ウズベキスタン

2011年06月16日

サマルカンド・ブルー ~強者どもが夢のあと~

中央アジアの宝石と呼ばれたウズベキスタン・サマルカンドのお話です。

ウズベキスタンの首都タシケントから南西300km、ハイウェイや空路のほかに鉄道でも首都と結ばれています。アレキサンダー大王のアジア遠征の際や、中国の古文書にもその名前はでてきており、シルクロードの中心地として知られましたが、その古代サマルカンドの丘(アフラシャブ)はチンギスハンの侵略により廃墟と化しました。

14世紀のティムールの時代に丘の麓に新しいサマルカンドの町が形成され、ティムールとその孫ウルグベクによって建築活動は進められ、ホラズム、インド、イラン、アゼルバイジャンなど帝国の各地から建築家や技術者、職人がサマルカンドの装飾を手掛けました。短いながらも世界帝国の首都にふさわしい壮麗な時代の建築群は、今に残ります。当時のアラブの旅行家によると「人間がかつて目にした一切の景色の中で最も素晴らしい景色であった。それは木々の新鮮な緑、輝く城、流れる運河、そして果てしなく続く耕地であった」、といいます。

青いドームが印象的な「グル・アミール廟」もそのひとつ。突き抜けるような青空に、64本の肋骨状の青いタイルを持つ重厚なドームが、見る人に迫力を与え当時の帝国の力を感じさせます。

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しかし支配者だったティムールが亡くなると、帝国は、巨木が倒れた後の地響きのように、たちまちその息子たちオマル・シェイフ、ミーランシャー、シャー・ルフによって後継者争いが起き、各地でも反乱が相次ぎます。その後シャー・ルフの息子ウルグベクが権力の座に就き帝国は再び安定します。

霊廟のなかにはティムールやウルグベクのほか、血で血を洗う激しい争いを繰り広げ、敵対し合ったティムールの息子たちも、同じこの墓の中で今は眠っています。

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グルアミール廟は夜のライトアップもきれいです。フリープランで夜の自由な時間をお楽しみいただけます!

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ヒヴァの格闘家 パフラワーン・マフムードにあやかる

ウズベキスタンの世界遺産ヒヴァの話をもう一つ。

イチャンカラ(内城)の中心に墓地があり、その静寂の中にパフラワーン・マフムード廟があります。ちょうど金曜モスクの裏側にあり、このヒヴァの守護聖人の霊廟には地元の参拝客が後を絶ちません。13世紀ごろに活躍した人物で、哲学者であり、詩人であり、また格闘家でもあった文武両道の大豪傑です。ヒヴァのあるホラズム地域だけでなく、インドまで遠征したという記録も残っているそうです。

中庭には聖人の近くで眠りたいと、ここを墓廟とした地元の名士の墓や、飲むと男の子は力持ちに、女の子は美人に、という聖水の湧く井戸(しょっぱい)、また夏用につくられた屋外のモスクもあります。美しいタイルの正面の入口をはいると丸天井のある四角い広間になっていてここではウラマー(イスラム教の聖職者)が参拝者に説法を行っていました。

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広間の左側には象牙をちりばめた古い観音開きの木製の扉があり、そこをはいると、落ち着いた色調のタイルの壁に囲まれた高い丸天井の礼拝所があります。その向こうに格子を隔てて彼の墓石がありました。ひんやりと涼しい礼拝所には篤い信仰が今も息づいていました。

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金曜モスクにマフムードがインドから持ってきた柱が!?直行便利用だと8日間でお楽しみいただけます!

