2016年01月

2016年01月29日

パミールのアリー

 毎年ご好評をいただいているタジキスタンの「パミール・ハイウェイとワハーン渓谷」のツアー。昨年から、「パミール高原とワハーン回廊を望むゾルクル湖への旅」を加え、パミールに行くツアーのシーズンが間もなくやってきます。

 今日は、パミールに残るアリーの伝説をご紹介します。

 ゴルノバダフシャン自治州の州都・ホルグからヤン村に向かう途中、パンジ川の対岸のアフガニスタンとヒンドゥークシュ山脈を望む辺りに、一つのさびれた祠(ほこら)が残っています。オストン・シャーヒ・マルドンという名のこの祠は、かつて預言者ムハマンドの従弟、アリーがこの地にやって来たことを記念するものと言われています。

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                  【パミールに残るオストン・シャーヒ・マルドン】

 この祠のすぐ近くに、5世紀の要塞跡・カライ・カハカが残っているのですが、この要塞を治めながら、行き交うキャラバンから税金を搾り取った悪い王様を退治したという伝説が残っています。

 祠の内部は、パミールの伝統建築であるラテンネル・デッケの屋根で覆われていますが、興味深いのが中に残る祭壇です。まずこの祭壇は、沢山のマルコポーロ・シープの角が乗っています。マルコポーロ・シープは、山の高い地域に生息しているので、それだけ天上の神に近い聖なる動物と言われています。また、狩猟で仕留めたマルコポーロ・シープを、人が生きていくために、ありがたくいただいたという感謝の表れでここに置くのだそうです。

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             【マルコポーロ・シープの角が置かれた祭壇とラテンネル・デッケ】

 次に興味深いのが、この祭壇の作りに、かつてこの地で信仰されたゾロアスター教の名残が残っていることです。火を聖なるものとして仰いだゾロアスター教と同じく、今でもお参りに来た人は、この祭壇の上で綿花の油や動物の油で火を付けています。そして、この祭壇の四隅に4つの円形の石がありますが、これはゾロアスター教の4つの聖なる要素「火・水・空気・大地」を表しているとのことです。

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                     【四隅に石が置かれ、火がともされる祭壇】

 パミールにアリーが来たという伝説は、ツアーで訪れる「アリ・チュール」という村にもの残っています。「アリ・チュール」とは「アリーの怒り」という意味で、かつて多夫多妻で暮らしていたこの辺りの不道徳な人々が、アリーの怒りに触れて滅ぼされてしまったとう伝説が残っています。この町の近くには、「アク・バリク」という聖なる泉があり、この泉の魚は食べてはいけないというお触れもあります。

 
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                      【綺麗な水をたたえたアク・バリク】

 アリーの伝説が残るパミールですが、その絶景は美しいの一言につきます。雪をいただいたヒンドゥークシュを始めとするパミールの山々を眺め、対岸にアフガニスタンを望みながらパミール諸語族の人々の暮らしに触れる旅です。アフガニスタンとの国境をなすパンジ川は、アムダリヤ川となり遙かアラル海まで流れてゆきます。そのパンジ川のさらに上流を流れるパミール川の水源の湖・ゾル・クルが、アムダリヤの源流となります。


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                   【雪をいただいた大パミール山脈】

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                      【アムダリヤの源・ゾル・クル】

 また、イスラム教の聖者アリーの伝説が残る一方、パミールには仏教遺跡も残っています。写真は、ヴァンに残る仏塔の基礎です。シルクロード上にあるパミールは、様々な宗教も行き交った所です。

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                        【ヴァンに残る仏塔の基礎】

 自然、文化、歴史、様々な見どころがあるパミール、写真のワヒ族の少女のような人々が、皆様をお待ちしています。

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関連ツアーはこちら↓↓↓
パミールハイウェイとワハーン渓谷

パミール高原とワハーン回廊を望む ゾルクル湖への旅


yamada_saiyu at 21:00|Permalinkタジキスタン | タキスタン パミール高原とワハーン渓谷

2016年01月22日

夏のキルギスへ ~①パミール・アライ山脈「レーニン峰ベースキャンプ」

 
 大阪支社 高橋です。

 少し遅くなりましたが、皆さま新年あけましておめでとうございます。
 2016年となり、まもなく1ヶ月が過ぎようとしておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 昨年12月に弊社も新しいパンフレットを、既存のコースから新企画のコースまで、たくさんのコースを発表させていただきましたが、ご興味あるコースはございましたでしょうか。

