幻想迷走日記

…体は本でできている 心は紙で 血潮はインク 幾たびの誘惑を越えられず腐敗 ただ一度の買い逃しもなく ただ一度の売却もなし 読み手はここに独り 本の山で頁を捲る ならば我が生涯に 嫁は不要ず この体は…無限の本でできていた… ラノベとまんがで給料をほとんど消費する漢(修行中)、サカエモンのレビューとかデス(こっちも修行中)未熟ゆえネタバレありで。

ガンズ・ハート

面白かったラノベ その71(5)

……最後の最後に『これから』が気になる終わり方。
この星での戦いは終結してるんだが、まさかこう来るか……。

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ガンズ・ハート5

東西戦決着――新しい時代の始まりな最終巻。

「まさか……援軍が来る可能性があるとお考えなのですか」
「そう、その可能性を捨て切れない……」
東域の最高の天才VS西域最大のバカ!
現場で工夫しながら死地で戦うケリン達。天才相手にハッタリかけて命がけで信じさせようとするバカ達です。
その場で臨機応変に予想不可能な行動を取ってくる相手は厄介だΣ(´∀`;)

「そうか……カルタが来るんだ」
カルタ君、別行動しながらケリンに協力しようと電撃戦決行。相変わらずの好敵手っぷり!
直接の援軍は無いが、友を信じて粘るケリン達です。
戦線は後退。敵の心理戦。武装解除するしかなくなり、街の外に出ることになるケリン達は……敵軍に向かって退却(笑
バカが伝染している銃士隊、見事にケリンに続きます。ミントの言葉に市民たちも続きます。
そして、戦いは……まさかの自然災害でお流れΣ(´∀`;)

「なぜ……そこまで我々のために……」
「だって、戦争は終わったんだろ?」
二国の戦いは休戦へ。
ここにきて初めて顔を合わせるケリンとシンルー。それまでの戦いを忘れて、笑って送り出してくれるケリンの『計算しない生き方』を心底羨ましく思うシンルー。侵略者を不法入国者扱いして国外追放するケリンに泣きながら笑って帰って行きます。
カルタの方は……攻めに行ったのに災害救助な人助け。捕まったけど、賓客扱いで帰還。

「ううん、違うの……なんでかわかんないけど……急に涙が出ちゃったの……なんでだろう……変だな私……」
「あ、いや、別に変じゃない……えーと、あれだよ、きっと何かに気が付いたんだよ。なんだかわかんないけど、それはきっと、凄く嬉しいことなんだよ、だから嬉しくて涙が出たんだと思うぜ……」
ラスト――戦争の終わった平和な一時。心を通じ合わせた感じのケリンとミント。
そこで終わりかと思ったら……最後に、惑星単位の何かが動き出した感じでEND。

感想
臨機応変に戦うバカと、計算して戦う天才の戦い。
天才の方の視点で語られていくと主人公ケリンの行動が面白くてGOOD。敵方視点は主人公が際立ちます。

ただ、この巻で終わらせるためか、最後は後腐れのない自然災害が炸裂。
お互いに協力できる環境はできたけれど、唐突感はありました。敵もいなくなって普通に終わるかと思ったら最後になんか動き出して……って言うのは、ワシとしては要らんかった気がしますが、直前のケリンとミントのあたりまでは良い感じでした。

このシリーズを読んで、ある程度技術が遅れている時代設定で、技術革新で勝ってく話は面白いと知りました。

面白かったラノベ その71(4)

新たなライバルは知的な天才。

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ガンズ・ハート4

二つの国の戦争開始な4巻。

「仕事だ、と言う割にはずいぶん楽しそうに見えるが?」
「ええ、仕事というのは楽しんでやるものです。苦しんだり嫌々やったのでは、仕事ではなく苦役ですからね」
西域国の技術革新は進み、”鉄”を西域からの輸入に頼ってる東域国は足踏み状態――って事で教団の後ろ盾も得た東域国が宣戦布告までいきます!
率いるのは”悪”な知恵者シンルー。悪い意味で人を人と思わない天才です。

