D' s Basement supplement

キノコ・植物・博物館

「エコロジーの先駆者 南方熊楠の世界」雑感

和歌山市立博物館で開催中の「エコロジーの先駆者 南方熊楠の世界」を拝見した。

「熊楠が環境保護のため神社合祀反対運動を始めて今年で百周年。また「ecologyを熊野で見るべき好模範島」と紹介した田辺湾の神島に昭和天皇を迎え、進講してから80周年」ということで企画されたこの特別展。
豊富な書簡など歴史資料で語られていて面白かった。

・なぜ和歌山市立博物館で熊楠?とおもったが、実は熊楠の生家はこの博物館からすぐ近く。紀州藩の下級藩士たちが住む下町の出身なのだ。
・ワタリウムの展示にもあった通り熊楠は子どものころから数多くの本草本に親しんでいる。多くは友人のものを筆写したりしたものなどなのだが、こうしたものに親しめる環境があった背景には畔田翠山などを生んだ、紀州藩本草学の文化的蓄積といっていいだろう。実際これらの関係者が中学校や師範学校で教員となっている。
・本の筆写はたくさんあるのに、実物をスケッチした様子はほとんどない。アメリカ以前には日本の隠花植物をそれほど調べた形跡もない。日本のもののイメージを持って、アメリカで見ていたら、ダイブと違ったのだろうが。
・イギリスでの大英博物館に比べ、自然史部門をほとんど尋ねた形跡が無い。また、イギリスで菌類研究者とほとんど交流を持たなかったようだ。これはなぜだったのだろう。
・エキシカータは相当重要な意味を持っているようだ。熊楠の記載の形式や標本の作り方などが、あるいは種の概念が、どの程度エキシカータや大英自然史の影響を受けているのか、検討してもよいだろう。
・熊楠は博物学的に標本を厚め記載をしたのであり、生態研究はほとんどしていない。しかしヘッケルを含め生態学者の概念はきちんと把握しており、書簡の中には菌根などへの言及も見られる。生態系概念はどうだったのだろう。当時、生態系の概念は水界のプランクトンの研究などでモデル的に研究されていた。藻類の研究にも情熱を燃やした熊楠であるから、こうした湖水の中の生態系研究論文を目にしていた可能性は十二分にある。熊楠が生態学的な概念を身に付けていた、という意味においてはエコロジーの先駆者としても良いのかも。少なくとも生態学的概念と自然保護を結びつけたという点では日本でのまさに先駆的存在だろう。
・それでも展示の中で三好学が神島の森林を樹種別、直径階別にカウントした表があった。こうした研究を試みた三好学は研究面ではまさにエコロジーの先駆者であったわけである。


まとまりのない箇条書きばかりでですみません。

場所は和歌山市駅からほど近い。23日までなので、あとわずかの期間だ。

先日見た植物・キノコ:ルリミノキ、アカダマタケ

5689aa34.jpgちょっとこのところお座敷が多すぎ(例えばこれとか)る上に、どうもそれ以外にもいろいろありそうだということになって参りかけている。そういう時に短時間でもフィールドへ行けると、しかも人と散歩のように歩けると少しは気が紛れる。(逃避じゃないんだけどね、今回のは観察会の下見)
案内者とともに、河内長野は天野山金剛寺の裏山を歩いた。あれ?これなんだっけという植物に出会い。ふと頭をひねる。一つはタイミンタチバナだった。しばらく温かい地方へ行っていなかったこともあって、久しぶりに見た。もうひとつが、このルリミノキ。
「天野山の自然」を前もってよんでいなかったが、大阪では南部にへばりつくように分布している。他にカンザブロウノキもあるようだ。あの木がそうだったかな、とおぼろげに思いつつ。
この他にピンクの腹菌(Melanogasterかな?)も採集。2時間くらいしか歩かなかったけどそれなりに収穫のあった寒い日のフィールドだった。
アカダマタケ?

