October 01, 2016

Jill-Stein アメリカ合州国の大統領選挙がいよいよ本番となってきました。共和党からは人種差別や暴言で話題沸騰のドナルド・トランプ候補、民主党からはビル・クリントン元大統領の妻で前国務長官のヒラリー・クリントン候補。「部外者のトランプ」vs「エスタブリッシュメントのヒラリー」という大きな違いがあるかに見える2人ですが、実は「好感度が低い」という点ではよく似ているとか。いずれにしても、どちらかが次期大統領になることはほぼ間違いないでしょう。

 そんな「究極の選択」が繰り広げられる米大統領選挙の片隅で、「緑の党」のジル・スタイン候補がかつてなく支持を伸ばしています。

 この「第3の候補」に対しては、かつて同じく緑の党の大統領候補だったラルフ・ネーダー氏が「おまえのせいでアル・ゴアが負けた」と濡れ衣を着せられたこともあり、厳しい視線を送る人もいます。ですが、現実に選択肢が「トランプvsヒラリー」しかない中で、選択できない有権者が多いのも事実。そこに現れた新たな選択肢は、大統領選挙から、ひいてはアメリカの民主主義から離れかかった有権者を引き戻す力があるでしょう。

 平和学の研究者で緑の党グリーンズジャパン国際部の足立力也さんが、そのあたりを的確に解説しています。

*米国緑の党大統領候補 ジル・スタインは第二の「ラルフ・ネーダー」か?
 http://greens.gr.jp/world-news/18337/

 よく「民主主義イコール多数決」だと勘違いしている人がいます。特に日本では「選挙で勝った」=「多数の支持」=「民意は我にあり」と誤解する政治家が大勢います。はたしてそうでしょうか。例えば40人のクラスで学級委員長の選挙が行われました。10人が立候補しました。当選したAさんは10票を獲得しましたが、はたしてAさんの支持者は多数でしょうか? もし上位2人の決選投票をすれば、Bさんが当選するかもしれません。

 こんな絵本の物語を聞いたこともあります。児童館前の狭い広場で子どもたちが遊んでいるが、野球、サッカー、鬼ごっこなどが同時にできるほどの広さがない。そこで子どもたちは、多数決で遊びの内容を決めようとします。「だって、みんしゅしゅぎだもん、たすうけつだよ」。多数決の結果、野球が1位になり、みんなで野球をすることに決まりました。けれども… この絵本は最後に驚きの展開を見せます。

*「投票って何?」ある絵本に驚きの答え
 http://www.huffingtonpost.jp/yumiko-noguchi/voting_b_10651978.html

 「アメリカ合州国は世界最大の民主主義国家だ」と、周りから思われているし、アメリカ人自身も自負しています。でもその中身は、多数決でみんな野球をすることに決める子どもたちとさほど変わらないような気がします。「だって、みんしゅしゅぎだもん、たすうけつだよ」という声がそこかしこから聞こえてきます。本当にそうなの? という疑問の膨らみが、一時はサンダース氏への熱狂的支持になり、今はジル・スタイン候補の支持へと向かっているということなのでしょう。そして、民主主義のバージョンアップが必要なのは日本も例外ではありません。



sakatakouei at 11:50 
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September 29, 2016

20160927izushi04 「出石そば」で有名な兵庫県の出石に行ってきました。歩いて回るのにほどよい規模の町並みで、平日にもかかわらず多くの観光客で賑わっていました。

 まず出迎えてくれるのが、日本最古の時計台といわれる「辰鼓楼」(しんころう)です。かつては太鼓をたたいて時刻を知らせる櫓で、明治時代に大時計を据えられて今の形になりました。

20160927izushi02 町の東端にある「宗鏡寺」(すきょうじ)は、別名「沢庵寺」とも呼ばれ、その名の通り沢庵和尚のゆかりの禅寺です。小説などで宮本武蔵との交流が描かれることもある沢庵は、出石出身で、大徳寺の住持になるも数日で辞めて、故郷の宗鏡寺で隠棲を送っていました。しかし、当時できたばかりの江戸幕府が寺社に影響力を強めようとする動きに抵抗し、幕府によって流罪になってしまいます(紫衣事件)。なかなか反骨精神のある禅僧でした。

