SASAKI

2015年08月28日

意外に清潔!?手で食べるインドのごはん

インド人のイメージのひとつに

「ゴハンを手で食べる」

というのがありますよね。

まさにその通り。

インド人は右手の指を上手に使って手でゴハンを食べます。

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レストランでもみんな手で食べています。

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カレーとごはんを手で混ぜて食べる。お皿に使われるのはバナナの葉っぱ。


これには、ちゃんと理にかなった理由があるんです。

私たちは、手で食べるなんて汚いって思いますよね?

それは全くの大間違い。
真逆と言っていいでしょう。

インド人はとんでもなく「清潔」なんです。

フォークやナイフって、色んな人が使いますよね?

誰が洗ってるか分かりませんよね?

だから使わないんです。

自分の手で食べるのが一番清潔で安全。信用できるのです。
なので、排泄時や汚いものを触るときには絶対に右手は使いません。

さらに、手を使うことで、食べ物の温度を確かめるという理由もあります。
熱すぎたり、冷た過ぎたりするものは身体に悪いとされます。

手で食べることによって、自分の体に最適な温度を探っているわけです。

つまりインド人には、私たちのように、ゴハンを食べて舌をヤケド!
なんてことはない訳です。

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ナンやチャパティも右手で器用にちぎります。


さらに、アーユルヴェーダでは、

神聖なる食を人間の五感すべてを使って食す
=手で食べることによって触覚からも味わう

という考えもあります。

手で食べるインド人の食事は
彼らの強烈とも言える浄不浄感を表しているのです。

でも、インドのみんなに聞いてみると
単純に

「手で食べた方が美味しいから」

なんて答えられることも。

私たちもおにぎりとかお寿司って手で食べた方が美味しいですよね?

もちろん最近では西洋化も進み、
フォークやナイフを使って食事をとるインド人もたくさんいます。
中華料理屋さんでは箸なんかも使って上手に食べますよ。

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手でたべると美味しい!

sasaki_saiyu at 12:00|Permalink

2015年04月13日

魅惑のスパイス

前回、インド人のごはん事情についてご紹介させていただきましたが

今回はインドとは切っても切れない存在...

” スパイス "

についてお話します。

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シナモンやウコンの入ったスパイスボックス

古代より” スパイス=香辛料 ”は貴重品として扱われ、
ギリシャやローマといった大国をはじめ、世界中から求められてきました。

“スパイスロード” や ”香辛料貿易” 
などの言葉が生まれるほど。

香辛料に関わる歴史は複雑で壮大…
世界史を語る上で欠かせない存在です。

インドにおいては紀元前3000年頃からすでに
黒コショウやクローブ等の多くの香辛料が使われていました。

そして、それは現在に至るまで変わることなく続き、
インド人の生活には欠かせない存在となっています。


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市場のスパイス売り(シッキム)

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市場で売られる唐辛子とコショウ(コチ)

スパイスが古代よりそんなにも求められた最大の理由は…

その薬効でしょう。

肉や魚を長期保存する術を持たなかったヨーロッパ人にとって、
スパイスの持つ防腐作用は衝撃的なものでした。

未知なる東方より来る、
独特の香りをもったそれは、
手に入れることが難しく、ゆえに彼らをますます魅了したそうです。

コショウに至っては、ヴェネツィア人に「天国の種子」と呼ばれていたほど。


インドでは、このスパイスがどの料理にもふんだんに使われています。


ではその効能は実際にどんなものか…

インド料理に使われる代表的なスパイスをご紹介します。


ターメリック【別名:ウコン】
消化作用や新陳代謝の活性を良くする働きがあります。抗酸化作用、抗炎症作用にも優れていて、体質改善や皮膚病にも効果的。

コリアンダー【別名:香菜・パクチー】
胃腸の働きを促し、新陳代謝を活性させる働きのほか、頭痛の改善や鎮静作用など豊富な効能があります。カロチンやビタミンを豊富に含みます。

クローブ【別名:丁香】
殺菌・消毒の効果があります。生薬・芳香健胃剤としても用いられ、胃腸の働きを高める作用があります。

クミン【別名:馬芋】
健胃、消化促進、解熱などの効果があり、下痢や腹痛にも効きます。抗酸化作用があり、免疫力を上げる効果も。ガンや循環器系の病気の予防にも用いられます。

