2016年02月

2016年02月23日

「詩の都」 シーラーズ

 毎年変わらずのご好評をいただいておりますイランのツアーは、今年もベスト・シーズンを迎えようとしています。春のイランは花に囲まれ、気候も良く、非常に過ごしやすい季節です。

 今回はイラン南西部に在るイラン第2の都市・シーラーズでおすすめの観光地をご紹介いたします。

 日本で「イラン」・「ペルシャ」といえば、絨毯や猫、時に青いモスクや羊のお料理を思い浮かべる方が多いかと思いますが、イラン文化の重要なものの一つに「詩」があります。シーラーズはイラン随一の「詩の都」として有名であり、文学を愛するイラン人学生のみならず世界中からもペルシャ語の詩に触れるべく人々が集まる地です。

 イランで最も名を馳せた詩人のひとりに、ハーフェズがいます。14世紀にイランで活躍したハーフェズは、本名をハージェ・シャムスッディン・ムハンマド・ハーフェゼ・スィーラーズィーといいます。イランの人々の名前には生まれた土地の名などが入り込み長くなることがありますが、彼の名前にもまた生まれ故郷のシーラーズの名が入っています。彼の詩集は日本語にも訳されており、世界中に愛読する方がいらっしゃいますが、彼の詩はその成り立ちやことばの意味の深さ等から非常に難解な詩とされています。同時に、彼が詩に込める「神の意義や女性の美しさ」の表現は、読む者を圧倒させ感動させる力で溢れています。
 シーラーズにある彼の廟には世界中から観光客が訪れ、また現地イラン人の憩いの場となっています。夜には廟とその周辺がライトアップされ、時には伝統音楽の生演奏もされます。

ハーフェズ廟ハーフェズ廟ライトアップ


 ハーフェズと共に有名な詩人に、サアディーがいます。彼もまた13世紀にイランで活躍し、多くの愛読ファンを持つ偉大な詩人です。特に、詩集「ブースターン(果樹園)」と「ゴレスターン(薔薇園)」は彼の代表作として、「愛」をテーマに巧みな詩が並んでいます。彼の廟もまたシーラーズに在り、美しい庭園としても今もなお人々が集まります。

サアディー廟庭園サアディー廟



 弊社「早春のペルシャ」のパンフレットでご紹介させて頂いておりますツアーでは、シーラーズに訪れるツアーを2つご用意させて頂いております。皆様も「詩の都」シーラーズへ訪れ、絨毯やモスク以外の文化にも触れてみませんか。


arima_saiyu at 09:00|Permalinkイラン 

2016年02月01日

夏のキルギスへ ~②パミール・アライで生きるキルギス族の生活と伝統

 大阪支社 高橋です。
 
 先日、久々に日本の国内旅行へ、飛騨高山、世界遺産の白川郷、奥飛騨温泉郷を巡る旅を楽しんできました。改めて日本の良さを感じた3日間でした。 

 本日は前回に引き続き、夏のキルギスを訪れる「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」のコースをご紹介します。

 第2回目の今回は「パミール・アライで生きるキルギス族の生活と伝統」についてご紹介します。

 キルギス族(キルギス人)とは、主にキルギス共和国を中心に、中央アジアに分布するテュルク系民族の事を指し、キルギス共和国の他、周辺の旧ソビエト連邦諸国や中国の新疆ウイグル自治区などにも数十万人が住み、中国では55少数民族のひとつに数えられています。
 キルギス語による自称はクルグズといいます。
 帝政時代のロシア人はカザフ人のことを誤ってキルギスと呼んでいたため、本来のキルギスはカラ・キルギス(「黒いキルギス人」の意)と呼ばれていました。
 言語としては、キルギス語(テュルク諸語のひとつ)を話し、宗教はほとんどがイスラム教を信仰しております。ただ、イスラム化した時期が17世紀頃と遅かったため、地域によってはシャーマニズムなどの自然信仰の要素も残されています。

 キルギス人の多くは,日本人とキルギス人が同じルーツを持っていると考えており、日本人と同様に蒙古斑があります。また、キルギスの方々の間では「大昔、キルギス人と日本人が兄弟で、肉が好きな者はキルギス人となり、魚を好きな者は東に渡って日本人となった」と言われているそうです。

①サリモゴル村に住むキルギス族の家族KW2A2010
【サリモゴル村に住むキルギス族の家族】

 キルギス族の人々は、ソビエト時代に行われたコルホーズ・ソフホーズ主導の大規模な社会主義的機械化農業経営の結果、村に定住・自活するようになり、伝統的なユルトで生活するのは夏の間だけとの事でした。

②ユルトのある風景KW2A1817
【伝統的なユルトのある風景(レーニン峰ベースキャンプ近辺)】

 ツアー5日目、私たちはレーニン峰ベースキャンプを出発し、中国~キルギス~タジキスタンへと延びる幹線道路に合流した直後「サリモゴル村」を訪れ、「アライ・キルギス族のユルト」を訪問しました。

 ここサリモゴル村のユルトでは、アライ・キルギス族の方々が「伝統的な儀式や文化」を紹介してくれました。

 まず初めに紹介してくれた伝統的な儀式は「お嫁さんとして家を出る際の儀式」でした。
 この儀式は、親戚である4人の女性が我が家から嫁ぎ先の家へ向かう1人の若いお嫁さんに対して行う儀式で、お話を聞かせてくれながらその儀式を順序立てて再現してくれました。

