November 2017

November 30, 2017

monju 福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」。幻の核燃料サイクル計画が行き詰まり、まったく動かくなった状態でも維持管理費が1日6400万円かかるという「赤字増殖炉」だったもんじゅは先日、どうにか廃炉が決まりました。

 しかし、なんと設計上廃炉が想定されていないということが明らかになりました。なんでも、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっているのだとか。まず放射能を帯びたナトリウムを抜き取らないと次の作業に移れないので、当面は何も手を付けられないまま引き続き赤字を高速増殖させることになりそうです。

 日本の原発政策は一事が万事こんな感じです。北朝鮮のミサイルで大騒ぎするくせに、北朝鮮に向いた日本海側の原発を再稼働させようとしています。稼働すれば必ず発生する高レベル放射性廃棄物の処理方法も決まっていない。そして年内には、原発の新増設を含む「エネルギー基本計画」を決めようとしています。

 そこで、広島で活躍する原発問題のエキスパート、木原省治さんが、このエネルギー基本計画についての学習会を開催します。


原発はごめんだヒロシマ市民の会
「エネルギー基本計画」と脱原発

 3年毎に見直しがされることになっている「エネルギー基本計画」、前回は2014年でしたので、今年中に新しい基本計画が決まるはずです。しかし、政府の見直しの第1回会合は8月9日に開催されたものの、その後は表面上はなんの動きも見えてきません。 この度の「エネルギー基本計画」は、2050年までの政策の方向を定めるものとなります。所管する経産大臣は「基本方針は変えない」としていますが、前回の計画では、原発をベースロード電源とし、2030年の原発比率を20〜22%とし、再処理、原発輸出を進めるという世論から大きく逆行した内容でした。 脱原発・脱石炭・再エネを中心にした「エネルギー大転換」へ、舵を切ることの要求をしなければならないと考えます。 そこで、エネルギー基本計画の問題について、下記の通り学習会を開催しますので、ご案内させていただきます。ご自由にご参加ください。

  • 日時2017年12月9日(土) 14:00〜16:00
  • 場所広島国際会議場研修室3
     広島平和公園内 国際会議場3F
     TEL:082-242-8879
  • 講師木原省治(原発はごめんだヒロシマ市民の会)
  • 主催・お問合せ:原発はごめんだヒロシマ市民の会
     TEL:082-922-4850/090-6837-8236


sakatakouei at 13:39 
行事案内 | 環境

November 29, 2017

20171202hando 第二次世界大戦では多くの若者が戦場で命を失い、多くの母親が自分の子どもを亡くしました。そして多くの犠牲と痛みの中から、戦争放棄をうたった「日本国憲法」は誕生しました。

 その憲法を今、変えようという動きが強まっています。でも、私を含め多くの人は「立憲主義」をじゅうぶん理解していなかったように思います。

 立憲主義を非常に分かりやすく紹介した本『檻の中のライオン』の著者である弁護士の楾大樹(はんどう・だいき)さんが福山でお話をされます。


2017平和集会
再び戦争をおこなさい為に

  • 日時2017年12月2日(土)18:00〜20:30
  • 会場まなびの館ローズコム4F中会議室
     住所:福山市霞町1-10-1
  • 講師楾大樹さん(ひろしま市民法律事務所所長・弁護士/『檻の中のライオン』著者)
  • 資料代300円
    *参加者全員に憲法条文クリアファイル(200円)を進呈します
    *書籍・グッズ販売・サイン会あります
  • 主催:第63回福山市母親大会実行委員会
  • 連絡先:福山医療生活協同組合本部
     TEL:084-973-2280


sakatakouei at 11:02 
行事案内 | 反戦・平和

November 28, 2017

 熊本市議会で議員が赤ちゃんを連れて入場し、ひと悶着があったいう話題。手続きがいるとかいらないとかは別として、「議会に子どもを連れてくるなんて!」という反応があがるところを見ると、まだまだ日本は子育て後進国であり続けるのだなぁと実感します。