20160927izushi01 そんな宗鏡寺の門前に、「川崎尚之助供養塔」があります。大河ドラマ『八重の桜』で長谷川博己さんが演じたことで、私も初めて知りました。出石出身の尚之助は、京都で会津出身の山本覚馬と意気投合し、会津に移り住んで鉄砲の製造や指南にあたります。そして覚馬の妹・八重と結婚し、会津戦争の際には八重とともに銃を持って官軍と戦いましたが敗戦。会津藩士は青森県の厳しい土地に移住させられ、尚之助は北海道の米の買い付けを任されますが、失敗の責任を負わされ多額の借金を背負うことになりました。

 実際には尚之助に責任はなかったということが、『八重の桜』放送の時期に新資料で明らかになっています。尚之助と別れた八重はその後、同志社の創設者・新島襄と再婚し、日本赤十字創設や女性の地位向上に貢献しました。一方の尚之助は不遇の最期を遂げますが、出石出身にもかかわらず会津に命を捧げた志士がいたということに思いをはせずにはいられません。

20160927izushi03 ところで興味深いことに、出石には各所に「桂小五郎潜居跡」があります。幕末、長州藩士のリーダー格だった桂小五郎は、蛤御門の変の後に指名手配の身になります。しかし出石藩士の援助によりこの地に潜伏。無事に逃げおおせた小五郎は、木戸孝允となって明治維新を導いていくのです。出石という町は、かたや会津に尽くした尚之助の出身地であり、かたや「逃げの小五郎」をかくまった場所でもあるのです。

20160927izushi05 そして私としては大ヒットだったのが、戦前戦後の国会議員・斉藤隆夫の顕彰碑を見つけたことでした。出石出身の斉藤は、翼賛政治への流れに逆らい、軍部の暴走を厳しく問いただす「反軍演説」を2度にわたって行い、議会を除籍されてしまいました。その後ますます膨張した軍部をもはや誰も止めることはできず、斉藤の危惧した通りの最悪の結末を迎えました。ですが、戦前の日本にこんな政治家がいたということは、日本憲政史上の希望であり、日本人にとっての誇りであると思います。

 江戸時代初期、幕末・明治、そして戦中戦後と、出石は幾度となく歴史の側面を映し出す舞台となっているのです。



sakatakouei at 18:28 
旅行紀 | 歴史・文化

September 28, 2016

20160926abekokkai 北朝鮮が嫌い。中国が嫌い。日本人の少なくない人がそう言う理由の一つは、全体主義的で独裁的な政治体制にあると思います。独裁的な指導者が言葉を発すれば、それを熱狂的に受け入れる。そんなうさん臭さが嫌いだということなら、私も大いに同感です。

 なので、例えばこんな状況も嫌いです。9月26日、安倍首相の所信表明演説の途中、自民党議員が総立ちして鳴りやまない拍手。「自然発生的だった」と自民党は説明しています。演説に感動して思わず「安倍同志マンセー」ですか。うーん、気持ち悪い!

 と思いましたら、やっぱり事前に指示が出ていたようです。安倍フレンズの萩生田光一官房副長官が、自民の竹下亘・国会対策委員長ら幹部に、自衛隊をたたえたタイミングで盛り上げるよう依頼していたそうです。これに若手議員がノリノリで対応し、先輩格の小泉進次郎氏らも驚いて立ち上がってしまったそうです。

 指示が出ていてホッとするなんて、それはそれで変なんですが、あの安倍首相の愛国ポルノ的な煽り方にマジで熱狂したわけではなかったと聞いて、まだ行くところまでは行っていないと確認できたのは、まぁよかったかなと。

 ところで泥憲和さんの指摘で気づいたのですが、アメリカ議会での大統領の一般教書演説とかでも、確かにスタンディングオベーションはよくあります。今まで違和感を感じなかった私も偏見があるのかなと思ったのですが、考えてみれば、アメリカの大統領演説は秒単位で国民の熱狂度をモニターしているんですよね。このフレーズで「強い大統領」のイメージが何ポイントアップとか、心拍数みたいにカウントされているんです。さすが広報戦略の本場だと思いながら、でも、ちょっと待てよと思ったりもします。

