佐久間稔というサッカー選手

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カテゴリ: 短編小説

 魔法使い『戸川将太


 みんな突然だけど『魔法使い』って聞いた事あるべ?


そう、『魔女の宅急便』なんかは代表的な魔法使いの話しだし、今また流行ってるのだと『ドラゴンボール』なんかも魔法使いの部類に入るかな。


 


そんな魔法の世界、みんなはテレビや漫画の中だけの話しだと思ってない?


ところがどっこい、みんなが住むリアルワールドにも魔法使いは存在する。


みんなが信じないのも無理はない。


俺が逆の立場だったら絶対に信じないもん。


でも、みんなが信じようが信じまいが存在するものは存在する。


 


紹介が遅れました。


どうも初めまして、魔法使いの戸川将太です。


 


魔法使いって聞くと、白いひげをたくわえた老人や、不気味な杖を持って口が大きい老婆とかを想像すると思うんだけど、そんなんばっかじゃない。


 


俺みたいにピチピチ23歳、彼女募集中な魔法使いだっている。


 


俺の母ちゃんや父ちゃん、ばあちゃんやじいちゃんもれっきとした魔法使いだ。


 


そう、俺んちは何千年も前からの歴史ある魔族。


俺んち以外にも魔族はいるんだけど、日本にいる魔族は俺たちだけらしい。


 


 そもそも、みんなが考える魔法使いってのは、ホウキを使って空を飛んだり、手から炎みたいなものを出したり、なんだったら時間まで止めちゃうような、何だって出来るオールマイティーな印象だと思うけど、実際はそうじゃない。


 


基本的に俺たち魔法使いは人間に少し毛が生えたような感じだ。


 


だから当然時間なんて止められないし、手から炎も出せない。


 


でも訓練しだいで、出来る事の底を深くすることは出来る。


やれる事はある程度、決められちゃってるけど、訓練しだいでそのやれる事の制度は高められるって事。


 


俺たちが出来る代表的な事として、空間の歪みを作れるって事がある。


 


例えば、友達とボーリングしに行って、友達の投げたボールを自在とまではいかないけど、その軌道をある程度変えられる。


勝負してたとしたら、わざとガーターにしたり、可愛い女の子と一緒だったらストライクにしてハイタッチにもっていったり、そんぐらいのことは出来る。


 


その他にも、モノを持ち上げたり、小さくて軽いものだったら爆発させたりも出来る。


ブラジルのほうでは浮遊術(自らを浮かす事)が出来る魔法使いがいるって話も聞いた事はあるけど、俺たちには出来ない。


 


こんな感じで、みんなの想像よりちょっと弱っちーかもしれないけど、俺たち魔法使いは空に浮く事が出来る奴だっている。


ドラゴンボールみたいに、派手なワザが出せたらもっとよかったんだけどね。


 


 そんなごくごーく普通な生活を送っていたある日、北朝鮮の魔法使いから俺んちに連絡が入ってきた。


 


『何?テポドン?』


 


テポドンとは、北朝鮮が開発している核弾道ミサイルのこと。


分かりやすく言うと、遠距離から狙える核兵器。


 


そのテポドンが日本に照準を定めているらしい。


テポドンが日本に落ちたら何万人かの命が消える。


 


勘弁してよ北朝鮮!


 


北朝鮮が日本を狙ってる理由は、アメリカへの見せしめらしい。


アメリカ本国に落とすと第三次世界大戦にまで発展してしまうため、アメリカとのお繋がりが深い我が日本がターゲットになった。


北朝鮮は自国の貿易をより優位に進められるように今回のテポドン発射に踏みきったらしい。


 


マジで勘弁してよ北朝鮮!


