April 2019

April 30, 2019

拝啓

 平成の終わるこの日、皇太子殿下におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 殿下は明日より日本国の天皇となられます。どのような覚悟で明日を迎えられるのか、一般市民の私には想像に余りあります。

 お父上の平成天皇は、戦後の日本国憲法によって定められた「象徴」としての天皇の役目を真剣に果たされ、通常の公務に加えて被災地や戦跡を積極的にめぐり、最後には自ら生前譲位を表明されました。そこには確固たる意志を感じました。学校に国旗国歌を徹底したいと語る棋士には「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と返し、原発事故を忘れて東京五輪に浮かれる人々をいさめるかのように福島を何度も訪れました。在位30周年式典で沖縄出身のシンガーに琉歌を歌わせる演出などは、その意志表明の象徴的シーンであったと思います。

 しかし、このような平成天皇の言動を快く思わない人々もいたようです。

 神社界の幹部は、平成天皇のペリリュー島訪問について「そこに御霊はないでしょ」と皮肉を口にしたそうです。被災地をめぐる姿に対しては「天皇は祈っていればいいんだ」と言った右派の論者もいたとか。さらに、高麗神社への参拝に対しては「反日」「アカ天皇」という罵詈雑言がネットで飛び交いました。天皇を口汚く罵る連中が「愛国者」を自称する異常事態。そしておそらくは安倍首相自身、ことあるごとに「憲法」を口にする平成天皇の存在を疎ましく思っていたに違いありません。

 こういった反応は、くしくも天皇制に否定的な左派の人々にも共通のものがありました。戦跡巡りには「昭和天皇の罪の償いをこの程度で済まそうとしている」、被災地巡りには「政府の果たすべき役割をごまかそうとしている」との批判が出ています。また、政治的発言権を持てない象徴天皇であるにも関わらず自ら生前退位を表明し主導した一連の出来事については、憲法を逸脱しているという見方が根強くあります。一方で、天皇家の方々には参政権や職業選択の自由がありませんが、日ごろ人権を掲げる人々が天皇の人権問題について軽視あるいは無視しているというのも、これまた異常事態ではあります。「人権に例外があってもよい」という思考回路は、「何かしら理由があれば人権侵害は許される」という差別の正当化に他なりません。

 こともあろうに、右派も左派も「天皇に意志など不要」という点で共通しているのです。そして「天皇は何もするな」「政府の言うことを聞いておけばいい」という彼らの言い分が、日本国憲法における象徴天皇制の、ある種の「正解」でもあるのです。

 ジレンマはこれだけではありません。それは政教分離の問題です。天照大神を天祖とし、中世・近世には仏教とも深い関係にあった皇室は、そもそもが宗教的な存在であり、ゆえに政教分離など最初から不可能な話なのです。

 このようなジレンマをはらんだ天皇像を、殿下はどのように引き継がれるのでしょうか。もし左右の非難に従順になるとすれば、言いたいことも言えない、やりたいこともできない、まるで国家の奴隷のような立場に押し込まれざるを得ません。そのような立場は、殿下が最も望まない境遇ではないでしょうか。

 殿下は英国留学時代の随筆『テムズとともに』で、次のような一説をしたためておられます。

 再びオックスフォードを訪れるときは、今のような自由な一学生としてこの町を見て回ることはないであろう。おそらく町そのものは今後も変わらないが、変わるのは自分の立場であろうと考えると、妙な焦燥感におそわれ、いっそこのまま時間が止まってくれたらなどと考えてしまう。

 今まさにそのような心境ではないかと思うと、私は胸が痛くなります。日本国憲法では天皇が「日本国民統合の象徴」と定められていますが、それは言うなれば日本国民統合のためのイケニエオメラスの平和のために地下室に閉じ込められた子どもです。

 できることならそんな地下室から殿下を解放して差し上げたく思います。すぐにはかないませんが、やり方次第では遠くない将来、それは実現できるものと信じております。

 その方法とは、第一に日本国憲法を改正し、第一章第1条から第8条を「大統領」についての条文にすることです。例えば第1条は「大統領は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」、第4条は「大統領は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」などとします。いわゆる象徴大統領の制度であり、選出方法は例えば「国会の3分の2の賛成で」というように、政局から一定の距離のある人物が選ばれるように制度設計します。

