KUSUNOKI

2015年07月13日

シムシャールのクッチ(2015年6月20日) ~①~

アッサラーム・アレイクム(こんにちは)!
大阪支社・登山/トレッキング担当の楠です。

6月、私にとっては恒例ともいえる5年目にして5度目のパキスタン北部・シムシャールへ。
ミングリク・サール(6,050m)という山に登頂するという醍醐味もあるツアーですが、
何といってもハイライトは、“ヤク・サファリでクッチに同行”です。
今回は2015年6月20日に行われたその様子を、簡単にご紹介させていただきます。


まずは、「クッチ」について。そしてここ数年におけるシステムの変化について。
そもそもクッチとは、ここシムシャールに暮らすワヒ族のシムシャリ(シムシャール出身の人)が、
5月から10月にかけて計4回、シムシャール村(3,100m) ⇔ シュイズヘラブ(4,350m)
⇔ シュウェルト(4,670m)の村(集落)の間で、定期的に家畜を移牧させる際の移動ことを指します。
※シュイズヘラブ、シュウェルトのエリアは「パミール」(シムシャリにとっての“人々が家畜とともに
  暮らすことができる山の草地”)と呼ばれています。
DSC_0134シムシャール村

DSC_0272シュイズへラブ

DSC_0849シュウェルト


シムシャリは、数千の家畜(ヤク、羊、ヤギ)と、必要な牧草地のバランスを保つための知恵を、
約400年における長年の経験で心得ています。
しかし最近は、その家畜の面倒(朝夕の乳搾り、放牧、乳製品作りetc)をみる
女性の数の減少により、ここ5年でも少しシステムに変化がみられるようになってきました。

シムシャールでは男女の仕事分担がはっきりとしています。
そして、この5ヶ月(5月半ば~10月半ば)間、村を離れたパミールで家畜の面倒をみるのは、
基本的に女性の仕事です。夏であってもパミールの標高は4,000mを越え、
朝晩の厳しい寒さ、山岳地方特有の悪天候にも耐えぬく体力と精神力が求められます。
時には、まだ足腰がおぼつかない赤ちゃんを背負いながらも、家畜の乳搾りをしています。
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女性の数の減少における主な原因は2つだと、シムシャリのガイドが答えてくれました。

①シムシャール村から外界へのアクセスが良くなった(2003年に自動車道が完成)ことにより、
 目(意識)が外を向くようになったこと。特に若い世代は、シムシャール村外の学校
 (カリマバード、ギルギット、イスラマバードetc)に通う生徒も多くなりました。
 ※2015年7月現在、シムシャール村内にも計2つの学校があります。 

②昔からこの仕事をしてきた世代の女性にとっては、パミールでの仕事は念願ではあるが、
  体力的に厳しいこともあり、息子や娘たちが説得をして引き止めていること。
  ※とはいうものの、自分たちの家畜の面倒をみなくてはならないので、
    他の親戚や友人に、その対価を払って、面倒をみてもらっているようです。

このような事情により、特にヤクの面倒に回す女性の手の数が足りておらず、
昨年からは男性も数名ずつ定期的に交替をしながら、夏のパミールに残るようになっています。
今年はまず7名が残りました。

クッチのような村をあげての大掛かりな行事の時には、出稼ぎにでている男性も手伝いに帰ってきます。
力仕事(石造りの家屋の修理)や危険な仕事(ヤクの毛刈り、コントロールする紐を通すための鼻穴開け
、去勢etc) は男性の仕事です。
DSC_0404鼻穴を開けると・・・

DSC_0405紐が通る(荷ヤク用)

DSC_0672ヤクの去勢

男性たちは高地に強く山歩きが得意なことから、山岳ガイドや8,000m峰をも含む登山の
高所ポーターとして働いている方も多くいます。



さて、次回はいよいよ今年のクッチの様子について。乞うご期待!

<下記参照>
ツアーレポート
<新企画>秋・黄金のシムシャール

kusunoki_saiyu at 06:58|Permalink

2014年10月15日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記⑥~FINAL~

 22日(火)、いよいよ核心部のC2~C3へ。スパンティークの前峰にあたる尖った雪峰に、第二高度順応のときに登頂ガイド兼高所ポーター達が張ってくれた固定ロープ + 同時期に登山をしていた東北出身の日本人3名グループが張ってくれた固定ロープ=計550m。ここをユマーリング(登高器をつかって固定ロープ沿いに登ること)していきます。
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 後ろを振り返ると、カラコルム山脈の大展望の中に、アランドゥ村(トレッキングの起点)からここまでの足跡を辿ることができます。世界第二位峰K2(8,611m)もはっきりと目にすることができました。
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 約7時間かけて、何とかC3(6,155m)へ辿り着きました。今日は少し頑張りすぎたのか、標高もあがったせいなのか、軽い頭痛を感じ、水分補給と深呼吸を何度も何度も繰り返しました。
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C3にて

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 さて、いよいよ明日アタックです。


 迎えた23日(水)深夜1時、満点の星空のもと、満を持してアタック開始。お客様の体調も良好です。
 危惧していた雪質も膝丈のラッセル程度で、それも登頂ガイド兼高所ポーター達がガシガシと道を作ってくれます。彼等に導かれ、 天候さえも味方につけ、一歩一歩自分達を信じて登ります。
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極寒の中、太陽を待つ

 4時半頃からは少しずつ空が明るみ始めますが、私達に太陽の光が降り注ぐのはまだ先の話。風が強まり体を芯まで冷やします。手足の末端部の感覚が失われそうになるのを叩いて必至に防ぎます。

 空が白み神秘的に輝き出す山群の姿が眼前に広がり始めました。今まで見上げてばかりいた山群を真っ直ぐ前に見て取れます。寒い中とても億劫ではありましたが、何度もシャッターを切っている自分がいました。そして、お客様方には心のシャッターを何度も切っていただきました。
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マルビティンの主峰<西峰>(7,458m)が紅く燃え出す

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朝焼けのハラモシュ(7,409m)と右奥にナンガ・パルバット(8,126m)

 7時頃、待ちわびた太陽の光を全身で浴び、一気に身体の隅々まで生気が染み渡っていくのが分かります。大雪田を越え、最後の直登に差し掛かっています。ここも気は抜けず、一部固定ロープを張り通過していきます。前方に目をやると、女性のお客様は遥か先を着々と登り頂上間近にいます。このあたりの追い込みやモチベーションの高さは、今までの多くの経験が物語っています。ワジッド氏がそれに続き、男性のお客様も粘り強く足を運んでいます。
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そして頂へ・・・。遂に成し遂げた登頂。これまでの苦労が報われる瞬間です。パーティーは団結して力を尽くしましたが、誰より頑張っていたのはお客様自身に違いありません。

 『本当におめでとうございます!!』

 360度の大展望と薄い空気に身を委ね、自分自身にもささやかな拍手を送りました。
 頂から望む故郷のナガール地方に祈りを捧げ涙を流したワジッド氏の姿も今も心に残ります。
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ワジッド氏が運び上げたレッド・ブル(強力栄養ドリンク)!

