元騎手・坂井千明の乗り役流儀~騎手にしかわからないことが、ある。~

直線の駆け引きが明暗を分けたミッキーロケット

今回は日経新春杯の回顧をしていこう。

ミッキーロケットは、普段はもっと後方でじっくり構える馬なんだけど、今回はいつもよりポジションを取りにいく競馬。3~4コーナーで徐々に前に競りかけながらも、直線を向いたときに焦ってスパートしなかったのがよかった。一旦はシャケトラに交わされかけたけど、追い出しを待ったぶんだけ脚が残って、最後もうひと踏ん張りできてるからね。脚質転換と直線の駆け引きを合わせて和田の好騎乗だよ。追い切りの動きがイマイチな中でこれだけやれるのだから大したもの。菊花賞では結果が出なかったけど、やはり長い距離があっているみたいだ。

シャケトラは、一周目のホームストレッチから向こう正面までハミを噛みっぱなし。それで勝ち負けに持っていくんだから実力があるのは間違いないけど、あれだけ道中で力んだら最後の追い比べで負けても文句は言えない。気性的には中距離向きだろうね。ただ、マンハッタンカフェ産駒らしくトモの緩いところがあって、陣営は長距離を選択しているんじゃないかな。今のままだと厳しいけど、まだ明け4歳で経験も浅い。前にカベを作って折り合わせるようなレースができるようになれば、もっと強くなってもおかしくないよ。

モンドインテロは、いつもどおり中団に控えてソツのない立ち回り。どんな条件でも堅実に走る反面、重賞にいくとワンパンチ足りないところがあるけど、今回もまさにそんな競馬だったね。この馬なりに脚は使っているから、良くも悪くもこんなものだろう。重賞で勝ち負けしようと思ったら、最後方からいくか反対に一転して逃げるとか、どちらにしても極端な競馬をしないと厳しいような気がするよ。

レッドエルディスとは、位置取りがちょっと後ろ過ぎたね。四位が馬をカッとさせないようにゆったり乗っていたようだけど、あそこからだと届かないよ。ゼンノロブロイ産駒は先頭に立つと遊ぶようなところがあるから、あえて最後方近いポジションを選択しているのかもしれないけどね。まあ、馬券圏内は外したとはいえこの馬の競馬は十分にできているし、上位2頭と同じくまだ4歳。馬体もまだ成長が見込めるから、今後に期待していいと思うよ。

カフジプリンスは、モンドインテロと同じく中団から無難な競馬。直線で伸び負けたとはいえ、やっぱりこの馬なりの競馬はできてるんだよね。もっと力をつければ変わってきてもおかしくない。それにしても、京都金杯に続いて今回も4歳馬が上位をほぼ独占してる。よっぽど粒ぞろいな世代なんだろう。

一番厳しい競馬になったのはヤマカツライデン。スーッとハナに立てたまではよかったけど、その後番手の馬につつかれて、3~4コーナーで早めに並ばれるキツい展開。逃げ馬はアレをやられるとダメなんだな。それでも6着に粘っているのだから、間違いなく力はある。展開次第の面はあるけど、この敗戦で見限ることはないと思うよ。レーヴミストラルは調教の動きがイマイチで、今日も直線でまったく伸びてこなかった。追い出すと突っ張るような走り方になるから、馬が走るのを嫌がっているんだろう。58キロも重すぎる。動きが変わってこないと一変は難しいだろうね。

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コマノインパルス勝利は乗り役の好騎乗

続いて、日曜の京成杯だね。

コマノインパルスは、田辺の好騎乗が光ったね。行きそうな馬が行かなくてペースが遅かったのもよかったんだけど、3~4コーナーあたりから徐々に手綱を動かし始めて、スパートすると一番いい伸び脚で突き抜けてる。競馬に慣れていない馬はゴーサインを出しても反応が悪いことが多いんだけど、彼は若駒の経験不足を補ういい乗り方をした。そういうことだよ。ただ、馬だけの話をすれば、クラシックで勝ち負けするような器の大きさは感じない。他のメンバーもそこまで揃ってないしね。乗り役に素直なところは長所だと思うから、距離延長に対応できそうという気はするけど…。

ガンサリュートは、序盤から無理せず中団に構えて、ギリギリまで脚を溜める競馬。おそらく距離に不安があったから、スローの流れでも動きを入れなかったんだろうけど、それがいい方に出たんじゃないかな。北村(友)は何度も乗って馬のことを知ってるし、経験も他の馬に比べて積んでるからこういう戦法が取れるんだよ。まあ、未勝利戦でリスグラシューやカデナあたりといい競馬をしていたから、7番人気は過小評価だったともいえるね。ただ、やっぱり距離は2000mがギリギリ。走りに硬さのあるタイプだし、今後はもう少し距離短縮したほうが良さそうだね。