ジンジャー【別名:生姜】
日本でも体を温めたり、風邪の療法に用いられますが、発散、健胃、保温、解熱、消炎、沈嘔など多くの効能があります。

カルダモン【別名:ショウズク】
疲労回復や整腸作用、冷え性の改善や油分除去効果があります。口臭予防や体臭を消すのにも効果的です。

シナモン【別名:ニッキ】
世界最古のスパイスのひとつ。樹皮から取れる精油には殺菌効果・活性作用があり、口臭予防や美肌効果まであると言われています。

この他、お馴染みのコショウやニンニクやタマネギ、ナツメグなどにもそれぞれ様々な効能があります。

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左からシナモン、カルダモン、クローブ


これらのスパイスは、個々の効能はもちろん、
一緒に使われるスパイスの組み合わせによっても、さらに様々な力を発揮します。

つまり…

インド料理はもはや薬膳料理。
スパイスは、インドの暑い気候の中で彼らが健康を保つために欠かせない存在なのです。

また、これらスパイスを用いるのは食事だけではなありません。
薬草として医薬的に用いられたり、有名なアーユルヴェーダにも使われます。

スパイスと共にあるインド人の生活は、まさに”医食同源”なのです。

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インド料理は薬膳料理

sasaki_saiyu at 13:19|Permalink

2015年03月04日

ホーリーがやってくる!

インドで最も有名なお祭りのひとつといえば、
この「ホーリー」ではないでしょうか。

元々は、春の訪れを祝うお祭り。
豊作祈願とカシミール地方の伝承が起源です。

ーこの日に家に押し入ってくる悪鬼ビシャーチャを追い払うため泥などを投げつけたー

という習慣から始まったとされています。
なんだか 日本の節分と似ていますよね。

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ホーリーにて色粉をかけ合う子供たち


その後に、ヴィシュヌ神の第8番目の化身といわれるクリシュナの伝説と相まって
今のような「色かけ祭り」となってきました。


言い伝えでは、

ー若きクリシュナが恋人の女神ラーダの色白の肌に嫉妬し、
自分の青い肌の色について母親のヤショーダに尋ねたところ…
母がからかい半分に
「ラーダの顔を好きな色に塗ってしまえばいい」と言ったそうー

それ以来、
愛する人や通りすがりの見知らぬ人と色付きの粉を塗り合う
という風習が長く続いたと言われています。

結局のところどういう展開でインドに根付いたのか、
今となっては定かではありません。


このお祭りは、
毎年3月(ヒンドゥー歴で12月)の満月の翌日に行われます。

色を投げかけ合うのは午前中だけ。
多くの会社や学校が休みなります。

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色粉を売る屋台


「ハッピーホーリー」と言いながら相手に投げつけ、
その後は抱き合ったり、握手をして仲直り。

昔はピンクが多かったのですが、
最近では色数も増えて、だいぶカラフルになりました。

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ホーリーで使われる色粉


さらに、最近の主流は水鉄砲!

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水鉄砲で遊ぶ子供たち


色粉を溶かした水を詰めて、容赦なく発射。
子供も大人も一緒になって楽しんでいます。

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大人も一緒になって楽しむ


このお祭りのポイントは…

この日だけは、
上下関係やカーストが関係ない
ということ。

本当にみんな楽しそうなお祭りなんです。

色んな意味でインド人にとって大切な1日。

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色粉をつけた女性


ちなみに
私はというと…

祖母に

「ホーリーの粉は日本人のあなたの肌にはすごく良くないから家から出ちゃだめ」

と言われ、
家の窓から眺めていたのを覚えています(笑)。

確かに、
あの粉は眼に入ったり、顔についたらなかなか落ちないそう。

なにより、面白そうなお祭りですが、
女の子ひとりなんかでの参加はオススメしません。

インド人もその日は外に出ない人もいっぱいいます。

世界一過激とか、クレイジーとか、言われちゃってるお祭りです。


でも上手に楽しめれば
きっと貴重な体験となるでしょう。

そんなホーリー祭、

2015年は
3月6日の開催です。

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ホーリーを楽しむ若者たち

sasaki_saiyu at 09:59|Permalink

2015年02月05日

インド人のごはんって。

よく日本では、

「インド人って毎日カレー食べてるんでしょ?」

って言われます。

いやいや、そんなことはありません。

と、言いたいところですが...