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頂にて乾杯♪

 今回改めて感じたのは、共に登頂を果たした人数に乗じて喜びは何倍にもなるということです。ただの「達成感」という言葉では言い表す事の出来ないこの気持ちをより多くの方々と分かち合いたい、そんな想いを胸に、これからも皆様の挑戦の一助となれることを願っています。
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頂にて①〜藤倉さん(左)と川原さん(右)

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頂にて②

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頂にて③〜左からチェアマン・アリ氏、ワジッド氏、アシュラフ氏、フィダ・アリ氏

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頂にて④〜ワジッド氏と私(楠)




kusunoki_saiyu at 08:35|Permalink

2014年10月06日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記⑤

 第三高度順応からアタック。このターンで何とか登頂を果たしたいところです。

 第二高度順応からの下山時、悪天の兆しがあり、結局それから約4日間は降雪(特に毎深夜にかけて)となりました。夜中に目が覚めると、テントを打つ雪の音。朝テントから出ると、B.C.周辺一帯の雪化粧。
 この時期、この辺りでは好天→悪天→好天の天気サイクルがあります。悪天が1週間続くことはあまりないですが、好天になったら即行動開始というわけにもいかず(新雪の積雪のため)、結局は1週間近く待たざるを得ません。この間に極力ストレスを溜めないようにB.C.で過ごさなければならず、それも高所登山という長期間遠征のなかで重要なひとつのスキルとなります。
 そして、そのスキルを支える大切な要素の一つが食事です。今回は現地法人SAIYAHの山岳コックであるワジッド氏が同行してくれています。日本料理は勿論のこと、イタリア料理やメキシコ料理など、彼の料理には非常に定評があり、登山パーティーの体調やモチベーションの管理を支えています。B.C.ではワジッド氏が作ってくれた美味しい料理をたらふく食べて、心身のエネルギーを回復させます。
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 7月20日(日)、昼12時45分、いよいよ第三高度順応をしながら頂上を目指します。まずはお馴染みのC1へ歩を進めます。
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 出発前、お互いの健闘を誓い合いながら、登頂スタッフ+B.C.スタッフで集合写真

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 眼下にはB.C.が見える

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 C1への道中からチョゴ・ルンマ氷河を望む
 
 


 翌朝5時15分、C2へ。この日は前回のように雪に埋まって体力を消耗することなく、行程をこなすことができました。
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 両端に切れ落ちた雪稜をゆく


 
  
 
 

 
 



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2014年09月22日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記④

 第二高度順応です。

 まだまだお客様の体力は残っています。また、数日間好天が続きそうな天気予報に従い、間髪を入れず14日(月)、再びC1へ向かいます。前回きっちりと荷上げしたので、今回は少し楽か・・・と思いきやそういう訳にもいかず、、、体に鞭を打って一歩一歩登ります。

 C1に向けて・・・4連発のお写真です!!!!
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 南東稜線上に出たところにあるケルンへ。

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マルビティン山群

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ケルンにて万歳!背後にはスパンティーク

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遠征登山では遊び心も重要です。コマネチ
 


  C1での慣れたテント泊を経て、C2(5,490m)へ。朝焼けに周りの名峰群が目を覚まします。
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 さて、ここでミスを犯してしまいました。このC1~C2の区間は雪が非常に腐りやすく(気温が高くなるとすぐに柔らかくなる)、足が取られやすく、体力を奪われます。その為、早朝出発が望ましかったのですが、やはり凍える早朝に少し怠けてしまい、朝7:20出発。早速足が埋まります。。。
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埋まるワジッド氏


 何とかC1~C2の中間地点まで疲れ果てながら辿り着きました。ここからはアンザイレン(ロープで互いを確保)しながら登ります。この雪稜は両端が切れ落ちていて、油断はできません。写真撮影や僅かな休憩、用を足す時でさえも全員で立ち止まらなければならず、運命共同体です。残念ながら、私のカメラのレンズキャップは落下後谷底にスーッと流れていってしまいました・・・。
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 徐々にスパンティークとの距離は縮まり、迫力を増していきます!第二高度順応でC2から先に行くことは予定していなかったので、まだ先々のことではありましたが、はっきりと見て取れるクレバスはまだしも、その周辺に無数に隠れるヒドゥンクレバス。さらに斜度おおよそ40度の急登。気を引き締めていかなければなりません!

 お昼にはC2に到着。午後はトイレを作ったり、歌を歌ったり、のんびりと雑談をしてみたり。天気は最高に晴れ渡っていたので気分も晴れ晴れとしています。
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C2の様子

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トイレを作るワジッド氏

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スパンティーク


 寒い夜を経て、翌朝我々はB.C.へと戻ります。ここで頼りになるのが、昨年来の付き合いのある高所ポーター達。息の合ったチームワークで先のルート(C2~C3)に固定ロープを張りにいってくれます。我々がB.C.に到着したその2時間後には、もうC3まで固定ロープを張り、弾丸のような勢いで戻ってきました。本当に彼らの体力、スピード、気力には驚くばかりです。
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愉快な登頂ガイド兼高所ポーター達(ワジッド氏含む)

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帰路、やはり雪に落ちる・・・

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そしてまた落ちる・・・



ここで悪天の兆しが・・・。
第三高度順応からアタックに続く...

kusunoki_saiyu at 23:35|Permalink

2014年08月25日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記③

 7月12日(土)、B.C.(4,385m)を設営してから2日後、第一高度順応としてキャンプ1(以下C1)(5,080m)へ向かいます。
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第一高度順応スタート

 ガレ場や一部雪の残る斜面のトラバースや急登(約4時間)が続くこの区間。手足をバランスよく使い、時には石を落とさないように配置します。大股で歩くと体力を削がれるので、上手く足場を見つけて小股で登ります。ストックも非常に重宝しました。
DSC_0372ワジッド氏もご機嫌

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ガレ場を粘り強く登ります

DSC_0383小雪渓をトラバース

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眼下にはB.C.が見えています

 見下げる角度が代わり、徐々にチョゴ・ルンマ氷河の展望が良くなってきます。しかし今日は少し雲がかかった空模様。それでも色彩豊かな流れや、真っ白の氷の中にポツンと目立つターコイズ・ブルーの氷河湖。素晴らしい!さすが、カラコルムの最美と云われる氷河だけのことはあります。
DSC_0412氷河にうっとり♪

 昨年は私達のみ(私+高所ポーター2名)で他隊はいなかったので、テント場は自由だったのですが、さすがに今季はそういう訳にはいきません。他隊にも気を遣いながら、かつ勿論安全な位置に、安全な張り方で、南東稜上にC1を設営。経験豊富な高所ポーターが素早い動き、的確な判断であっという間に完成です。
DSC_0430C1は間近

 スパンティークは少しガスがかかっていますが、正面に望むことができ士気が高まります。ここから先は高所テント泊。雪を融かして水分を作り、飲食に用います。行動体力は勿論のこと、防衛体力(免疫力等)や精神力を含めたいわゆる“山の力”が求められる世界です。
 


 一泊した後に、BCへ戻ります。あいにくガスが広がり更なる曇り空・・・。ポーランド隊がアタックへ向け、力強く登っていくのを背に、下山開始。
DSC_0436ガスに煙るC1

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B.C.へ下山。眼下には氷河湖


 順調にヘモグロビンの割合を増やし、高所順応中の隊員達です。

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C1にて。夕食はおじや

 そして、第二高度順応へ・・・
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B.C.では愛らしい湯たんぽと添い寝が可能です

 

kusunoki_saiyu at 19:08|Permalink

2014年08月18日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記②

 7月4日(金)、成田空港を出発してイスラマバードへ。翌日には、山岳風景を望みながら、国内線でスカルドゥに到着。万事OKかと思われましたが、隊員の荷物が2つ紛失…。しかし、2便目のフライトで無事届いて一安心でした!