BpYJfYJIQAAvnMw 海外では(というとすぐ「ここは日本だ」と怒る人がいますが、そうやって違う文化に触れるのを嫌がったり他の先進事例から目を背けたりしている人が日本をダメにしているというふうには思わないんですかね)、子どもを連れて議会で質問をした人だっています。上の写真はイタリアのリチア・ロンズーリ議員。フォルツァイタリア党の人ですから、保守系です。子どもが一緒に手を挙げてるのがかわいい。下の写真はオーストラリア緑の党のラリッサ・ウォーターズ上院議員。なんと議会で子どもに授乳をしています。オーストラリア議会では長年、緑の党の議員が子ども連れでの議会入場を認めるよう働きかけていました。なのでちゃんと言っておきますが、海外だから子連れに緩いというつもりもないし、日本が突出して遅れているというつもりもないです。海外でもみんな苦労の末に権利を勝ち取ってきているということを紹介したいと思います。

 世論の反応の中には、「誰かに預ければいいじゃないか」「ベビーシッターを雇えばいい」などの声も聞こえますが、おそらくそういう人は、子育て経験のない人か、たまたま恵まれた人なのではないかと思ってしまいます。子どもが大人の思い通りに動くと思っているのなら大間違いです。子どもというのは常に大人の予想を上回る行動に出るもので、たとえ議員になったとしても、突然なんとかしなきゃいけなくなったが誰にも頼めない、議会にも行かなきゃいけない、どうしよう、という事態は起きるでしょう。子どもと長くかかわったことのある人なら、それは容易に想像がつくはずです。

C_XWCCgUIAASIO8 「だから女は議員になるな」なんていう人ももしかしたらいるかもしれませんね。それならお尋ねしたい。なぜ男の議員は子ども連れで行かないと思うんでしょうか? 子育ては女の仕事だと思っているのでしょうか? もしそういう反応を示す議員が議会にいたら、それはそういうことですよね。

 議場に子どもを連れてくるのが当たり前になるということは、議会に子育てのリアリティが持ち込まれるということ。そうなって初めて、子育て支援の重要性や子どもの権利についてまともな議論ができるようになると思います。ですが、そもそも議会に女性が少ないし、子どもを連れてこようと思う男性議員はもっと少ない現状では、子育て支援が進むはずはありません。

 残念ながら、上記のような海外事例でも、まだ男の議員が子連れで来たというニュースは見当たりませんでした。いるのかもしれませんが、それでも極めて少数派でしょうね。男の議員が議場で抱っこしたりミルクをあげたりする光景が当たり前になれば、日本もようやく議会で子育てのリアリティが芽生えるというものです。

 え? 男性議員は冷静なので事前にちゃんと手続きを踏むんじゃないかって? 違うんじゃないですか。男性議員はただ臆病なだけでしょ? あ、これって男女差別ですかね(笑)



sakatakouei at 10:52 
さかたこうえいの「時々通信」 | DV・ジェンダー・子ども

November 25, 2017

DSC03170 いよいよ最終版の大河ドラマ『おんな城主 直虎』。前作『真田丸』ほどの盛り上がりはないものの、後半になって徐々に森下佳子脚本の持ち味が発揮されてきたように思います。そんな直虎の故郷・浜松を、友人のガイドで巡ってきました。

 まずはJR浜松駅からほど近いところにある「浜松城」。若き徳川家康が拠点にしていた城で、日本百名城にも数えられるとのことですが、いわゆるウワモノは思ったほど大きくありません。眼を見張るのは立派な石垣。野性味あふれる力強い岩たちが、家康の出世を支えたのだという誇りを宿しています。