 


って事で、俺たち日本の魔族、北朝鮮の魔族、それに世界中の戦争反対魔族13人が日本の新潟に集まり、緊急会議が開かれる事になった。


 


『そもそも、私たち魔族の力でそのテポドンとやらをなんとか出来るものなのか?』


お隣、韓国の魔法使いが口を開いた。


 


『正直に言ってそれはやってみないと分からない。しかし我々魔族には挑戦するだけの可能性はあると思っている。そしてここにいる魔法使い13人が力を合わせれば、出来ると信じている。いや、どうにかしなければ魔族だ人間だの前に、多くの血が流れ、そしてそれは近い将来の地球崩壊へとつながる事だろう。』


今回の作戦を指揮する北朝鮮の魔法使いが危機せまる面持ちで質問に答えた。


 


『テポドンが日本に打ち込まれる日にちは分かっているのか?』


 


『ああ、二日後。二日後の昼12時前後に日本に落ちる算段だそうだ。国民が活動的な時間を狙っての発射にほとほと頭にクル!』


 


『具体的にはどうする?俺たちが出来るのはせいぜいボーリングの玉の軌道を変えられることくらいだぜ。そんな俺たちに何が出来るんだ?』


韓国の魔法使いは、今回の北朝鮮の行動に相当イラついていたのと同時に自分の無力さにも同時にイラついていた。


 


『落ち着け!たしか古文書には魔法使い10人が均等に円になり念じた時、その効力は月をも動かせる、と記されておる。』


 


このジジイ馬鹿だと思った。月?ムリに決まってんだろーが!


だけど月はムリでも、俺たちがどうにかしないと、俺たちを含めたくさんの人が死ぬ。


 


このワザに俺たちは賭けた。


 


 そして俺たちの運命の日。


この日、日本ではテレビやラジオ、雑誌なんかでも北朝鮮のテポドン発射が伝えられていた。


 


しかしマスコミの報道では、北朝鮮は実験のため日本海上にテポドンを落とす。この時、日本上空を横断する時、空気圧の関係でテポドンの一部が日本に落ちるかもしれないから注意してほしいというだけの情報が流されていた。


 


こんな悪ふざけみたいな情報に国民は多少の不安は抱えていたものの、いつも通りの1日をスタートしていた。


 


俺たち魔族はというと、新潟にある高原の真ん中に集まり最後のミーティングをしていた。


 


本当に俺たちの力で日本を救えるのだろうか。


俺にいたっては、未だリアル感がなく現状を受け入れられずにいた。


 


そんな俺も11時半を過ぎ、遠くに黒い鉄の塊を見て、ようやく自分の置かれている状況に鳥肌が立った。


と同時に、自分が魔法使いである事を恨んだ。


 


高原にうっすら柔らかい風が吹き、俺たちは円になった。


そして、手のひらを、空に浮かぶ遠くの鉄の塊に向けて念じた。


 


『曲がれ!軌道よ変われ!』


 


どんどんどんどんテポドンが近づいて来るのが分かった。


もう何も考えられなかった。ただ上記の言葉を念じるしかなかった。


 


このままいくと角度的にテポドンが新潟市内に落ちるのが分かった。


それは誰の目から見ても明らかだった。


 


『ぐあぁぁぁー、曲がれコンチクショー!まだ可愛い彼女ゲットしてないって言ってんだろうがぁぁぁー!』


 


その時!


俺の嫉妬心が通じたのか、明らかにテポドンの軌道が変わり、新潟を通り過ぎそのまま日本海の方向へ飛んでいった。


 


そして数分経って遠くから小さく爆発音が聞こえた。


 


助かった?助けた?俺たちが?


サッカーなんかの団体競技で何かを成し遂げ時の『ヨッショー』みたいな感じではなかった。


みんな疲れていて立ってるのもやっとって状態だった。


そんな中俺たちは静かに握手をして回った。


 


 そして、またいつも通りの平穏がやってくる。


平日は車で溢れかえる街中。


みんな忙しそうに足早に時を過ごしている。


 


そんな中、俺はというと


『テイッ』


『キャー』


 


自然のイタズラ『風』のせいにして、女の子のスカートを魔法でめくっていた。


 


『だぁぁぁー!俺の運命の人も魔法で探せたらよかったのになぁー!』


 


平穏な日本は最高だった。



 