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2011年06月15日

ヒヴァの金曜モスク ~柱に見るシルクロード~

ウズベキスタンの首都タシケントから国内線で1時間半、ウルゲンチ空港に到着します。今回取り上げるヒヴァの町はそこから車で小1時間走ったところ。

18世紀以降につくられたモスクや神学校、宮殿などが現在もイチャンカラと呼ばれる城壁の中で保存され、1991年にはウズベキスタンで最初の世界文化遺産としてユネスコに登録されています。周囲2kmの城壁の上を部分的に歩くこともでき、その中にある50以上の歴史的な建造物を眺めることができます。

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ヒヴァの内城をながめる

その中でも一番古いと言われているのは10世紀に建てられた金曜モスク。修復が行われていますが、神秘的な暗いモスク内には3m間隔で並んだ218本の柱があります。最古のものは10~13世紀にさかのぼり、その特徴は球根のように柱の基礎に向かって下がる大きな葉の形の浮彫です。この植物文様はパルメッタよばれ、ギリシアの陶器にも描かれ、西アジア、中央アジア、とつたわりました。法隆寺西院伽藍の瓦にも「忍冬文軒丸瓦」という名前の葉っぱのような模様があるそうです。当時の流行は国を越え、宗教を超えてシルクロードを伝わったようです。現在もたくさんの地元の人が礼拝に訪れていました。
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金曜モスクの中の様子 


ウズベキスタン、どうせ行くなら「まるごと9日間」で世界遺産を全部見よう!

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2011年05月12日

ウズベキスタンの彩。

こんにちわ!東京キャラバンデスクの森本です。
皆様ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか??

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私は4月、中旬とゴールデンウィークと、2度ウズベキスタンに足を運びました。
丁度季節の変わり目にあたり、また赤いけしの花が咲き始めたウズベキスタンの魅力を一部お伝えしたいと思います。

現在ユーラシア大陸の中央に位置するウズベキスタンは、まだウズベキスタンという国でない時代、約2000年以上も前からにシルクロードの要衝として栄え、以降、征服者によって破壊され再生されを繰り返してきた、長い歴史をもつ国です。

青の都サマルカンドに代表されるウズベキスタンの代表的観光地。
レギスタン広場にある3つのメドレセもさることながら、シャーヒジンダ廟群のモザイクもそれは美しく並んでいます。
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空の青とモザイクの青、れんがの建物に派手好きな現地の人達の衣装、沢山の色が溢れています。

人懐っこい現地の人達は観光地で私達外国人客を見付けると、自分の携帯を取り出しては「一緒に撮って!」と寄ってきてくれます。なんだか私達が観光されている気分です。
各地から参拝、観光に訪れている地元の人達はどれも一張羅を着ておめかし。
小学校の社会見学らしき子達もいました。
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ところかわってこちらはレギスタン広場にある3つのメドレセの一つ、ティラカリメドレセの内部、天井の装飾です。ティラカリ=金で覆われた、という意味の名のこのメドレセ一番の見所、モスクのミフラーブ(メッカの方向、壁にあるアーチ型のへこみ)周辺の細工は是非ご自身の目でお確かめ下さい!
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ウズベキスタンで代表的なお土産の一つに陶芸があります。
青一色、緑一色、茶色一色、カラフルなものもあり、地方によって様々、形や模様も異なり、一つ一つ手作りされたその陶芸、一つ一つに色々な意味が込められています。
写真はサマルカンドのお土産屋さんにて。
お皿の柄は一見素敵な模様に見えますが、なんと真ん中のドット=誕生から始まり、外に向かうにつれ、人が成長していく姿を表しています。
また、魚があまり取れない地方であるにも関わらず、魚型にくりぬかれたお皿も見かけられます。
陶器の由来は一つの昔話だとか。
「昔大変仲の良い友人2人がおり、その1人はある日川で大きな魚を釣りました。彼は友人を食事に招待します、美味くて大きい魚が釣れた、と。しかし招かれた友人はこう言います、魚ではなく、その大きな魚を釣った技術を僕に教えてくれと。」この昔話の意味するところは・・・?
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もう1つ代表的なお土産は鮮やかで可愛らしい草花の刺繍、スザニです。
絹、綿の布に施された刺繍は各地で見かけられます。
よく見かけられるモチーフは豊饒を意味するざくろです。
最近では機械織りのものもありますが、やっぱり温かみのある手作りは、値ははりますが一点ものの価値があります。
こちらもお気に入りを是非探されてみてはいかがでしょう?
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おまけ
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