 第二に、天皇家を国家から分離し、象徴としての地位から皇族の方々を解き放ち、参政権や職業選択の自由などの基本的人権を取得していただくことです。近代憲法と「王を血で選ぶ」という政体とはどうしても矛盾が生じます。皇室を近代憲法から解放し、政教分離の制約からも「内閣の助言と承認」という名の政治利用からも自由になっていただくことで、のびのびと皇室の伝統を受け継いでいただくことができるようになります。

 ここまでは憲法学者の奥平康弘氏や社会学者の橋爪大三郎氏が構想したことと似たり寄ったりですが、私の考えには続きがあります。いわば「民間人」となった殿下に日本国の象徴大統領となっていただく、これが第三の展開です。今の日本を見渡して、殿下以上に象徴大統領にふさわしい文脈をもった人物はいません。

 「それじゃ天皇制と同じことじゃないか」という人もいるでしょうけれど、「血で選ぶ」のと民主的に選出するのとは全く違います。また公私の区別もつきやすくなります。皇室儀礼や戦跡での追悼はあくまで私的な祈りであり、公務は国事行為のみとなるので、政教分離もすっきりと行えます。生前退位も離脱も政治的発言も自由です。また皇室経済は全国からの志納金でじゅうぶん賄えるでしょう。

 いっそお住まいは京都御所にお戻しいただいてもよいかと思います。本来、日本の首都は京都のはずです。明治天皇は「東幸」したのであって、東京遷都の詔は出ておらず、東京への首都機能の移動は遷都ではなく「奠都」と呼ばれています。まあどっちでもいいですが、それは天皇家の方々でお決めになられるのがよいでしょう。

 日本国民は天皇家の皆さんに頼りすぎました。皆さんに多大なる犠牲と不自由を押し付けて、都合のいいときだけ都合のいい天皇像を求めてきました。このようなご都合主義がいつまでも許されるとは思えません。いつか殿下が地下室から解放され、ロンドンの水路を研究されたあの頃のように自由に世界の水を訪ね歩ける日が来ることを願いつつ、筆をおきたいと思います。

 それまでの間、くれぐれもお体にお気をつけて。

平成最後の日に
敬具



sakatakouei at 15:11 
さかたこうえいの「時々通信」 | 雑談

April 28, 2019

20190503kemponohiroba 私は決して今の憲法が完ぺきとは思っていません。第1章の天皇制と第14条「法の下の平等」をはじめとする基本的人権との矛盾は大きな問題ですし、第9条に関しても「集団的自衛権を禁止するための改正を」という主張は一定の説得力があると思っています。だから憲法についての議論はすべきだという意見です。

 また、今まであまりなかった角度から憲法や人権に光を当てることも大事だと思っています。例えば「職業選択の自由」や「財産権」は、自由な経済活動を支えるうえで必須の人権です。もし憲法がこれらを保障していなければ、経済先進国ニッポンは有り得ませんでした。

 ドイツの社会学者ハーバーマスは「民族という概念ではなく、憲法という共通規範をもとに国家を統合する」という「憲法パトリオティズム(憲法愛国主義)」を提唱しました。自分たちが誇るべき伝統は「伝統を鵜呑みにせず、批判的に獲得した中のよりよき伝統」であるとも言いました。日本にもそういう愛国の形があってもよいかもしれません。

 5月3日は憲法記念日です。私たちの憲法を、どうぞ味わってください。


憲法のひろば

  • 日時2019年5月3日(金)13:00〜16:00
  • 場所福山駅前 釣り人の像付近
  • 内容:歌・コーラス、紙芝居、リレートーク、憲法や平和に関する展示
  • 主催:STOP!「戦争への道」福山総がかり行動
  • 連絡先:市民運動交流センターふくやま
     TEL・FAX:084-924-4435


sakatakouei at 17:33 
行事案内 | 政治・社会

April 27, 2019

 公私ともに慌ただしかったのと体調不良とが重なって、ブログ更新が滞ってしまいました。体調のほうは、数年前からこの季節に花粉症の後遺症で気管支喘息を引き起こすようになったのですが、たぶんPM2.5のせいもあるんじゃないかと疑っています。

 さて、10連休スタートですよ。サービス業など休めない職種も多いでしょうから、実際はそれほどの割合ではないのかもしれません。まるまる休みを取れる人は4割というデータもあります。とはいえ、日本でこれほどカレンダー上の連休があるのは戦後初。「働き方改革」を進める政府も、ある種の社会実験と考えているのではないでしょうか。