 アメリカ、中国、北朝鮮というのは、異なるようで似ているのかもしれません。それは、議会が本来の役割を離れてプロパガンダのための道具になっているという点です。議会の本来の役割とは、私が思うに「課題の最適解を探すための言論アリーナ」だと思います。多少は討議=闘技の要素もありますが、その目的は国の課題の解決策を見つけることに置かれています。しかし、アメリカも中国や北朝鮮も、議会というのは「大衆操作のための扇動装置」になっている気がします。強い指導者を熱狂的に受け入れる議員たちの図を見せて大衆を煽る。議会がそんな役に成り下がっているのではないか。日本もついにそんな国の仲間入りをしたのでしょうか。



sakatakouei at 10:59 
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September 26, 2016

20161023hirosetakashi 日本列島で現在稼働している原子力発電所は、熊本地震の震源地に近い鹿児島県の川内原発と、熊本地震の震源地から中央構造線の延長線上にある伊方原発の2つです。なんという恐ろしいチョイス。あえてそこを動かすっていうのが憎いね。というか憎悪を覚えます。

 しかし、政府や原発企業は、本当は福島第一原発と同じ沸騰水型の原発を動かしたいそうです。そうすれば、フクシマの事故が無かったことになると考えているらしい。どういう思考回路なのでしょうか。で、島根原発が実は沸騰水型なんですよね。次なる再稼働の筆頭が島根原発といわれているのはそのためです。

 おいおい、ちょっとヤバいでしょ。そう感じた人、こういう企画がありますよ。


広瀬隆講演会
島根原発再稼働を止める!
―広島の私たちにできること―

  • とき2016年10月23日(日)14:00〜16:30
  • ところ広島弁護士会館ホール
     住所:広島市中区上八丁堀2-73
  • 講演広瀬隆さん(作家)
  • 現地からの報告芦原康江さん(さよなら島根原発ネットワーク/松江市議会議員)
  • 資料代500円(学生・障がい者無料)
  • 共催:上関原発止めよう!広島ネットワーク/さよなら原発ヒロシマの会
     TEL:082-922-4850(木原)/090-5692-0198(滝)


sakatakouei at 18:49 
行事案内 | 環境

September 25, 2016

20110604masaisan01 東日本大震災の直後、ホッとるーむふくやまの総会記念講演会で福山にお呼びした正井礼子さん(NPO法人ウィメンズネットこうべ代表=写真)が、再び福山にやってきます。今回のテーマは「DVに潜む性暴力」。芸能人や米軍関係者の性暴力事件がよく取り上げられますが、決して遠くの話ではなく、実は私たちの日常に近いところでたくさんの被害が起きています。3回連続講座ですが、1回ごとの参加が可能です。ぜひどうぞ。


性暴力理解講座 全3回
ポルノ・DV・子ども
〜性暴力被害者支援現場からの提言〜
[第2回]DVに潜む性暴力

  • 日時2016年10月10日(月)13:30〜16:00
  • 会場福山市市民参画センター
     住所:福山市本町1-35
  • 講師正井礼子さん(NPO法人ウィメンズネットこうべ)
  • 定員約30名(申込先着順)
    *席に余裕があれば当日参加も可能ですが、男性の当日参加はお断りする場合があります。
  • 参加費1000円
  • 主催:性暴力被害者支援ネット・はるねっと/NPO法人ホッとるーむふくやま/デートDV防止ひろしま
  • 協力・お問合せ:NPO法人こどもステーション
     TEL:084-965-6625
  • 申込:メール(harunet @ kodomostation.or.jp)またはFAX(084-965-6625)まで、下記を明記して申し込みください。申込後3日を過ぎても主催者からの返信がない場合は電話でお問合せください。
     (1)参加希望講座名
     (2)住所
     (3)お名前(ふりがな)
     (4)連絡先電話番号

*[第3回]子どもへの性暴力
 2016年12月23日(金)に予定



sakatakouei at 14:11 
行事案内 | DV・ジェンダー・子ども

September 24, 2016

yoneyamaryuichi 柏崎刈羽原発の再稼働に慎重だった新潟県の泉田裕彦知事が、次期知事選への出馬を撤回したのが8月末。選挙の告示がいよいよ9月29日に迫ったこのタイミングで、ようやく後継候補が決まりました。医師で弁護士の米山隆一さんです。米山さんは所属していた民進党からの推薦が得られず、離党して立候補します。