DSC03174 そんな家康の配下で「四天王」の一人と数えられた井伊直政。続いては、直政を輩出した井伊谷に向かいます。まずは浜松市の中心街から自動車で30分ほど北に走ったところにある、大河ドラマで交易都市として取り上げられた「気賀」へ。浜名湖の北岸に位置するこの気賀の街は、中世には東海道の迂回ルートとして栄え、関所が置かれていました。その面影は今やなく、気賀関所が再現されているだけでしたが、現在は大河ドラマ館が設けられ、全国各地から観光客が押し寄せています。

DSC03189 そして今回の目玉、「龍潭寺」に到着。井伊家の菩提寺であり、臨済宗妙心寺派の名刹です。井伊家は平安時代からその名が知られ、南北朝時代には南朝・後醍醐天皇の皇子である宗良親王がこの地で井伊家と合流し、北朝軍と戦ったという記録があります。その後、22代の直盛が桶狭間で戦死し井伊家不遇の時代になると、龍潭寺は井伊家と苦難をともにし、直政の代に復興を遂げました。大河ドラマでは小林薫演じる南渓和尚ら個性的な龍潭寺の僧たちが登場します。また主人公の直虎もこの龍潭寺で出家して尼僧となりました。柴咲コウが読む(歌う?)独特なメロディの観音経は、このドラマのテーマ曲のようでもあります。

DSC03185 そんな龍潭寺の見所は何といっても庭園です。小堀遠州作の池泉鑑賞式庭園は代表的な寺院庭園として貴重なものだそうで、写真奥にある井伊家御霊屋(位牌を祀るお堂)を書院から遥拝できる作りになっています。遠州は造園のほか、築城・普請、茶道、華道などでも活躍した多彩な文化人です。遠州という名前はたまたま与えられた官名(遠江守)によりますが、直政の次男・直孝と親交が深かったことから龍潭寺の庭園を手がけたということのようです。ちなみに遠州の師匠は古田織部で、彼は家康によって非業の死を遂げています。遠州も何度か失脚の危機があったみたいですが、その危機を救ったのは直孝だったといいます。

DSC03191 境内には井伊家の墓所もあり、初代・井伊共保、22代・直盛の墓を中心に、24代・直政や、次郎法師直虎の墓も祀られています。墓地は本堂の西側に位置しており、西方極楽浄土を表しているそうです。禅宗寺院ですが浄土を意識したり、本尊が虚空蔵菩薩(秘仏)だったり、それなのに別の部屋には巨大な丈六釈迦如来像がまつられていたりと、なんともバラエティに富んだ要素を持っている懐の深いお寺です。

DSC03194 龍潭寺を巡っていると、いつの間にか隣の神社に足を踏み入れていました。宗良親王を祭神とする「井伊谷宮」です。おそらくこの神社も龍潭寺と隣り合っていることから、例に漏れず神仏習合の歴史を持っているのだろうと思いました。宗良親王は天台座主を務めたこともあり、ということは当然僧侶であるわけで、その人が神社の祭神となっているのはいろいろと興味深いところです。また宗良親王は和歌をたしなみ、和歌集を編纂しようとしたことから、併設されている小さな資料館には豊臣秀頼や北条氏政ら当時の大大名の和歌が展示されています。

DSC03196 さて、今回のもう一つの目玉が、井伊家発祥の「井戸」です。初代・井伊共保は井戸から生まれたという伝説があり、大河ドラマでもたびたび直虎たちが井戸に手を合わせるシーンが登場します。龍潭寺の駐車場に「井戸」と大書きされた看板が立っていて、それに従って歩くと、ありました! 田んぼのど真ん中に壁で囲われた井戸があるじゃないですか。

DSC03205 それにしても、実に不思議な光景です。井伊家の伝説を物語る最重要スポットのはずなのに、田んぼの中に唐突な感じで残されている井戸。普通ならそういう場所には神社を建てたりしそうなものですが、しかし秋の収穫前の時季などは、それはそれで見事な情景なのでしょう。大河ドラマの直虎が井伊谷の民たちと苦楽をともにしている様子は、この井戸と田んぼの関係から着想を得たのかもしれませんね。