DSC_0004スカルドゥに到着!

 スカルドゥで装備の最終チェック。幾つかある山道具屋で値下げ交渉を粘ってみますが、さすがに山のお客様には慣れているようで全く歯が立ちません。。。高所登山靴から速乾性のTシャツ、カラビナやザイル(ロープ)など、小さな店内に所狭しと並んでいます。私は、来るたびにここでARC'TERYXの半袖Tシャツを買うのが慣例となってしまいました。

DSC_0034山道具物色中

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隊員一同、頑張ります!

 準備も整い、スカルドゥから北北東へ141km、7時間半(昼食含)でアランドゥ村のキャンプ場へ到着。激しいオフロードで、揺れに揺れました。低所ポーターとして雇って欲しいのでしょうか、子供から大人まで続々と集まってきます。ここでは女性は保守的で、カメラを向けようものなら、恥ずかしがってか怖いのか、必ず顔を背けられます。丁度、小麦&大麦の収穫の季節。緑、黄、青、白。村から見える風景は鮮やかな色々で彩られています。

DSC_0048和やかなアランドゥ村

 ここから3日かけてベースキャンプ(以下B.C.)(4,385m)へトレッキング。今回はB.C.を訪れるトレッキング隊も同日程だったので、日本人の大所帯です。

 1日目、2日目は氷河の脇を緩やかに登るのみですが、3日目は氷河に降り立ち本格的な氷河トレッキングがお待ちかね。チョゴ(大いなる)・ルンマ(谷)氷河は、カラコルムに数有る氷河の中で、最も美しいと云われています。

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前方にスパンティーク

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その左手にマルビティンとライラ・ピーク

 クレバスを幾度ジャンプしたことでしょうか。時には、薄く被さった雪の下に隠れたクレバス(ヒドゥン・クレバス)もあるので、注意が必要です。必ずガイドが通ったトレース(足跡)を同じように辿らなければなりません。B.C.は氷河上ではなく少し高台の陸地にあるので、比較的暖かく、展望も優れています。

DSC_0322氷河上を遡る

 先に入っていた日本東北登山隊、ポーランド登山隊のテントに加え、我々遠征隊のテント、B.C.トレッキング隊のテントも含めると、一気に賑やかな色合いとなりました。

 ここからいよいよ登山が始まる訳ですが、思っていたよりハードな日程(ここまでの3日間トレッキング)を経て、翌日はきっちりと休養をとり、心身を休めることとしました。

 BCでの景色を三連発。

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キャンプ1(C1)はこの尾根上

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氷河の崩落音が常に鳴り響く

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夕陽時のチョゴ・ルンマ氷河


さて、ここで今季スパンティーク2014遠征隊の隊員を簡単にご紹介しましょう!

■隊員紹介■
藤倉 歌都代(71歳)
埼玉出身の野生人(自称)。年を重ねても大怪我に遭ってもなお、登り続けるチャレンジャー。謙虚な気持ちで勝負したら間違いなく日本一。

川原 康司(53歳)
広島出身の勤人。4年前に弊社で登ったキリマンジャロで山に目覚め、着々とステップアップ。傍ら、サハラマラソンを完走するなどアドベンチャー路線爆走中。

ワジッド氏(ナガール出身)
現地法人SAIYAHの山岳料理人。日本料理は勿論のこと、イタリア料理やメキシコ料理など、彼の料理には非常に定評がある。シャイな一面もあるが、こだわりは人一倍強い。弊社ツアーに参加して、一度彼の料理をご賞味あれ!

愉快な登頂ガイド兼高所ポーター達:
・チェアマン・アリ氏(アランドゥ出身)
・フィダ・アリ氏(アランドゥ出身)
・アシュラフ氏(サトパラ出身。GⅠ(8,068m)、GⅡ(8,035m)登頂経験のある若きクライマー)



kusunoki_saiyu at 21:07|Permalink

2014年08月14日

スパンティーク2014遠征隊 登頂記①

 大阪支社・山班の楠です。

 昨年7月の視察を経て、今年はお客様2名様、現地法人SAIYAHの山岳コックのワジッド氏と共にパキスタンの名峰スパンティーク(7,027m)登頂に挑みました。スタッフ、天候、他隊との連携、積雪状況等にも恵まれ、予備日を使い切ること無く、アタック日まで極力体力を温存した形での登山をすることができました。7月23日アタック当日、満点の星が瞬く中、深夜1時に出発。風が吹く日の出前の寒い中、辛抱強く歩を進め、9時05分(女性のお客様+ワジッド氏)、続いて9時43分(男性のお客様と楠)、登頂を果たしました!頂上直下での名峰群に映える朝焼け、頂上からの360度の絶景には感激しました。4人で登ると喜びも4倍です。

⑰頂上へ_★頂上にて②DSC_1012頂上にて

 
 約1ヶ月にわたる登山を終え、余韻がまだ残る中、この記事を書いています。

 まずは簡単にどんな山なのかご紹介。パキスタンには名峰が沢山あるので埋もれてしまいがちですが、この山にも歴史があるんです。

⑮C2へ_★C2へDSC_0830

⑪C2へ_スパンティークUPDSC_0639

~登山史~
1902年、アメリカのワークマン夫妻が山群の南縁に広がるチョゴ(大いなる)・ルンマ(谷)氷河を源頭まで探査し、次年度には再び訪れて試登を行いました。当時の標高記録で、7,453m(現標高は7,027m)のスパンティークに対して、7,130m地点まで達した後、頂は踏むことが出来ずに引き返します。それからしばらく、氷河探査は数回入ったものの登山は行われず、約50年。1954年には、パキスタン測量局の援助を受けて、西ドイツのヴィルヘル・キック率いるパーティーが南面の測量を行ない同峰の試登も行ないました。満を持して、次年度の1955年7月5日12時30分、56歳のカール・クラマー隊長以下10名パーティーが9名の高所ポーターを雇い挑んだ結果、南東稜(全長約8km)より記念すべき初登頂を果たします。
一方、北西面に立ちはだかる大岩壁ゴールデン・ピラー(標高差約2,000m、平均斜度約70度)は1987年にイギリスのミック・ファウラーとビクター・ソンダースによって初登攀され、2000年にスロベニアのマルコ・プレゼリにより第2登。そして、この初登ラインの第3登は2009年に我らが日本のGIRI GIRI BOYS(佐藤裕介さん、一村文隆さん、天野和明さん)が5日間26ピッチを経て果たしています。

 さて、登頂記②以降も、乞うご期待!
⑯C3へ_C3へDSC_0876C2へ向かう



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kusunoki_saiyu at 20:48|Permalink

2013年08月14日

スパンティーク(7,027m) 登頂を果たしました!

