アジア・ライオン
2013年11月21日
最後のアジア・ライオンの暮らす森、ササン・ギル国立公園
Gir Forest National Park & Wildlife Sanctuary
ササンギル国立公園は1965年に設立されたグジャラート南部の国立公園で広さは1,412平方キロ。そのうちの258平方キロは国立公園として完全保護下にあり、1,153平方キロは保護区となっています。 ギル野生動物保護区は最後のアジア・ライオンが生息することで知られています。学術名Panthera leo percicaと呼ばれるライオンは、古くはメソポタミア、古代ペルシャ文明のレリーフにも登場し、現在のイラン・イラク・パキスタン・インドの南部地方に広く生息していましたが、現在はこのギル野生動物保護区にのみに残る貴重な存在となってしまいました。
ギルの森林は1900年代初頭にジュナーガルの王族が保護区とされ、そのころにはトロフィー・ハンティングによる乱獲のためアジア・ライオンの数は15頭にまで激減していました。その後の政府の森林局やNGOの人々の努力により、このギルの多様性ある落葉樹の森でアジア・ライオンはその数を増やし、2010年の調査では411頭(雄200頭、雌180頭、子供100頭)にまで回復しています。
ギル国立公園は乾燥したチークと広葉樹林の森、東部にはアカシアの林とサバンナが広がり、その中を7つの川が流れ4つの貯水池を作っています。300カ所ほどの動物の水場となる場所があり、暑気にはこの水が野生動物たちの命をつないでいます。国立公園の東部と西部でも気候・降水量が大きく異なり、アカシアの林やサバンナの広がる東部では年間降水量が650ミリですが、西部では1000ミリを超えます。
では、ササン・ギルで観察できる主な野生動物をご紹介します。
アジア・ライオン Asiatic Lion、キンイロ・ジャッカル Golden Jackal、インド・マングース Indian Mongoose、チータル Chital、ニルガイ Nirgai(Bluebull)、サンバー Sambar、ワイルド・ボアー Wild Boar、マーシュ・クロコダイル Marsh Crocodile そのほか、たくさんの野鳥。
観察のベストシーズン、というとやはり2月下旬~5月でしょうか。乾期は水場に動物が集まるので観察しやすいですが、暑すぎてライオンがだらけていることも(もともと夜行性の動物ですから、日中は寝ていますね)。
寝ているお母さんライオン
起きた!
眠~い子供たち。運よく子供連れのライオンに合うことができると観察のチャンス。子供は早く動くことができないので一カ所に長くいてくれます。
Tickell’s Blue Fly Catcher ティックルズ・ブルー・フライキャッチャー(ヒタキの一種)
Brahmany Myna ブラフニー・マイナ(九官鳥の一種)
Spotted Owlet インドコキンメフクロウ
インドの森は「野鳥の楽園」と言われますが、それでも写真に収めようとおもうと結構苦労しますが、フクロウたちはあまり動かないので、しっかりと被写体になってくれます。
Chital(Spotted Deer)アクシスジカ
インドの森で最も一般的な鹿
Nilgai ニルガイ
体の大きな鹿でBluebullと呼ばれ、オスはグレー色の大きな体をしています(この写真は雌)。鹿とはおもえないほど大きな子もいます。
Sambar サンバー
水場に多く集まり「水鹿」とも呼ばれます。丸い耳が特徴的。
Marsh Crocodile マーシュ・クロコダイル
そして水場にはワニも。乾期の水の少ない時期には観察しやすいです。
現在のインドはサファリ・ブーム。
是非、アジア最後の貴重な存在であるライオンたちの住む森を訪問してみてください。
文・写真 Mariko SAWADA 澤田真理子
ササン・ギルへのアクセス
アーメダ―バードから車で7~8時間。ディゥなどその他のグジャラートの都市からもアクセス可能です。
サファリはジープの事前予約が必要です。国立公園内に入ることが許されるジープの数に制限がありますのでインドの祝祭日が重なる時期など早めの予約が必要です。
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