2019年01月19日

kisvinワイナリーさん 訪問記

1月某日、中央道から富士山がよ〜く見えるドピーカンの日に山梨は塩山のkisvin(キスヴィン)ワイナリーさんにお邪魔しました。
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醸造用葡萄栽培の勉強会グループであった「Team Kisvin」がその前身で、当初はシャトー酒折さんにぶどうを供給していました。(現在でも供給しています。)
その後やはり自社でワインを仕込みたいという情熱により2013年にワイナリーを設立、2014年より自社ワインのリリースが始まりました。

つい最近までシャトー酒折さんでは「Kisvin・ピノノワール」という商品があったのですが(現在は完売しています)、そのあまりの美味しさが忘れられず、今回ようやく見学に伺うことが出来ました。


ご案内いただいたのは醸造長の斎藤まゆさんです、子育てしつつ、Kisvin醸造長の大役を担っています。
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斎藤さんはカリフォルニア大学で醸造学を学び、その後同校の講師に抜擢された秀才、さらにブルゴーニュはシャブリのドメーヌ・ジャン・コレでも研鑽をつみ2014年よりKisvinの醸造長を務めています。


まず畑に案内いただきました。
これ、なんのぶどうだかわかりますか?
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これ、シャルドネなんです。

まさか比較的新しいワイナリーが欧州系を棚栽培で仕立てているとは!、ちょっとびっくりしました。

さらにこの画像をご覧ください。
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樹が斜めに伸びてますよね。
これはもともと垣根栽培だったものを棚栽培に仕立て直したものなんだそうです。

え〜〜っ!と思われるでしょうが、kisvinさんでは垣根栽培では満足できるぶどうが出来なかったそうで、様々な試行錯誤の結果、棚栽培に仕立て直したんだそうです。

また、社長の荻原さんは「ぶどう栽培の魔術師」だそうで他社の畑をちょっと見ただけで「今ここのぶどうはこんな状態」ということを簡単に見抜いてしまうそうです。

現在醸造用ぶどう畑は約4ha、当初40種類ほど栽培してみた結果、現在ピノノワール、シャルドネ、甲州、ジンファンデル、シラーの5種に集約されています。

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その栽培方法も独自のもので、やはり「え〜〜っ!」と思ったのは、芽掻きは一切しないということ。 樹勢にまかせて房をたくさんつけ、房に余分な水分を蓄えさせてからヴェレーゾン前後に切り落とすという方法を取っています。

色々ワイナリーを見学させて頂きましたがこんな方法は初めて聞きました。


次に醸造所を見せていただきました。
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10坪前後のこじんまりしたスペースで正直「見栄えの良さ」はありません。
「まず畑に投資するため醸造所の見てくれは全く考えていません」というお考えだそうで、「醸造所をキレイにするとワインの価格も上げざるを得ないですからこのままでい〜んです」と言い切っておられました。

そうはいっても醸造タンクはサーマル式の最新鋭のものを使っていました。

樽熟庫もこじんまりしています。
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狭いスペースに樽がびっしり、移動するのは相当大変だろうなという感じです。

スペースは狭くても樽は超高級品ばかり、
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フレンチオークの「ブランド品」スガンモローやタランソーなどが奢られていました。

斎藤さんは「私のわがままを聞いてもらって高価なんですけど良い樽のみを入れてもらってるんです」と言っておられました。

で、お楽しみのテイスティングです。
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樽熟成の「甲州レゼルヴ」、スタンダードの「シャルドネ」、マスカット系のぶどう主体の「ブラン」の3種をテイスティングさせて頂きました。

どれも「味わいが詰まった感」があり芯の強いドライな印象を受けました。

斎藤さん曰く「知らない誰かのためにワインを造ることはありません、飲んで頂くお客様の一人一人を思い浮かべて作っているんです」、そんな意志が感じられるようなドライでいながら温かさを感じさせるワインでした。

テイスティングしたのは4名でしたが質疑応答が盛り上がり3本とも全て空けちゃいました。
こんなにガッツリ試飲させて頂けるのもなかなか珍しこと、ありがたいことでした。

kisvinさんのワイン、新ヴィンテージに切り替わる春以降に導入予定です、斎藤醸造長が「あなたのために」造ったワイン、入荷したらあらためてこのブログかfacebookでご案内いたします。