 日本の労働者の生産性は先進国でかなり低いほう。国単位でみると米中に次いで世界3位のGDPですが、1人あたりGDPは25位です。上位には北欧諸国が並び、1か月バカンスを楽しむのがザラというドイツやフランス、遊び惚けているイメージのイタリア(←個人の感想です)なども日本より上です。なぜ日本はそんなに生産性が低いのかというと、それは長時間労働が主要因の1つだといわれています。

 ですが、単純に連休を増やせば生産性が上がるというものでもありません。10連休で困る人の筆頭が、労働時間単位で働いている製造業系の非正規雇用の人々です。休めば休むだけ収入が減ります。また、子どもを保育園に預けて働いている人も、10連休で悲鳴を上げています。「保育難民」となった親の中には、仕事を休まざるを得ない人も多いようです。

 そもそも「10連休で国民を休ませよう」という発想が現実に即していません。サービス業の多くは休めませんし、逆に製造業では働きたくても働けない人が出てきます。そして観光地やレジャー施設はパンクし、各地で交通渋滞を引き起こします。一方で、日本の労働者の有給休暇消化率は50%といわれています。有休をとるのが難しいので、かわりに祝日を増やして一斉に休ませようとする日本のやり方が、現実の産業構造にマッチしていないのです。

 かたや長期休暇が当たり前のヨーロッパでは、日本ほど祝日が多くありません。いわゆる平日にしっかりと有給休暇を取るのです。それぞれが休みたいときに休んで、働きたいときに働く。そこそこ効率よく働いて、長い休みを家族や地域、あるいは市民活動のために過ごす。これが成熟した経済社会の働き方なのではないでしょうか。



sakatakouei at 11:59 
さかたこうえいの「時々通信」 | 政治・社会

April 22, 2019

20190415kimuramakotosan 統一自治体選挙の後半が幕を閉じました。立候補者の減少、無投票当選、無風選挙、多選、そして投票率過去最低の更新など、民主主義の老朽化が懸念される中での選挙でした。

 大阪では、森友問題を最初に掘り起こした豊中市議の木村真さんが、34議席中7位という上位当選で無事に議席を確保しました。モリカケを無かったことにしたい安倍政権にとって最もうっとうしい地方議員の一人だっただけに、様々な妨害やデマ攻撃があったと思いますが、それを跳ね返す市民の力が上回りました。引き続き頑張っていただきたいと思います。

20190420onomichi 私の身近なところでは、尾道市長選挙に立候補した村上博郁さんが、8000票以上という得票で善戦しました。といっても、当選の現職・平谷氏の4万票に比べると雲泥の差なんですが、「選挙ハガキ無し」「電話かけ無し」「選挙カーの看板・スピーカーは手作り」という前代未聞の「クラフト選挙」でこれだけの票をたたき出したのですから、小さくとも新しい波がやってきているのを感じます。

 なお、広島県三次市の市長選挙は、現職・増田和俊候補が1万3501票、新人・福岡誠志候補が1万3803となり、たった300票差で新人の勝利となりました。「投票に行ってもしょうがない」「1票の力なんて小さい」と思っている人! これは、あなたの地元の選挙はあなたの1票で決まるということを示してますよ。



sakatakouei at 10:07 
行事報告 | まちづくり

April 19, 2019

20190418isejingu 天皇伊勢神宮参拝のニュースを暗澹たる気持ちで聞きました。本当は天皇が伊勢神宮を参拝しちゃいけないんです。明治になるまで誰もお参りしてません。誰も教えてあげられる人はいなかったんでしょうか。それとも明治維新の「新しい伝統」に今の天皇も縛られているんでしょうか。

 明治2年(1869年)3月、明治天皇が京都から東京に行幸(事実上のお引越し)する途上、「ちょっと寄ってく?」という感じで伊勢神宮を参拝してしまいました。これは歴代天皇で初めての出来事でした。もしそのことを知っていたらもっと慎重になったと思います。1300年の伊勢神宮の歴史を無視する行為だからです。しかし当時、天皇の周りには明治新政府の息のかかった人々が侍っており、彼らは意図的にか否か、それまでの長い歴史や伝統に無関心でした。

 その後、明治天皇は4回、大正天皇は1回、昭和天皇に至っては16回も伊勢神宮を参拝しています。伊勢神宮の主祭神はアマテラス(天照大神)で、天皇の祖先とされているので、天皇がお参りするのはいかにも自然なふうに見えますが、長い歴史の中では極めてイレギュラーなことなのです。

