人体の気の流れにそって沢山のツボがあるのと同じく、この広大な大地にも龍脈という。気の流れの上に、その気の噴出し口である大地の気の凝縮した龍穴というものが存在する。
この、「龍脈と龍穴」は、「電線とコンセント」に例えれば理解しやすいだろう。

”風水”とは、龍脈を求める「尋龍(じんりゅう)」と、その龍脈上にある龍穴を探し出して活用する「点穴(てんけつ)」の両法である 『尋龍点穴』という技法こそが風水師が最初に学ぶ課題であり奥義ともなっている。

この風水の基本である尋龍点穴法を知らなければ、いくら風水師を名乗ったところで、本当のところは家相師であり、つまるところ、日本の自称風水師たちの約99%は、実は風水師ではないという、あまりにも退廃した状態にあるようだ。

〔尋龍点穴法〕

(一)〔龍勢〕
まず最初に、地龍の勢いを見る。地龍の勢いとは、山の起伏のことで、太祖山という大もとの山に発生した気は、起伏を繰り返しながら広がっていくが、関東やその周辺では、富士山もこの太祖山にあたり、東京に繁栄をもたらすその要因のなかでは、この富士山からの龍脈の影響が最も大きいものとなっている。
その太祖山から連なる山の地龍の勢いは、順龍、逆龍、断龍、強龍、弱龍などに分類されるが、あまりにも強大な地龍に点穴した場合、その子孫はあまりにも英雄的な人生を歩むようになり、非業の死をとげたりするので、ほどほどに強いものを吉とする。

(二)〔五形山〕
その山が 木火土金水 の五形山の内どれに属するかを調べる。富士山のような山なら木形山、尖った山なら火形山、平らな山なら土形山、丸い山なら金形山、波のようにうねった山なら水形山となる。
それぞれの五形山には意味があり、例えば、火形山に点穴すれば、その子孫から総理大臣のように権力を握る者や、芸能界のような華やかな世界で成功する有名人が誕生するが、その子孫をいつ誕生させるかは、その点穴方法により、また、その墓石を見れば子孫から、そのような人物がいつ生まれるのかかが判る。

(三)〔四神〕
山(玄武砂)を見つけ、おおよその龍穴とおぼしき場所を定めたら、地龍(龍脈)が来る方向と向き合って、右に「青龍砂」、左に「白虎砂」、後方に「朱雀砂(案山)」という、気が散らないための防護壁の役目をするものがあるかを確かめる。
また、地龍の口先には、聚水という龍の水飲場がなければその気もすぐに枯れてしまうので、川、湖、池、海などがあるかどうかも確かめる。

(四)〔格局〕
青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が揃っていることを確認したなら、その全体的な形状を見る。
その形状は、「雙龍遊戯形」「猛虎跳江形」「回龍顧祖形」「雙鳳飛天形」「白象飲水形」「飛燕帰巣形」などなど、基本的には、三十六形があり、吉格ばかりか凶格も存在する。例えば、白虎砂が長く伸びその先が龍穴に向かう場合は、「白虎回頭形」という凶格となり、その子孫の中から少なくとも20年に一度は、事故、他殺、刃物で死亡するものが現れることとなる。誰がその影響を受けるかは、その点穴法と子孫の生年月日による。

(五)〔来龍〕
格局が吉格と判明したなら、いよいよ本格的に龍穴を探すことになる。
もしも、ある地点から龍脈の来る玄武山の頂上が東にあるなら「震龍」、北東なら「艮龍」とする。
このように、八方位のどの八龍から龍脈が来てるかが判ったなら、その地龍の頭(龍脳)から目(龍眼)あたりをスコップで70センチ前後くらいの深さで掘ってみるが、龍穴ならば、その証しに、『太極暈』という気の凝縮した物質も出が必ず出てくるものである。

(六)〔十龍穴〕
龍穴は、その周辺の地形によって、十干の甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸穴の10種に分類される。
それぞれの意味は、甲尊穴(求官)、乙奇穴(求安)、丙奇穴(求財)、丁奇穴(求智)、戊儀穴(求信)、己儀穴(求情)、庚儀穴(求寿)、辛儀穴(求道)、壬儀穴(求勝)、癸儀穴(求秘)となる。
つまり、もし財を引き寄せたいなら丙奇穴を使うことになるが、甲、乙、丙、丁穴以外はほとんど使用しない。

(七)〔天盤〕
龍穴を見つけたなら、そこから山の方位を調べる。
北東の中心から東、南、南西の中心までを陽の方位とし、南西の中心から西、北西、北の方位を陰の方位とする。
もしも、その山の形状が (二)〔五形山〕 で述べた木形山で、陽の方位にあるならば、甲(陽木)、乙(陰木)のうち、陽の方位にあるので「甲山」とし、龍穴が「丙奇穴」なら、それを合わせて甲丙となり、それは、「青龍返首格」という、数年、数十年、数百年、数千年と時が経過するごとにその子孫一族が繁栄する吉穴となる。
もしも、その山の形状が火形山で、陽の方位にあるならば、丙(陽火)、丁(陰火)のうちの、「丙山」となり龍穴が「甲尊穴」ならば、それを合わせて、丙甲の 「飛鳥跌穴」となり、その子孫は貧乏のどん底であっても一夜にして大富豪になるようになる。これは、十干×十干で合計100種の象意がある。

(八)〔合局と水龍〕
龍穴を見つけたなら、通常その上に建物や墓を建てるが、その墓石の正面や建物の玄関は、山の方位と合わせなければならない。この場合は、八方位ではなく、二十四座山という24の方位を使う。
例えば、山の方位が子(真北)にあり、その墓石の正面や建物の玄関や門が酉(真西)にあるなら、それは、「文曲格」となり子孫から必ず文筆で成功する人物が現れ、また、その酉に向く墓や家の玄関や門から見て雨が降ったときや川などの流れが午(真南)の方位に流れていくならば、それは巨門水となり、これは財気が引っ張られて行ってしまうので破局水となる。

(九)〔その他〕
上述(七)では、天盤について述べたが、その他に人盤、地盤もあるが割愛する。
(八)では、水龍についても述べたが、どの建物の周囲でも道路の排水溝などへ流れ落ちる水があり、水は財を象徴するといわれるように、財気が引っ張られていってしまうか、あるいは財気がやって来るかを知る意味では重要である。また、この水龍の悪影響を改善する方法としては、「揚公水法」が存在する。
この陰宅風水は、都心でも通用し、例えば、墓石に向かい、遠くに見える山、樹木、ビルその他の建物などで、その右方よりも左に高い物がある場合、そこに埋葬された一番近い子孫は、必ず婿養子となるか、妻の尻にひかれる運命となり、また、離の方位を使ったりすると女子ばかりが生まれて女系家族になったりする。
また、寅の方位(15度)を間違って使うと、その子孫は火災など火の災害にあうなど、それぞれの詳細を述べるには莫大な紙面を要するので割愛する。

〔以上の誤字その他はあとで編集します〕