平成21年、日本は100年に一度といわれる大不況に襲われる。

不況が招く不条理は何も経済的な部分だけではない。
経済的不条理は同時に家族の不協和音もに発生させる。

我が家も例外ではなかった。

2年前の平成18年に私は当時18歳だったが、高校を卒業したら一緒になろうと決めていた彼氏がいた。
それが今の主人『大輔』だ。

大輔は私の一つ上の年齢で私が高校を卒業する時には大手車販売代理店の営業マンとして働いていた。
決して営業成績は良いほうではなかったが、大輔は私の為に、そして私の中にいる一人の生命の為に頑張ってくれていた。

しかしそれから三年、平成21年になるとアメリカのサブプライムローン問題を期に日本は一気に大不況となる。
こうなると円が高くなり、ダイレクトにダメージを与えられるのは大輔が働いているような大金を扱う企業。

不況により消費者がお金を出し渋り、その流れは車や家などの不動産にも波及する。
そして中古で状態の良いモノへ消費の流れがシフトチェンジしていく。

その流れについていけない企業は次々に潰れ、そして大量の失業者を生む。

大輔の企業は結構大手の販売店だったが、円高の影響、消費動向の変化についていけず、大量のリストラを決行することに。
その対象に営業成績の振るわなかった大輔も該当してしまうことになってしまう。

失業する→家にいる時間が長くなる→日々の生活でお金を使う→お金がなくなる→家族がギスギスする

この負のサイクルに突入する。

大輔に結婚当時の私への思いやりはそこにはもうなかった。

3歳になる息子、健太はすくすく大きなりかかるお金もそれに比例して上がっていった。
大輔は就職活動をするが、不景気で働くところが思うように見つからない。
私は健太が小さいこともあって働けない。
収入がない。

本当はこうゆう状況で本当の愛が試されるんだろうけど、その愛は私たちにはもう残されていなかった。

平成21年三月離婚。

健太は私が引き取ることに。

こうなるともう甘えは通用しない。
守ってくれるものはない。
私が健太を守っていくしかない。

近所のクリーニング屋で9〜17時でパートの仕事を始めた。時給は700円。
一日休憩を」除いて7時間労働。
7×700円=4900円
一ヶ月25日勤務で
4900円×25=12万2500円

保険やら税金なんかが引かれて全然足りない。

健太の養育費も払わなきゃいけない、自分も生きる為に食べなければいけない。
生活費だけがかさんでいった。

仕事仕事仕事、お金お金お金
頭が狂いそうになった。
この時、私はもう自分が女だということも忘れていた。

そんな私の救いは、いつも笑っていてくれる健太だけだった。

『ママァ〜、プリン買ってぇ〜
『ママァ〜、公園いこぉ〜
『ママァ〜

この子だけが私の生きるモチベーション。
なんとしてもこの子だけは守る。

自分の服とか化粧品とかそんなものはもういらない。
健太の為に。

その日、私たちはいつも通り近所のスーパーへ夕飯の買出しをしに一緒に行った。
健太はいつも通りお菓子コーナーにあるアンパンマンのビデオに釘付けだ。

その隙に私は財布を見ながら買い物を済ます。

この時の感情はよく説明できない。
自分の為なのか健太の為なのか、よく分からない。

そしてふと目に入った、歯磨き粉を自分のポケットに入れる。
レジで今日の夕飯の精算を済ませ、健太と手を繋いで一緒に帰る。

罪悪感はあった。
しかし歯磨き粉一つだし、不景気だし、なんてよく分からないことを自分で自分を慰めるように言って聞かせた。

次の日も、そしてその次の日も。

気がつけば歯磨き粉一つというレベルではなくっていた。
小さくて高価な薬類、健太のお菓子、シャンプーなどの日用品までやっていた。

慣れはあったが同時に罪悪感もあった。
しかしお金がなかった。

お金がないんだ。
生活していくお金が、健太が喜んでくれるお金が。

そしてまたいつものスーパーへ。
ボールペンを懐に入れた瞬間だった。

『何してる

私服警備員に取り押さえられる。
言い訳など考えていなっかたので
『ごめんなさい、ごめんなさい』
と言った。

この瞬間
自分の情けなさや仕事で積もっていた感情、日々の苦労が押し寄せてきて目から涙が溢れてきた。

初めてということで誓約書を書いて帰ることになった。

お菓子コーナーへ健太を迎えに行く。
健太を見たら急に今までの罪悪感が襲ってきて、申し訳なさが目からまた出てきそうになった。
私は健太と目が合った瞬間、すぐに離した。