田中長嶺−知られざる明治殖産興業のパイオニア


「炭焼手引 草」や「香蕈培養図解」など、黒炭やほだ木シイタケ栽培の改良普及を行った田中長嶺を記念する展示が、愛知県西尾市で行われている。北摂や茂木など炭の名産地といわれる一部の地域で独占されていたこれらの技術の全国普及は、里山での産業のあり方の一つの大きなターニングポイントだったろうとおもう。歴史に興味にある人だけでなく、里山の成り立ちに興味のある人は見ておいて良いと思う。
http://www.city.nishio.aichi.jp/nishio/kaforuda/40iwase/kikaku/32tanakanagane/tanakanagane.html



●タイトル:田中長嶺−知られざる明治殖産興業のパイオニア
●場所:西尾市岩瀬文庫
 〒445-0847 愛知県西尾市亀沢町480 TEL:0563-56-2459
●会期:平成21年11月14日(土)〜 22年1月17日(日)
●主な行事:
・12月12日(土)午後1時30分〜 展示解説(中條長昭)2階企画展示室
・1月16日(土) 午後1時30分〜 講演会(中條長昭)地階研修ホール

何とか26日に名古屋まで行く用事があるのでそのついでに、と思っているのだが、結構遠い。

google mapでの西尾文庫(図書館)の場所

自然相手で飯を食うシンポ@自然史

今日11月14日土曜日から明日15日にかけて、もうすっかり定番となった館のある「大阪自然史フェスティバル」が開催される。キノコ展で活躍いただいたキノコ関連団体の出店はあまりなく、実際、私自身もおととい深夜に茨城、千葉、小田原、上野と転戦して帰ってきたところで、かなりへろへろしている。そんな私に割り振られた役割は「自然を“仕事”相手にしてみよう ー自然保護、生物多様性を社会の中にー」というシンポの司会だったりする。
あいにくの荒天となりそうな今日土曜日だが、午後1時から開催されるので興味のある人はぜひ。
どちらかというと、仕事を探している、というよりはじめたい、仕事を創り出したいという人向けかもしれないが。
パネリストは
 青谷さん(環境省アクティブレンジャー)
 橋田さん(日本エアロビデオ)
 西澤さん(流しの学芸員)
 丸井さん(環境調査会社 エコロジー研究所 )
 金下さん(環境教育コンサルタント)
 佐藤さん(生態工房)
 Yバード・山本さん(エコツーリズム)
となかなか豪華(90分で収まるか不安)。
私の側での開催趣旨としては、自然を楽しむのは週末の余暇としてーーというだけでなくて、それが社会・経済システムの中にちゃんと組み込まれて、それでウィークデーに「仕事」としてできるようにならないと多様性保全はできないよね、ということです。気候変動はビジネスニュースになったけれど生物多様性はほとんどニュースにすらならない。そのへんの実体経済(≒人間活動)との結びつきの弱さがその背景にはあるのではないか。。
というのがあるのだけれど、さてどうなるか。
詳しくは
http://www.omnh.net/npo/fes/2009/event.html
をご覧いただきたい。



続きを読む

祭りの後

 11月3日に閉幕したきのこのヒミツ展。4日からはさっそくに片付けをはじめている。結局どれだけ展示したのだろう、と数えるとキノコ標本600、樹脂包埋標本30、樹脂硬化標本15、単体レプリカ25、ジオラマ風4、拡大模型5、その他絵が130、昆虫などの拡大模型や標本が100くらい。やっぱり物量は相当なものを出した。
 で、出した以上は片づけなければならないのだけれど、元のさやに収まるよう照合しながらの作業となる。作成するときはどうしても大人数での作業でもあり、全部思うようには行かない。片づけるときはデータの入れ替わりが怖いのでできるだけあとをとっていかないと。しかし、ケース下に封筒入れといたのに、と思うものが片づけられてしまっていたり、(普通には散らかっているようにしか見えないよな)途中で追加した標本の採集データが不明だったりと、いろいろとわからないことも出てくる。追及できるものは追及し、ペンディングのものは冷凍くんじょうの間に捜索できるように手を打つ。
 まぁとはいえ久しぶりに一点づつじっくりと「もの」と対話しながら、あぁこれはここをもっと強調してやりたかったな、とか、自分ひとりでキノコと向き合う貴重な時間になっている。でもタイムリミットまではもうあまりないのだけれど。