 ここ数年、中央アジアへのお問い合わせが非常に多くなってきております。
 そんな中央アジア「シルクロードの旅」の中から、キルギス共和国への旅の1つ、キルギス共和国の夏の魅力を網羅したアドベンチャー企画「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」を数回に分けてご紹介させていただきます。

 キルギス共和国は、中央アジアに位置する旧ソビエト連邦の共和制国家であり、かつてはキルギスタンと呼ばれていました。改称以降も別称として公式に認められています。
 ソビエト連邦から独立したウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンとともに中央アジアを形成し、独立国家共同体(CIS)加盟国であります。

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 キルギス共和国は、中央アジア5ヶ国の中で最も面積がせまい国ですが、国土全体の40%が標高3000mを超える山岳国家で、広大な山岳地帯と草原を持つ大自然の豊かな国であります。
 国土は東西に長く広がっており、中国との国境には天山山脈、南との国境に接するタジキスタンに向かってパミール高原が広がっております。

 標高3,000mほどの地域に広がる大草原には豊かな放牧地が広がり、そこに住居とユルト(移動式住居、キルギス語でボズ・ウィ)を建て、馬やヤク、牛とともに暮らしています。
 「パミール・アライ」に暮らす自分たちこそ「キルギスの中のキルギス」と自称するほど、今でも馬などの家畜とともに暮らす生活が保たれています。
 
 本来、キルギス族は一年中ユルトでの生活を行ってきましたが、ソビエト時代に行われたコルホーズ・ソフホーズ主導の牧畜の管理の結果、村に定住するようになり伝統的なユルトは夏の間だけ利用される放牧用の住居になってしまいました。

①KW2A1835(①キルギス族)
【パミール・アライにクラスキルギス族の家族】


 そんなキルギス共和国の雄大な自然と遊牧民の暮らしや文化にふれる旅である「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」では、天山山脈のベースキャンプへのヘリフライト南イニルチェク氷河上の常設キャンプでのキャンプ泊フラワー・ハイキングキルギス族の移動式住居ユルト(移動式住居、キルギス語でボズ・ウィ)での宿泊など夏のキルギスを満喫する、山岳風景や高山植物、民族の写真撮影・絵を描かれる方にもお勧めのコースです。

 第1回目の今回は「パミール・アライ山脈・レーニン峰ベースキャンプ」をご紹介します。

 日本を出発し、キルギス共和国の第2の都市であり、南の首都と称されるオシュに到着します。
 到着後はホテルで少しお休みいただいた後、キルギス族の放牧風景を眺めながら、サリタシュを経て、ツアーのハイライトの1つでありますレーニン峰(7,134m)のベースキャンプを目指します。
 サリタッシュを通過後、ベースキャンプへと続く道は未舗装道路となってしまいますが徐々に迫りくるパミール・アライ山脈の景観に心奪われ、揺れる車窓から山岳風景を楽しまれていました。
(ご安心下さい、きちんと写真タイムをお取りすることをお約束いたします。)

②KW2A1660(②パミール・アライ)

②KW2A1663(②パミール・アライ)
【パミール・アライ山脈の景観が広がり始める】


 キルギス共和国の南部には,東西方向にのびる2つの山脈があります。

 北側にはアライ山脈南側にはザ・アライ山脈(トランス・アライ山脈)があり,これらをまとめて「パミール・アライ山脈」と呼ばれており、新彊ウイグル自治区からウズベキスタンのサマルカンドまでおよそ500kmにわたって伸びる山脈です。
 
 そのパミール・アライ山脈の中で最も有名なのが、トランス・アライ山脈の中央に聳える「レーニン峰(7,134m)」で、パミール・アライ山脈の最高峰であり、パミール高原の最高峰でもあります。
 
 パミール・アライ山脈の風景に心を奪われながら進むと、徐々にそのレーニン峰の姿が目の前に現れます。山頂付近は激しい氷食をうけ,多くの谷氷河が流れているその山容は、圧巻の一言です。

