を聞くチャンスが少ないので、来てよかった!」「コーヒーも美味しかった!」とのお声を頂戴しました。

いつもは会場を別にレンタルして講演会・説明会を開催することが多い西遊旅行。たまには少人数でのアットホームな会もいいですね!また企画したいと思います。こんなイベントをやってほしい!というご意見がございましたら、ぜひこちらからお問い合わせください



西遊旅行こだわりのテキスタイルの旅。インド・グジャラートバングラデシュは発表済。
ラオス・染織の里サムヌアを訪れる改定コースは7月後半発表予定です! 



nakatani_saiyu at 11:47|Permalink

2014年09月21日

グジャラートの世界遺産 Rani Ki Vav ラニ・キ・ヴァヴ 女王の階段井戸

ラニ・キ・ヴァヴ (3)

2014年6月に新たに世界遺産に登録された階段井戸がパタンの郊外にあります。この井戸は11世紀のソランキ王朝の未亡人となった女王が、王の追憶と名声のために建設したと言われている階段井戸です。

「階段井戸」とは水が慢性的に不足するグジャラート州やラジャスタン州で多く見られる井戸で、貴重な水を人々に供給するだけでなく、水の蒸発熱を利用した天然のクーラーとしても利用されました。井戸の壁面にはヒンドゥーの神々や説話をモチーフにした精緻な彫刻が施されており、ひとつの芸術作品として涼をとりにくる人々の目を楽しませていました。

「ラニ・キ・ヴァヴ」はグジャラート最古の階段井戸で、奥行き64m、幅20m、深さ27mの長方形の形をした階段井戸は7層の階からなり、その壁面は800を越えるヒンドゥーの神々の像で覆われています。特にヴィシュヌ神の化身のレリーフの美しさ、精巧さには素晴らしいものがあります。

「ラニ・キ・ヴァヴ」はその後、サラスワティ川の氾濫により砂に埋もれ、忘れられていましたが、1958年以降、インド考古局 Archeological Survey of India により発掘・修復が行われ、その全貌を現しました。

世界遺産に登録される直前の4月、ラニ・キ・ヴァヴを訪問したときの様子です。

ラニ・キ・ヴァヴ (1)
遺跡の入り口にはインド考古局が発掘・修復を始めた当時の昔の写真を展示していました。

ラニ・キ・ヴァヴ (2)
遺跡公園内を歩いていて、突然現れる地下建造物、階段井戸。

ラニ・キ・ヴァヴ (5)
7層のテラスがあり、中央の壁龕にはヒンドゥー神話のモティーフが。

ラニ・キ・ヴァヴ (6)
壁龕を正面にのぞみます。

ラニ・キ・ヴァヴ (4)
階段の岩と岩を木のくいでつないでいます。

ラニ・キ・ヴァヴ (7)
階段を下ると、周囲をヒンドゥーの神々に囲まれます。

ラニ・キ・ヴァヴ (11)
当時の装飾、暮らしぶりが伺える彫刻。

ラニ・キ・ヴァヴ (8)
参拝に来ているグジャラートの観光客に出会いました。グジャラートらしい鮮やかなサリーの女性。

ラニ・キ・ヴァヴ (10)
テラスの天井も彫刻が施されています。

ラニ・キ・ヴァヴ (9)
こんなにかわいらしいモチーフも。

ラニ・キ・ヴァヴ (12)
壁面には幾何学的な模様も見られます。

ラニ・キ・ヴァヴ (13)
美しい、神々の姿。ここはたんなる「井戸」ではなく、「神殿」なのです。

ラニ・キ・ヴァヴ (15)
ラニ・キ・ヴァヴにはヴィシュヌ神とその化身の姿の彫刻がたくさん施されています。ヴィシュヌの化身のひとつ、イノシシ。

ラニ・キ・ヴァヴ (14)
井戸という日常の中に作られたヒンドゥー神話の世界と、精緻な建築美。

砂に埋まり忘れられていたことが、往時のままの美しい彫刻残る階段井戸の姿を残してくれたのです。

Photo & Text by Mariko SAWADA 澤田真理子


西遊旅行のグジャラートの旅
グジャラート 魅惑のインド最西端の地をめぐる
グジャラート テキスタイル紀行

sawada_saiyu at 22:42|Permalink

2012年11月09日

グジャラート ラバリ族・ラクダのキャラバンに出会う

グジャラートをバスで旅していると、道路の脇をやってくるラクダの行列とすれ違うことがあります。
男性は白いシャツに白いパンツでヤギなどの家畜を追い、黒いシックな民族衣装に身を包んだ女性たちは家財道具一式を積み込んだラクダをつれています。
彼らは、グジャラート州を中心に遊牧・半遊牧の暮らしをする「ラバリ族」です。