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iTunesUで学ぶキノコ

音楽サイトとして有名なiTunesだが、実はここには大学などが提供する様々な教育プログラムもある。
その中で菌類生態を学べそうなぼーと見ていてもわかりそうなビデオ作品を。これだけ良質なコンテンツを無料なのはすごいなぁ。
Biology: Uniformity and Diversity
Fungiとあるのを順に見ていきましょう。一個目は地表で菌が陣取り合戦やっているよ、というのと菌根の菌糸が広がっているよというお話。
http://itunes.open.ac.uk/r/2PS5tx


Exploring oak woodland
イギリスのナラ林の中での菌の役割
http://itunes.open.ac.uk/r/16FU9d

茨城県での学芸員公募

「茨城県自然博物館では,現在学芸員(非維管束植物)の公募を行なっております。
 応募締め切りは11月17日(必着)で,一次試験日は11月30日となります。
 詳しくは下記のサイトをご覧下さい。」
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/iinkai/jinji/H21/211009/gakugeiinn.pdf
というニュースがしばらく前にまわってきた。
しばらく前に神奈川の公募も会ったところだが、まだ結果は出ていないのだろう。今回もちょっと広めの分野設定であるが、茨城はこれまでも基礎調査も頑張っている博物館であり、良い人材にいって欲しいと思う。
前にも書いたかも知れないが、公募への応募は一回しかできないとかいうもんではない。何回も落ちたら不利になるものではないし、受験料のかかる大学の受験とも違う。意欲がある人は積極的に挑戦すべきだ。公募に出すのは、求職アピールみたいなもんだ、と豪語していた先輩もいたなぁ。
しかし今回の公募、多くの研究者・大学院生には「学芸員資格を持っているか取得見込み」というのが罠だ。地方の教育委員会が専門職の募集にきまじめに義務づけてしまう場合は確かに多い。だがこれは博物館に入ってからとるのでもいい、と私は思うのだが。

キノコ展で学芸員はどの程度生態展示できたか?

 今回の特別展期間で、一つの試みは、展示室内に研究室を仮設して、学芸員が質問に答えたり、作業を見せたりするという「生態展示」だった。残念ながら菌類担当の学芸員には替えがなく、つまりは私にどうしても外せない事情があるとそのサービスが止まる、という非常に安定供給できないものであったわけだ。
 で、さすがに残り会期の日程内の予定はほぼ見えている今日このごろ、星取表をつけてみた。
 半日以上不在だった日を△、○一日これなかった日を×とすると、全39日の公開期間中△が5日、×が4日であった。もちろんこれ以外でも打ち合わせで離席の多かった日が2日、講演会対応などでチョコチョコとしかすわれない日もあったけれど、ざっと8割以上を対応に充てられたのは、まずは良かったように思う。
 △のうちわけは京都キノコ展対応が1、マスコミ対応が1、審議会など外せないものが2、体力的事情が1。×は東京での某検討会、私的事情、台風、京都キノコ展、マスコミ対応と私的事情の合わせ技、などだ。マスコミ対応の中にはいまだ公開されてないものもあるし休館日での対応もある。来館者対応を優先して、その他のものはかなり犠牲にしてしまった。
 さて生態展示だが、研究しているところをほとんどお見せできなかったのは残念だ。地域のリストを少し進めたかったのだがほとんどの時間は実際には質問対応に追われたといってもいい。展示は目の前にあることもあって過去の特別展に比べても大分期間中に手を加えることができた。
 多くの来訪者のみなさんと対話できたことが今後の博物館の資料収集や連携には大きいだろう。素朴な質問も多く、これから勉強したいという熱意にあふれた方も多かった。本人としては結構展示室でみなさんと対峙できたようにも思う。もちろん残念にもあえなかった日とも少なくないのだが。