「完売かもな〜」とあきらめていたkisvin秘蔵のピノノワールが運よく購入することが出来ましたので近日インプレなどご報告したいと思います。

kisvinワイナリー、今後も注目すべきワイナリーでした。
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ではでは


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2018年12月20日

信州たかやまワイナリー訪問記

ちょっと前ですが11月の終わりに長野県は千曲川ワインヴァレー北部に位置する高山村の新興ワイナリー、「信州たかやまワイナリー」さんにお邪魔しました。


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1996年に初めてシャルドネを植栽し、当初は大手メーカー(主にメルシャンさん)に原料ブドウとして供給していたそうです。

時がたつにつれ栽培農家から「自分たちのワイナリーを持ちたい」という気持ちが芽生えてきて、平成28年に念願のワイナリーが完成しました。

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現在は約20名の栽培業者により40ha余りの畑が耕作されています。
(全てがたかやまワイナリーのワインになるわけではなく、他メーカーにも原料ぶどうを供給しています)

高山村は扇状地で水はけがよく、さらに畑の標高が400mから800mに跨り、同じぶどうでもタイプの違う味わいに仕上がります。 これはぶどう栽培適地の「リージョン1」から「リージョン4」までの気候が同じ場所にあるのと同じことであり、たかやまワイナリーの多様性や悪天候時のリスクヘッジにもなっています。


お話を伺ったのは醸造責任者で取締役執行役員でもある鷹野永一さんです。
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鷹野さんは元々メルシャンさんにお勤めになっており、当時メルシャンが所有していたボルドーのワイナリー、シャトー・レイソンにも勤務していたことのある醸造のプロフェッショナルです。

ワイン造りで心掛けていることはまず「調和」ということでした。
ボトルの中で突出したところが無く、飲み飽きしない、日本の食事に合う「強すぎない」ワインを目指しているそうです。

そして「王道であること」
ワイン産地の条件として、最低200年続くことが大事だと仰っていました。
子の世代までは心配ないが、孫の世代まで続けて行かなくてはならないということでした。


それに関しては行政も非常に協力的で「村を上げて」ワイン産地の形成に努めているということでした。
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観測機の設置などインフラの整備に関しては行政が大変協力的で、たかやまワイナリーはその中核として人材の育成に力を注いでいるとのことでした。

さて、能書きはこの位にして早速試飲をしてみましょう。

現在試飲可能なのは2017のソーヴィニオンブランとシャルドネの2種、カベルネ・メルローは残念ながら完売でした。

2017年は夏の日照が少なく冷涼感のあるワインに仕上がっているそうです。

信州たかやまワイナリー ソーヴィニオンブラン 2017 
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ソーヴィニオンブラン特有のフュメ香(青草の様な爽やかな香り)がはっきり出ておりフレッシュ感あふれるフレーバーです。
舌触りにはしっかりした酸がありキリッとした印象、ぶどう品種の特徴が良く感じられつつも押しが強すぎず非常に上品な味わいです。
後口に雑味を感じず非常にキレイな印象を持ちました。



□ 信州たかやまワイナリー シャルドネ 2017
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約30%樽貯蔵されたシャルドネ、マロラクティック発酵は「なりゆき」で全量は行っていないということでした。
ウッディなニュアンスはあまり感じずほのかに柑橘の香りのあるフレッシュな香りです。
きりっとしているものの突出はしていないキレイな酸があり軽快で切れの良い味わい。
まさに鷹野さんの言う「日本の食事に合う強すぎない」味わいがしました。


現在の作付の割合は
シャルドネ30%
メルロー 17%
ソーヴィニオンブラン 15%
カベルネソーヴィニオン 10%
ピノノワール25%

ひょっとしてメモ書きをミスったのかもしれませんが、それにしても最近はピノが多くなりつつあるとのことでした。

ピノは環境適合性があるので言われているほど難しくないということでしたが、「一世代ではなかなか難しいのも事実です」ということでした。


年明けになれば赤もリリースされるようですので楽しみにしていましょう。


たかやまワイナリーはワイン用ブドウ栽培としては20年の実績があり、さらに鷹野さんという優秀なエノログが陣頭指揮に立っており、予想以上にレベルの高いワイナリーでした。