R0014180
ラバリ族の男性とヤギの群れ

R0014178
ラバリ族の女性とラクダ

R0014177
行列はまだまだ続く…。

ラバリ族はラクダとともに遊牧を行ってきた牧畜民です。
もともと現在のパキスタン・シンド州にあたる地域に住んでいましたが、地域がイスラム化するとともに、ヒンドゥー教徒であった彼らは西に逃れてきました。
インドとパキスタンが分離・独立すると、彼らの住む地域の中心に国境がひかれ、多くのラバリ族はインド側に移り住みました。

現在、ラバリ族は家をもちながら一年のうちの何ヶ月かを家畜に餌をやりながら移動して暮らしています。ラクダには家財道具一式、子どもたち、小ヤギが積まれています。

R0014188
ラクダに乗った子どもたち

R0014185
ラクダに乗った子ヤギ

移動中、ラクダを売ったり、行く先々で農業を手伝ったりしながら生活をしています。

カッチ ラバリ族 (1)
一日の移動を終え、食事と寝床の支度をするラバリ族

女性たちの黒い衣装をよくみると、美しい刺繍で彩られています。上着(カンチャリ)、スカート(カーグラー)、ベールをつけ、上着の形はそのときの女性の状態(未婚、結婚、寡婦など)によって異なります。

カッチ ラバリ族 (5)
食事の支度をする女性

ある日であったラバリ族のおじさんは、素敵なポーチを愛用していました。よくみると、細かい端切れがパッチワークされています。

R0014182
道中出会ったラバリ族のおじさん

R0014181
おじさんのお洒落な水筒カバー

少ない生活用品で豊かに暮らすラバリ族の知恵。物にあふれた現代社会に生きる私たちは、彼らの生活から学べることが多いのかもしれません。

デリーやムンバイなど、どんどん発展する大都会がある一方、こうして昔ながらの生活をする人々とも出会えるインド。中でも、遊牧民との出会い、美しい手工芸、インダス文明の遺跡、大自然に出会えるグジャラートの旅は、西遊旅行一押しのコースです。

グジャラートを旅するコース
2013年冬のコースは間もなく発表です >西遊旅行のホームページにてチェック
グジャラート・テキスタイル紀行を発表しました!

nakatani_saiyu at 17:01|Permalink

2012年06月04日

グジャラート・カッチ地方の手仕事を訪ねて②世界中で愛されるグジャラートの手仕事

皆様こんにちは。東京本社の中谷です。
今回は一般家庭で作られていた手工芸のご紹介です。

高価な一部富裕層のための手工芸に対して、一般的な家庭で作られていた手工芸もあります。

人々が祈りを託したミラー刺繍

その代表が、細かく割った鏡を布に縫いつけていく「ミラー刺繍」や木製の判子を布に押して染める型染め更紗「アジュラク」などです。
このような家庭で発展した刺繍には、人々の生活の知恵や祈りの気持ちが詰まっています。たとえば、ラバリ族のミラー刺繍を裏返してみると、裏にはほとんど糸が通っていないことがわかります。これは、貴重な糸を無駄にしないための生活の知恵です。また、女性たちは糸や布の端切れも決して捨てず、大切に保管しています。それらの端切れを利用して房飾りを使ったり、パッチワークにして布団を作ったりするのです。
いくつもの小さな鏡がキラキラと光るミラー刺繍は、他人からの妬みや嫉みの視線を退ける「邪視避け」の役割があると言われ、婚礼衣装や子どもの衣服にも使われています。

gj07
(左)入り口にかけられたトーランと呼ばれる布飾りには、吉祥を表すガネーシャ神が刺繍されています。(右)職人宅で使われていたベッドカバー。シルクの絣の端切れで作られたものです。糸くずや端切れも捨てずに再利用する生活の知恵です。