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きのこのヒミツ展は、どうだったのだろう。その次のために

特別展がどうであったか、成功だったのか、いまいち改善点があったのか。いろいろな軸で評価するべきだと思う。私は主担当者であるので、通常であれば「評価される」側なのだが、主担当者もまた、自分の作品を評価しておきたい。
入場者数とか収入とかだけでない部分、たとえば社会的意義とか、来場していただいた方の満足度のようなものとか。後者の部分が気になるので、ついついblog検索などでの評判、コメントを気にしていろいろと拝見させていただいていたりする。
こういう生の批評を聞けるのは大変ありがたいことだ。
「来年もやるんですか」「次はどんな風に・・」という声はプレッシャーというか期待を頂いているのだが、来年はやりません、10年程度までのうちにはもう一度、と空手形をきるしかない。50才代で今回と同じ追い込みをするのはきついだろうか。
いずれにせよ、今回の記憶がある程度残っている段階できちんと今回の展示を評価し、うまくいっていない点はフィードバックしながら次を作っていきたい。現在そのための評価シートのようなものを準備中、こちらにもそんなものを載せていくようなのでよかったらその際はアンケートにご協力ください。

ナラ枯れ跡に生えるもの

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キノコ展もカウントダウン。開催日は残り7日。11月2日は休館日なのでご注意ください。
さて、今日も休館日、私も休養日と行きたい所だけれど某局に借り出されて某北近畿の里山へカエンタケ探し。雨の中、だいぶ気温も下がってきてるなぁ。キノコ展をやっている間にすっかり秋が深まってしまった。
雨の中、約2時間さまよい、歩いている最中からそんな気もしていたのだけれど、尾根の細いコナラ・ミズナラよりも集落に近い、太く育ったコナラの枯れた後で見つかった。歩いている最中に目に付いたのはナラ枯れの切り株にやたらよく育ったシイタケ。何じゃこりゃ。枯れた時に種駒でも打ったのだろうか。あちこちで大発生していた。自然発生ならすごいなぁとも思うけど、種駒を打っているなら有効活用としてまことにうまいてだなぁと思う。
北陸のミズナラの枯れあとではマイタケが自然発生という場合も多いようだけれど。ナラ枯れの跡で出てくるキノコはけしてカエンタケだけではない。しかし生態系はやはり変化しているのだろう。

今年はタマミズキが成り年か

c763417a.JPGそれほど気のススマナイ用事のために朝の東山をあるいた。キノコ屋はキョロキョロはするものの基本的には下を向いて歩く。不思議なものでこの格好で歩くとつい、あれこれくよくよと考える自省モードになる。たまにはいいが自分でうっとおしくなることもしばしば。山にはまだドクツルタケやイボテングタケ等が見られた。一方でタマミズキをはじめ各種の赤い実が散っているのが目につく。あぁ、今年は成り年なんだと気付かされ、また赤いものに過敏になっている自分がおかしくもある。


それにしてもこの時期出張前に山へ行くと引っ付きむしが大変なこと!

面白い道具、高性能CCD顕微鏡

88bfe2c0.jpg実はこの間の金曜日からちょっと面白い遊び道具を貸してもらっていた
K社のCCD顕微鏡だ。今回使ったのは200倍までのレンズだが、もういちだん高倍率のレンズだと案外遊べる。カバーグラスもいらず、実体顕微鏡感覚で使えるのがいい。
下の写真は、500枚で撮ったベニタケ属のキノコのヒダだ。4つずつ光る点、これはまさに担子器についた担子胞子だ。うまく使えば、シスチジアとトビムシのリアルなコウボウなんかを眺められるに違いない。ただし、お値段の方はドイツ製外車ぐらいする。デモ機で遊ぶのが関の山だ。こうして紹介しておいたらまた貸してくれないかな。