DSC03206 最後に、「三方原古戦場跡」に立ち寄りました。三方原の合戦で武田軍に完敗し、恐怖のあまり脱糞してしまった家康が、教訓としてそんな自分の様子を絵に描かせたという「しかみ像」のエピソードはあまりにも有名です。最近は異説も出ているとのことですが、敗戦を徹底的に教訓化し研究したという逸話はいずれにしても家康らしい気がします。そんな家康のもとで復活を遂げ、歴史の表舞台に立つことになった井伊家。浜松には、そんな井伊家の「前史」を物語る場所が数多くありました。

 来年の大河ドラマは『西郷どん』。今度は幕末の大老・井伊直弼が登場するのでしょうか。『おんな城主 直虎』はもうすぐ終わりますが、井伊家そのものはもうしばらく注目を集めそうです。



sakatakouei at 19:30 
旅行紀 | 歴史・文化

November 24, 2017

DSC03161 経済成長がもはや神話の時代の話だと気付いた人々が、少しずつですが増えています。GDPの拡大、自然破壊の大型開発、経済のさらなるグローバル化、過酷な長時間労働…そんなものが私たちの日々の暮らしの豊かさや幸せとは全く無関係であるということ。GDPよりGNH(国民総幸福)の充実をめざす、自然を守り自然の恩恵を得る、地域経済を循環させる、労働時間を減らして余暇を増やす…つまりは「脱成長」へ舵を切って社会を設計し直すことが、いま求められています。

 そんな「脱成長」の実践例として知られる、東京・池袋のオーガニックバー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」が、近々閉店すると聞いて、足を伸ばしてみました。

 店主は盧箴,気。かつてビジネスマンとしてバリバリ働きまくっていた盧笋気鵑蓮△△襪箸その暮らしが限界に達したことを感じて脱サラ。世界を放浪した後、「もうけすぎない」ことをモットーに2004年このお店をオープンし、数多くの人に「ダウンシフト」のきっかけを与えてきました。と書くと何だか活動的なイメージをもたれそうですが、それに『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』『次の時代を、先に生きる』など著書も多数なんですが、本人はいたってのんびりした風体の人です。たまたま私が伺った時間は他にお客さんがいなくて貸し切り状態。盧笋気鵑呂海瞭の昼間のイベントでギター片手に歌ったらしく、自分の歌を店内で流しては「音が外れてるなぁ」などと自分に文句を言っていました。

 盧笋気鵑鯑箸蠕蠅瓩靴浸笋蓮▲▲戰離潺スのおかしさ、長時間労働やムチャな転勤をさせる労働環境の不条理、緑の党の難題や展望などをあれこれ語り合いました。盧笋気鵑枠道や三次の人ともつながっているので、いつか広島方面に立ち寄られた際は福山でトークイベントを、という話もさせていただきました。

 タマツキを2018年3月に閉じると決めた盧笋気鵑蓮△海譴ら生活の拠点を本格的に千葉に移し、農的暮らしを進める「NPO SOSA PROJECT」にもう少し本腰を入れつつ、更なるダウンシフトをする予定だそうです。なんだか寂しい気もしますが、ひとところに執着せず思い切って手放していくというのは、盧笋気鵑蕕靴し菽任世箸盪廚い泙后

 そういえば私も最近、あれこれ忙しかったなぁ。たまには月でも眺めましょうかね。



sakatakouei at 17:00 
食・健康 | 旅行紀

November 23, 2017

 今、中米の小国「コスタリカ」が静かなブームを巻き起こしています。「軍隊を捨てた国」コスタリカに対して注目が集まるようになり、それにともなって映画『コスタリカの奇跡』が全国各地で自主上映が開催され、劇場でも公開されるようになりました。

 上の動画は、コスタリカ研究家の足立力也さんが『コスタリカの奇跡』について解説をしたものです。足立さんはコスタリカの歴史や社会を詳述した『丸腰国家』という新書や、ケツァールなどの希少な生き物を撮った写真集を出版しています。