本当に毎日食べています。


しかし、「カレー」と言っても私たちが思っているものとは違います。
正確に言いますと、
「日本人にとってはカレーっぽく感じるスパイスをたくさん使った料理を毎日食べている」
と言ったところでしょうか。

インドの皆さんにとっては、全部違った料理なのですが、

私達から見ると全部

「カレー」

なのです。

今日はインドの基本の話。
知ってるようで知らない、インド人のごはん事情のお話です。


インドの朝食 プリとじゃがいものカレー、ピクルス
朝食の一例:プリとじゃがいものカレー、ピクルス、ヨーグルト

まずは...朝ゴハン

基本的には朝からスパイスの香りがします。
“パラタ"
と呼ばれる全粒粉で作った薄焼きパンと豆のスパイス煮込みや、
"アルパラタ(パラタやチャパティ でジャガイモを挟んだもの)”
"プリ(揚げパンのようなもの)"
などが出てきます。

また南インドの地方では
"イドゥリ(米粉の蒸しパン)”と
"サンバー(スパイスの効いたスープ)”や"ドサ (薄いクレープのようなもの)"
などが代表的な朝食です。

もちろん、これら全てに色んなスパイスが使われています。
この他、イギリス統治下時代の影響で、トーストや卵などの洋食を食べる家庭もあります。

南インドでは定番のドーサ
南インドでは定番のドサ


次に…昼ゴハンと夜ゴハン。

ここで「我々の思う”カレー"」の登場です。
基本的に昼と夜には大きな違いはありませんが、
通常、一家の主が家に居るお休みの日には、親戚が集まることが多く、
昼ゴハンの方が豪勢になります。

カレーの種類は、無数にありますが、メジャーなのは

【肉類】
チキンやマトン、キーマ、肉だんご。もちろんポークやビーフのカレーはありません。
【野菜類】
ほうれん草や豆、芋、茄子やチーズを使ったカレー等があります。
この他、エビ等のカレーもあり、これらはほんの一部です。

これらのカレーの他に、様々なおかずがあります。

チキンティッカやシシケバブなどの肉料理も大事な料理のひとつ。

さらに、たくさんのおかずがあります。

おかずは、ジャガイモやオクラの和え物、揚げ物類など様々ですが、
全てがスパイスが和えられています。

チャパティと様々な種類のカレー
チャパティと様々な種類のカレーやおかずが並ぶターリー

ゴハンの代わりとなるのは、チャパティです。
日本では、ナンが有名なので勘違いされがちですが、
実際のインドで日常的に食べられているのはチャパティやパラタ。
ナンはタンドールという特殊な釡を使うので、家庭では食べられません。

これらのパン類には強いスパイスが使われることがありませんが、
それ意外、ほぼ全てのものにスパイスが使われているといえるでしょう。

マサラチャイはもちろん、私たちにも馴染みのあるラッシーですら、
本場では”withスパイス”です。
「スウィート」って言わないと、しょっぱいラッシーが出てきてびっくりします。

彼らにとってそれは至って当たり前のことで、何も特別な味付けではありません。

スパイスの効いたマサラチャイ
スパイスの効いたマサラチャイ

つまりインド人にとってのスパイスとは、

日本人にとってのお醤油みたいなもの。

と、考えてもらえれば分かりやすいかと思います。

次回は、そんなインドのスパイスについてお話しますね。



最後に、インド人のゴハンにまつわる面白い話をひとつ。

働くインドの皆さんは、なんとお弁当にもこれらの食事を持っていきます。
そのお弁当箱は「Tifffin(ティッフィン)」や「Dabba(ダッバー)」
と呼ばれるステンレス製の容器で、
カレーやチャパティを入れて三段くらいに重ねるようになっています。

最近、映画にもなり話題ですが、

ムンバイでは、このお弁当は

「Dabba wala(ダッバワーラー)」

という 弁当専門の配達人によって働くお父さんの元に届けられます。

なんと1日に20万個近いお弁当箱が約5000人のダッバーワーラーによって運ばれるのですが、
ほぼ間違いなく、その人のデスクまで必ずランチタイムに間に合わせて届くそうです。

その誤配達率は…

600万分の1というから驚き。

この話もまた今度。

sasaki_saiyu at 20:00|Permalink

2013年05月15日

リシケシでのヨガ体験を報告!