ベニタケの担子胞子

大人の楽しみ、子どもの満足

1d59d4a8.jpgきのこのヒミツ展では、昨日17日には子どもワークショップ3回と講座「菌類の系統、硬いキノコを中心に」が、そして今日18日にも子どもワークショップが3回、開催されました。今回の特別展の中でも、最も高目狙いのボールと、低め打ちごろのボール、といったところでしょうか。
 昨日の講座は、あらかじめ「ハイレベル」とかいておいたのでどれくらい参加者があるかと、思いながらフタを開ければ75人あまり。やはりこの人たちは来るか、というそうそうたる顔ぶれでした。聞けば聞くほど、サルノコシカケ類の分類は簡単ではないなぁと思い知らされる講演でもあったのですが、その講座にこれだけの参加者が得られたのはアマチュアの充実した関西ならではだと思います。でも、やっぱりサルノコシカケに取り組もうというのはかなりの猛者であるのは間違いない。(実際、残念にも講座の途中で脱落される方も数名いたようです)
 正直、私が分類学を土俵として研究していないことが、今回のキノコ展で分類学よりのテーマの講演会がこれだけとなった背景にはあると思います。キノコ展の期間が4ヶ月くらいあったら、生態講座シリーズと分類講座シリーズの両方をやってもよいのかなぁ、とは思います。が、今回の2ヶ月弱という期間の中では、まぁこの程度までしか日程がないのが実際のところ。いつか長いキノコ展をやる機会が会ったらまた考えましょう。

 さてもう一つの子どもワークショップ。大阪市立自然史博物館ではすっかり定番となった館のある行事です。基本的なフォーマットとしては、小学生くらいを中心に一回10人程度の子どもたちに、学芸員と導入役のワークショップスタッフが、展示テーマに関連したちょっとしたヒミツの紹介と、工作をするというもの。今回のヒミツパートは、キノコが胞子を作るための器官であること、キノコがヒダに胞子を作ること、胞子が成熟するまでヒダを守るための仕組みがいくつもある事、を紹介して、胞子が実際にうじゃうじゃあるところを顕微鏡を使いながら見せた。工作パートは胞子を飛ばすいろんな工夫を考えながら展示品を見てつくる飛び出すキノコカード。さてこの行事、特別展にまでやって来る子どもや親は興味を強く持っていて、子どもでも集中力がすごい。
で、今回特に感じたのは親だけでなく、親以外の特別展来場オーディエンスが話に聞き入っている様子。子ども向けのコンテンツは、実は十分に大人も楽しめるのだ。
 けれども、子供たちは話だけではやっぱりなかなか納得しない。工作ができて、持って帰れるものをつくって初めて満足。
 ゴリゴリにアマチュア研究指向でもなく、お子様向けでもなく。でも万人に受けるコンテンツってなかなかつくるのは大変。イベントとなるともっと大変。
 今回の特別展会場は写真のようにすごく大人率が高い。しかも自然史ではめずらしくF1,M1層が多い。しかしじっさいにはF1M1をメインターゲットにしたイベントがなかったのがイタイなぁ。そういう行事の企画経験が足りないんだと反省。でも展示は結構その辺の知的好奇心に応えるようにつくったんだけど。(あと台風で流れた水都大阪対談イベントとかがそうなるかな、とは思ってたんだけれど)

さてきのこのヒミツ展は閉幕まであと2週間。展示もだいぶパネルが追加されたし、まだあるかも知れないけどミスも修正されてきた。見逃して後悔なさらないように。

カエンタケ騒動:カシノナガキクイムシはカエンタケを運ぶとは考えていません。

昨日の毎日新聞に以下の記事が掲載された
カエンタケ 猛毒キノコ、関西で急増
ねっとでもYahooのトピックスに掲載されたので目にされた方も多いだろう
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091011-00000007-maip-soci