③KW2A1965(③BC着前のレーニン峰)
【ベースキャンプ到着間際のレーニン峰】


 「早く写真タイムを取って欲しい」と、お客様の心の声が聞こえてきそうな景観ですが・・・
 慌てずともこのツアーでは、その迫力あるレーニン峰の麓に設置された「アチクタシュ・ベースキャンプ」に宿泊、しかも2連泊するのです。

※ここがツアーのポイント!!
 ただ、レーニン峰の景色を堪能するために宿泊するのではなく、アチクタシュ・ベースキャンプで2連泊をし、迫力のレーニン峰の景観と合わせて、周辺に咲き乱れる高山植物の観察など、レーニン峰の周辺の探索もお楽しみいただきます。


 レーニン峰のベースキャンプ滞在の中日を利用して「レーニン峰をはじめとするパミール・アライ山脈を眺めながらのハイキング」をお楽しみいただきます。
 
 朝、ベースキャンプを出発して起伏の少ないルートをのんびりと歩き、徐々にレーニン峰へと近づいていきます。

④KW2A1733(ハイキング)

④KW2A1754(ハイキング)
【周辺の山々を望むハイキングへご案内】


 皆さんの「一歩でもレーニン峰へと近づきたい」という逸る気持ちにストップをかけるのが、周囲に咲き乱れる高山植物の花々です。

 キルギス共和国は半乾燥の草原が広がり、周囲の山々からの水を受け、7月には高山植物が咲き乱れます。
 そうです、キルギス共和国は中央アジア屈指の高山植物の宝庫なのです。

 ここキルギス共和国で咲く高山植物は、後日改めて詳しくご紹介させていただきますので、お楽しみを。
 ひとまず、レーニン峰のベースキャンプ周辺に咲く花々の写真を掲載しておきます。

⑤KW2A1734

⑤KW2A1740

⑤KW2A1745

⑤KW2A1760
【レーニン峰ベースキャンプ周辺に咲く花々】


 午前中、涼しい時間帯のハイキングはレーニン峰をより迫力ある場所から望むポイントまでご案内します。
 特に決まった展望台というポイントはなく、行くところすべてが展望台と言っても過言ではありません。
 
 滞在の中日ということで時間的な余裕は十分にあるため、皆さんの体調や様子を伺いながらゆっくりとしたハイキングが楽しめるのも、このツアーならではであります。

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【徐々に迫りくるレーニン峰(7,134m)】

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【激しい氷食を受けたレーニン峰の山頂部】

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【振り返るとパミール・アライ山脈を遠望】

⑥KW2A1794
【高山植物が咲き乱れるレーニン峰の麓】


 午前中、レーニン峰の景観と高山植物の花々を思う存分楽しんだ後、午後も周囲の探索へとご案内します。

 ベースキャンプ周辺にはキルギス族の方の移動型住居ユルトが点在し、馬などの家畜とともに暮らすキルギス族の方々とのふれあいもお楽しみいただけます。

 ベースキャンプで滞在できる事で、時間の経過により刻一刻と変化するレーニン峰の姿も堪能していただけます。

 テントが並ぶベースキャンプのすぐ脇にある池には、正面に聳えるレーニン峰が鏡のように映り込み、絶好の写真ポイントとなります。
 ここでは「夕焼けに染まるレーニン峰」の景観をお楽しみください。

 これだけ間近でご覧いただけるのは、当ツアーへご参加いただいた方々だけの特典です。

⑦KW2A1889(夕焼けのレーニン峰)

⑦KW2A1890(夕焼けのレーニン峰)
【夕焼けに染まるレーニン峰】


 そして、見逃してはいけないのが「夜のレーニン峰」です。
 月夜の下に聳えるレーニン峰の姿は非常に幻想的で、見逃さずにご覧いただきたい景観です。
 ※撮影好きの方は三脚をお忘れなくお持ちください。

 ダイニングテントの近くの小高い丘の上が夜の撮影ポイントとしては絶好のポイントです。

⑧KW2A1712

⑧KW2A1922

⑧KW2A1926
【夜のレーニン峰】


 トランス・アライ山脈の中央に聳えるパミール・アライ山脈の最高峰であり、パミール高原の最高峰の「レーニン峰(7,134m)」を心行くまで堪能できる「アチクタシュ・ベースキャンプ」での滞在。
 そこでご覧いただけるパミール・アライ山脈の景観、レーニン峰の雄姿は、当ツアーでしか味わう事のできない景観です。