アッサラーム・アレークム!
パキスタンの山はネパール、インド、中国などとはまた一味違う山容をお楽しみいただけます。
私はそんなパキスタンの山が大好きです。
パキスタンの北部ツアーに行かれる際は、是非山の勇ましさを感じていただきたいです。
そして、フンザに行かれた方は、ある山を一度ご覧になってみてください。

少し遡りますが、7月、私はパキスタン北部カラコルム山脈に聳える7,000m峰登頂に挑戦しておりました。
その名もスパンティーク(7,027m)。
桃源郷フンザに行かれたことがある方は聞き覚えのある名前かもしれません。
フンザ側からは、北西壁が夕陽で光輝くことから別名ゴールデン・ピークと呼ばれています。
この辺りでは名峰がひしめき合っているのですが、この山容に見覚えはございませんか?
ゴールデン・ピークスパンティーク (ゴールデン・ピーク)

その西側(フンザから見ると右側)にはこんな名峰も聳えているんです。
ディランディラン(7,257m)

ラカポシラカポシ(7,788m)

ちなみに、フンザ随一の好展望地ドゥイカルの丘からはスパンティーク北西壁がきっちりと見えます!
スパンティーク(ドゥイカル①) スパンティーク(ドゥイカル②)もう少しズーム⇒







しかし、この山のノーマル・ルートはフンザとは逆側にあります。
世界第2位の高峰K2(8,611m)の大展望バルトロ氷河トレッキングの拠点地となるスカルドゥから
4WDで北北東へオフロードの道を走ること約5時間、アランドゥという村に辿り着きます。
アランドゥ村のどかなアランドゥ村

そこから3日のトレッキングでベースキャンプ(B.C.)へ。
カラコルム山脈で一番美しいと云われるチョゴ・ルンマ氷河を詰め上がります。
チョゴルンマ氷河①チョゴルンマ氷河②アブレーション・バレーから氷河上へ






B.C.からはキャンプを3つ張り(C1~C3)、高所馴化しながら、頂上を目指します。
BC圧巻の景色が広がるB.C.

DSC_0527背後にスパンティークが聳えるC2

DSC_0619周りにクレバスが多いC3

クライミング①DSC_0545Ready to
summit ?







7月20日早朝5時26分、頂を踏むことができました!
360度広がる景色、朝焼けに染まる山々に感無量。。。
遠望ではありますが、8,000m峰も2座見えました!
<奥にK2<左写>(8,611m)とナンガ・パルバット<右写>(8,126m)>
K2ナンガ・パルバット一番右奥の山がナンガ・パルバットです!⇒⇒⇒





勿論、フンザ側に広がっていく景観も拝むことができました。
フンザ側の景色

山に様々な刺激とパワーをいただき、いざ次なる挑戦の舞台へ・・・。
頂上にて頂上にて。背後にはラカポシとディラン

文・写真 Osamu KUSUNOKI 楠 修

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kusunoki_saiyu at 01:45|Permalink

2013年03月12日

祝☆日本人初登頂!サハラ砂漠最高峰エミ・クーシ(3,415m)登頂記

 “日本人初”、とても魅力的な響きですよね。

 今回は、チャド最高峰にしてサハラ砂漠最高峰であるエミ・クーシ(3,415m)の日本人初登頂を果たしたエクスペディションの模様をお伝えいたします。

DSC_1190エミクーシ山頂エミ・クーシの頂にて

 そもそも、チャドという国がどこにあるか皆さんご存知でしょうか?チャド共和国、通称チャドはアフリカ中央部に位置し、スーダン、中央アフリカ、カメルーン、ナイジェリア、ニジェール、リビアと国境を接しています。国土の約3分の2が砂漠地帯で、内陸国というハンデもあり、綿花と畜産業中心の最貧国の1つでしたが、近年チャド南部の石油資源の開発が進み、全長1,070kmの石油パイプラインも完成し、石油輸出が開始されています。

 そんなチャドの首都ンジャメナから4WDでオフロードを走ること6日間、登山の起点であるウルティ(612m)に到着です。ここから9日間に及ぶ登山が始まります。

DSC_0380ウルティのキャンプDSC_0400ウルティから歩き初め!







 「アン、ドゥ―、トロワ、、、」私のたどたどしいフランス語によるストレッチで体をほぐし、さぁ出発です!期待と不安が募りますが、断然期待が大きく勝っています!!
 サハラ砂漠最高峰に相応しく、いきなりの砂丘越え。新雪の雪山のように、足を取られながらも越えていきます。目の前にはニャラ(チャド北部に暮らすトゥブ族の言葉で“堆積岩の浸食された奇岩”)が聳えています。この辺りの奇岩群には心底驚かされるとともに、長年の風化や浸食の歴史の深さを感じずにはいられません。

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 登山1日目(標高差73m↑)、2日目(標高差35m↑)は足慣らしです。ほとんど登りはなく、途中の動物や植物、地質や自然が織りなす風景を楽しみながらのんびりと進みます。ただし、所々に柔らかい砂地で歩きにくいところがあったり、且つ日中の猛暑には耐えなければいけません。

 道中のお食事は、専属の山岳コックがバラエティー豊かに作ってくれます。食後に出てくるチャド・ティーの甘さは癖になります。私も圧力釜にてお手伝い。…お米を焦がしてしまいました!!しかしオコゲも美味しく食べてくれるお客様方には感謝感謝です。

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  現地食サバクトビバッタのオリーブオイル和え↑↑


 2日目のキャンプ地からは、今まで砂埃のせいで見えなかったエミ・クーシの山容がぼんやりと浮かびあがりました。とても裾野が広い山です。
 
 ▲エミ・クーシはチャド北部からリビアに及ぶ10万平方kmの大きさをもつティベスティ山地に属し、南北60km、東西80kmのサイズの山です。山頂部には南北15km、東西12km、高低差約350mのクレーターがあり、さらにその内部に南北2km、東西3km、高低差約320~350mの内クレーター(エラ・コホール)があります。エラ・コホールからはナトロン(炭酸ナトリウム)が産出され、家畜の栄養剤などに非常に重宝されています。

 2日目の夜には、現地ガイドも過去20年体験したことがないという規模の砂嵐に見舞われ大変な思いをしましたが、今となってはこれもエミ・クーシからの洗礼だったのでしょうか…。

5砂嵐の爪痕…

 登山3日目からは、愛らしいラクダ達が荷物を運びます。このツアーに於いての大切なポイント、それはラクダ達との足並みを揃えることです。ペース(速度)という意味合いもありますが、ラクダ達が疲れ過ぎないように、ケガをしないように、機嫌が悪くならないように、こういった気遣いが非常に重要なのです。

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 登山3日目(標高差200m↑)は、まずティベスティ山地で最も美しいと呼ばれるウォレの岩壁画を見学。大きな洞穴の左壁に描かれた動物や人々。リアルなキリン狩りの様子がとても印象的でした。
 午後はムズリン台地を横断します。ここの140mの登りでようやく山登りらしさが出てきます。

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 登山4日目(標高差810m↑)、5日目(標高差1,170m↑)は緩やかな登りが続きます。快晴な青空の下、前方にエミ・クーシの火口淵を臨みながら火山岩の岩場を進みます。途中、先カンブリア~カンブリア紀の環形動物の化石があり、とても興味深いものでした。エミ・クーシの地図を見ながら、登頂ルートや火口付近の行程のご案内にも熱が入ります。

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 登山6日目、いよいよ火口へ…。

 登頂日を翌日に控え、今日は体力を温存しておきたい。…と考えていたのですが、とてもハードな一日となりました。本日の目玉は何と言っても火口淵からの景色、そして内クレーター(エラ・コホール)の火口底へ降り立つ通称ナトロン・ウォーク
 昨晩3℃まで冷え込んだキャンプ地から登ること1時間、火口淵へ立ちます。絶景が広がります!!!