『ママァ〜、チョコレート買っていい?
目から涙が溢れた。

『ごめんね健太、ごめんねぇ』
『ママァ〜、どこか痛いのぉ?泣かないの一緒にチョコレート食べようね

健太の手をギュッと握った。
【完】

悪いことは悪い
だけど、だけど・・・
イヤッ、『だけど』は通用しない。

それを分かった上で言う
だけど守りてー気持ちだけは守ってやりてー

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【英雄】

『うわっ、コイツきったねぇ〜!鼻水垂らして泣いてやがるよ!お前なんて死んじゃえよぉ〜(^○^)ハァ〜ハッハッハッ(^○^)』

中学三年生の夏、僕は学校のトイレで今日もいじめられていた。
毎日毎日毎日いびられて、殴られて、蹴られて、馬鹿にされて、もう嫌だった。
しかしそんな現実を変える勇気も根性も僕にはなかった。

そして、今日もいつもの通りトイレで四人にズボンを脱がされ殴られて、その情けなさや痛さに泣きじゃくるしかなかった。

本気でもう死にたかった。

彼が現れるまでは!

『お前らなにやってんだ!』
その彼はアゴを上げいじめっ子達をにらんだ。

『くぁ〜!またお前かよ!懲りねーな!またぶっとばすぞ!あっち行けっ雑魚!』

その彼はアゴを上げたまま
『やめねーとぶっとばす!』

『あぁ!?おいっ、このバカに便器をなめさせてやれっ!』

その彼はボコボコにされた。
僕なんて比べ物にならないくらいボコボコにされた。

『おいっお前!大丈夫か?』
その彼はボコボコにされながら僕の事を心配してくれた。

『ハイ、僕はちょっと鼻血が出ただけです。それよりアナタは大丈夫ですか?』

『俺の事はいい!お前が大丈夫ならそれでいい!これからはいじめられそうになったら逃げろよ!あぁ〜いてっ(+。+)』

『あっあのぉ〜、お名前はなんて言うんですか?』

『慎吾!3-E組加藤慎吾!』
彼は僕に背を向けながらそう名乗った。

同級生の慎吾君の事を僕は知らなかったが学校の中じゃあちょっとした有名人だったらしい。
良いほうのではない!

慎吾君の愛称は色々とあり
・偽善者加藤
・根暗貧乏
・友達になりたくない男子NO1

等々、とても悲惨なものばかりだ。
というのも慎吾君は僕みたいないじめられっ子をかばってはボコボコにされ、周りの人は慎吾君がいじめられていると勘違いし、そしてその勘違いに慎吾君はなんの反論もしなかったから。

そして慎吾君の制服はいっつも汚くつぎはぎの上につぎはぎが施されカバンもハゲハゲだった。

しかし
僕らいじめられっ子から見たら慎吾君は英雄だった!
汚くてもつぎはぎだらけでも僕らの英雄だった!

慎吾君はクラスの人達ともあまり話さない。
孤立したがるのだ!
周りも、いつも汚くつぎはぎだらけの慎吾君を差別し話そうとはしなかったが。

そしていつもいじめられる僕を助けてくれるうちに僕とは話してくれるようになり、ある夏の熱い日に慎吾君の家に招待してもらった。

慎吾君の家は団地の三階にあった。
そこにはお世辞にも綺麗とは言えない景色が広がっていて、奥に慎吾君のお母さんと小さい子供がいた。

『あらっ、いらっしゃい(^^)慎吾がお友達連れてくるなんて珍しいねぇ。汚いところだけどゆっくりしていってね(^^)』

そして慎吾君の部屋へ案内された。
『ごめんな、俺んち汚くて(;^_^A母ちゃんも子供がまだ小さくて育児やら家事やらで部屋の掃除まで手が回んねーんだ。』

家での慎吾君は学校での孤立している慎吾君じゃなかった。なんか普通で話しやすかった。
そんな雰囲気もあり僕は前から気になっていた事を質問してみた。
『慎吾君はどうして僕らみたいないじめられっ子達を救ってくれるの?そしてなぜ学校では友達を作ろうとしないの?』