 『コスタリカの奇跡』や足立さんの出版物を読むと、なぜコスタリカが日本で注目を集めるのかが分かります。おそらくそれは、日本が今、コスタリカと真逆の方向へと走っていっているからに他なりません。

 さぁ、あなたはコスタリカからどんなメッセージを受け取るでしょうか。


『コスタリカの奇跡〜積極的平和国家のつくり方〜』
上映会 in 福山

  • とき2017年11月26日(日)14:00〜
  • ところ福山市男女共同参画センター大会議室
     住所:福山市西町1-1-1リムふくやまB2F
  • 資料代500円(高校生以下無料)
  • 主催:市民運動交流センターふくやま
     TEL:084-924-4435/090-3748-9840
    *こちらのブログもご覧ください
     http://blog.livedoor.jp/sakatakouei/archives/51929000.html


sakatakouei at 12:09 
行事案内 | 移住者支援・国際理解・平和貢献

November 20, 2017

20171120numo 「核のごみ」説明会で大学生に謝礼? そんなニュースでにわかに話題になった、高レベル放射性廃棄物の地層処分についての「科学的特性マップ」の説明会が、11月20日(月)に岡山市で開催され、私も参加してきました(写真撮影は禁止だったので資料の写真をどうぞ)。

 私は2012年にドイツのコンラートとゴアレーベンという2つの核廃棄物関連施設を見学させてもらい、地下800〜1000mに広がる「地下帝国」を目の当たりにしました。日本でも大量の使用済み核燃料が、行き場もないまま原発の横の燃料プールでくすぶっています。これをどうするかは、原発推進派、反対派問わず大問題です。

 説明会は、経済産業省資源エネルギー庁とNUMO(原子力環境整備機構)の主催で行われました。冒頭、NUMOの小野剛理事が「謝礼疑惑」について謝罪。その後もNUMO職員は一貫して低姿勢で、その努力については並々ならぬものがあると感じました。

 挨拶の後、地層処分についての解説映像が流されました。ここでは、核燃料にガラスを混ぜて固める「ガラス固化体」について「オリエント美術館」所蔵の古代ガラス製品を引き合いに出してガラスの強さを強調をしたり、地層が「天然のバリア」になるということについてアンモナイトの化石を引き合いに出して説得しようとしたり、不思議な例えが繰り返されました。そしてナレーションで「将来に負担を負わせるのではなく、私たちの世代で解決すべき問題」とたたみかけました。

 続いて関係者から地層処分の解説が行われました。登壇したのはNUMOの小野理事、資源エネルギー庁の岡本洋平課長補佐、埼玉大学の長田昌彦教授、中国電力の大崎泰氏の4人でした。この中から、私が特に気になったポイントと、それについての私の疑問(「→」で表記)を書き上げてみます。

  • 地上・海底・宇宙・氷床など、あらゆる選択肢を検討した結果、「地層処分が最善の方法」ということは明らかで、各国ともそれを前提に計画を進めている。
    → あまりに結論ありき。地上で「見える化」された状態で保管する方法もあるのではないか?
  • 地層処分という選択肢を将来世代から奪ってはならないと考えます。
    → なぜそういう話になるのか? 本当に地層処分が可能かどうか確証が持てるまで地上保管すればいい話ではないか?
  • いちど地層処分しても、貯蔵保管などの選択肢が出てくれば掘り返せばいい
    → マジで?
  • 今回の地層処分場の計画では、ガラス固化体4万本を捨てることができる。現段階で処分が必要なのは、ガラス固化体に換算して2万5000本分(使用済み核燃料含む)。
    → てことは、まだ増やす気? ドイツでは「脱原発を決定したから処分計画の見通しが立った」と言われた。もし原発の再稼働や新増設をしながら一方で処分場を決定しようとすれば、候補地は「いつまでも核のごみを受け入れ続けなければいけないのか」と途方に暮れてしまうだろう。
  • 日本列島は確かに4つのプレートの上に乗っかっているが、火山や活断層の影響を受ける地域は一部であり、百万年単位で動かない地層もある
    → え? 本当に?
  • 安全に地層処分を行うために、「地下に鉱物資源がある」というような、将来の人が気づかずに掘り返してしまう場所は避ける
    → ほら、やっぱりそういうリスクは背負うわけでしょ。それって結局、地下に埋めたって「将来に負担を残す」ことには変わりないよね? 矛盾だよね?
  • 「地層処分事業に協力する地域に経済的・財政的な支援を行うことは適当である」と考えている人は多い。
    → そうやって札束でほっぺたを叩くようなやり方をするから、安全性や民主的手続きがそっちのけになっちゃうのですよ。