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●DSC_1091
  
 火口底へ降り立ち、エラ・コホールへ向かいます。そこからは真っ白な雪のようなナトロンをしっかりと拝むことができました。私も来季パンフレット用の撮影タイムを拝借。

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 気持ちの良いロケーションでの昼食後、ナトロン・ウォークです。300mを越える高低差を一気に下り、内火口底へ。現地スタッフも交え、皆必死にナトロンを採取!
 ナトロン・ウォーク復路は同ルートの登り返し。テンポを乱さないように登るのがコツですね。

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 いよいよ明日(7日目)、サハラ砂漠最高峰の頂へ…。

 待ちに待った登頂日。まずは火口に入ってきた入口とは別の出口へ向かい、火口淵への登り返し。そしてコル(鞍部)からは頂上めがけて一直線です。風が強く吹き付けます。

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 コルから登ること1時間45分、頂上の目の前に立ちました。私を含め日本人計11名。全員で手を繋ぎ、「アン、ドゥ―、トロワ!」の掛け声で同時に日本人初登頂を成し遂げました!

 2013年2月4日12時40分、エミ・クーシ(3,415m)日本人初登頂☆☆

 日本の国旗、チャドの国旗、そしてこの瞬間のために作成した記念旗を掲げ、記念撮影。皆様、お疲れ様でした!

DSC_1177エミクーシ山頂 - コピー

 7日目の後半、8日目および9日目の2日半がかりで下山します。背後に聳えるエミ・クーシの火口を何度も何度も振り返りながらのんびりと歩きます。

 9日目、下山後のお楽しみはイ・イェラの温泉です。予め得ていた情報によると“湧き出ている泉”がある、ということで色々な憶測が飛び交っていたのですが、、、辿り着いてみると何と見事な温泉が湧いてるではないですか!泉温は約36~37℃くらいでしょうか。溜まった疲れを癒します。最高の一時でした!

DSC_0099イ・イエラ

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 山麓にて、4WDと合流。登山期間はこれにて終了ですが、まだまだ旅は続きます。
 最後まで安全第一元気と笑顔で全力投球120%です。
 
 日本発着29日間という長期ツアーですが、私にとっては、いや恐らくお客様方にとっても、一瞬で時が流れ早々と終わったツアーだったのではないでしょうか。それ程に、“冒険”に満ち溢れ、内容の濃い充実したツアーでした。
 今回のエクスペディションを経て、この素晴らしい体験や自然風景、動物の愛らしさ、多様な民族色など、是非たくさんの方々にも感じていただきたく、来年も設定したいと考えております。
 そして私自身も再認識しました。事前情報で当ツアー、そしてエミ・クーシのイメージを形造ってはいましたが、やはり直接足を踏み入れてみて、生(ナマ)で感じてみなくては何事も分からないものなのだと。
 そんな魅力の国チャド、そしてサハラ砂漠最高峰エミ・クーシ。乞うご期待あれ!!
 
 ご愛読、ありがとうございました!
 (下記リンクもご参照ください。)


チャド基本情報

チャドみどころMAP

チャド ティベスティ山地一周ツアーレポート

西遊旅行でゆくサハラ




kusunoki_saiyu at 23:44|Permalink

2012年10月09日

6,000m峰への誘(いざな)い                               ~ラダックの名峰ストック・カンリ(6,153m)~

 6,000m峰登頂。海外登頂登山者の多くの方が掲げる一つの目標ラインでもあるでしょう。

 少し遡りますが、、、8月下旬私はラダックの名峰ストック・カンリ(6,153m)の登頂ツアーに添乗して参りました。
 今回はその時のお話をさせていただきます。

 ラダックは、インド北部に位置する地方で、インダス川上流に位置し、ヒマラヤ山脈西端とカラコルム山脈の間にある標高3,000mを超える乾燥地帯です。パキスタン、中国との国境が近く、治安が不安定なため、長期にわたり外国人の入域は不可とされていましたが、最近(1974年入域許可以降)は徐々に観光客を増やしています。チベット文化圏に属し、小(リトル)チベットとも呼ばれていますね。

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レー(LEH)の街並み

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ストック・カンリも見えます!

 さて、前置きは程々に。
 ジュレー!(ラダック語で「こんにちは」。ラダック語はチベット語の方言の一つです。)
 登山はレーから24km(車で約40分)離れたストック村(3,650m)から始まります。ストレッチ&出発!荷物は馬が運びます。
 単純計算すると、6153-3650=2503。頂上まで標高差2,503mですね。

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トレッキングスタート

 ストック川沿いに登ること6時間(昼食含む)でモンカルモ(4,300m)です。急登はほとんど無く、途中何度か渡渉をしたり、ブルーシープの写真撮影をしたりと和やかに進みます。

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ジャンプ!!

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ブルーシープの群れ

 そしてモンカルモで2連泊。この連泊、油断してはいけません!ここでどう順応できるかが、登頂へのサクセスロードとなるのです。
 具体的には、4,700m付近まで標高を上げ、モンカルモへ戻ります。BCまで高所順応するコースもありますが、いずれにせよ翌日通るので、弊社では別方面へ足を運び少しでも違う景色を楽しんでいただきます。
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目標を見定める

★★当ツアーでは連泊を多く設け、しっかりと高所順応していただきます。レー(3,500m)⇒モンカルモ(4,300m)⇒ストック・カンリBC<ベースキャンプ>(約5,000m)の3ヶ所にて身体を馴染ませ、疲れを癒し、精神を安定させます。

 BCまでは2時間半の行程。ここも急登は無く、ストック・カンリ東壁の迫力に興奮し、マーモットの愛らしい鳴き声と風貌に笑顔が止まりません!高山植物もお出ましです。

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ストック・カンリ東壁

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マーモット出現

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 BCでの連泊滞在中、現地山岳ガイドによるアイゼンウォーク、アンザイレン(2人以上が相互安全確保のためにロープを結び合う行為)、滑落停止などの練習と再確認をして登頂への士気を高めていきます。

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 星が瞬く夜中0時頃、BCを発ち頂(6,153m)を目指します。
私はいつも登頂アタック日の出発前、皆で円陣を組むことにしています(勝手ですが…)。
①安全に ②楽しんで ③目指せ登頂! ④無事帰還!! 
色々な想いが頭を巡りますが、登頂登山ならではの緊張感が走る瞬間です。

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エイエイオー!

 登頂ルートは、東壁を横目(右側)にグルーッと巻き、ストック氷河を横断し(アイゼン着用)、南面を登り(アイゼン着用。ジグザグまたは直登)、南稜に出て(アイゼンをデポ。景色がバァーッと広がる!)、狭くもあるがしっかりとしているルートを通って頂へ。といった感じです。南稜上はスパッと切れ落ちている箇所もあるので要注意です!

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雪面直登中

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朝日が昇りはじめる

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頂上への稜線

 頂上からは360度広がる絶景がお待ちかねです。カラコルム山脈、ザンスカール山脈、西チベットのカイラス方面など山という山がズラーッと並びます。そこに朝日が命を吹き込んでいきます。堪りません!最高です!!苦労して一眼レフを持ってきた甲斐がありました。写真の腕はまだまだ修行中ですが、素材の良さでカバーです!
 そして何と!ストック村から付いてきた犬も登頂(驚)!恐るべし、ラダック犬。

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ラダック犬登頂!