 なぜ明治以前の歴代天皇は誰一人として伊勢神宮を参拝しなかったのか。その理由は定説がないらしいのですが、私が聞いたことのある最も説得力ある説は、天皇=アマテラス同一人物説です。今上天皇は生きながらにして神であり、アマテラスと同体とされています。その天皇が伊勢神宮つまりアマテラスを参拝したとしたら、自分が自分に参拝することになってしまいます。それは時空が歪んでしまうほどのおかしな状況なのです。まるで、ドッペルゲンガー(自分に似た人)に出会うと死ぬ、という話となんとなく似てますね。

 「持統天皇が参拝したじゃないか」という人もいると思います。持統天皇は伊勢に行っているので、当然神宮を参拝したと思われています。でも、そうじゃないという説もあります。そもそも持統天皇はアマテラスという女神を自身に模してクリエイトした人物であり、当時の伊勢神宮にアマテラスがいたとは考えにくいです。おそらくはトヨウケ(現在の外宮の祭神)につながる神がまつられていたんじゃないでしょうか。

 時代をさらにさかのぼって、持統天皇の夫である天武天皇は、大海人皇子の時代、壬申の乱で勝利をおさめ、政権を獲得しました。白村江の戦でボロ負けした天智天皇の危うい政治に辟易していた大海人皇子は、都から離れて吉野にいたのですが、新体制を求める声にこたえて挙兵します。このとき、吉野から伊勢方面をぐるっとまわって大津京に向かう途上、伊勢で多くの援軍を得ます。これが大海人皇子の勝利に大きく貢献したといわれています。つまり伊勢の勢力は、天武政権樹立の大きな原動力になったのです。

 これが「なぜ皇祖神が伊勢に祀られているのか」という謎の答えになる気がします。もともと伊勢の人々はトヨウケ系の神を信仰していた。そこに、天皇家の先祖の神を祀らせることで、伊勢の地位を高めた。その後、天武の妻・持統が自らをモチーフにしたアマテラスを皇祖神とし、アマテラスを内宮に、伊勢の土着の神トヨウケを外宮に祀らせた。そういうことじゃないでしょうか。ちなみにアマテラスは孫のニニギノミコトに日本を支配させますが(天孫降臨)、持統天皇も孫の文武天皇に譲位しています。

 以後、持統天皇から孝明天皇に至るまで、天皇は誰一人、伊勢神宮を参拝していません。これが伝統です。明治天皇が伊勢神宮を参拝したのは、伝統への無知がもたらしたハプニングなのです。ここにも「明治の伝統破壊」の実態を見ることができます。



sakatakouei at 17:58 
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April 18, 2019

20190430ribenguizi この映画は、元「皇軍」の兵士だった14人が、日中戦争時にどんな残虐行為をおこなったのか、自ら振り返り告白をするという異色の映画です。160分と長めですが、それだけに丁寧に証言を拾っています。天皇の名のもとに殺戮をおこなった歴史を、天皇退位の節目の日に見てみませんか。


天皇制を問う連続上映会[第1回]
日本鬼子(リーベンクイズ)』

(2000年/松井稔監督/160分)

  • とき2019年4月30日(火)14:00〜
  • ところ福山市市民参画センター5階会議室1
     住所:福山市本町1-35
  • 参加無料
  • 主催:「天皇制を問う連続上映会」実行委員会
  • お問合せ:市民運動交流センターふくやま
     TEL:084-924-4435/090-3748-9840


sakatakouei at 16:48 
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April 16, 2019

 安倍政権と経団連が強く進める原発輸出は、軒並み断念に追い込まれています。その事例の一つ、ベトナムの状況についての講座です。


第25回グローバリゼーション講座
ベトナム報告「原発建設計画の白紙撤回を英断した国
予定地農漁村の実情と日本企業の関与

 2016年11月ベトナム政府は、日本とロシアに発注・推進していた初の原発建設計画を白紙撤回しました。大きな理由はコスト高騰とされていますが、勇気ある知識人たちが日本政府へ原発輸出反対署名を提出したこと、建設予定地の先住民族チャム人が強く反対したことが大きく影響しています。 ベトナムは、基本的に言論の自由がなく明確な反対運動ができない社会主義国です。現在、日本には多くのベトナム人が“出稼ぎ”目的で留学生や技能実習生として滞在し、日本企業のベトナム進出も増加中です。 本年2月下旬、沖縄大学の吉井美知子教授が主催した学生対象のベトナムスタディーツアーに合流参加した渡田正弘が、原発建設予定地や石炭火力発電所(中国が建設)、また戦争博物館や枯葉剤被害児の孤児院も訪問したので状況報告をします。