 他にもツッコミどころは多々あるのですが、それでも地層処分を進める人が根拠にしている考え方はよく知ることができました。質疑応答の時間になったので、私はドイツでの体験を引き合いに出しつつ、地層処分が前提になっていることへの疑問と、将来世代が処分地を掘り返すリスクを投げかけてみました。資エネの岡本さんからは、「地上より地下のほうが天候や地震の揺れの影響が小さい」「経産省や国際機関の記録に残すことで将来世代が処分地を掘り返さないようにすることが考えられている」という回答がありました。うーん。

 後半はテーブルトークです。1テーブル6人ほどの参加者に対し、主催者から3人がつき、質疑応答や意見交換を行いました。たまたま私のテーブルは原子力に疑問を持っている人が多かったようです。「ごみをどう捨てるかより、どう減らすかを考えるべきではないか」という意見や、「ガラス固化は本当にうまくいっているのか」といった質問が出ました。NUMO職員は「ガラス固化の技術は確立しました」と断言。これってどうなんでしょうか? 詳しい方、教えてください。

 私からは、「NUMOの皆さんは核のごみの言わば尻拭いをさせられている立場ですよね」と同情を寄せつつ(これは本当にそう思っています)、候補地となった自治体がすべて受け入れ拒否となった場合は結局、捨て場所がないというのが現実なので、皆さんから「原発はもうやめてくれ」と言ってもいいのではないか、と(無駄とは知りながらも)お伝えしておきました。

 NUMOの皆さんの説明は基本的に丁寧で、質問にも一応ちゃんと答えてくれます。とはいえ、「日本で地層処分なんてできるの?」という疑問は今や確信に変わりました。現時点で「安全」とうたわれた技術が、本当に10万年ものあいだ安全であり続けるのか。1万年後に地下水への放射能汚染が起こったら、いったい誰が保障するのか? NUMOはいったい何万年存在するつもりなのか? そう考えると、核のごみは地上で衆人環視のもとに保管し、次の世代へ、またその次の世代へと明確に引き継いでいくしかないのではないか、というのが、今日の時点での私の結論です。

 ちなみに謝礼は出ませんでした(笑) 大学生に見えなかったからですかねぇ?



sakatakouei at 23:13 
行事報告 | 環境

November 17, 2017

20181116ozumo まさか自分が大相撲を観戦することになるとは思いませんでした。職場関係の研修旅行で博多に行くことになり、そこに大相撲九州場所の観戦が組み込まれていたのです。そこに偶然とびこんできたのが日馬富士暴行疑惑。会場は大勢のマスコミが詰めかけ、この件についての感想を観客に聞いたりしていました。

 事件の概要は皆さんよくご存じですよね。横綱・日馬富士が、貴乃花部屋の貴ノ岩に暴力を振るったのではないかという疑惑です。10月26日の鳥取巡業の酒席での出来事で、ビール瓶で殴ったとか、いや殴ってないとか、いろいろと情報が錯綜しています。貴ノ岩のけがに関しても診断書の書きぶりが曖昧でよく分かりませんが、「右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間」とあるので、そのまま読めば重傷です。