伝統技術の復興〜アジュラクの復活〜 

これらの美しい手工芸は、今までに何度か絶滅の危機に瀕したことがあります。グジャラート州は年間降水量が極端に少なく、今まで地震や飢饉など多くの自然災害に見舞われてきました。生活に困った人々は刺繍や染め
物などの作品を二束三文で売って生活の足しにするようになり、多くの貴重な作品が失われてしまいました。
18世紀に英国でおこった産業革命後、安易な機会織りの製品が入ってくるようになり、手間暇のかかる手織り、手染めをやめる人もでてきました。グジャラートの手工芸品は質・量ともに衰退の一途を辿っていったのです。
アジュラクはグジャラート州からパキスタンのシンド州にかけて制作されている型染め更紗です。アジュラク製作で有名な村のひとつ・ダマルカ村は、今も昔ながらの天然染料を使っています。しかし、実はこの天然染料による染色の技術は1970年代に一度完全に廃れてしまいました。このアジュラク復活のきっかけになったのが、グジャラート州手工芸開発公社のバシン氏と更紗職人モハマド氏の出会いでした。偶然モハマド氏の作品を見たバシン氏は、貴重な技術が失われていくことに危機を感じ、デザインの描き方や都市向けの商品開発を教えました。
一方、ムハマド氏はすでに行われなくなっていた天然染料による染色方法を再開しました。藍、茜、ターメリックなどで染めた素朴な色合いのアジュラクは海外の消費者に歓迎され、現在では世界中から染色関係の研究者が訪れるまでになっています。

世界中で愛されるグジャラートの手仕事 

インド政府やNGO、製作者たちの努力により、高度な伝統技術を現代風の用途やデザインに活かした製品を作ることで、グジャラート州の手工芸品は世界中で爆発的な人気を誇るようになりました。日本にもグジャラートテキスタイルのファンは多く、アンティークの更紗を着物の帯や袱紗に仕立てるなど和のファッションにも取り入れられています。

gj06
左)グジャラート伝統の技に現代風のデザインを取り入れたバッグや小物入れは、日本でも普段使いできるものばかりです。(アジアンギャラリー季節風)(右)藍、茜、ターメリックなどで染めた素朴な色合いのアジュラク

参考図書
小笠原小枝監修(2005)『別冊太陽 更紗』平凡社
金谷美和(2007)『布がつくる社会関係−インド絞り染め布とムスリム職人の民族誌−』思文閣出版
三尾稔、金谷美和、中谷純江編(2008)『インド 刺繍布のきらめき』昭和堂

そんなグジャラートで手仕事にふれる旅はコチラ⇒グジャラート テキスタイル紀行
バングラデシュで手仕事にふれる旅⇒バングラデシュ テキスタイル紀行

staff_saiyu at 13:15|Permalink

2012年05月28日

グジャラート・カッチ地方の手仕事を訪ねて①インド最西端・手工芸の里カッチ地方へ

gj01


インド最西端・手工芸の里カッチ地方へ 

ギラギラと照りつける太陽の下、ターバンを巻いた男性がヤギの群れを追い、民族衣装に身を包んだ女性たちが家財道具一式を積んだラクダとともに後をついていきます。太陽に反射してキラキラと輝く女性たちの衣装には小さな鏡が縫いつけられ、細かな刺繍が施されていることがわかります。

一見のどかな田舎町に見えるグジャラート州のカッチ地方。実はこの地方の刺繍や染めなどの手工芸技術は海外でもトップクラスに入り、世界中のテキスタイルファンを魅了しています。インダス文明の時代から続くと言われるカッチ地方の手工芸の歴史と魅力をご紹介します。

gj02
ラクダに家財道具を積み、遊牧生活をするラバリ族。衣服だけでなく、ラクダの背飾りや布団なども刺繍やパッチワークで飾っています。

富の象徴として発展した手工芸 

グジャラート州は南をアラビア海に接し、いにしえから西アジアとの交易の重要な拠点となってきました。
藩王や貴族、そして貿易で富を蓄えた商人たちは、自分の権力を誇示するために多くの職人を雇い、金に糸目をつけずに豪華な手工芸品を作らせました。このようなパトロンたちの金銭的支援のもとで発達した手工芸のひとつが「モチ刺繍」です。

モチ刺繍とはシルクやサテンの生地にアリと呼ばれる鈎針と絹糸で細かなチェーンステッチを施すもので、イスラム美術から影響をうけた幾何学模様や花、果物などがデザインされています。

gj03
パトロンの庇護のもと発展したモチ刺繍。1ミリ程度のチェーンステッチを刺すもので、現在は数家族のみがその伝統を受け継いでいます。

 「ローガンペイント」と呼ばれるオイルペインティングもまた、パトロンの支援の元、発展した手書き更紗の一種です。
赤、青、緑などに染めたヒマ油を手のひらの上で混ぜ、ガム状になったものを針の先端につけて、布の上に下書きなしで描いていきます。
モチーフは「生命の木」や「花」「ペイズリー」など。半分描いたあとで布を二つに折ることでインクが移り、シンメトリーのデザインが完成します。
この技術はシリアを起源とし、イラン、アフガニスタン、パキスタンをへてインドに伝わったと言われています。

gj04
ローガンペイントで綿布に描かれた「生命の樹(左)」と「動物(右)」。シンメトリーのデザインが特徴です。

1947年にインドが英国から独立し、藩王制が解体されると、パトロンたちは財力を失い、多くのモチ刺繍やローガンペイントの職人たちも職を失いました。現在、数家族のみがこの技術を後世に伝えています。