 是非今年の夏は、キルギス共和国へ訪れてみませんか。

 次回は「パミール・アライ山脈に住むキルギス族の方々の生活について」をご紹介したいと思います。

・・・続く。

■夏のキルギスへ訪れるツアーのご紹介
「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」

■春のキルギスもお勧め!!
春のキルギスへ ワイルドチューリップを求めて
※野生のチューリップを求めてキルギスへ訪れてみませんか。

takahashi_saiyu at 09:30|Permalinkシルクロード | キルギス

2016年01月18日

カザフスタンの新名所 アルティン・エメル国立公園

昨年末に発表しました「シルクロードの旅」特集パンフレットで新企画として発表しました、「近未来都市アスタナとアルティン・エメル国立公園」のツアーをご紹介します。

■DSC_8688 シンギングドゥーン
シンギング・ドゥーン
今日はこのツアーの中で、大きな見どころとなるアルティン・エメル国立公園をご紹介します。みどころのひとつは歌う砂丘という意味をもつシンギング・ドゥーン。イリ川の右岸から約2kmの渓谷に位置し、大カルカンと小カルカンと呼ばれる山々に挟まれています。高さ150m、長さ3kmにも及ぶ大きな砂丘。カザフスタン国内でこのような大きな砂丘が見られる場所は非常に少なく、特にこのシンギング・ドゥーンは、乾燥した強い風によって、ジェット機の様な低い音を出すことがあります。世界的にもこのような現象が起こる砂丘は4つしか知られておらず、この砂丘がシンギング・ドゥーンと呼ばれる所以となりました。他の砂丘とは違い、このシンギンドゥーンはその位置や形状を変えず、2つの山の間にずっと位置しています。砂丘に登ると奥にイリ川を望む事ができます。

■DSC_8703
麓に4WDを止めて、砂丘登りにチャレンジ。150mあるので結構しんどいですが、上まで登るとイリ川の展望も広がります。

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夕方になると、ちょうど太陽の光の当たり方も良くなり、風紋もとても綺麗に見えます。周囲にはこの砂丘しかないのも不思議な場所です。

カトゥタウとは“過酷な山”という意味で、火山岩の浸食によってできた山です。火山岩は非常にもろく、外部からの衝撃で容易に壊れてしまいます。長い歳月の間、水や風などによって浸食され、岩は現在みられるような奇妙な形状になったと考えられています。また、古代のテチス海の名残の堆積岩がいくつかの場所に見ることができます。カトゥタウの中央部には狭い渓谷があり、非常に急な斜面を形成しています。

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火山岩が長い歳月の間に浸食され、現在の様な形状となったと言われています。

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自然の芸術品の様な岩。

アルティン・エメル国立公園最大の見所がアクタウ・マウンテン。
最初のストップは様々な色の地層が見ることができる場所です。車を降り、ハイキングをスタート。地質学者も良くこの地を訪れるらしく、ここアクタウは地質学者にとっては宝の宝庫だと言われています。下記は最初のポイントでハイキングしながら眺められる景色です。
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2つ目のポイントではアクタウマウンテン台地の上へと登って行きます。下から見ているととても高く、しんどそうに見えますが、足場が滑りにくく、20~30分程で山上まで上がることができます。登っている道中も景色が素晴らしく、上に上がるにつれて少しずつ風景も変わっていきます。
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一番上まで登った所からの眺め。ここからは360度岩山と砂漠の風景が広がります。

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来た道とは異なる道を歩いて徐々に下山していく。景色はずっと格別です。

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最後のビューポイント。三色の地層が並ぶ不思議な場所。ここから麓まで山を下りていく。

また、10月は道中に胡葉をはじめとして木々が秋色に色づきとても美しい景色が広がる美しい季節です。
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胡葉の黄葉

当ツアーは4月、5月、10月のベストシーズンにのみ設定しております。是非、新たなカザフスタンのツアーをご検討下さい。
※5/17発、10/4発コースは、「マンギスタウ トズバイル塩湖とウスチュルト台地」から続けて本ツアーへの連続参加が可能です(アルマトイ合流)。ご希望の方、詳細な日程・料金はお問い合わせください。


西遊旅行で行く カザフスタンの新ツアー 詳細はこちら
近未来都市アスタナとアルティン・エメル国立公園




yonetani_saiyu at 20:42|Permalinkカザフスタン