ヨガの聖地「リシケシ」で

「ヨガ」

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やってきました!

ここまで何度かに分けて、ヨガについてのお話をさせていただきましたが、
ヨガ修行の本場リシケシで実際にアシュラム(道場)に滞在する特別ツアー!
同行させていただきました。

難しい話ばかりしておりましたが、実際のヨガ体験どんな様子であったか…
この場を借りて、ご報告させていただきますね

やはり「リシケシ」という街はどこか他のインドの街とは違う空気が流れていました。
ヒマラヤの麓、ガンジス河を囲む山間に位置する街…
混沌とした素朴なインドの姿と瞑想に適した静謐さが混在する不思議な街です。
そこでインド人の生活、思想にふれ、ゆっくりと呼吸をし、その空気を感じていただくこと。
これが、どんな難しい哲学の話をするより、一番だと感じました。

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今回、滞在したのはYOGA NIKETANというアシュラム。
リシケシの町は道路が狭く、大きな車は入れないのでアシュラムまではリキシャに分乗して向かいます。

こちらがゲストハウスの入り口

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通常、アシュラムに滞在する修行者は15日~数か月滞在しますが、
このアシュラムは私達のような15日未満の短期滞在者向けのゲストハウスを完備。
そちらに宿泊となります。

この短期滞在者用ゲストハウスは、少し騒がしい道路沿いにありますが、反対側は…
なんと全室ガンジス河ビュー!

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部屋は、なんの設備もない本当に質素なものですが窓から望む景色は素敵です。

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到着すると、1日のスケジュールが渡されます。
今回のスケジュールは…

4:30  モーニングベル(電話がないのでドアベルです)
5:00 ~ 6:00 朝の瞑想
6:30 ~ 7:45 ヨガレッスン
8:00 ~ 9:00 朝食
12:00 ~ 13:00  昼食
16:00 ~16:30  TEAタイム
16:45 ~ 18:00 ヨガレッスン
18:15~ 19:15 夜の瞑想
19:45 ~ 21:00 夕食

こんな感じで張り出されます。
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ゲストハウス迎えの丘を上がったところに道場エリアが広がっています。
このゲストハウスや道場エリアの出入りには、必ずパスの提示と記帳が必要でセキュリティはばっちり。
守衛さんが厳しく守っています。
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こちらが、瞑想のホール。

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中庭に囲まれており、建物の中に入るとすぐ開けた部屋があるのみ。
ここで、真っ暗で物音ひとつないなか蓮華座を組み精神を集中させます。

そして、ヨガはまた違う建物で行われます。
道場に入ると各自ヨガマット(道場内に用意されている)を取り、好きな場所を確保。

先生は全員の一番前に座ります。
「オーム」というマントラを唱え、ゆっくりと呼吸をし、始まります。

レッスンは、先生のポーズを真似して全員で一斉に行います。
もちろんご自身の体力に合わせて、できないポーズの間は呼吸を整えていただきます。

インヘール(吸って)、エクセール(吐いて)

という先生の掛け声と共にゆっくりと様々なポーズをしていきます。
全身がリラックスして、普段動かさない体の色んな部分が伸びてゆくのが分かります。
先生は全て英語ですが、見よう見まねで問題ありません。
レッスン中は撮影禁止なのですが、道場の様子はこのような感じ。
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レッスンが終わると、すぐ隣の食堂でドキドキの道場食です。
入り口の脇に置いてある食器を各自で取り、席につきます。
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すると食器に順番に食事が盛られていきます。
リシケシはアルコールと肉類が一切禁止の地域。食事はベジタリアン料理です。
見た目はイマイチですが以外とお口に合うというご意見も。
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他の修行をしているみなさんと一緒に食べます。
外国人の方も多く、交流をするのも楽しみのひとつでした。