 登り8時間、下り4~5時間といったところでしょうか(個人差異はあります)。下りは特に疲労困憊の方が多かったようです。
 ストック・カンリ(6,153m)。決して楽ではありませんが、登り甲斐がある山です。かつ6,000m峰としては非常に登りやすい山と云えるでしょう。
 初めての海外登山としては少々厳しいですが、5,000m峰の登頂者であれば挑戦してみる価値は多いにございます!来夏の設定も恐らく8月が中心になるかと思いますので、富士山でしっかり高所順応してからご参加ください。
 キリマンジャロ(5,895m)をはじめ5,000m峰を登頂された方、次なる挑戦を心よりお待ちしております!

 ジュレー!!(ラダック語で「さようなら」。多用途なんです!)。

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頂上にて


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インド山旅ツアー:カンチェンジュンガ大展望(シッキム) <ポチ>
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kusunoki_saiyu at 07:16|Permalink

2012年08月02日

来年度要チェック!カラコルム5,000m峰登頂&氷河横断

山の楽しみ方は十人十色。今回は登山(登頂)です!

カラコルム山脈…パキスタン、中国、インドの国境付近にまたがり、名立たる高峰が聳えています。
5,000m峰登頂…そこには日本には無い世界が在り、酸素濃度約50%の中での登山を体験。
氷河横断・・・最近ようやく日本でも発見?!された氷河ですが、まだまだ馴染みが薄い氷河。一歩一歩滑らない様に、クレバス(氷河の割れ目)に落ちない様に横断します<アイゼン不要>。

などなど、、、次々と出てくるツアーのキーワード。
「カラコルム5,000m峰登頂と二大氷河トレッキング」のツアーに添乗して参りました。
桃源郷フンザ(カリマバード)から4WDに揺られること約1時間でトレッキングの起点ホーパルに到着。

早速ホーパル氷河の横断です。
氷河に触れたことがないお客様にとっては感動の瞬間です。
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フンザの名峰群をバックに山岳ガイドのアミン


DSC_0639荒々しくもある氷河


対岸ではこの時期(7月)野バラが咲き誇っています。
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DSC_0859ズームアップ!!


翌日は急登が続きます。但し、尾根に向かって標高を上げるにつれ、どんどん景色が広がります。
DSC_0681急登!


DSC_0697圧巻のバルプ氷河


トレッキング3日目は登頂日。早朝出発し、ピークを目指します。
途中見えてくるラシュファリ・レイク(山上湖)は半分凍っていました。そして、高所登山の辛さもきっちりと体感しながらの登頂!景色は圧巻です。
DSC_0785ラシュレイクを前に…


DSC_0796一歩一歩。


DSC_0799スマイヤー氷河


帰路は高山植物に囲まれ下山。氷河に削り取られた土砂が降りかかったスマイヤー氷河、白いミアール氷河。横断は計2時間程ですが、楽しいトレッキングです。但し、雨が降っている場合は、滑りやすいので要注意です!
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二大氷河(スマイヤー、ミアール)を眼下に下山


P7191194ミアール氷河上にて


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咲き乱れる高山植物


トレッキング日数計5日間ですが、非常に濃密です。
決して楽ではない行程ですが、登頂、踏破した後には達成感の余韻に包まれるでしょう。

カラコルムといえばK2(8,611m)を臨むバルトロ氷河トレッキングやナンガ・パルバット(8,126m)方面のトレッキングが人気です。但し、フンザ周辺に広がる名峰群、大パノラマを存分に味わいたい健脚の方には是非当ツアーもお勧めです!

来年も勿論設定予定です。是非ご検討ください!!

パキスタンの山旅チェック!

kusunoki_saiyu at 20:23|Permalink

2011年07月27日

ミングリク・サール(6,050m) 登頂記 ~その弐~

 さて、ミングリク・サール(6,050m)登山、後半戦です。

 ハイキャンプからは尾根伝いに更に上を目指します。雪も出てき始めるので滑落にも要注意です。今季、ミングリク・サールを登るのは我々が初めてらしく、勿論トラックなどは無く、先頭のディダールさんがキックステップで足場を作ります。しかし身長170cm足らずの僕は高身長のディダールさんとは歩幅が合わず、結局自分の歩幅で登ります。残念…。歩幅を合わす重要性を再認識ですね。

DSC_0209あそこが頂上かな?









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 7時、ロープをつけるポイントまで来ました。ケルン(石を積み上げたもの)があり、見晴らしも良い所です。頂上はまだ見えませんが、あともう少しという気配が感じられます。あいにく、この時間帯から徐々に雲が出始め、頂上での景色に不安が残ります。この辺りからはクレバス(氷河に出来る深い割れ目)も現れ始めるので、しっかりとお互いを確保しながら慎重に登ります。

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 雪も徐々に深さを増していきます。基本、膝丈までの深さでしたが、稀に太ももまでズボッといきます。こういう柔らかい雪面は体力が奪われますね。傾斜も急になってくるのでジグザグに登ります。標高も徐々に6,000mに近付いてきて、頂上はもうすぐです。

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 9時13分、頂上に到着!!ミングリク・サール(6,050m)登頂成功です。ひとまず足場が固まっていないので、斜面を踏み固めスペースの確保をします。それから改めて3人でがっちり握手、そして抱き合い、記念撮影。つい興奮して叫んでしまいました!しかしあいにくの空模様で、この頂上から拝める筈の世界第2位のK2(8,611m)と第12位のブロード・ピーク(8,047m)は雲の中。。。非常に残念でしたが、遥か眼下には登り出し地点の草原が広がり、登頂の達成感を感じさせてくれるには充分な光景でした。

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 9時45分、下山開始です。登山事故は下山時に起きることが多く、油断は禁物です。慎重に下りながらロープをつけたポイントまで辿り着き、ロープを外します。尾根上まで行くと、そこからは“石の川”とでも云わんばかりの急坂を一気に下っていきます。土壌が湿って柔らかいので滑りながら下りていく感覚でしたね。まぁあまりブーツにとっては良くないのでしょうが…。

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  <頂上にあったクレバス>

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 12時半前には下山を終え、ミングリク・ベン(麓)まで到着。寒い中、そこで待っていてくれた多くの方々に祝福してもらい、少々ヒーロー気分を味わわせて頂きました!!下からも我々の下山する姿が観えたらしく、それもこの登山の一つの魅力ですね。
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 安全第一を考えた登山の為には、しっかりとした準備(計画、装備、体力、技術、知識など)が必要です。今後も安全にかつ楽しい登山を提供する側として、様々な事を感じ、またそれを将来に繋げていく、活かしていく決意を固めた登山となりました。でも何よりも、このミングリク・サール(6,050m)は素晴らしい山です!そう思える山に出逢えて光栄です。ちなみに、シムシャリと家畜達のクッチ(夏村間の大移動)の最中にも見ることができます。是非一度お試しあれ!!