今後絶対に注目して行くべきワイナリーと確信いたしました。


ではでは


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sakayaa2000 at 22:25|PermalinkComments(0)

2018年11月24日

グレイスワイン トップキュヴェテイスティング 2018秋

前回より続きます。

今や日本を代表するトップワイナリー、グレイスワインさんのカーヴにて熟成中である2017年のバレルテイスティングを体験しました。
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2017年は初夏に過去に例を見ないほどの好天に見舞われました。
降水量の少なさは結実数の少なさという影響をもたらしましたが、これは自然の数量制限ともいうべきもので2009年や2012年に匹敵するような品質になることは間違いないでしょう。

まだ未完成とはいえビッグヴィンテージのワイン、さてどんな味わいか?
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メルローは樽のフレーバー色濃く甘さがのって厚みがあります。
「過去最高の出来栄え」との声もあるそうです。

カベルネフランは少〜し青さが感じられます。
キレイな酸とシルキーなタンニンがあり芯の強い味わいです。

プティヴェルドはスパイシーで甘さとボリューム感があります。
単体だとエレガントさに欠けますがこの力強さが隠し味となって各ワインをブーストするんですね。

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「一滴たりとも無駄にできない」ワインですから試飲で余った分はそのまま樽に戻されます。




その後いよいよメインイベントのトップキュヴェ・テイスティングに移ります。
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さすがグラスもそれぞれ専用グラスがおごられています。
脚折りそうで怖いです。
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ここでの講師は醸造長の彩奈さんです。
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では、行ってみましょう


■グレイス・エクストラ・ブリュット 2014
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三澤農場の北向き斜面のシャルドネを使用(スパークリングに必須な酸がしっかり出る区画です)したブラン・ド・ブランです。

瓶内熟成は36か月、2018年7月にデコルジュマンされたものです。
アルコール12% 生産量1700本の貴重品です。

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泡立ちが非常にきめ細かいのが印象的、当初ミネラリーな香りでしたが徐々に青りんごの様な香りが出てきます。ナッティさは極わずかで徐々に和柑橘のフレーバーも出てきました。 酸のキレが良くかなりドライな味わいです。

例えば大手シャンパンメゾンに比べてRM(ぶどう生産者元詰め)の作り手であることは品質的にはかなりインセンティヴがあるということでした。
リザーブワインを使わずルミアージュも手作業でできるのは小さなワイナリーならではのこと、よりきめの細かい造りが出来て都合が良いのだそうです。


■キュヴェ三澤 明野甲州 2017
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2017年は前述の通り非常に良い年ではありましたが収穫期の遅い垣根甲州は10月下旬の台風で若干の被害を受けたようです。

三澤農場の垣根甲州100% ステンレスタンク貯蔵・熟成、無補糖、無補酸、ノン樽、ノン・シュールリー、テクニックは一切排除した「素材」で勝負のワインです。

アルコール11.5%
生産量 4110本

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はじめはミネラリーなフレーバーが強かったものの、時間が経つにつれ和柑橘、さらにハチミツの様なフレーバーが出てきました。

ハチミツのフレーバーをもつ甲州がかつてあったでしょうか!?

もっとも彩奈さんとしては5年から10年くらい熟成させてから飲んでほしいということでした、出来れば毎年「定点観測」をしたいところです。


■2016キュヴェ三澤 白
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三澤農場産シャルドネ100% 樽発酵・樽熟成(新樽なし)
アルコール12.5% 生産量 900本

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前回記載した通り、非常に難しい年だった2016年、開いてくるまで時間がかかるスロースターターなワインです。

ウッディさとミネラリーなフレーバー、ボディはミディアムで徐々にバニラフレーバーが出てきます。

難しい年であったのは「重くない」ボディにも感じられます。

生産量も激減、通常年だと2千本前後造られるものが半減以下の900本しか作ることができませんでした。


そしてさらに衝撃的な事実が・・・。

2016年はキュヴェ三澤の赤は生産されませんでした!