 私は大相撲があまり好きではなく、興味もさほどないので、そういう「赤の他人」の意見として聞き流してもらって結構なんですが、こういう場合必ずといっていいほど出てくる「貴ノ岩にも問題があったのでは」「大相撲ではよくあること。大騒ぎするようなことじゃない」にはホントにウンザリします。被害者のせいにしたり、暴力を軽視したりというのは、DV加害者の常套句です。まるで一億総DV加害者になったのかという気分になります。

 一方で、日馬富士を非難する流れで「やっぱりモンゴル人だからね」と民族を持ち出すのも同じぐらいウンザリです。民族で一括りにしてネガティブなレッテルを貼ることを「民族差別」といいます。民族差別というのは、往々にして民族の誇りを持てていない人がやることです。自分の民族性に誇りを持っていたら、民族を一括りにして傷つけられることの痛みや重みが分かるはずですから。

 疑惑があるなら何より事実究明加害の軽視被害者バッシングはしない。民族差別はしない。周りは必要以上に騒がない。これで済む話です。

 ですが、舞台は大相撲。なので、これで済む話が済まなくなってくるんですよね。大相撲はスポーツではなく「神事」なのだそうです。そのため人権よりも伝統が優先されるべきだという意見が出てきます。上にあげたような加害の軽視や民族差別が正当化されてしまうのです。

 でも、神事ってことは宗教ってことですよね。宗教なら何やっても許されるんでしょうか。同じようなロジックで、女人禁制も神事だから(つまり宗教だから)正当化されているわけですが、それならどうして公的な機関が賞をあげたりしてるんでしょうか。特定の宗教に公共機関が肩入れしていいんですか。大相撲を宗教だってことにするなら、NHKで特定の宗教行事を延々と放送するのもどうかと思いますけどね。

 ということで、なんだかやっぱり私は大相撲が好きになれず、興味もわかないのです。

 ちなみに、相撲観戦そのものは楽しかったですよ。ライブ感ありますね。体と体のぶつかり合いは見ごたえがありますし、会場のあちこちからわく声援も臨場感があって盛り上がります。ただ、そういうことをシンプルに楽しめるような性格じゃないんですよね。いろいろと気になっちゃうもんで。



sakatakouei at 18:49 
さかたこうえいの「時々通信」 | 歴史・文化

November 15, 2017

kyodanx 文庫になったら買おうと思っていたシリーズ第何弾か分かりませんが、今さらながら読みました、中村文則『教団X』宗教政治、そしてという「世界3大タブー」をてんこ盛りにしてブチ込み、ドロドロになるまで煮込んだ濃厚なクラムチャウダーのごとき小説です。

 「アメトーーク」でピース又吉が激賞したので、いわゆる「純文学」が嫌いな人やライトノベルしか読まないような人まで読んでしまって、ネットの批評が大荒れになっているようです。確かにこれは40万部も売れるような作品ではないかもしれません。一般受けは決してしません。むしろ、よくぞそれだけの人が読んでくれたと、読者をたたえたいです。

 ストーリーは、まとめてしまうと単純。性欲全開のカルト教団(教団X)がテロを企てるというお話です。その基本線を軸に、教団Xの教祖「沢渡」と、ブッダと科学に造形の深い「松尾」、そして2人の宗教家の間で揺れ動く男女たちが、それぞれの人生を錯綜させます。宗教についての難解な長ゼリフ、実にタイムリーな政治的記述、そして過激な性描写のむせ返るような熱気に、私は息苦しさすら覚えました。

 賛否が分かれるポイントの1つは、登場人物の政治的主張にあるのだろうと思います。例えば教団Xのテロ実行犯の一人が、保守派の靖国思想を論破したり、左派の非武装論を批判したりしています。が、総じて批判が向けられているその先には安倍晋三氏がいるように思えてなりません。それほど明示的ではないですが、後半の展開そのものがかなり核心を突く現政権批判になっています。