<順序としては以下の通りでした>
③髪を結うKW2A1983
①お嫁さんの髪を整え、耳に銀のイヤリングをつける。


④カラックを付けるKW2A1984

⑤カラックを付けるKW2A1992
②「カラック」という婚礼用の帽子や装飾品を頭に飾り付ける。

※これら装飾品は、お嫁さんのために事前に準備をしたり、おばあちゃんやお母さんなどから代々受け継がれた品々の場合もあるとの事でした。

⑥祈りを捧げるKW2A1985

⑦祈りを捧げるKW2A1988
③4人の女性が交互に「幸せになれ」「子供をたくさん産んで」「何があってもこの家に帰ってくるな」
などと唱え(願い)、お嫁さんの頭にスカーフを巻く。


 次にユルトの外に出て、「歩き出しの儀式」をご覧いただきました。
 この儀式は新たな家族となった子供が1歳を迎えた際に行う儀式との事で、昨年訪れた際には1歳の子供はいなかったので、村で一番小さな子供を1歳に見立てて実演してくれました。

<順序としては以下の通りでした>
⑧足を縛るKW2A2003
①1歳になる子供の両足を羊の毛のひもで縛る。
⑨走り出すKW2A2005
②数人の子供が数10m離れた場所から、合図とともに一斉に1歳の子供のもとへ駆け出す。
③最初に辿り着いた子供が、大人からハサミ(昔はナイフだったとの事)を受け取り、1歳の子供のひもを切る。
④その後、母親の補助のもと、1歳の子供が数歩歩く。
⑩祈りを捧げるKW2A2007
⑤最後は皆で祈りを捧げて儀式が終了。

 この儀式をご覧いただいた際、ガイドさんへ「こういった子供の儀式は田舎や小さな村だけで行われるものですか?」と質問をしたところ、都会で生活するガイドさんの回答が「私の子供が1歳になったときも行い、大人も参加してもらいました」というものでした。
 
 「歩き出しの儀式」は、日本でいうところの「お宮参り」や、古くから日本各地で受け継がれている風習の1つである「一升餅」(1歳の誕生日に一升のお米をついて作ったお餅を担がせるという風習。九州では餅を踏ませるというのが多いと九州のバスガイドさん聞いた事があります)にあたる儀式のようでした。

※ここがツアーのポイント
 ただ単にキルギス族の方々が暮らすユルトへ訪問するのではなく、このツアーでは、その土地に住むキルギス族(遊牧民)の方々から直接お話を伺い、キルギス族(遊牧民)の暮らしや生活習慣、さらには伝統的文化・儀式にもふれていただくことができるのです。


 2つの儀式を見学させていただいた後は、ユルト内でお茶や自家製のパンをご馳走になりながら、キルギス族の家族とともに楽しいひとときをお過ごしいただきます。

 その他のキルギス族の方々の生活もいくつか簡単にご紹介します。
(以下はレーニン峰ベースキャンプ付近のユルトで生活する家族を訪問したときのものです)

■自家製のパン作り 
 フェルトで作られた移動式住居のユルト、入口に近い場所に薪ストーブがあり、その薪ストーブの煙は、天窓を兼ねる天井の穴から外へと出すという構造になっています。
 伝統的に「ユルトの屋根は天(空)と同一視」され、その中心にある炉(現在は薪ストーブ)も神聖な場所とされていたそうです。
 この神聖な場所ある薪ストーブを利用して、各家庭ではパン作りを行います。
 毎日作る訳ではなく、家庭ごとに異なるようですが、私たちが訪れた家庭では一回で8日分焼くとの事でした。ちょうど私たちが訪れた日がパンを焼く日で、お茶と一緒に「できたてのパン」をご馳走になりました。
⑪パンを焼くKW2A1818


■乾燥チーズ「クルット」を作る
 キルギス族の方々にとって、馬は移動手段としてだけではなく,馬乳酒(クムズ)や乾燥チーズ(クルット)を作るためにも馬は欠かせない家畜です。
 私たちが訪れたユルトでも、乾燥チーズを作っており、これらは保存食として一回でたくさん作るようです。
 旅人を歓迎するキルギス族の伝統から、私たちにも振舞ってくれましたが…独特の味のため、意見は分かれてしまいます。
⑫チーズを作るKW2A1826


■絨毯を織る
 レーニン峰ベースキャンプ近辺で訪問したユルトには女性しかいませんでした。
 これは男性がどこか遊びに行っている訳ではなく、男性は放牧へ出掛けていたため不在だったのです。
 女性は家で出来る仕事という事で、今回の家庭では外で絨毯を織っていました。長い絨毯は約3ヶ月、この地に滞在する夏の間に織り上げるという事でした。
⑬絨毯を織るKW2A1833


 前回ご紹介した「パミール・アライ山脈・レーニン峰ベースキャンプ」、そして今回ご紹介した「パミール・アライで生きるキルギス族の生活と伝統」
 これらはキルギスの雄大な自然と遊牧民の暮らしや文化にふれるツアーにおける序盤のハイライトです。
 
 ツアー中盤では、キルギス南部からいくつもの峠を越えながら、徐々に北上していきます。

 その道中では、「高山植物の宝庫キルギス」と呼ぶに相応しいほど色とりどりの高山植物が観賞でき、その他、キルギス最大の淡水湖であるソン・クル湖ではユルトでの宿泊もお楽しみいただきます。

 次回からはツアーの中盤でご覧いただける名所の数々を順にご紹介していきますので、是非お楽しみを。

続く・・・。

■夏のキルギスへ訪れるツアーのご紹介
「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」

■ブログ「天山とパミールの懐へ 夏のキルギスアドベンチャー」のご紹介
・【ブログ】夏のキルギスへ ~①レーニン峰ベースキャンプ

■春のキルギスもお勧め!!
春のキルギスへ ワイルドチューリップを求めて
※野生のチューリップを求めて、春のキルギスへ訪れてみませんか。


takahashi_saiyu at 21:48|Permalinkキルギス