 泉田さんは決して理念的な脱原発派というわけではありません。経産官僚出身であり、あくまで「安全性がはっきりするまでは再稼働しない」という、実に常識的な考え方でした。これに対し、「安全性を確保するより不出馬に追い込んじゃえ」とは、さすが東電。…と思った矢先、今度は米山さんが東電労組の力で民進党推薦をとれませんでした。どんだけ東電に支配されているんだか。

 蓮舫さんが党首になって民進党は刷新されたかのようなイメージを抱いていた人々も、目が覚めたでしょう。これが民進党の現実です。現実には電力労連の影響力は非常に大きい。しかし私たちは、野党第一党である民進党に私たちのほうを振り向かせるほどには力がない。つまり、これは私たちの現実でもあります。

 なので、民進党も含めて政治を市民の側に引っ張ってこようと思えば、新潟県知事に米山さんを当選させる必要があります。

 相手となる前長岡市長の森民夫さんは、自民党・公明党から連合まで幅広く推薦を集めています。ただし、泉田さんを支持していた県民は少なくないようです。選挙の行方は正直、読めません。組織を振り切って無所属となった米山さんの健闘を期待しましょう。



sakatakouei at 18:32 
さかたこうえいの「時々通信」 | 政治・社会

September 23, 2016

71WXPhAf3zL 詩人の峠三吉と聞けば、多少知っている人ならすぐに「ああ、原爆詩人ね」という反応が返ってきます。「ちちをかえせ ははをかえせ」で知られる8行の短い詩は、彼の代表作であり、彼のすべてであるとすら私たちは思っています。

 そんな私たちが峠三吉『原爆詩集』を開くと、その固定観念は見事に打ち砕かれます。私たちの想像を遥かに超えて、峠三吉は凄まじい詩人だと気付きます。

 読んだ直後ということもあって思いがあふれて言葉にならないのですが、この本に添えられている詩人アーサー・ビナードさんの解説があまりにも的確なので、これをそのまんま引用して私の気持ちを代弁してもらいます。

 ひょっとしたら、気が小さい読者はタイトルを見ただけでなんとなく避けたくなるかもしれない。その気持ちをのりこえて読み始めたとしても、原爆体験という題材に圧倒され、詩の見事な調べを吟味するところまでなかなかいけない可能性がある。そんな反応なら、ぼくはもちろん理解できる。しかし評論家と名乗る人種は概して肝が据わっているので、ビビッて『原爆詩集』を過小評価しているというわけではないだろう。おそらく先入観に惑わされて、単なる被爆体験記か主張の書と履き違えたりして、そもそも文学性を感じとる基本姿勢がないと思う。つまり、はなから軽んじているようだ。

 そうなんです。私も先入観がなかったと言えばウソになります。しかし、読んでみればすぐに分かります。峠三吉の詩は、言葉のひとつひとつが他の誰とも違う「何か」を発しているのです。アーサーさんはこれを「言葉のヒバク」と表現します。

 感覚は肉体と精神と両方にまたがっているので、原爆体験を捉えて描きつつ、詩の日本語の文法と文脈に、語順と接続に、単語レベルにまで放射線と熱線の影響を及ぼせば、読者も当事者側へ渡れるはずだ。被爆語が体内に入れば。

 アーサーさんの解説の題は「日本語をヒバクさせた人」となっています。あまりに的確で、もう他の表現は思い浮かびません。

 さらに、これもアーサーさんの受け売りですが、フクシマの災禍にも続くヒバク労働の原罪を作った広島のABCC(原爆傷害調査委員会)に触れられていること、内部被曝に目が向けられていること、第五福竜丸事件以前にもかかわらずビキニ環礁が登場すること、さらに「原子力の平和利用」すら見通されていることなど、その先駆性、現代性、つまりは普遍性に心底驚かされます。

 そんな文学性と普遍性は、最後におさめられた「その日はいつか」で昇天します。詩集を閉じて私たちは思わずにはいられません。「その日」をたぐりよせるまで、
し、死ん

なる
もの



sakatakouei at 20:51 
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