慎吾君はちょっとニヤケながら
『弱い者を助けるのが男の道理だろ!それに従ってるだけだ!学校で友達を作らない理由は・・・』
ちょっと間をあけて考えてから丁寧に
『学校で友達を作ると今度はそいつらがいじめられちゃうから!俺の友達ってことで、きたねー奴の友達ってことでそいつがいじめられちゃう。だから俺は一人でいいんだよ(^^)』

そんなことを話してくれた。
やけにセミの声がうるさく感じた。

そしてそれからしばらくして昼休みにトイレに行ったら、そこにはボコボコにされている慎吾君がいた。

『なに見てんだ?さっさと去れ!ぶっとばすぞ!このゴミがっ!』

僕は下を向き何も言えず、トイレから出た。
慎吾君を見捨てて。
慎吾君は僕を助けてくれたのに僕は恐くてその場から逃げてしまった。

慎吾君がトイレからびっこをひいて出てきて僕とのすれ違い様にこう言った。

『それでいいかんな(^^)お前は自分の事を考えてりゃーいい!俺がお前を助けるから!今度同じ場面に遭遇しても今日と同じ行動をとるんだぞ(^^)』

水浸しのグチャグチャで目に青タンを作りにながら慎吾君はそう言って去っていった。

何も言えずその場に突っ立っていた。
自分の情けなさにこんなに腹がたったのはこの時が初めてだった!
なぜか涙も出てきた!

そして慎吾君は二日後に転校してしまった。
『ありがとう』や『さようなら』も言えなかった。

最後の最後まで慎吾君らしかった。

それから20年経った今、僕は陸上自衛隊で総帥という立場の管理職に立ち部下50人の上に立っている!

あの時
慎吾君からもらった『勇気』と『優しさ』を胸に僕は国の為に戦っている!

そして僕は今でもいつも彼の背中を追いかけている!
僕らの永遠の英雄、慎吾君のつぎはぎだらけの背中を!

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『幸せの嘘』

『ばぁーばぁー(^○^)ばぁーばぁー(^○^)』
清水三太(しみずさんた)4歳
両親の共働きということもあって三太は小さい時からおばあちゃんに面倒を見てもらって育った。

三太はおばあちゃんが大好き。
おばあちゃんも唯一の孫である三太が大好き。

おばあちゃんこの頃87歳。
髪は真っ白、顔もクシャクシャ、そして三太を見て笑う顔はもっとクシャっとなる。

『ばぁーばぁー(^○^)ばぁーばぁー(^○^)』
『三太(*^-^*)』

三太はおばあちゃんが大好き。
おばあちゃんは三太が大好き。

そして
それから5年経った今もあの頃と何にも変わらない。
三太はおばあちゃんに引っ付いて離れない。

あの頃と変わった点と言ったら三太に白血病の診断が下された事だけだろう。

白血病とは
血液中の白血球の一群が、異常に増殖し血液内で増加する疾患。白血球の数が増えるだけでなく、増加した白血球は通常とは形態が異なったものとなる。

一般的には『白血球のがん』、もしくは『血液のがん』という広い意味合いで使われている。
多くのがんが中高年に多発するのに対し、白血病は乳児から高齢者まで広く発生する。
『貧血、出血、感染』の三つが特徴的な症状である。
急性白血病では、血液中に未熟な白血球がどんどん増える一方で、赤血球や血小板が少なくなる。
そのため、それぞれの血液細胞は、本来の役目を果たせなくなり、赤血球不足による貧血、血小板不足による出血などが起こる。