次回は、一般的な家庭で作られていた手工芸のご紹介です。


そんなグジャラートで手仕事にふれる旅はコチラ⇒グジャラート テキスタイル紀行
バングラデシュで手仕事にふれる旅⇒バングラデシュ テキスタイル紀行

staff_saiyu at 12:53|Permalink

2011年04月18日

グジャラート ~奥深きインドの織物の世界~

インド北西部のグジャラート州。

パキスタンに隣接したこの州は織物で世界的に有名です。

そのため、欧米から、そして日本からも多くの人々が人間国宝級の人々が作る織物を求めてこの地を訪れます。

DSC_0514DSC_0516
ブジ近郊のダネティ村にて人間国宝の方の作品

ツアーでは実際に村や工房を訪れ、その作成過程や素晴らしい織物の数々をご覧いただけます。

村で織られる織物の一番の美徳とされているのは、機械的作業ではなく手仕事で作業が行われていることです。

数ヶ月がかりのものはざらにあり、半年、1年、中には3年以上かかっているものもあります。

ツアー中に訪れる場所の中からいくつかをご紹介いたします。

①ローガンペインティング

グジャラートでも特に織物の生産で有名なカッチ地方。

その中心地である都市・ブジから北にあるニローナ村にナショナルアワードを獲得したローガンペインティングの職人がいます。

まずヒマ油を約3日間熱します。そしてガム状になったものを色石の粉と混ぜます。
水に浸して乾燥してしまわないように保管します。
粘土状の絵具になるのでそれを針の先端につけて、木綿あるいはシルクに下絵なしで直接模様を描いていきます。

ハンカチサイズのものからベッドカバーまで、品物の種類は様々です。

DSC_0388



②アジュラック染め

ブジの東にあるダマルカ村という場所に有名な工房があります。

アジュラック染めは、木綿の生地に藍などの植物染料を使い捺染を施していきます。

工房では版木を布に押して柄をつくっていきます。これはなかなか地道で力の要る作業です。柄は、職人は皆ムスリムなので、モスクの装飾のように幾何学文様が中心です。

DSC_0487DSC_0483


版木で柄を描き、染料につけて染めたあとに屋外の水槽でしっかりと洗われ、天日干しした後再び同じプロセスを繰り返します。

DSC_0479


こうした、染め→洗い→乾燥→染めの繰り返しによって、綺麗な色に染まり、ブロックプリントによる柄も様々な柄が組みあわさり、時には刺繍も加わり完成に近付いていきます。

③ダブルイカット(経緯絣)

グジャラート州の州都はガンディーナガルという都市ですが、実質的中心地はそのすぐ南にあるアーメダバードという都市です。

ショッピングモールも立ち並び、インドの中で近年最も急成長を見せている都市の中のひとつです。

そのアーメダバードから北に数時間の場所にあるパタンという街に世界でもとても有名な絣職人がいます。

まず、経糸と緯糸に印をつけて、木綿の糸でその印の部分をくくります。その状態で染めると、くくられた部分はその色に染まりません。このくくられた部分は、その後糸がほどかれて別の色で染められます。

ターメリックやアカネやコチニールやたまねぎの皮など、様々な植物染料が使われ、単に色が美しいだけではなく決して色落ちもしにくいです。

こうした、入念な絞り染め(現地ではバンダニと呼ばれます)によって経糸と緯糸が染め上がって、機に経糸がかけられるとデザインが表と裏の両面に現れます。

ここに緯糸を注意深く通していき、ゆっくりとゆっくりと完成に近付いていきます。

DSC_0605


サリー1枚を作るとすると、まず糸を染めるのだけに3~4ヶ月。織り上げるのに約2ヶ月かかります。

こちらはこのツアー中最高値80万ルピー(日本にして約160万)!!ですがその膨大な作業量を考えれば納得かもしれません。

DSC_0602


今はモンスーンの時期なのでグジャラートを訪れるツアーはありませんが、10~3月がシーズンとなります。インドツアーのパンフレットは7月末に皆様のお手元に届く予定で、只今コースの企画をすすめています。ブータン・バングラデッシュの織物コースなども考えております。是非ご期待ください。

jimbo_saiyu at 09:47|Permalink