午前と午後にあるこれらのプログラム以外の時間は基本的に自由時間となります。
ガンジス河のほとりをお散歩したり…
図書館で過ごしたり…
リシケシの街を散策したり…
と思い思いの時間を過ごしていただきます。

リシケシの街は、たくさんのアシュラムや寺院が並んでいます。
牛もあちこちを歩いています。
また日用品以外にヒンドゥーならではの宗教グッズやお祈りの道具、
またヨガ用の服などを売る露店が並んでいます。
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ガンジス河に集まる人々を眺め、ゆっくりとした時間を過ごすのもまた魅力のひとつかと思います。
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リシケシのヨガ体験

インドを心と体で感じることができるお勧めツアーです。

sasaki_saiyu at 18:18|Permalink

2013年04月25日

ヨガとは…<最終回>

第4回目までやって参りました
「ヨガとは…」シリーズ。
この回で最終回です。

今日は、いよいよヨガのポーズに関わるお話です。

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前回お話したヨガの種類の中で
私達にとって一番身近で一番取り組み易いのが…

“ハタヨガ”

この中に含まれるのが日本でよく知られているヨガとなります。

ハタヨガとは「力のヨガ」、又は「訓練のヨガ」と訳されます。
「ハ」は太陽を「タ」は月を表し…
東洋思想の陰陽を表しています。

パタンジャリのヨガスートラには8つの階梯が説明されています。
これがアシュタンガヨガです。
(パッタビ・ジョイスのアシュタ―ンガ・ヴィンヤーサ・ヨーガとは別物です)

アシュタンガとはアシュトがサンスクリット語で「8」を表し(ヒンズー語でアートゥ)、
8つのステップを登ると自動的に悟りの境地にたどり着く。
といういかにも合理的な訓練方法なのです。

その8つのステップとは以下のものです。

①YAMA<ヤマ>…禁戒(ヨガを志す人がやってはいけない事を5つ挙げています。)
②NIYAMA<ニヤマ>…勧戒(ヨガを勉強する人がやるべき事を5つ挙げています。)
③ASANA<アサナ>…座法
④PRANAYAMA<プラナヤマ>…呼吸法
⑤PRATYAHARA<プラアティヤハラ>…制感法(人間の五感のコントロール)
⑥DHARANA<ダラーナ>…瞑想法(執持:精神集中の瞑想法)
⑦DHANA<ディアナ>…瞑想法(静慮:心を'空'又は'無'にする瞑想法)
⑧SAMADI<サマディ>…瞑想法(三昧:至福の境地)ヨガの最終目標


この中の3番目…アサナ(ASANA)

これが日本人の私達が「ヨガ」と言うとイメージする「ポーズ」のことになります。
日本語では座法と訳します。

訳をみると気づくと思いますが…
インダス文明の刻印にもあるのがシヴァ神の座っている姿の蓮華座(PADMA)アサナです。

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アサナは瞑想をするために、
正しい姿勢と、
長時間同じ姿勢で座っても乱れない心と身体を作るためのものなのです。

日本では、このアサナ(ポーズ)だけが一人歩きをし、

痩せるヨガ
美人になるヨガ
健康になるヨガ
長生きのヨガ

など色々ありますが、
これはどれも本来のヨガの目的とは異なる二次的な効果のことになります。

正しく瞑想を行い、悟りをひらく為に健全な肉体が必要になります。

その肉体を作るためにアサナ(ポーズ)はとても重要ですが、
その他のメリットは、ついでといったところでしょうか。

ヨガのポーズは基本的に12のメインのポーズがあるとされています。

「頭立ち」「肩立ち」「魚」「鋤」「前屈」「コブラ」
「バッタ」「弓」「ねじり」「三角」「蓮」「しかばねのポーズ」です。
あとはこのバリエーションと準備の為のポーズです。

これらヨガのポーズには
前後、左右、ねじる方向、伸ばすと縮める、緊張と弛緩、バランス
などの人間の全ての身体の筋肉、腱、靭帯、骨、内蔵、リンパ、内分泌、ホルモン、内蔵、心臓、脳
などが鍛えられるようにできています。