 これからもパキスタンの色々な山の魅力をお伝えしていきますので、ご愛読よろしくお願いいたします。






関連リンク
ミングリク・サール(6,050m)登頂!
クッチ2011シムシャル・パミール
パキスタンの山旅

kusunoki_saiyu at 19:33|Permalink

2011年07月19日

ミングリク・サール(6,050m) 登頂記 ~その壱~

 さて、今回はミングリク・サール(6,050m)登頂のお話です。

 余談ですが、、、日本の最高峰富士山の標高は3,776m。もし4,000m峰以上の山を登りたいのであれば、海外に足を運ぶしかありません。登山が好きな方ならそれぞれ、いつかは登ってみたい(又は観てみたい)目標の山、憧れの山があるでしょう。そこに向かって段階的に一歩一歩進んでいければ理想的です。6,000m峰、この高さの山は一つの良い目標(又はそれ以上の目標に達する為の良い段階)になり得ると言えるでしょう。

 本題です。先日同行させて頂いたパキスタンの山旅「シムシャル・パミール」のツアー予備日、視察を兼ねミングリク・サール(6,050m)という夏村①シュイジェラブ(4,350m)と夏村②シュウェルト(4,670m)の間に聳える6,000m峰に登らせて貰いました。メンバーは現地シムシャル村出身(シムシャリ)のディダールさん、そして弊社パキスタン現地法人SAIYAHのコック(料理人)のワジッドさんです。

 通常ならベースキャンプ(BC)(4,720m)から頂上を目指すのですが、今回の登山は急遽決まった事だったので、夏村①シュイジェラブ(4,350m)からの出発になりました。標高差は1,700m(BCからなら約1,300m)です。

 深夜1時、ワジッドさんが甘くて温かいパキスタニ・チャイ(ミルクティー)を用意してくれたので、まずは安全・登頂祈願の乾杯!そして出発です。ヘッドランプを頼りに、隣の小さな丘(グルチンワシュク・サム)(4,645m)まで登ります。そこからミングリク・サールBCまで、ほぼ平坦な道を進みます。途中の沢にて二人は直接水分補給。さすが現地人!私は念の為に一応控えます。。。ちなみに高所登山でのお勧めアイテムの一つにハイドレーションがあります。行動しながらでも少量ずつ水分補給、これが理想的です。ただ水分を本体に押し戻すなどして、チューブ内やチューブの口が凍るのは必ず防がなければいけませんね。

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 BC手前からガレ場の急登です。ここまでが約2時間半。ミングリク・サールも頭を出し始めました。小休憩を交えながら尾根上のハイキャンプを目指します。4時15分頃、空が明るみ出してきました。眼下には夏村②シュウェルト方面にザック・ゾーイ(小湖)とルップ・ゾーイ(大湖)が見え、湖面にはまだうっすらと氷が張っているのが分かります。

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 4時45分、ハイキャンプに到着です。テントが幾つか張れそうです。そしてここからは良い景色が拝めます。ヒスパー・ムスターグ山群がピンク色に染まっていく姿には開いた口が塞がりませんでした。遠くにはシスパーレ(7,611m)もばっちり見えました!

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<ヒスパー・ムスターグ山群(左)> <中心の鋭鋒がシスパーレ(7,611m)(右)>

 前半戦はここまでです。次回は後半戦。乞うご期待!!

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<ミングリク・サール(6,050m)>


関連リンク
ミングリク・サール(6,050m)登頂!
クッチ2011シムシャル・パミール
パキスタンの山旅

kusunoki_saiyu at 09:11|Permalink

2011年07月07日

シムシャリの真髄

 皆様、ここ最近の暑くじめじめした日々を如何お過ごしでしょうか?

 私は6月10日から22日間、パキスタン北部と中国の国境にあるシムシャル村を基点としたヤク・サファリ(ヤクに乗って移動)のツアー「シムシャル・パミール」に同行して参りました。と申しましても、私自身はシムシャル村出身の人々(シムシャリ)と共に全行程を歩かせて頂きました。登山学校もあり、登頂者も含め8,000m峰への高所ポーターも数多く輩出しているシムシャル村。男女問わず、シムシャリの高地での強さを肌で体感しました。「どこの山に登ったの?」と訊くと、「ナンガパルバット!」「私はGⅡ。」などなど、名だたる高峰が次から次へと出てきます。とても頼り甲斐がありますね!!
 
 さて、それでは私がここでのトレッキング・登山を通じての体験談を、数回に分けてお話させて頂きます。まずは最強のシムシャリについてです。
IMG_1474 驚いたのはヤクのスピードです。お客様はヤクに乗っている訳ですので、私も勿論そのスピードで歩かなければなりません。急登ではヤクも疲れるので速くはないのですが、平坦な道、ゆるやかな登りは意外と速いのです。基本的に少し早歩き程度のペースでのトレッキングとなりました。正直、幾らか遅れを取ってしまったこともありました。シムシャリのヤク使い達は、そんなヤクの鼻の穴を通した紐をひきながら、且つ楽しそうに話をしながらも速いペースで進んでいます。本当に体力があります。強いです。

IMG_1428ヤクもヘトヘト。。

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 次に、シムシャリ達の急坂の下り方です。30°はあるであろう斜面を彼らは真っ直ぐに凄まじいスピードで走りながら下っていきます。もちろん我々はジグザグにゆっくりと下りました。その際に使われるものが、杖代わりの長い木棒です。ブレーキ代わりに地面に当てながら下ります。正直、湿った柔らかい土壌なら出来る方もいるでしょうが、彼らは乾いた固い土の上でその芸当を披露するのです。30分かけて登ったスライディングエリアを30秒で駆け下りていくのです。素晴らしい度胸とバランス感覚です。

DSC_0106DSC_0101目立つ長い木棒








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 シムシャリは男性のみならず女性も強い。牧草地を求め大移動するクッチでは、何千頭というヤク、羊、ヤギを女性達が主体的にコントロールします。石、鞭の様な木の棒、キック(蹴り)、、、容赦無しです。4000m代後半という高地で彼女達は家畜を走って追い立てるのです。彼女達にとってヤクは富ですからね。そのおかげでクッチの日のヤクは速かったので、私は何千頭ものヤクのお尻ばかり見ていた様な気がします。

DSC_0320迫力、凄いです!!


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 トレッキング中、急に立ち止まったと思いきや、あるヤク使いが歌を歌いだしました。素晴らしい歌声、歌詞、メロディーです。私の歩く姿をみて「You are like Shimshali.(お前はシムシャリの様だ。)」と声をかけてくれるフレンドリーなヤク使いでした。さすがにその素晴らしい歌声の後に「お前の番だ。歌ってくれ。」と振られたのには参りました。彼らは歌を通して神への感謝と敬意を示しているのです。更には、ショポディン峠(5346m)でも急に手拍子、歌、ダンスが始まりました。標高なんてもう全く関係ないですね。楽しそうなのでついつい場違いのダンスで混ざってしまいました。でもここで一番張り切っているのは弊社パキスタン現地法人SAIYAHの社長ヨーセフ氏か…笑

 シムシャリ達と過ごした日々、本当に充実していました。笑って、食べて、飲んで(ヤクミルクのことです!)。シムシャリには底知れぬ魅力を感じます。パキスタンの山々には是非彼等と共に登りたいです。皆様もシムシャリ達と同じ時間を共有してみたいと思いませんか?来年に乞うご期待!!