三太は多い時で1日に数回吐血した。

『ゴホォッ、ゴホォッ!苦しいよぉ。なんで僕だけ、ゴホォッ!』
泣きながら生きてる事に悔いた。

8歳の三太に下された余命は半年だった。

苦しいだけの半年。
楽しい事なんて何一つない半年。

そんな三太の生きるモチベーションになったのは何より大好きなおばあちゃんだった。

おばあちゃんを悲しませたくない。
おばあちゃんにはクシャってしていてもらいたい。

おばあちゃんに病気の事は言わなかった。
昔のまんま何にも変わらない。
おばあちゃんと孫。

『おばあちゃ〜ん、遊びに来たよぉー(^○^)肩凝ってないか?マッサージしてあげよっかぁ?(^^)』

『ありがとう三太(*^-^*)三太は優しいねぇ〜(*^-^*)どうだい学校は?楽しいかい?』

『うん!すごく楽しいよv(^o^)勉強もねーちゃんとやってるんだから(^-^)v』

『そうかいそうかい(*^-^*)元気な事が何よりだ(*^-^*)おばあちゃんはいつ死んでもおかしくないからねぇ〜、ハッハッハッハッ(^○^)』

『死ぬなんて言うな!おばあちゃんが死ぬの僕は嫌だぞ!』

強がった。
おばあちゃんを悲しませたくなかったから。

両親も健気な三太が誇りだった。

『ゴホォッ、ゴホォッ!嫌だよぉ〜、まだ死にたくないよぉ〜、おばあちゃんを悲しませるの嫌だよぉ〜。』

おばあちゃんから離れると三太は三太に戻る。
本当は1日でも早く入院しなくてはならないのに、三太の強引な願いで毎日の通院という形をとった。
おばあちゃんに会えなくなりそうだったから。

おばあちゃんの家に行っておばあちゃんを見て笑って、家に帰って神様を恨んで泣いた。

日に日に病状が悪くなる三太。
吐血の頻度も上がりもう普通にたっていられないような状態になっていた。

時を同じくしておばあちゃんの具合も悪くなり、おばあちゃんはあっという間に寝たきりの生活になってしまった。

三太は毎日おばあちゃんの家に通った。
そして半日話し相手になった。

三太が来るとおばあちゃんの顔はクシャっとなった。

幸い三太の顔色の悪さや身体の弱り具合にはおばあちゃんは気付けない状態だった。

『三太、学校はどうだい楽しいかい?いじめられたりしてないかい?』

『僕がいじめられるわけないでしょ〜(^○^)学校はすごく楽しいよ♪この頃は通知票だって5ばっかりなんだからv(^o^)』

学校へは行けていない。
だから通知票もない。
嘘をついた。
嘘をついてきた。

『僕は大丈夫だから、おばあちゃんは自分の事を考えてね(^^)具合が良くなったらまたマッサージしてあげるからね(*^-^*)』

『三太は優しいねぇ〜(*^-^*)ありがとう(*^-^*)』

そして家に帰って吐血が止まらないようになっていた。
いよいよだ。

そして三太が一人で生活出来なくなるのと時を同じくしておばあちゃんは他界した。
92歳。

三太は意識がモウロウとした中で泣いた。
今度は神様を恨む涙ではなく純粋におばあちゃんとの別れが悲しかった。

そしておばあちゃんの死から二日後、三太は救急治療室へ移される。
血が止まらない。

お父さんお母さん先生何人かがベットを囲っていた。
三太の意識は半ばこの世にはなかった。

そんな意識の中、三太はお母さんに話し掛けた。

『お母さん僕、ずっと神様を恨んでた。なんで僕だけこんなに苦しい思いをしなくちゃならないんだよって。でも今はありがとうって言いたいんだよ(^^)おばあちゃんを悲しませないで最後まで見送らせてくれたから(*^-^*)あ〜良かったぁ〜(*^-^*)おばあちゃんが笑ってくれて良かったぁ〜(*^-^*)』

『三太・・・』

そして

『ありがとうお父さんお母さん(*^-^*)僕お父さんとお母さんの子供で幸せだった(*^-^*)ありがとうお父さんお母さん(*^-^*)』

三太9歳と2ヶ月
他界。

ある人の笑顔が見たくて嘘をつき続けた。
ある人を幸せにしてあげようと嘘をつき続けた。

そうゆう嘘もあるのである。

『真っ赤』最終章です!

どうぞ!