また
これらの動き及び静止はアイソトニック運動とアイソメトリック運動の組み合わせでできており、
これらの一連の動静で
ボディービルダーのような体も、中国雑技団のような柔軟な体も作ることができるとされています。

ヨガのポーズ(アサナ)が他のエクササイズ(運動)と違うのは、
運動は「動く」ですが、
ヨガのアサナは「静止」することなのです。

ヨガのポーズは瞑想の変形と言われています。

1つのポーズ(アサナ)が出来たらその状態で静止し、
自分の身体に語りかけ、瞑想する(身体と瞑想する)のだそうです。

もちろん
ヨガの座法(ポーズ)のアサナ、呼吸法、リラックス法などは
各々のアシュラムの指導法により違いもあります。

しかし、
一番大事な事は…

ヨガは他人との比較ではなく、自分の探究。
前回お話したアトマン(自分の中の神聖)を通して神との合一を目指している
という事です。

日本人の私達には、
まるで宗教!?
のように思えそうですが、

これは「真理の追究」

本当の哲学の世界です。

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過去にヨガのポーズのコンテストや
編みタイツとレオタードでポーズを写真にとるようなヨガ教室があったようですが…
それは本来のヨガとは違ったものになってしまったといえるでしょう。

ちなみに、ヨガのポーズには第2次成長前の子供、妊婦、病後、様々な病気、怪我、年齢等によって
禁じられているポーズもあるので、気をつけてください。

最後にヨガのポーズの数は108とも1080とも、又それ以上あるとも言われています。

さあ、
本当のヨガというものを皆さま少し理解して頂けたでしょうか。

ちょっと難しそうなヨガですが、その人の日々をより素敵にするという効果には違いありません。


インド…本場のヨガと哲学を理解してからとるポーズは一味違ったものになっているはずです。

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sasaki_saiyu at 19:02|Permalink

2013年04月11日

ヨガとは…<第3回:ヨガの種類>

前回は難しいインド哲学のお話をしました。
今日は、その哲学とヨガの関係性が分かるヨガの種類についてお話したいと思います。
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皆さんの中にはヨガの種類と云うと…
「あぁそれってホットヨガとかアシュタンガヨガとか笑いヨガとかって違いでしょ」
と思われる方がいらっしゃるかも知れませんが…
それらはみんなハタヨガに属します。
悟りを開くための方法であれば何でもヨガになりうるので…
言い換えれば何でもOKです。

しかし…
一応、分類をすればヨガの種類は主に6種類となります。

それを1つづつ解説していきましょう。

まず最初にヨガの王様と言われているRaja(ラージャ)ヨガです。
ラージャヨガは正確に定義するのは難しいのですが…
種々のヨガの技法を修得し、理解し、心=魂を宇宙の絶対真理
すなわちBRAHMAと合致させる事にある、というものです。
このためには主に瞑想法が重視されます。

次にJNAMA(ギャーナ)ヨガがあります。
これは学問のヨガ又は知識のヨガとされています。
ヨガ哲学や宇宙の絶対真理に関して論理的に研究、研鑽を重ね
遂にはその真理(=BRAHMA)を大悟する事を云います。
禅問答なので…「ハッ」と大悟するのもこのヨガに近いかも知れません。

KARMA(カルマ)ヨガ
これは行動のヨガとも言われます。
カルマとは行動、動作の事をいいます。

…かなり多くの人がカルマを運命と同じような意味で捉えていると思います。
カルマに因って人の運命は決まってるみたいな考え方をする場合がありますが
実際にカルマはサンスクリット語でただ単に行動、動作、作業等を表します。
しかし、人は生きていく上で必ず何らかの行動や動作をとります。
そして、その行動、動作は必ず何らかの結果をもたらすのです。
だから、原因と結果、即ち因果応報の法則に帰着し
宿命=業=カルマという等式が成り立つのです。

ヨガでのカルマはこの行動、動作、作業を表し
無私の心で作業を続ければ、それがいつか神に通じ神(=BRAHMA)と1つになると考える事です。
このようにして悟りを開く事をカルマヨガといいます。