あらゆる努力をしたものの、最終的に「キュヴェ三澤」に相応しいワインができないと判断したということでした。

経済的にもワイナリーにとって(そして私たち流通にとっても)大打撃なことですが、クオリティを維持してブランドを守るためには致し方のない事だったのでしょう。

「楽しみに待っていただいていたお客様には大変申し訳ない思いです。」という彩奈さんの判断に敬意を表したいと思います。


その代りに、ワイナリーがストックしていたバックヴィンテージがごく少量リリースされることとなりました。

■2014キュヴェ三澤 赤
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前回記載した通り早春の大雪が記憶に新しい2014年の赤です。
カベルネ43%、メルロー36%、カベルネフラン15%、プティヴェルド6% 樽熟成
アルコール13.7%
生産数 4300本(現在在庫はごく少量)

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キュヴェ三澤のバックヴィンテージがテイスティングできる貴重な機会です。

糖度24度前後のぶどうで仕込んだもので酸は6g/l程度、色合いにはまだ紫色が残っています。
ほんのりウッディさ、タンニンの角が丸くなりつつあり時間が経つにつれボリューム感が出てきます。

アルコールは13.7度もあるがそれほど濃い印象はありません。

リリース直後のテイスティングノートには「赤身の肉など素材そのものの味わいと合わせたい」と記載がありましたが、今もまさにそのような味わいでした。


■2008キュヴェ三澤 赤 プライベートリザーブ
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カベルネソーヴィニオン100% 樽熟成
アルコール度11.5% 生産数 287本(現在在庫はごく少量)

たしか第1回目か2回目のグレイス塾に出品ていたと記憶しているワイン、「特別な年」にしか作られることのないプライベートリザーブのバックヴィンテージです。

彩奈さんが醸造を手掛けた最初の年のワインだったと思います。

当時のテイスティングノートには「オークの開放タンクで仕込んだが、酸膜酵母の心配が全くないほど力強かった」との記載がありました。

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濃い色合いだが10年を経て紫色は抜けつつある。香りには妖艶さが出てきておりごくわずかになめし皮のような枯れたニュアンスも出始めている。

アルコールは11.5%ですがボリューム感はむしろ13.7%ある2014のキュヴェ三澤より感じます。

販売を前提としていなかったそうで(300本にも満たない生産量ですから・・・)「ストックしていたのをすっかり忘れていた」んだそうです。

2016年のキュヴェ三澤を造ることができなかったため、せめて他の商品をと考えた時に思い出したそうです。


とはいうものの、

かろうじて生産されたキュヴェ三澤も約半数はストックに回されてしまいますし、バックヴィンテージの残数もごく少量、当店に割り振られた数量も極々わずかなものです。

おそらくこの3種のワインは店頭で日の目を見ることが無いかもしれません。

毎年キュヴェ三澤を楽しみにお待ちいただいてたお客様には大変申し訳ないのですが、上記の通りの状況ということを何卒ご理解いただければ幸いです。

ワインはまさに「農産物」であることをあらためて思い知らされたような気がしました。


セカンドラベル、キュヴェ三澤・明野甲州、エクストラブリュットに関しましては12月上旬に入荷予定となっております。
原則店頭販売だけとなりますが、こちらも数量はそれほど多くありませんのでお早めにご用命いただければ幸いです。

では、どうぞ宜しくお願いいたします。




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sakayaa2000 at 21:54|PermalinkComments(0) グレイス 

2018年11月23日

グレイス 2016プリムールテイスティング 2018秋

2018年11月某日、グレイス・ミサワワイナリーにてプリムールテイスティングが開催されました。

「日本一日照量に恵まれた」明野地区だけあって富士山がとっても良く見えました。
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収穫は全て終了しており畑は美しく紅葉しています。
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剪定前の垣根甲州、枝の伸び方が良くわかります。
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グレイスさんでは優秀な樹を選別する「マサルセレクション」を積極的に推進しています。

「樹ごと」はもちろん、「枝ごと」にも選別しているそうでそこかしこに色分けしたテープが張られています。
枝ごとにぶどうの良し悪しを選別するのは非常に手間のかかる作業だと想像されますがグレイスさんではより高品質な甲州を目指すため一切手を抜くことはありません。