「そりゃあ兵隊連中は喜ぶかもしれないけれど、国の中がこんだけ大騒ぎになってる最中に、半日の休暇をやったなんてことが方面軍のお偉方に知られたらお前……」
「どうにかなるのか? たかが俺とお前が処分くらうだけのことじゃねえか。俺とお前の二人の処分で、うちの連中二百人が喜べば安いモンじゃねえか、二対二百だ、割に合う」
対するケリンは警戒待機命令でてても部下に休暇だすような……あくまで”人”中心な考え方。
大人になんかならないよ~♪ って感じで、中身は十分大人なのです。

「俺は、この戦争の理由をずっと考えていたんだ。東域国が西域国に文句を言っている最大の理由は、技術の独占じゃない、鉄なんだ!」
「鉄?」
戦争の”目的”が違えば”狙い”も変わる――東域の目的は王を倒すことじゃなくて、鉄をゲットすること。
標的は――ケリン達のホーム。鉱山と製鉄所のある『グレンダラン』!
考える敵に対してハッタリ作戦用意して、戦いが始まる……ってトコで続く。

感想
今までダメな意味で人を人と思わない奴は出てきましたが、今度の敵は悪い意味で人を人と思わない奴でした。
しかし、相手がどんなに頭良かろうが、読んでるとケリンが負ける気がまったくしない……この安心感がワシは好きさ。ドキドキハラハラって感じはしないけど。

しかし、二つしか国がない狭い世界なのに、物資をめぐって戦争とは……人が二人居れば戦争は出来るってことか……やるせねえ。
まあ、その分、お互いの考えや、掲げるものがあって、前回の機械相手より盛り上がりそうな感じでOKでした。

面白かったラノベ その71(3)

プログラム通り動く機械の死角――それが勝利の鍵!

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ガンズ・ハート3

敵は世界の裏の支配者(でもない)――あたまでっかちな『知の教団』な3巻。

「いえ、今度の相手は……教団です」
生き残って英雄になったケリン。中身は変わらず、責任感あるガキ大将!
認められたミント。世界の技術を管理する『知の教団』からの糾弾――やってられるかと反逆です。
知の教団の切り札はオーバーテクノロジーな兵器。立ち向かうための鍵はケリンの親友D・D……D。

「……運の良さも、また才能なのかもしれんな」
重要な役回りを請け負うのはケリン達グレンダラン守備隊。
物語の核に近づける才能――主人公の”運命”です。
機械仕掛けの敵に対し、ムカデ競争で対抗とかパンツ一丁とか機械の裏をかくレジスタンス戦法!
……戦場はパンツ一丁の男達のモノです……姫様っΣ(´∀`;)

戦いは勝利するも、まだまだ不安要素はいっぱい……って感じで続く。

感想
今回は一冊で一段落。
敵は技術力はあれども、ちょっと思考停止してるおバカなのでそんなに強敵に思えなかった感じ。
……機械がどんなに凄くても大事なのは使う人間って事ですね。

しかし、もっと大きな敵かと思ったら、思った以上にちっちぇー組織だったぜ『知の教団』。
やはり本命は裏で支配する奴等ではなく、同じ立場の東の人間って事ですな。
……この作品、一部を除く偉い人間がダメダメで腐っておりますので敵には困らないΣ(´∀`;)

英雄は無能者のツケで生まれる。……嫌な真理だ。戦場に理想は持ち込んじゃダメって事か。

面白かったラノベ その71(2)

技術の進歩――それは出来無い事が出来るようになるという事。
……つまり『不可能』を『可能』にするということである。

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ガンズ・ハート2

自然の脅威VS人間の力――決着の二巻。

「戦うのは百人だけって、誰が決めたんだ?」
敵は原住生物十万頭――迎え撃つはケリン率いる銃士隊107名と地方都市グレンダランに住む全員。
平民には銃を撃たせちゃいけないなんて規則はクソ食らえって感じで、生き残るために協力です。
その心意気にうたれて――

「はい……これ、隊長さんが欲しいって言ってた連発銃よ」

――ヒロイン・ミント、この世界では禁忌な改造銃提供。
そして、いざ開戦――籠城し、連発銃の威力で優位に立つも、数の暴力は侮りがたく、だんだんと追い込まれていく人々。
籠城ってことは逃げ場がないわけで、救援を待ちながら戦うわけです。そちらの方は王都でケリンのかってのライバル・カルタが頑張るのです。
…………”敵味方”の関係、それは”敵”であると同時に”味方”でもあると言う――それが好敵手(ライバル)。