MANTRA(マントラ)ヨガ
マントラとは真言の事。リグベーダはマントラの集大成です。
インドでは、宇宙の始まりには神(=BRAHMA)の息があったとされています。
キリスト教では、はじめに言葉があったとあります。
つまり、言葉・音には命=魂があると考えられています。
日本式いうと言霊という考えです。
だから…特別な音、言葉には力があると考えられるのです。
その中でも特に大事なマントラは
「オーム」又は「オン」です。
正確にはA,U,Mの三音に分けられ
過去・現在・未来、又は創造・維持・破壊
もしくは縦、横、高さの三次元を表し
ヒンドゥー教のヴィシュヌ・シヴァ・ブラフマーの三神をも表現します。
全ての祈りのマントラの前につけられる程です。
「オーム」には100以上の意味があると言われています。
この真言マントラを忘我になるほどに唱え続けるのです。
つまり、我を忘れる程にマントラを唱え
エクスタシー、恍惚、法悦の境地に至り、やはり神(=BRAHMA)と合一するのです。

次はBHAKTI(バクティ)ヨガ
これは信仰のヨガとされているものです。
自分の信仰に身も心も捧げる。
神の前に何もかも投げ出してひたすらに神の慈悲を願うものです。
この神は特定の神や信仰を表しません。
神のその姿は様々で、山の頂き至る道も様々、自分の信じる道を進めばいいというもの。
つまり、インド固有のヒンズー教でなくてもキリスト教でもイスラム教でもユダヤ教でも…
もう何でもかんでもOKってわけです。

但し、その信仰は中途半端なものではいけません。
何もかもを神の前に捧げるだけの信仰、信愛を持つことにより
神の恩寵をうけて解脱する事ができるとするものです。

そして、最後がHATHA(ハタ)ヨガ
なぜ、これが最後かと云うと…
今、広く世界で行われているヨガのほとんどがこのHATHA(ハタ)ヨガだからです。
何度もいうようですか…
ヨガとは悟りへと至る道なので、自分にあったどんなやり方をしても良いのです。
(勿論、悟りたい場合のみですが…。)
現代では悟りたくない場合でも、こちらのハタヨガをなさっている方も沢山います。
ハタヨガは今まで申し上げたヨガの中で一番合理的に出来ています。
基本的な八段階の階段を登って行くとそのてっぺんで悟りの境地に達する
というやり方です。
この八階梯のヨガをアシュタンガヨガと云います。
(日本で現在アシュタンガヨガと呼ばれているものとは違います)

この八階梯については次回のハタヨガの話の中で詳しく説明しようと思います。

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今日も長文になってしまいました。
読んでくださって、ありがとうございます。

次回は私達に最も馴染みのあるこのハタヨガについてお話したいと思います。

sasaki_saiyu at 17:14|Permalink

2013年04月04日

ヨガとは…<第2回:ヨガと哲学>

5月1日より「リシケシでのヨガ体験」のツアーに同行することになりました佐々木です!

さて前回は、ヨガとは哲学であるという話をしました。

その話を少し詳しくする事にしましょう。
今日は少し難しげなお話です。
しかしながら、本当のヨガには欠かせないお話です。

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ヨガという哲学は「インド古典六派哲学」に属しています。

インド古典六派哲学とは…
「Nyaya」「Vishishika」「Sankya」「Yoga」「Mimamsa」「Vedanta」の6つを言います。

なんだか難しそうですが、これらは大きく分けて
・ 多元論的展開をするもの
・ 二元論的展開をするもの
・ 一元論的展開をするもの に分けられます。

多言論的な展開とは、
今の科学に似た考えで分子や原子にまで細分化して宇宙、世界、世の中を考えるといこと。

これに対し、ヨガ(Yoga)は、「Sankya」と共に二元論的展開をする哲学に属します。
しかし、ここで気をつけなければならないのは
ヨガ哲学ではないヨガ(ハタヨガ等)は同時に一元論的な考えもするということです。

まず二元論的インド哲学ですが、これは「全ての存在するものは2つに分類できる」というものです。
インド哲学ではこの2つをPrusha(プルシャ)とPrakrti(プラクルティ)といいます。
つまり…
「物質と精神」「肉体と魂」「物と心」「触れるものと触れないもの」「容れ物と内身」などです。