関西でカエンタケが増えているのは実際のところなので、警告は必要と考え、取材を受け、記事にもなったのは喜ばしいところだし、先日発行された菌学会ニュースレターで情報募集したのも同様の主旨からだ。

そこまではよいのだが、問題は「佐久間学芸員はカシノナガキクイムシが病原菌と一緒にカエンタケの胞子も運んでいる可能性を指摘。」とされたところで、そんなことこっちはひと言も言ってませんぜ、状態なのだ。コメントした本人はカシノナガキクイムシはカエンタケを運ぶとは考えていません。少なくとも今のところはね。100%否定のためには検証も必要だけれど。

やりとりを見返すとニュースレターの「ナラ枯れ病自体はカシノナガキクイムシとこの虫が運ぶ菌Raffaelea quercivoraが引き起こしていることがすでに明らかになっており(Kubono & Ito 2002)、そこにカエンタケが関与しているものではないと考えます。」という文章の「ないと考えます」がよみとばされ、しかもカエンタケと全く別の菌であるRaffaeleaが何を意味するか理解されなかったのかも知れない。上記の文は菌学会会員向けのものであり一般向けの文章ではない。報道提供にはかみ砕いたものが必要と改めて考えるところだ。

残念だがやつは何を考えているの??と思われるのも癪なので一応の意見表明をしていく。いずれにせよ大ネタなので少し長く取り組む必要はあると考えています。

ところで、カエンタケは「きのこのヒミツ」展にも実物標本が2カ所に計4個体展示されている。よろしければご覧下さい。さて、それでは今日は観察会。

関西菌類談話会 第18回 きのこ展

今度の週末、3日4日は京都府立植物園で関西菌類談話会によるきのこ展が開催される。
生キノコに集中して行われるこのきのこ展は、大阪とは違う覚悟で愉しめるだろう。逆もまた真だけど。
わたしも明日はその設営に赴き、4日午後は撤収と生キノコの回収に行く予定だ。
生キノコは、そのまま、大阪へ展示させていただく予定・・・
関西菌類談話会
http://www.kmc-jp.net/

きのこ展を材料に照明を学ぶ

10月19日、休館日の博物館で西日本自然史博物館ネットワークというNPOにより、学芸員向けに照明の技法を試そうという催しが開催される。現在開催中のきのこのヒミツ展をネタに実際に展示室の照明をいじってもらう。ビフォーアフターでどう変わるのか、主催者としては楽しみである。
詳しくはこちらを参照して欲しい。
http://www.naturemuseum.net/blog/2009/10/post_20.html

学芸員および志望者、関連分野の人々を対象にしているが、基本的にはオープンなイベントだ。西日本自然史博物館ネットワークの会員には限定していないので、希望者はどうぞ担当の高野さんまでコンタクトして欲しい。

今日のキノコ展9月30日

雨ながらも遠足の小学生の皆さんご来場。そのほか鉱物クラブなのに変形菌を学びたい皆さん、Mさんらも来てくれました。
今日は12日の観察会の仕込やら、変形菌の講習実施やらで追加パネルは作れませんでしたが、Mさんのおかげで今日のキノコはカラカサタケなどが充実。
後はグッズを追加したくらいかな?
ところでメディアにもいくらか取り上げられているキノコのヒミツ展ですが、2つほどリンクをつけておきます。
ムービーで見られるのは
YOMIURI ONLINE関西発!

音声で聞けるのは
ネットラジオのJOBBB
さんでしょうか。
多くのblogなどでも取り上げていただきありがとうございます。

過密日程?!