「十二頭目! さあ次だ!」
戦いの中、逃げ遅れた人を助けるために死地へ飛び込むケリン。
ミントを守りつつ、追い詰められても最後の最後まで戦う彼等のもとに……蒸気車に乗って救援到着!
……この後もスタンピードは一ヶ月続いたらしいけど、ひとまずここで決着。

「銅像ってのはな、なぜ、ここにこの人の銅像があるのか? と聞かれるより、なぜここにあの人の銅像がないのか? と聞かれる方がカッコいいに決まってるからさ」
その後、ケリンのそういうカッコイイ理由でグレンダランの広場に『銃を持った女神像』が立てられました。
戦いの中、ミントを女神扱いしてたケリン……つまりそういうコトです。

連発銃によって救われた人々、次はその”チカラ”が原因でなんか起こりそうな感じで続く。

感想
主人公のカリスマ、それを支えるヒロインの技術、最後を助けるライバルの頑張り……GOOD!

一巻ではあんまり目立った感じの無かったライバル・カルタ、なんか良い役回り。戦ってるケリンとかよりも地味だけど、かって敵対していた相手を助けようとする”好敵手”な関係は痺れるわ!
銃という命を奪うための武器を作るミントの悩み。ケリンは正しい使い方をすることでミントの心を救ってる感じなんだけど、その他の皆様に不安要素がありすぎて困る。……命を数で計っちゃダメなんだΣ(´∀`;)

絶対の危機をうまく越えていく話の流れが魅力的。これが救世主や山猫姫に繋がるんだな~。

面白かったラノベ その71(1)

鷹見先生の作品は主人公達の作戦が見事に成功するから読んでて楽しい。

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ガンズ・ハート

星間移民した人類の物語……SFロストコロニーもの?
物語開始当初は文明レベルが操作されてて武器は単発銃止まり。
そこから”自力”で技術革新して戦いに勝利していくお話です。

「そこの田舎娘、ちょっと離れてな。こいつら見た目は人間だが、頭の中は性欲と食欲しかねえんだ。おまけに考える能力はエズオルと変わんねえ。何するかわかんねえからよ」
下級士族の不良グループのリーダーな主人公・ケリンが対抗組織の下っ端連中から田舎娘なヒロイン・ミントを助けようとしたら王都を巻き込む大事件に発展……その結果、ケリンは地方都市の百人隊長に出世しましたってスタート。
……もっとも配属された部隊は問題児だらけなのであんまり羨ましがられることもないのである。

「総員! ケリン隊長にぃぃぃい敬礼ッ!」
問題児達を相手に拳で語り合い、胃袋を掴み、心も掴む――短期間で見事にリーダーとなる元ガキ大将。
でもどこにでもダメな人間はいるもので……隊の金を持ち逃げされて、隊員に給料払うどころじゃないって危機に。
隊長、仲間たちの食い扶持稼ぐために、こっそり猟師のアルバイト……誇りで部下は養えねえ(涙
バイト中のアクシデントで銃が故障して、直しに行ったらヒロインと再会。険悪な雰囲気になるも和解。連発銃へのフラグ立て。

「スタンピードだ……」
そして、部下達の理解も得られ、なんとかなりそうだと思ったら……原住生物『エズオル』の大増殖って大事件発生!
ケリン達の生き残るための戦い開始――って感じで続く。

感想
上手く行き過ぎるくらい上手く行く主人公のサクセスストーリー(ちゃんと努力はしてます。

一巻だけど続くだったΣ(´∀`;)
でも、ケリンがどうやって隊長になったのかとか、どうやって隊員の心を掴んだのかとかが読んでて面白いのです。
ここまで隊員の心を掴んでいれば、次回からの戦闘でケリンの為に戦ってくれること間違いなしって感じで期待が高まるのサ!
連発銃が勝利の鍵って伏線もあるし、良い感じ。

困難はあれども挫折はしない。きっとうまくいく……そんな安心感のある物語でオススメ。
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