マイネルスフェーンは、内枠からロスなく運べていたんだけど、直線で進路をなくしたのが痛かったな。外に切り替えてからはよく伸びていただけに、スムーズならもっと際どい勝負だったと思う。上位2頭とは展開次第で逆転可能だろう。ペースが落ち着くと周囲の馬も勝負どころで動いてくるから、あのポジションだと進路がなくなってしまうんだよな。まあほとんど2枠2番だからどうしようもないところはあるんだけど…。前回の追い切りより動きが悪い中でこれだけやれたんだから、そのあたりを立て直せば面白いかもしれないね。

ジュニエーブルは、連闘で調教の動きが見れなかったんだけど、終いに徹してそれがハマった感じ。使い詰めているぶん陣営も無理な競馬はしなかったんだろう。正直クラシックでどうこうという感じはしないなあ。

アサギリジョーは、中団前よりのポジションから速めに動いたんだけど、最後は息切れして尻すぼみ。展開が向かなかったぶん、負けたとはいえ挽回の余地はあるかな。ただ、まだ馬が若くて追い切りでも力強さが出てこない。今後の成長次第で変わってくる可能性はあると思うね。

ハナに行くかと思ったアダムバローズは、変に抑えてしまって力を出せなかった。マイペースでゆったり走らせれば一変があるかもしれない。直線で不利を受けたサーベラージュも、まだ馬が出来上がっていない感じだから、今回は負けたけどいい経験になったんじゃないかな。前走も能力だけで勝ってしまった印象で、今後の成長次第だと思うよ。休み明けのイブキは、序盤は流れに乗れていたんだけど、勝負どころで追っつけても進んで行かない点が気になった。あれは久々のレースで馬が走るのを嫌がったんだね。ここを叩いた次は変わってくると思う。ただ、前走の時もそうだったんだけど、奥のある走りはしないんだよな…。

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脚質転換がハマったマキシマムドパリ

それでは早速、いつもの重賞回顧をはじめて行こう。まずは土曜の愛知杯から。

マキシマムドパリは、いつもは先行する馬なんだけど、今回は出たなりに中団後方で脚を溜める競馬。岩田が欲を出さずにジックリ構えたぶん、最後のものすごいキレ味が出たんだろう。脚質転換がハマったね。GI3着の実績があるのに、トップハンデから2キロも少ない53キロも追い風になった。走りに硬さのある馬だから、パンパンの良馬場より雪の影響で時計のかかるの中京もよかった。軽い馬場だとポカをやる可能性はあるけど、今回で勝ち方を覚えただろうし、素質は高い馬だから今後の重賞戦線も期待できるよ。

サンソヴールは、先週の追い切り診断で有力馬の1頭に上げてたけど、やっぱり今は体調がよくなっているみたいだね。逃げ馬から少し離れた番手の位置は、実質的にはマイペースの逃げみたいなもの。流れも落ち着いたから気分よく運べて、直線に入ってからも垂れなかった。52キロの軽ハンデもよかったんだろう。ただ、3着以下との着差はわずかだし、馬がガラッと変わったわけじゃない。展開・馬場・体調面のすべてがハマった上での好走で、自己条件で他馬と同じ斤量に戻ればやっぱり厳しいんじゃないかな。

クインズミラーグロは、最内枠からゆったり先行して、そのままゴールまで流れ込んだ感じだね。ジョッキーは「馬場を苦にした」と言っていたけど、前走も“良”の発表とはいえ力のいる馬場だったから、相対的には重馬場巧者なんじゃないかな。マキシマムドパリと同じでキレ味抜群というタイプじゃないだけに、この馬もパンパンの良馬場に出たら怪しいところがありそう。

マラムデールは、50キロの軽ハンデが大きかったね。序盤からラチ沿いにピッタリ張り付いて、ロスなく運んだのもよかったんだろう。最後も伸びたというよりはなだれ込んだという印象で、力を証明したわけじゃない。自己条件に戻ったら着が精一杯じゃないかな。

アンジェリックは、これもマラムデールと同じで、軽いハンデと前目のポジションを生かした健闘。実力が着順に現れたとは考えづらいから、自己条件で人気になっていたら厳しいと思うよ。

負けた馬の中で注目はヒルノマテーラ。トビのきれいな馬だから、今回みたいな滑る馬場だと脚を取られて力が発揮できないんだよね。それを踏まえれば度外視していい一戦じゃないかな。シャルールも力負けではないと思うんだけど、この馬の場合は気性がとにかく悪くて、馬場を苦にして一度でもノメると走る気をなくしてしまう。調教の動きもよくなってこないから、一変があるとしたら例えば最後方から直線だけの競馬をするとか、そういう荒療治が必要になってくるだろうな。

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