「畑の鬼」を自称する醸造長、彩奈さんのなせる業ですね。
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最近明野地区ではサルや鹿の被害が出ているそうですが「鬼」がいれば大丈夫そうですね。




さて、場所をワイナリーに移して2016年ヴィンテージのプリムール・テイスティングです。

講師は女性ファンも多いという美声の持ち主、営業の金子さんです。
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セカンドラベル3種類とメルローの2014の合計4種のテイスティングです。

いずれも12月上旬入荷見込みです。


2016年ヴィンテージの概要
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早春から梅雨時期まで天候に恵まれ秀逸なヴィンテージを予想させました。
が、8月中旬以降秋雨前線と度重なる台風に見舞われてしまいました。
スパークリング用のシャルドネは収穫が早いので健全な状態で収穫できました。
また、スティルワイン用のシャルドネも秋雨を避けた好天日に収穫することが出来ました。
反面、晩熟品種のカベルネは秋雨の影響を色濃く受け、病果の除去など懸命な作業を経て収穫を終えたのがなんと11月の13日、かつてないほど収穫日を伸ばしなんとか収穫を終えることが出来ました。

成熟期の天候不良により厳しい年となりましたがその分例年以上に厳しいセレクションをしました。
そのため生産量がかなり減りましたが酸のキレの良い若くから楽しめるワインとなった年でした。



■2016 グレイス・カベルネフラン
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カベルネフラン86.6%、プティヴェルド13.4% 樽熟成約20か月
アルコール12%
生産数 2590本
ほんのり小豆のフレーバー、しっかりした酸がありタンニンは柔らか、フランにありがちな青っぽさが出ておらずピュアでエレガントな味わいです。
舌触りに甘みを伴った果実味がありアプリコットのフレーバーも感じました。
今飲んで美味しいミディアムボディの赤です。


■2016グレイス・カベルネソーヴィニオン
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カベルネソーヴィニオン86.9%、プティヴェルド13.1% 樽熟成約20か月
アルコール13%
生産数 3860本
色合いは中位でそれほど濃くはない、黒系果実のフレーバー、口当たりに酸のアタックがあり少ししてから果実味の甘さが出てくる。
スパイシーさがありアフターにウッディなニュアンス、フルボディとは言えないもののバランスの良いキレイな味わいで厳しいセレクションや収穫期を遅らせるなどの苦労が偲ばれる味わいに仕上がっています。


■2016グレイス・メルロー
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メルロー85.1%、プティヴェルド14.9%、 樽熟成約20か月
アルコール12.5%
生産数 7070本
2018年の10月より施行された国税庁による「果実酒等の製法品質表示基準」によるとぶどう品種を表示できるのは「単一品種を85%以上使用した場合」に限られますのでメルロー85.1%のこのワインは「ギリでOK」ということになります、余談ですが・・・。
ミディアムボディでいながら果実味が豊かで甘さを感じるフレーバー、時間が経つにつれ果実味の凝縮感、樽熟成由来のバニラ香が出てきて今の時点では3種のワインの中では最も飲み頃に感じました。


■2014グレイス・メルロー
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比較試飲のためまだ多少在庫のあった2014年のメルローもラインナップされました。
メルロー87.5%、プティヴェルド12.5% 樽熟成約20か月
アルコール13.5%
生産数 7800本
2014年は2月に首都圏でも大雪に見舞われた年、明野でも大雪で1週間以上畑に近づくことすらできなかった年でした。ただ、ハウス栽培や棚栽培のぶどうは大きな被害を受けましたが、垣根栽培のぶどうは剪定が終わっていたこともありほとんど無傷で影響は軽微でした。

さらに9月の天候が良く2014年は「メルローの年」と呼ばれています。

色合いはやや紫色が抜けつつあるガーネット、色合いは2016年より濃いかもしれません。
少しタフィなニュアンスがあり果実味にボリューム感があります。
タンニンはシルキーでとてもバランスよく、かつ飲み応えもある味わい。

たしかに「メルローの年」というのが実感できる味わいでした。


その後2017年のバレルテイスティングに続くのですが、長くなりましたので次回に続きます。







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sakayaa2000 at 22:05|PermalinkComments(0) グレイス 

