キルギス遊牧民

2015年02月02日

キルギスのサリタシュ キルギス族の暮らし

キルギス サリタシュ 西遊旅行 (1)

トランス・アライ山脈の麓「パミール・アライ」の村サリタシュ
キルギスは中央アジア5カ国の中で最も面積がせまい国ですが、私たちにとっては広大な山岳地帯と草原を持つ大自然の豊かな国。7つの州があり、このサリタシュ村はオシュ県の最南部・タジキスタン国境にあります。通常のキルギス観光ルートから離れるため訪れる人は少なく観光地としては発達していないため、宿泊も「民家ゲストハウス」。キルギス族の家族が出迎えてくれるのです。

標高3,000mほどの草原には豊かな放牧地が広がり、そこに住居とユルト(移動式住居、キルギス語でボズ・ウィ)をたて馬やヤク、ウシを飼い暮らしてます。この「パミール・アライ」に暮らす自分たちこそ「キルギスの中のキルギス」と自称するほど、今でも馬などの家畜とともに暮らす生活が保たれています。

本来、キルギス族は一年中ユルトでの生活を行ってきましたが、ソビエト時代に行われたコルホーズ・ソフホーズ主導の牧畜の管理の結果、村に定住するようになり伝統的なユルトは夏の間だけ利用される放牧用の住居になってしまいました。 サリタシュ付近では6月半ばから9月初めの短い夏の間、草原に放牧用のユルトが建てられます。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (1)

サリタシュの町 トランス・アライ山脈の麓でキルギス族の定住村。郊外の草原に放牧のためのユルトが立ち並びます。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (8)

サリタシュからはトランス・アライ山脈の最高峰でありキルギス第2の高峰レーニン・ピーク7,134mを望むことができます!

キルギス サリタシュ 遊牧民 (9)

本来遊牧民であるキルギス族にとって家畜は大切なもの。パミール・アライではヤク(高地)、馬が放牧されています。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (10)

サリタシュにあるキルギス族の墓。葬式の日に殺されたヤクや馬のしっぽが神聖な印としてつけられます。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (15)

オシュへむけて移動を始めると道の両サイドの山の斜面に夏の放牧用に立てられたキルギス族のユルトを見かけます。

キルギスのユルト(ボズ・ウィ)は「灰色の家」という意味で、この「灰色」はフェルトのことを指します。フェルトは羊毛を毛羽立たせて均等な厚さになるようにおき、お湯をかけながら巻き上げ、固めていく手作業で作られたフェルトは丈夫で、ユルトの表面の覆いとして5~10年は使用されます。 一部ではキャンパスやテント地の導入がはじまっていますが、ここでは手作りのフェルトのユルトを見ることができました。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (3)

ユルトの入り口に立つ子供たち、日本の昔の子供のようです!

フェルトのアップリケのほどこされた入り口から入ると、入り口に近い中央右手にストーブがあり、そのストーブの煙が、天窓をかねる天井の穴から出されるようになっています。伝統的にはユルトの屋根は天と同一視され、その中心にある炉(現在はストーブ)も神聖な場所とされていたそうです。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (12)

ユルトの中へ・・・私たち日本人がユルトを見つけて訪問すると、暖かく迎えてくれるキルギスの人々。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (2)

手作りのヨーグルトを食べてみなさい、とお母さん。

馬乳酒・クミス、ヨーグルト・クルト、生クリーム・カイマークとナン。次々と手作りの乳製品でもてなしてくれ、さらには外国人の訪問を聞いた「ご近所さん」もやってきます。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (11)

乾燥チーズ、クルト。日本人のお口にはあまり合いませんが・・・
こういった乳製品をキルギス人に販売もしているのですが、外国人の訪問は彼らにとってはちょっとしたイベントのようです。
「来年の夏もまたきてくれる?写真持ってきてくれる?私たちは毎年この場所にユルトをはるのよ」
この気持ちを裏切らないように、一年後、この場所を訪問する添乗員・ガイドさんにしっかり託さねば・・・という責任感を感じます。