  • 日時2019年4月20日(土)14:00〜16:30
  • 場所広島国際会議場3階研修室2
     住所:広島市中区中島町1-5
     TEL:082‐242‐8879
  • 報告者渡田正弘(「グローバリゼーションを問う広島ネットワーク」事務局長)
  • 参加費500円(学生無料)
  • 主催:グローバリゼーションを問う広島ネットワーク(GWH)
     TEL&FAX:082-271-0854、090-6835-8391
     HP:http://globalwatch.o.oo7.jp

*報告者紹介
 1951年広島市生まれ。1970年代に東京で「台湾の政治犯を救う会」活動に従事。1980年代から広島で自然食品販売業に長く携わった後、米国のNGO「食料開発政策研究所」でのインターン及び日本の環境NGO「市民フォーラム2001」でのスタッフ経験を経て市民活動を行う。現在は「上関原発止めよう!広島ネットワーク」でも活動中。



sakatakouei at 18:57 
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April 13, 2019

 ちょっと仏教色の濃い話題ですが、たまにはということで、ご容赦を。

撫塵(ぶぢん)は昨(きのう)なりしに、 不惑は催(うなが)す
(空海『中寿感興の詩』/以下同じ)

――昨日まで砂いじりをして遊んでいたと思ったら、あっちゅう間に40歳になっちゃったよ! by空海

 空海が「中寿」つまり40歳になったことを記念して各方面に贈った詩です。 本当なら数え年で言うんでしょうから、私の場合は去年なんですが、改めて意味を学ぶと、なんとも深いんだなぁと、それこそ感興しきり。気づくのが一年遅かったですな。

二諦(にたい)の真俗は倶(とも)に是れ常住、 禽獣卉木(きんじゅうきぼく)は皆是れ法音

――仏教も世俗も真理は同じ。だって鳥や獣や木々の音はぜんぶ仏の教えだからさ。どっちも結局は「自然の摂理」ってことだからね。by空海

 このところ「仏教×数学講座」を続けていて強く感じることですが、数学も物理も、社会科学でさえも、科学ってのはつまるところ「自然の摂理」を読み解こうとしているわけだから、仏教のめざすところと本来、何ら変わらないんですよね。 だから、科学を否定するのではなくて、もし科学が自然の摂理から逸脱しようとしていたら、「ちょっとズレてるよ」と軌道修正を促すことが必要なんだと思います。 岡倉天心の「西洋の近代を東洋の愛で包む」という言葉も、きっとそういう意味なんだろうなと。

嗟(ああ)余 五八の歳  長夜に円融を念(おも)う

――あ〜、40歳かぁ。長い夜に溶けちまいそうだ。この身体だって自然の一部だもんね。by空海



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April 12, 2019

20190429tennosei 4月1日のエイプリルフールに新元号が発表されました。そして5月1日に即位の儀式が行われ、平成の代は終わり「令和元年」となります。

 かつて平安時代初期、桓武天皇の後を継いだ平城天皇は、年が明けるのを待たずに年号を「延暦」から「大同」に改元しました。これについては『日本後紀』ですら「年を踰(こ)すことなく」「大同と改元するは非礼なり。国君は位に即(つ)くや年を踰え、而して後に改元するは臣子の心、一年にして二君有るに忍びざるなり」「今、年を踰えずして改元す」るは「孝子の心に違(たが)うなり」と厳しく批判しています。

 いわゆる「踰年改元」をせよ、という主張です。このやり方は古来からあり、現代のIT社会にも適しています。実は明治ですらそうしたにも関わらず、政府は日本会議などの主張に引きずられて「即日改元」に傾き、結局「即位1か月前の新元号発表」という前代未聞の掟破りを行いました。伝統知らずの自称保守派が伝統を破壊してしたり顔とは滑稽です。彼らこそ「非礼」にして「孝子の心に違う」人々でしょう。

 さて、そんな天皇譲位の賑やかな世相の中、昭和天皇の誕生日だった日に象徴天皇制を問う学習会が開催されます。目の前の喧騒に惑わされない腰の据えた議論が望まれます。


天皇制を問う連続学習会・第3回
民主主義にとって象徴天皇制とは何か

  • とき2019年4月29日(月)14:00〜
  • ところ福山市市民参画センター5階会議室1
     住所:福山市本町1-35
  • 講師高井弘之さん(「えひめ教科書裁判を支える会」スタッフ)
  • 資料代500円
  • 主催:市民運動交流センターふくやま
     TEL:084-924-4435/090-3748-9840