2018年11月15日

グレイス・シャルドネ 2008&2011 バックヴィンテージの状態チェック

当店主力のグレイスワイン、キュヴェ三澤はもちろん、セカンドラベルもある程度熟成させた方が美味しくなるので毎年余裕のある数量を買い付けています。

ただ、日本ワインの長期熟成については過去のデータも無く、「危険」な側面もあるのも事実、たまに状態をチェックする必要があります。

今回は個人所有のものを除いて現在販売中のもので最も古い10年近く経たシャルドネを垂直試飲してみました。
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まずは2008年のグレイス・シャルドネです。
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2008年ヴィンテージは猛暑日が多かった割にはゲリラ豪雨も多く、栽培管理、収穫時期の見きわめが難しい年でした。

色合いは輝くような薄いゴールド、わずかにグリーンのニュアンスすら見て取れる、意外なほど若い外観です。
抜栓直後だとわずかに柑橘の風味が感じられあとから樽熟成の香りが出てきました。
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口当たりに酸のアタックがあり果実味はやや控えめ、時間が経つにつれウッディなニュアンスとバニラの様な甘みが色濃く出てきました。

ボディは自体は軽めなもののバランスは良くとても健全な状態でした。

ブルゴーニュのように「粘性が出てボリュームが増す」ような熟成ではなく、日本的な「クリアで繊細さが出る」侘び寂び的熟成状態でした。

いずれにしても殊の外若さが保たれておりちょっとびっくりしました。


お次は2011年のグレイス・シャルドネです。
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2008年ヴィンテージは8月半ばまでは猛暑だったものの8月後半より秋雨前線にたたられあまり恵まれた天候ではありませんでした。が、当時のグレイスさんのコメントでは「赤は厳しい年でしたが白にとってはしっかりした酸があり決して悪くない年でした」ということでした。

が、しかし、グラスに注いだ瞬間「こりゃ〜、逝ってるかな」といった色合いにがっかりしてしまいました。
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褐色に変化しており明らかに酸化しています。

香りはシェリーっぽい酸化臭、味わいに果実味が感じられず平板なボディ、アフターにほんのりウッディさ、ビターなニュアンスが舌に残ります。

2008年とは対照的に熟成には耐えなかったようです。

2008年より若いヴィンテージなのにこちらの方が10歳以上年取って見えます。

「ワインは農産物」とは頭では分かっていたつもりですが、今回あらためて実感したような気がします。

両方とも同じ低温倉庫で貯蔵していましたから保存状態の差ではなく、まさにヴィンテージの差のなせる業です。

もっとも酸化してしまった2011ヴィンテージも「シェリーっぽいワイン」と考えれば悪くはなく、オロロソが好きな方には気に入ってもらえるかもしれません。


この10数年で日本ワインは飛躍的な品質向上を実現してきましたがまだまだ発展途上なのも事実、今後も追跡調査を怠ることなくより一層の品質向上を期待して行きたいと思います。

2011年ヴィンテージは廃棄しようと思いましたが「これも日本ワインのアーカイブ」には違いないので「それと断ったうえで」販売継続することにしました。

興味のある方はどうぞお試しください!




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sakayaa2000 at 22:19|PermalinkComments(0) グレイス 

2018年11月03日

グレイス セレナ甲州2018新酒 青りんごの様な爽やかさ

いよいよワインの季節、ボージョレ・ヌーヴォーは毎年11月第3木曜日が解禁日ですが山梨のヌーヴォーは毎年11月3日が解禁日です。

当店の主力、中央葡萄酒グレイスワインさんからも2018年新酒が入荷しました。

グレイスワイン セレナ甲州 2018 750ml 1480円(税別)
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色合いに若々しいグリーンのニュアンスが感じられます、トップノートにはほんのり柑橘と酵母臭が少々、スワーリングすると青りんごの様な瑞々しい香りがふわーっと広がります。

新酒ならではの新鮮な香りは何とも言えない心地よさがありますね。

口当たりには出来立てワインの証しである微々炭酸が感じられます。

口中香はまさに青りんごそのもののようなフレッシュさがある鮮烈な印象、アルコールやや低めの11.5%なのですいすい飲めてしまう清涼さがあります。

甲州らしい酸もしっかり効いていますが後口にごくわずかな残糖がありますので「酸っぱい」印象は無くとてもまとまりの良い味わいに仕上がっています。

ワインシーズンの到来を告げるにふさわしい清々しい味わいの甲州新酒、レモンを絞った魚のフライや温野菜、きのこを使った料理などによく合うんじゃないでしょうか。

2018年は期待の出来るヴィンテージです!