 最後にもう一度、シムシャリの勇姿を!
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 さて次回は、夏村シュイジェラブとシュウェルトの間に聳えるミングリク・サール(6,050m)登頂のお話です。



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2011年04月27日

ナンガパルバット ~THE SOUTH FACE~

 “ライン”、急峻な壁にひく頂上へと繋がる登攀ルートのことだ。

 1970年6月27日、世界第9位の高峰ナンガパルバット(8126m)の南面、世界一の標高差(4500m)を誇るルパール壁にラインをひいたある男がいました。その名もラインホルト・メスナー。彼は最終第5キャンプ(7350m)から単独で頂上へと向かいました。途中、兄を追ってきた実弟ギュンター・メスナ―と合流し、二人して見事に頂を踏みました。単独登攀のつもりだったラインホルトの装備は最小限のものしかなく、またスピードをあげて追いかけてきたギュンターの高山病と疲労もあり、下山は比較的楽に見える(実際はこちらも大変!) 西面のディアミール壁を下降。しかし、途中雪崩でギュンターを失ってしまいます。ラインホルトは息絶え絶えの中、手足を凍傷にやられながらも(結果、足指を六本切断。。。) 何とか生きて帰還することができたのです。

IMG_00108000m峰全14座無酸素登頂者:ラインホルト・メスナー

 概要に過ぎませんが、ルパール壁の初登頂には、この様なドラマがありました。何のジャンルにせよ、初と名のつくものにはリスクがついてまわります。しかしそれを成し遂げた暁には、自身の中での変化、自らへの賞讃、次に続く者への勇気など、多くを生み出す気がします。
 
 最近の有名なものとしては、2005年9月初旬、スティーブ・ハウスとヴィンス・アンダーソンによって6日間かけて開拓された直上ルートです。ライト(軽)&ファスト(速)のアルパインスタイルで見事頂上に立ったのです。新たなラインがひかれたのです。次は、世界第2位の高峰K2(8611m)西壁への新ルートを計画しているとか・・・。
 
 展望にせよ、トレッキングにせよ、登頂にせよ、是非その山から生まれたドラマやバックグラウンドを知った上で山に足を運んでいただきたいです。しかし、知識不足なので足を運べないという様では本末転倒ですので、まず訪れてみて自分の眼で観てみて、後で復習なり調べてみるのも一つの手だと思います。いずれにせよ、そこに在る歴史を知ることによって、必ずやその山をもう一歩深いところで感じることが出来るはずです。その方が絶対楽しいです!!

 ラインホルト・メスナーの登頂を描いたドイツ映画「ナンガ・パルバット 裸の山」〝Nanga Parbat〟も日本で公開されるらしいとか・・・。もしそうなら、是非観に行きたいですね!

 さぁ皆様、次の人生の“ライン”はどこにひきますか?

↓ ナンガパルバット南壁:ルパール壁の様々な表情 ↓
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2008年ナンガパルバットBCハイク 701

2008年ナンガパルバットBCハイク 452

2008年ナンガパルバットBCハイク 525


↓ 弊社、下記サイトもご参照下さい。 ↓

・南面を訪れたい方はコチラ。
6月17日発催行決定、まだ間に合います!7月8日発まもなく催行!!


・添乗員・城戸 和広の声

・写真でイメージを膨らませましょう!

kusunoki_saiyu at 10:47|Permalink

2011年02月21日

GET WORLD in LOST WORLD

大阪支社の楠です!

先日、秘境・ギアナ高地を歩く(ベネズエラ)のツアーより無事帰って参りました。
折角なので、そこでのトレッキングについて触れたいと思います。

年間4000mmを越える降水量があり、日本の約1.5倍もの広さをもつギアナ高地。そこには100以上ものテーブルマウンテン(テプイ)があります。我々はその中でも、アーサー・コナン・ドイルのSF小説「The Lost World」で一躍有名になったロライマ山(2723m)でのトレッキングを存分に楽しみました。

ちなみに弊社では、登りは何とヘリコプターです。10分足らずで麓の町からブーンと一気に頂上へ降り立ちます。そこはまるで別世界。今にも恐竜が出てきそうな雰囲気です。頂上では雨風を防げる洞窟にテントを張りキャンプをしながら、台地の散策を楽しみます。最高点(マーベリック)、トリプルポイント(ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの国境)、固有種の動植物、雨が降りロライマブラック(命名by楠)に輝く岩群。ロライマ山を五感で生に感じるともう堪りません!

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さすがに下山はヘリコプターとはいかず、歩いて下ります。山のツアーですからね。自分の足で歩いてこそです。両手を上手に使いながら、途中落ちてくる滝に濡れビショビショにもなりながら、急な下山道を終えると、次はグランサバナ(草原の丘陵地帯)トレッキングです。

ここは精神的にも参る方も多いですが、ふと振り返れば「えっ?!!! 私達あんな所から下りてきたの?」と驚きを隠せんばかりの大きく堅牢なロライマ山が立ちはだかっています。お隣のクケナンテプイ(2600m)とセットで素晴らしいの一言!ここはのんびりと何度も振り返るのがポイントですね。

おっと!!大分全容を話してしまいましたが、整備されすぎた登山道があまり好きでない方、今までに無い変わった場所をトレッキングしてみたい方、恐竜を見つけてやるぞ!という好奇心旺盛な方には本当にお勧めのツアーです。

但し、油断は禁物!!雨具、スパッツ、ハイカットブーツなど、しっかりとした山の装備は勿論のこと、山歩きの技術と8時間は歩ける体力が必要になります。山のツアーですからね。でも次のシーズンまでに夏山で鍛えればまだまだ間に合いますよ!!是非お待ちしております。

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(写真:右がロライマ山、左がクケナンテプイ)





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2011年01月27日

キリマンジャロ 〜西遊とボクと、時々、オトン〜

父に貰った帽子ジャンボ!はじめまして。大阪支社の楠です。記念すべき私の一回目のブログは、城戸さんに続き、キリマンジャロ登山です。というのも、実は私の海外初登山は父と登ったキリマンジャロなのです。即ち、ここが私の海外登山のスタート地点なのです。生憎、その時は登山とは何たるかを知らず、何と4300mで高山病になり敗退・・・。先行していた父が私を心配してすぐに下りてきて、喧嘩をしているガイドとサブガイドの間に割って入り、“This is my decision because he is my son.”。申し訳ない気持ちと、やはりどこか嬉しい気持ちが複雑に絡み合っていたのを覚えています。
 そんな私にとっては思い出深い山、キリマンジャロ。勿論、山の裾野で採れるコーヒー豆の銘柄として有名ですが、スワヒリ語で“白く輝く山”という意味がを表します。標高は5,895mで独立峰。標高3776m(富士山)が最高峰である日本に住む登山者にとっては、少々高く感じるかもしれません。しかしルート自体は全く難しい訳ではなく、弊社では幾つかあるルートの内で一番簡単なマラング・ルートを利用しています(ちなみに、1月27日発コースに添乗予定の城戸さんは難易度が上がるマチャメ・ルート登頂者ですよ!)。キリマンジャロ国立公園内滞在期間は山小屋利用の5泊6日(登頂アタック日は5日目)で、登頂率をグッと上げる為にホロンボハット(標高3,720mで富士山くらい)に二連泊し、高度順応率をアップさせています。
 何といってもアフリカ大陸最高峰ですので、登頂すれば誇りに感じます!周りに自慢もできます!!“百見は一触に如かず”。是非、挑戦してみたい方はお気軽にドシドシお問い合わせ下さい。
 催行決定しております1月27日、2月17日出発のコースにご参加の方々にも、一日一日移りゆく景色や独特のタンザニアの空気を楽しみながら、安全に登りきっていただきたいです。
 現在、3月10日出発のコースを始め、4月、6月、7月、8月、9月、11月にもツアー設定をしておりますので、最新パンフレットをご希望の方はご連絡下さい。
 それでは、これから山マニアなブログを目指していきますので、どうぞご拝見の程よろしくお願い致します。アサンテ サーナ!


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