どちらが欠けてもそのものはそのものとして存在しないと考えられるのです。

これは皆さんが考えるハタヨガに良く反映されています。
ハタヨガの8つのステップでは最初の2つに道徳的な準備段階、
そして皆さんの良く知るポーズ(座法=アサナスAsanas)、呼吸法、制感法、三つの瞑想法と続きます。

これらは人間の存在には肉体と魂、身体と精神が存在する
と考えるからこそ考えられた解脱への道なのです。

そしてもう一つ、一元論的な展開。
これは宇宙は1に始まり1に戻ると考えるものです。
こういうとお気づきの方も多いと思いますが
現代科学の宇宙創成がBIGBANGビッグバンに始まりBLACKHALLブラックホールに終わる
という学説に似てます。
つまり、全ての存在する物は個々が別々に存在していると勘違いしがちですが、
行き着くところ一つの存在から発し一つの存在に帰着する、という考えです。

インド哲学では…
「波は風や引力、その他の条件に因って、それぞれの違った形、違った大きさ、違った色、温度、におい、違った時間や空間に存在することで一つ一つがまるで別々の存在に感じられるが、波が凪ぎておさまれば全てが元の海となるのと同じ事が宇宙で起きている」と表現されます。

ですから
地球も太陽も人間も犬も動物も植物も机も飛行機もすべて
同じものが姿を変えているということなのです。

ここまで話したインド哲学は、
多元論も二元論も一元論も、
方法、表現こそ違えど、
同じ真理を追及しているということになります。
その真理こそが前回お話したBRAHMAN(ブラハマン)なのです。

そして
これを理解、体現する方法として生まれたのがヨガとなるわけです。
心と体の両方で哲学に少しづつふれてみる、それが本当の意味でのヨガをするということになります。

では、この難しいインド哲学と私たちの知っているヨガがどう関わってくるか…
それを、次回でのお話にします。


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2013年02月27日

ヨガとは…<第1回>

今日から少しヨガについてのお話をしてみたいと思います。

父がインド人の私の実家は、長年ヨガ教室をやっています。
そんな両親から少しづつ勉強しているヨガの話。
ちょっとづつ、ご紹介していけたらと思います。

今回はまず、ヨガの入り口となるべくお話を少し。

YOGA-2


ヨガとはなんでしょう。
日本では今、ある種のヨガブームと言えるかもしれません。
でも、皆さん本当のヨガの意味を知っていますか?

ヨガはサンスクリット語のヨーグという言葉に起因しています。
ヨーグとは“繋ぐ”という意味です。

では、一体何と何を繋ぐのでしょう…

インド哲学では、宇宙の絶対的な真理を、“BRAHMAN(ブラハマン)”と言います。 そして、それと同じ物が1人1人の個人の中に存在し…そちらは“ATMAN(アトマン)”と言います。
人間は暴れ馬や暴れ牛と同じで、本物の自分…つまり“ATMAN”から離れて暴れまくるのです。
ですから、真実の自分と暴れまくる牛馬(ちなみに、この暴れ馬というのはインドでよく使われる表現でインド哲学ではJIVA(ジガ)と言います)と繋ぐ“軛(くびき)”が必要になります。

そして、この真実の自分とを繋いでおく“軛”をヨガと言うのです。

ヨガの歴史は古く紀元前3000年位前のインダス文明時代にまで遡る事ができます。

インドのヨガは長い間、密林の学問と言われ 一子相伝(一弟子相伝)でした。
しかし、紀元2世紀頃にでたパタンジャリという哲学者がヨガスートラという文献を編纂します。
ここではじめて ヨガは1つの体系を持つに至ります。

その後、長い歴史を経て、ヨガは変遷してきましたが、
どのような道を辿り、どのような形をとろうとも…ヨガの目指すゴールは変わりません。
それは “悟り”、 “解脱への道”です。

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この“解脱への道”
現代においては、“自分を磨くための方法”ということ。
昨日より今日を何かでよりベター(Better)にする方法。
それがヨガです。

YOGA-1


本場の気が流れるインドの地で、貴方も魂を磨いてみませんか。

次回はまた違ったヨガの話を少し。


sasaki_saiyu at 12:40|Permalink