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sakayaa2000 at 11:28|PermalinkComments(0) グレイス | 日本ワイン

2018年10月24日

シャトー酒折kisvinキスヴィン甲州 2011 甲州は熟成に耐えるのか?

プライベートなストックではなく、いわゆる「在庫」として存在する甲州で最も熟成期間の長いのがこの1本、ちょっと不安だったので状態をチェックしてみました。

はたして甲州は7年の熟成に耐えられたのでしょうか?


シャトー酒折 kisvin キスヴィン甲州 720ml 3500円(税別)
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甲州ワインファンの方ならご存知かもしれませんが「kisvin」とはぶどう栽培家である池川仁氏と荻原康弘氏を中心とした醸造用ブドウの品質向上を目指す研究グループです。

従来生食用の「余り」で作られていた甲州ワインを醸造用に特化したブドウで作ろうといった流れを作った先進グループの一つでもあります。

そんなわけで、このワインの甲州は当初から醸造用に仕込まれたもの、樽発酵とステンレスタンク発酵のキュヴェを併用して4か月間だけ樽熟成されたものです。

色合い中くらいのゴールド、香りほんのり樽香、柑橘はなく白桃?、フレッシュさはないものの熟成や劣化のニュアンスは感じませんでした。

口に含むとベースのワインは意外と淡麗、天井にビターさを伴った樽香、抜栓直後だと甲州の淡い味わいに対して樽香が上滑りしているような感覚がありました。

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2011の甲州ですからシェリー香やランシオ香を予想したのですが、意外や意外、若さがあり熟成のニュアンスは限定的に感じました。

しばらくすると果実味と樽香が融合してきました。
甘味を伴った凝縮感、当初淡麗に感じたがボディでしたがボリューム感あるタッチに変化してきます。
樽熟4か月の割りには樽のニュアンスが強いのが印象的でした。

ブラインドで飲んだらひょっとすると甲州ってわからないかもしれません。

決して衰えてはいないものの若い甲州では感じられない複雑さや凝縮感が感じられました。

結論から申しますと、上質な原料ブドウから作られた甲州は7年程度の熟成では全くへたっていませんでした。

率直に言えば樽熟成という化粧をしていないすっぴんの2011年が試してみたかったですね。


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sakayaa2000 at 22:58|PermalinkComments(0) 山梨 

2018年10月12日

丹波ワイン ピノノワール 新ヴィンテージ2016はどうでしょう?

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京都府の中堅ワイナリー、丹波ワインから新ヴィンテージのピノが入荷しました。

丹波ワイン 鳥居野ピノノワール 2016  3300円(税別)
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「丹波鳥居野」ブランドは自社栽培ぶどう使用のエステートワインです。

色合いはピノらしいやや薄めのガーネット、香りに派手さはなく落ち着いた赤系果実の香り。

口当たりは酸が前面に出ている、飲み始めて20分くらい経ってくると甘みを伴った果実味が開いてきた。

バランスが良くついついグラスが進んでしまう、ローストポークによく合いました。

地味ではないが派手さが無くエレガントさが感じられます。

もう少し熟成させてから楽しみたい気がしました。


もう1本、カベルネ・メルローも試してみました。

丹波ワイン カベルネ・メルロー 2016 2800円(税別)
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カベルネ主体でメルローをブレンド、わずかにタナーもブレンドされているそうです。