 また、著者の分身と思われる「松尾」の宗教的考察も非常に核心を突いてきます。彼は仏教学者の中村元さんの「教義を否定したところに仏教がある」という指摘を引きながら、ブッダの教えと脳や意識の関係、「リグ・ヴェーダ」と宇宙論、人の死と量子力学などを、かなりの分量で考察していきます。ユダの裏切りとキリスト教誕生の関係性もなかなかに刺激的です。この本を一冊読めば、「宗教とは何か」「仏教とはどんな教えか」が分かってしまうかもしれません。

 むせ返るような濃厚クラムチャウダーに、あなたは吐き気を覚えるでしょうか。それとも意外にハマってしまうのか。決して万人受けはしませんが、せっかくなので試す価値はあると思います。



sakatakouei at 22:58 
おすすめ作品 | アート

November 14, 2017

20171209nambasan 多くの人にとっては当たり前でも、市民運動関係者にとっては理解不能なことがあります。それは「市民運動は世間から疎まれている」ということです。「上から目線でモノを言われる」「自分が正しいと思い込んでいる」「違う意見を言ったら徹底的に論破された」など、嫌われる理由はたくさんあります。

 脳科学者の中野信子先生は、「『分かりやすさ』と『正しさ』のどちらかを選ぶとしたら、多くの人は『分かりやすさ』を選ぶ」と語っていました。まさにこれ。そして市民運動は「正しいのになぜ理解されないのか」と悩み、泥沼にはまっていきます。

 私たちが泥沼でもがいている間にも、安倍首相は「分かりやすさ」を武器に次々と野望を果たしています。そしていよいよ改憲がタイムテーブルに乗りました。来るべき改憲の国民投票に備えて、市民運動はいったいどんな手立てを持てるでしょうか。広島の難波健治さんのお話をもとに、話し合ってみたいと思います。


改憲阻止のプレーヤーは「あなた」
〜「対話」で「攻め」の市民運動を

  • 日時2017年12月9日(土)14:00〜
  • 場所イコールふくやま大会議室
     住所:福山市西町1-1-1リムふくやまB2F
  • 講師難波健治さん(日本ジャーナリスト会議広島支部代表幹事、ストップ!戦争法ヒロシマ実行委員会事務局長)
  • 主催:STOP!「戦争への道」福山総がかり行動
  • 連絡先:市民運動交流センター
     TEL・FAX:084-924-4435
     メール:e-and-g◆mx41.tiki.ne.jp(◆→@)


sakatakouei at 18:46 
行事案内 | 政治・社会
「蒼生舎」(そうせいしゃ)とは?
■「蒼生舎」は、市民活動・まちづくりを支援する市民SOHOです。

■「蒼生舎」は、広島県福山市を拠点に事業を展開しています。

■「蒼生舎」へのご連絡は、下記までメールをください。
 Eメール: soseisha@mx52.tiki.ne.jp
ギャラリー
  • 11/23(土)・24(日)叫ぶ芸術 ポスター展@福山
  • 「本屋UNLEARN」クラウドファンディングにご支援を
  • 靖国神社に正式参拝
  • 靖国神社に正式参拝
  • 靖国神社に正式参拝
  • 「桜を見る会」問題の「功労者」たち
  • 「桜を見る会」問題の「功労者」たち
  • まだまだ続ける気だった!上関原発建設工事が再び動き出す
  • 11/19(火)伏見町はしご酒vol.9@福山市
  • 米軍が飛びながら手放し、読書、自撮り
  • 11/13(水)仏教×数学講座 仏教パートは「天皇と仏教」
  • 11/24(日)有機農家の収穫祭@三原
  • 11/10(日)前川喜平さん講演会@三次
  • 11/3(日)憲法を活かす福山集会「岩国基地強化と憲法9条の危機」
  • 11/2(土)千葉からDELIさんゲストに「アバランチスタイル」@尾道
QRコード
QRコード
livedoor プロフィール

さかたこうえい