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 こちらはタイの東北部(イサーン)の玄関口、タイ第二の都市ナコーンラーチャシーマー(通称コラート)の旧市街にある夜市が行われる通り。

 夜だけ通りに露店が出るナイトマーケットは、タイに限った話ではなく、アジア圏で広く見られる。観光地化しているところもあるが、たいていは地元の人々も多く訪れて活気に満ちている。

 こういったナイトマーケットがある場所では、夕刻になるとお店の人が大きな荷物を抱えてやってきて、店を出す準備を始める。

 旅に行ったとき、機会があればこういった夜市の準備しているのを覗いてみるのも楽しい。私もこのコラートに限らず、色々な国の色々な街で、夕刻の準備中の夜市を散策している。

 何を買うわけでも食べるわけでもない。慣れた手つきで屋台を組み立てているお兄さん、綺麗に商品を並べるお姉さん、食べ物の仕込みに大忙しのおばさん、準備を早々に終えて暇そうに煙草を吹かしているおじさん、そういった情景がワクワクするというか、運動会とか文化祭の準備をしているような、忙しいけれど静かというか、不思議な雰囲気がただ楽しいのだ。

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 同じ日の夜。上の写真よりも2時間程度後、夜市が開いた頃にもう一度やってきた。だいたい同じ場所で撮っているので、なんとなく違いはおわかり頂けると思う。

 準備中の時間はまさに『嵐の前の静けさ』だった。夜市の喧噪と活気は2時間前と同じ場所とは思えない。

 旅の時間の使い方として、こういうのは確かに無駄で非効率なのかも知れないけれど、実は遊びの本質はほとんどが無駄なものなのかも知れない。それを生業としている人は別だが、雪の上を滑るのも、グライダーで空を飛ぶのも、楽器を奏でるのも、山に登るのも、基本的に無駄だからこそ非日常的で自由で楽しいのかも知れない。

 ただ、実際は無駄な経験のほとんどは無駄にはならないのだけれど。少なくともこうしてブログのネタにはなって、一部の物好きな読者様に鼻で笑ってもらうことくらいはできると思う。

【写真】2005年8月
【文章】2017年10月
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