 特別展はとりあえず滑りだした。(それでも今日も会議の合間を縫ってパネル3枚を追加)
しかし、ふときがつくと8月から9月前半に、10月以降じゃないと全部無理!と言ってたツケがたまっている。
 特別展への団体見学は優先して受け入れたいし、実際もう3件ほど受けているが、その他にもあれこれ入ってきている。特別展期間中は土日もほぼ埋まっているし、終了後も返却やらフェスやらで休まる暇がない。
 水都大阪も、いつの間にか参画(カエルプロジェクトさんによる何やら楽しげで怪しげな対談。10月8日。詳しくはこちら)しているし、司書のみなさんや美術館のみなさんとの交流も年末に向けて決まってきている。最近の動向をまとめるきっかけにしないとね。
 こういう他流試合は自分たちの位置がわかってそれなりに楽しいのだけれど(中にはめちゃめちゃ消耗する場合もある。デモソコデナニヲ拾ウカガ問題ナノダ)、もう少しコントロールして受けたいところだ。抱えているいろいろのことを勘案して予定を決める秘書がほしい。せめて自分にセルフコントロールをする「秘書脳」があればこんな事態にはならないんだが。あいにくと私の中のその辺の感覚はシュラバでしか機能しないらしい。
こうなるとダブルブッキングの恐怖との戦いである。手帳を見たりする限りは大丈夫だがspamに埋もれていやしないか。顕在化している締め切り遅れ以外にも敵がいるのではとびくびく進むことになる。(ああ、あの件はいそぎ処理せねば)
 東京へも何度か行くことになるようだ。あ、河内長野の件もある。どっかでまとめてオフにしたいなぁ。こういう一つ一つが普通に考えれば脱日常なのだけれど(だからきっと楽しくは過ごせる)、それが多すぎて日常がなかなか戻ってこないところに生活の上での課題がある。

今日の特別展(ワークショップ)

昨日、今日はワークショップ「きのこのこ」。子ども向けに、きのこが繁殖器官であること、そのために胞子を守る仕組みがいろいろあることをお話しして、目の前でプレパラートをつくって胞子がものすごいいっぱいで、ものすごいちっちゃいことを実感してもらいました。
工作やスケッチもあるので盛りだくさん。子ども向けプログラムは詰め込みすぎない、なんかきっかけになればくらいがちょうどいいんだと思うけど、難しい。

WSの合間にたくさんの濃いきのこファンのみなさんが朝から次々。

今日追加した標本:ベニテングタケ サビハチノスタケ ハチノスタケ タマチョレイタケ(材上型) クロコバンタケ オオシロカラカサタケ(いくつめだ?)
抜けていたラベルの追加、たくさん
ニセクロハツの毒性記事パネル追加

生標本も帯広からのベニテングタケ(Hさんありがとう)、上北からのツキヨタケ(別のHさんありがとう)など充実。

準備中のパネルも4枚くらいある。展示も詰め込みすぎない、ってのが大事(なはず)なんだけど・・・
まぁ、日々展示の見所はいろいろあるってことで・・是非リピートのご観覧を。

ライナーノーツ脱稿

怒濤のようなシルバーウィークの菌類生態に関する講演会シリーズ、全9本13時間30分にわたる濃い内容を全部聞いた、という人はどのくらいいるんでしょうか。
すべての講座が100名以上、という参加者をいただき、企画者としてはうれしい限りです。
さて、今日は特別展初の「平日」でした。連休中のようにたくさんのお客様は来てくれていませんが、たくさんの小学生が来てくれました。
月末からはそろそろ遠足シーズン。ということでキノコ展もそのあたりのケアを増やしていかないと行けません。そのためには明日の「町のキノコ探検隊」に期待、何ですが、さぁその仕込みもなかなか大変です。

平日で展示室にいればいろいろメンテも出来るだろう、と思いきや、なかなかそうはいきません。今日は博物館発行の友の会会員向け月刊誌NatureStudyの遅れに遅れた原稿を仕上げるのにだいぶ時間を食ってしまいました。題してキノコ展ライナーノート。ライナーノートっていってもピンとこないかもしれないけど、レコードのジャケットに入ってる解説、あれです。自作解説、だからセルフライナーノート、ということになるのかな。気になる方は友の会(10月ー12月会員ならわずか750円です、お試しに最適)にご入会下さい。



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