2017年03月25日

総評 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」 ( 2017年1/3〜3/20 愛知県美術館 )



私は

章解説・作品解説・キャプションなどを

あまり読まない

または

読む場合も大雑把にしか読まないので


鑑賞中はそこまで
2人の関係性を考えさせられることがありませんでした。





ただ
ポスター・チラシ・パンフレット・図録・記念講演会などで

共同生活が始まるまでの両者の半生

共同生活中の様子

共同生活後の人生

書簡の内容などを知っていく中で

様々な面での両者のコントラスト

を実感しつつ堪能。





なんでもかんでも
コントラストで比較できるわけではないでしょうし

コントラストで単純化しきれるものではないでしょうし

本展だけで
ゴッホとゴーギャンのすべてを知れたともいえないでしょうが

作品面の人気や知名度からみても
画家としての人気や知名度からみても


「対等に並べて

 遜色ない両者を対等に並べた」



本展だからこそ

それぞれの

作風・人物像・来歴の違いを

よく理解することができました。







本格的に

画家としてスタートしたのが

決して早い年齢とはいえなかったり、



ポスト印象派として

独自の道を切り開く立ち位置を意識したり、



テオの手厚いサポートを受けたり、



ベルナールなどと深く交流したり、



死後に

人気・知名度・評価が

圧倒的に高まっていったりなど




数えれば共通点も多かった両者だと思いますが



「 現実重視の作風と

  幻想重視の作風 」



「 出会う前と後 」



「 共同生活の前と後 」



「 反復と転用における
 
  慎重性と柔軟性 」



「 陸路ベースの人生と

  海路ベースの人生 」



「 悲劇的なゴッホの死と

  ゴーギャンのその後 」



などの

豊かなコントラストを通じて

浮き彫りになる2人の違いは

ただただ興味深いものばかりで。





本展が提示してくれたコントラストや
本展から想起させるコントラストの数々は
2人の有名画家の
作品・関係性・人物像・人生を
より豊かに奥深く表現していたと思います。




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★「 ゴッホとゴーギャン展 」の感想記事シリーズ



作品 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409215.html



図録 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409232.html



講演会 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」

http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409233.html



総評 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409234.html

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講演会 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」 ( 2017年1/3〜3/20 愛知県美術館 )



記念講演会( 小泉順也氏 / 森村泰昌氏 )


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講演者が研究者とアーティスト、

講演テーマや内容における硬さとやわらかさ・・・



ここにもコントラストがあって
明確に違う講演を楽しめたと素直に思える内容でした。





小泉順也氏の講演は

2人が

表現やモチーフの

反復と転用を通じて

技術を磨いてきた


のだとわかりやすく説明してくださり

影響を与え合った跡がよく見えました。





ゴーギャンが様々な作品で

軽やかにイメージの反復と転用を繰り返し

一方のゴッホは

イメージを転用する際に

色を変化させることはあっても

あくまでも忠実に再現しようとすることに力点を置く


など

イメージやモチーフの活用方法でも
ゴーギャンとゴッホでは対照的なのだなと。





2人それぞれの作風ベースをより掘り下げるような

『イメージの反復と転用』

テーマとした講演だったので

本展のキーコンセプトの1つといえる

「幻想と現実」というコントラストの理解を深める上で

ちょうどいい内容だったと思います。





森村泰昌氏の講演は
ゴッホを軸に語りながらゴーギャンの歩みを挟み

「陸路ベースの人生と

 海路ベースの人生」


というコントラストを提示し
書簡の内容などから

ゴッホの執着心もユニークに切り取り

二人の人間性と関係性を
ぎゅっと凝縮して紹介して頂いて感心・・・

で終わるかと思いきや
スライドでざっくばらんに
個人的なゴッホとゴーギャン作品の感想を述べられ
講演最後まで飽きさせない展開が素晴らしかったです。





「ゴッホは

 黄色と同じくらい青や緑を重視」


「ゴーギャンは

 赤が強くゴッホより炎の人」



という率直な感想や指摘を聞き、言われてみればそうかもなと。




わかりやすく
面白おかしく
ゴッホとゴーギャンを巡る
新たなコントラストを提示してくださった気がします。




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★「 ゴッホとゴーギャン展 」の感想記事シリーズ



作品 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409215.html



図録 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409232.html



講演会 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」

http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409233.html



総評 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409234.html

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図録 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」 ( 2017年1/3〜3/20 愛知県美術館 )



図録らしからぬ図録で好感を抱きました。




両手で持ちやすい質感。
ゆかりのある人々の相関図。
2人の歩みを示す地図などのポップな仕上がりに加え
読み応えのある解説が挟まれていて
満足度の高い内容と構成で。




「師という仮面〜」や
「ひまわり-ゴーギャンとファン・ゴッホを結ぶ花」などを読み

多くの書簡や

回顧録が残っているからこそ

ゴッホやゴーギャンたちの

心情や思考などを

現代の私たちも

深く読み解けるのだなと

しみじみと思いました。





ゴッホとゴーギャンの関係性
ゴッホやゴーギャンを支えた人々の関係性など
絵画だけでなく
書簡も含めて
「作品」と捉えることによって見えてくるその背景は

とても生々しく複雑だなと。






画商としてのテオは

ゴッホだけでなく

初期ゴーギャンにとっても

欠かせない存在だったこと・・・





ベルナールとゴーギャンの間に

対立が生じたことが

ゴッホの死後評価向上のための

ベルナールによる尽力にも影響したこと・・・





ゴーギャンは

ゴッホ自身が意識するよりも前から

「ゴッホ=ひまわり」

というイメージを

持っていたのではないか

という解釈・・・





ゴーギャンが存命中から

ゴッホという神話に組み込まれる葛藤や

ゴッホという亡霊との距離感を

作品において表現していたこと・・・




本展は
ゴッホとゴーギャンの2人を
クローズアップしていたので
ゴッホの狂気性や悲劇性は
大々的に強調されていない印象がありましたが

「ゴッホ」という存在からは
テオ・ベルナール・ゴーギャンなどの人生に
影響を与え続けたという意味で

ゴッホ個人の

狂気性や悲劇性だけでは収まらない

「良くも悪くも

 人を巻き込み翻弄していく狂気性」


その存在や作品から滲み出ている、

そんな印象を抱きました。






ゴッホの狂気性と純粋性、



ゴーギャンのしたたかさとしなやかさ、



テオの戦略性と献身性、



ベルナールなど

周辺人物たちと2人の距離感・・・





その時々によって

各人の特性に強弱が生まれたり、



新たな側面が際立ったり、



パーソナリティの多面性が浮かんできたりと、



人間関係の相互作用

作品制作や評価の相互作用が複雑に入り交じり、



本人たちがそれほど

深く意識していなかったような

駆け引きやマウンティングといったダイナミズムも

2人の物語に厚みをもたらし、





絵画や

彫刻などだけではなく

彼らの

書簡・人柄・人生まで含めて

広義の「作品」として

多くの人々を

惹きつけてやまないのだなと。




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★「 ゴッホとゴーギャン展 」の感想記事シリーズ



作品 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409215.html



図録 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409232.html



講演会 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」

http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409233.html



総評 ・・・ 「 ゴッホとゴーギャン展 」
http://blog.livedoor.jp/sakowha333/archives/52409234.html

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