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April 11, 2019

20190410reiwashinsengumi いやはや、さすがというしかないですね。「れいわ新選組」ですか。そうきましたか山本太郎

 参院選(衆参ダブル選挙?)に向けて山本太郎さんが新党結成に挑戦します。掲げられている政策はすべて賛同というわけではありませんが(消費税ゼロ、財政金融緩和、主力は火力、などは異論がありますが)、そのチャレンジ精神はまさに「尽忠報国の士」です。

 当然ながら巷では批判の嵐です。ただ、それらをよく見てみると、誤解や思い込みが多い。例えば…

  • 新元号を使うなんてケシカラン?
    →かつて「平成維新の会」という政治団体もありました。あれがよくて「令和」がダメとは言えないでしょう。
  • 維新じゃなくて幕府方なのか?
    →明治維新の見方は最近、急速に変わりつつあります。かつては「維新=近代化」「幕府=守旧」というイメージが強かったのですが、それはつまるところ「勝てば官軍」の発想。「賊軍」となった幕府方にこそ新時代にふさわしい人材がいたにもかかわらず、殺されたり干されたりしました。維新より幕府方のほうが、案外先進的だったのです。
  • 新選組は嫌われていた?
    →確かに荒くれ浪士の集まりだった新選組には、いろいろな問題がありました。でも、それは「身分を問わず集まった者たち」だったからこそ。百姓出身の近藤・土方をはじめ、新選組は身分や出自に関係なく組織が作られました。近藤勇はそんな時代を望んだと思います。しかし、維新側のほうがむしろ薩長藩閥政治をはびこらせ、身分や出自に固執しました。
  • 新選組は人斬り集団?
    →それはその通りです。そして同様に、いや新選組よりもいち早く人斬りを始めたのが維新の志士たちでした。岡田以蔵(土佐)や中村半次郎(薩摩)は人斬りとして有名ですし、久坂玄随は英国公館を焼き討ちするなど今でいうテロリストです。彼らが正義で、新選組は悪でしょうか? それこそ「勝てば官軍」の発想ですね。
  • 新選組は権力の走狗?
    →これは山本太郎さんも言っている通り、現代日本の主権者は国民ですから、いわば「国民の走狗」ということです。
  • 新選組は負けた側?
    →確かにそうです。勝ち組にすり寄るより、あえて社会の弱い側に立つという姿勢が、いいんじゃないでしょうか。
  • どうせ適当に名付けた?
    →山本太郎さんは大河ドラマ『新選組!』で十番隊長・原田左之助を演じました。新選組については1年間出演していてよく知っているわけだし、長州出身の安倍首相「維新」を名乗る人々に対抗する意味でも、最適なネーミングだと心得ます。(それにしても、太郎さんの役職は「局長」になるのだろうか?)

 世の中が「令和、令和」と大騒ぎすればするほど、「れいわ新選組」と山本太郎にプラスになります。それでも「令和」を連呼しますか? さぁどうぞやっちゃってください。

*れいわ新選組HP
 http://reiwa-shinsengumi.com/



sakatakouei at 18:16 
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「蒼生舎」(そうせいしゃ)とは?
■「蒼生舎」は、市民活動・まちづくりを支援する市民SOHOです。

■「蒼生舎」は、広島県福山市を拠点に事業を展開しています。

■「蒼生舎」へのご連絡は、下記までメールをください。
 Eメール: soseisha@mx52.tiki.ne.jp
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  • 11/23(土)・24(日)叫ぶ芸術 ポスター展@福山
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  • 靖国神社に正式参拝
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  • 「桜を見る会」問題の「功労者」たち
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  • まだまだ続ける気だった!上関原発建設工事が再び動き出す
  • 11/19(火)伏見町はしご酒vol.9@福山市
  • 米軍が飛びながら手放し、読書、自撮り
  • 11/13(水)仏教×数学講座 仏教パートは「天皇と仏教」
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  • 11/10(日)前川喜平さん講演会@三次
  • 11/3(日)憲法を活かす福山集会「岩国基地強化と憲法9条の危機」
  • 11/2(土)千葉からDELIさんゲストに「アバランチスタイル」@尾道
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