香りにロースト香、少しゴムっぽさが感じられました。


ボリュームは中位のミディアムボディ、口当たりは酸が前面に出ており果実味は後からすいてくる感じです。

タンニンは程よく収斂性はありません。

少し時間が経つと酸が落ち着き丸みが出てきました。

派手さのないミディアムボディ、もう少し寝かせた方がより丸みが出てくる予感がしました。



ではでは





sakayaa2000 at 22:08|PermalinkComments(0) 日本ワイン 

2018年10月06日

福祝・外伝 山廃純米吟醸  藤平酒造さんのとんでもない隠し玉でした

「外伝」とつけられたサブタイトルの通り、例年の季節商材には無い藤平酒造様の「隠し玉」が入荷しました。


■福祝・外伝 山廃純米吟醸 秋田酒こまち50 720ml 1500円(税別)
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高温山廃仕込みで造られた酒、「高温山廃もと」と言えば千葉県でも外房・大原の木戸泉酒造さんの代名詞。
藤平酒造さんは「清酒の原点に立ち返った酒を造ってみたい」という志で木戸泉さんに教えを乞うて造りに臨んだそうです。

立ち香は穏やかたでいながらほんのり甘さを感じるニュアンス、口に含むとガツンと来る酸、旨みもあるが酸とアルコール感が前面にでている。
(蔵元さんに伺ったところ日本酒度±0、酸度1.8だそうです)
かなりゴツい味わい、確かに木戸泉に似ているところもあるが、鼻に抜ける華やかな香りに福祝さんらしさを感じました。

翌日再度試飲してビックリ!、昨日より香りも味わいも一回り大きくなっているじゃああ〜りませんか、ゴツい味わいに変わりはないのですが立ち香も華やかで旨味も複雑さが増した印象でギュギュっと味わいが詰まっています。
それでいて後口はキレイな酸がありしつこさが感じられません。

昨日はまだ開いてなかったんですね、1日経ってかなり化けました。
これはスゴい酒です。

燗酒でも試してみました。
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酸が際立つが重さは感じさせない、じんわり旨みが出てきて心地良い、後口はどっしりした辛口、タッチは甘く感じるので旨口表示にするか辛口表示にするか迷う味わいです。

私的には冷や(常温)の方が味わいの幅が広く感じられるような気がしました。

最近流行の芳香でフルーティな甘さのある酒に対するアンチテーゼってほどではないでしょうが、こんな感じのがっしりした酒がもっと飲まれないと日本酒の将来も危険かもしれません。

日本酒イベントは大盛況なのに実需は大幅に減り続けている日本酒業界に喝を入れてくれる、そんな酒に感じました。

実店舗で絶賛発売中です。


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sakayaa2000 at 18:47|PermalinkComments(0)

2018年10月04日

信州たかやまワイナリー シャルドネ・アンオーク2017 初ヴィンテージが入荷

信州たかやまワイナリーは長野県の北信地区、小布施町の東に位置する高山村に2016年に設立されたばかりの出来立てワイナリー、今回テイスティングしたシャルドネのアンオークは2017年が初ヴィンテージです。

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ワイナリー画像はオフィシャルHPより転載させて頂きました。

元々は1996年にシャルドネが植えつけられ、村外のワイナリーに原料ブドウを供給していた歴史を持ちます。

「いつか自分たちが栽培したブドウで自分たちのワインを造りたい」、という強い想いを持った栽培農家さん達が主体となりようやく2016年にワイナリーが設立されました。

ブドウ栽培に関しては20年の経験があるわけですから設立当初から非常にクオリティの高いワインを作り上げています。


信州たかやまワイナリー アント シャルドネ・アンオーク 2017 1980円(税別)
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グリーンがかった若々しい色合い、軽い柑橘〜ハーブの香りが漂います。

口当たりはやや淡麗でキリッとした酸が特徴、樽を使っていないということでマロラクティック発酵もしていないようです。

シャルドネとしては軽いボディで繊細でクセがないので食材との相性は幅広そうです。
特に和食とはすごく相性がよさそうです。


後口もキレイな酸のキレがあり繊細にして上品なフィニッシュ、どこか「初々しい良家の子女」てきな感じがしました。

日本のシャルドネのあるべき姿の一つを見たような気がします。

ちなみに商品名の「アント」とは地元方言で「ありがとう」という意味だそうです。

美味しいブドウを生み出す高山村の気候。

村を上げてワイン用ブドウに情熱を燃している素晴らしい環境。

良い収穫を迎え良いワインがでること。

そして楽しくワインを味わって下さる飲み手の皆様。

すべての取り巻く環境に感謝を込めて「アント」という名前をつけたんだそうです。






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sakayaa2000 at 19:17|PermalinkComments(0) 長野