さらに南下すると、ユルトのそばで料理をしていました。キルギス族の大好きな「ベシュバルマク」と「パラオ」。
「パラオ」は炊き込みご飯で、にんじんなどの野菜と肉の旨みがたっぷりのご飯です。そして「ベシュ・バルマク」は“遊牧民料理”の代表格で、羊やヤギ、馬の煮込み料理です。「ベシュ・バルマク」=「5本の指」の文字通り、手で食べることからついた名前です。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (13)

パラオづくり

キルギス サリタシュ 遊牧民 (5)

ベシュバルマク・・・羊の「すべて」が入っていました。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (7)

そして、おもてなし。揚げパンとクリーム、馬乳酒を持ってきてくれました。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (6)

家族で見送ってくれました。

さらに道を進めると、ブズカシを楽しむ人々と出会いました。ブズカシは本来、頭を落としたヤギを2つの騎馬グループが奪い合うものですが、最近は代替のものを使ってゲームもしているようです。

キルギス サリタシュ 遊牧民 (14)

そして、キルギスの「おもてなし」に感謝しながらオシュをめざします。

キルギス サリタシュ 西遊旅行 (2)

来年もまた来てね!

Photo & Text by Mariko SAWADA 澤田真理子

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2015年01月26日

キルギス カルカラ谷滞在 フラワー・ウォッチングとキルギス族のユルト

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (6)

キルギスとカザフスタンとの国境、カルカラ谷。ここは天山ヘリフライトのベースキャンプでもあり、天山の裾野に暮らすキルギスの遊牧ユルトの訪問やフラワー・ウォッチングが楽しめる谷です。

宿泊するカルカラ・ベースキャンプの周辺はキルギス族の定住の家が点在していますが、少し奥へ行くと、キルギス族の放牧地です。
キルギス族といえば「遊牧の民」。しかしながらキルギスではソ連時代の定住化政策、国家主導の牧畜の管理の結果、本当の遊牧の暮らしをする人たちはもういません。現在は、夏の間に伝統的な移動式住居ユルトを建て、放牧地を移動しています。

カルカラ谷のキャンプから郊外の放牧地を訪問しました。以前は山の奥まで移動して放牧が行われていましたが、今はユルトを車で運んで組み立てるため、車でいけるギリギリの場所にユルトを建て放牧しています。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (1)

谷間に放牧される、ヤギ・羊たち、のどかな景色です。


キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (2)

お日様のもと、ごろごろする馬たち。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (5)

まさにキルギスの子供!さっそうと馬を乗りこなす少女。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (4)

この家畜達のオーナー夫人が私たちをユルトへ招待してくれました。キルギスの「おもてなし」です。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (11)

中は何やら小宴会の様子。久しぶりに集まった親戚の集いでした。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (12)

私たちにももれなくクミス(馬乳酒)のおもてなし。実は苦手です。これ以上中にいるともっと飲まなくてはならないので御礼を伝えて外へ。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (3)

最後はみんな出てきて見送ってくれました。キルギスの人たちのおもてなしに、感謝です。

このユルトの放牧地からカルカラ・ベースキャンプにかけ渓谷沿いに歩いてみました。もう8月に入っていましたが、まだ野花が小川のふちを彩っていました。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (17)

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (18)


ここからはカルカラ谷ベースキャンプの紹介です。
ここは基本的にはヘリフライトで南イニルチェク氷河ベースキャンプへと向う登山者のために作られたキャンプです。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (9)

夕方のキャンプ。電気があり、夜は明かりがつくし、充電もできます。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (19)
テントの中には簡易ベッドが。この上に寝袋で寝ます。そして共同トイレ。比較的きれいにメンテナンスされていました。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (7)

ヘリポート(野原)はキャンプの横。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (10)

ダイニングの様子です。ここでは宿泊客はいっせいに、朝の8時、昼の13時、夜の19時に食事をします。時々在庫が切れますが、ビール、ウォッカもあります。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (16)

宿泊客のほとんどがヨーロッパの登山客のため、西欧・ロシア料理が基本です。ハンバーグとポテト・ピューレ。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (8)

野菜たっぷりのパスタも。昼食がたっぷり量で、夕食は少なめのロシア・スタイルです。今回の滞在はヘリフライトの待ち時間が多かったため、食事が楽しみのひとつでした。

キルギス カルカラ谷 西遊旅行 (15)

たっぷりの昼食後は、木陰でお昼寝・・・。

Photo & Text by Mariko SAWADA 澤田真理子

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