第7章【終章】

今日も毎月恒例の授業参観日。

みんなのお母さんはいつも通り早く来て、今日の服装の褒めあいっこ。
そしてまた授業開始ギリギリに私のお母さんがやってくる。いつものジーパンに真っ赤な唇。私のお母さんだ。

授業が終わってお母さんと手を繋いで帰る。

『ねーお母さん、今日の夕飯はなぁーにー?』
『今日はね、アジの開きと納豆だよ。』
『えー、またぁー。』

このころ、私はお母さんの真っ赤が大好きだった。



人は失って初めて大切な存在に気付く。
または自分が一人ではない事に気付く。

でも出来ることなら失う前に大切な存在に気付きたい。

だからこそ日々暮らす日常から大切なモノや人を大切にしてあげて下さい。

幸せってもしかしたら悪い事があるからその存在があるのかも。

悪い事が起きて、失って初めて気付く事も多い。

第6章【幸せ】

あの事故から一週間してお父さんが帰ってきた。

ちょっと痩せたかな?って思った以外はいつも通りのお父さんだ。だけどそこに右手はなかった。

右手がないって事がどうゆう事なのか、はっきり分かったのはお父さんと日常生活をともにしてからだ。

まずご飯がちゃんと食べられない。利き手をなくしたお父さんは慣れない左手で一生懸命に食べていた。
重い物が持てない。
何をするにしても遅い。
そんな自分にお父さんはとても悔しそうだった。

だけどもしかしたら一番大変だったのはお母さんだったかもしれない。

お父さんの右手がなくなったあの日から、お母さんは毎日朝から晩まで働くようになった。
朝は6時に起きて私達のご飯を作って、9時に仕事へ。
そして夜の8時に帰ってきて私達の夕飯作り、この頃のお母さんはすごく疲れているようだった。

そこで子供の私達でお母さんの負担を少なくするように出来る事は自分たちでやるようになった。

掃除、洗濯、家事、お父さんの面倒まで出来る事はやるようになった。
不思議なもので、前より家庭状況は厳しいはずなのに前より幸せを感じるようになっていた。

お父さんの為にコレをやろう、お母さんが喜ぶようにこうしよう。
私はお父さんとお母さんの
『ありがとう』
がすっごく嬉しかった。

前よりまた貧しくなっちゃったけど悲劇が私を強くしてくれたんだと思う。

何かあってから気付いても愚か!
でもその何かから何も得ないのはもっと愚か!

節子は家族の結束を得たんだね(^^)

そして遂に明日は『真っ赤』最終章!

みんなは『幸せ』感じてますか?

もう何も言うことはない!
この章は読んで下さい!

激動の第5章です!

どうぞっ!

第5章【お父さん】

悲劇というものは突然やってくる。少なくても小学4年生の私には悲劇だった。

それは春から夏に移り変わる6月だというのに肌寒い大雨の時に起きた。
私達はいつも通り質素なご飯を食べ終え、テレビを見てくつろいでいた。お母さんは台所で夕飯の後片付け。

『お母さぁーん、今日お父さん遅いねぇ。どうしたのぉ?』
『どうしたんだろうねぇ。また会社の人とお酒でも呑んでるんじゃないかしらね。』

その時
『リーンリンリンリン、リーンリンリンリン』
外の雨の音と重なってやたらうるさく電話が鳴った。

いつも通りお母さんが電話を取る。

『はいもしもし田村です。』
ちょっとしてお母さんがふらっと私達のテレビを見てる部屋に来てこう言った。

『お父さんが鉄工所で事故った。』
雨の音がうるさかった。

その後の事はよく覚えていない。私はただ大声で泣いていた。
その日はもう遅かったのでお母さんがお父さんの運ばれた病院に一人で行く事になった。私はひたすら泣いていて、気が付いたら次の日の朝だった。

隣にはお姉ちゃんがいた。あれだけ昨日は泣いてたのに今日になると不思議と涙は出てこなかった。だけどそのかわりにとてつもない心配性が襲ってきた。
悪い事ばかりが頭に浮かんできた。私は恐くなりお姉ちゃんにくっついてまたまた目をつぶった。

今度起きたらみんながいた。お母さんもいた。

『右手せつだん?』
よく意味が分からなかったけど、お姉ちゃんとかに説明してもらって、右手を切る事だと分かった。分かったけど想像はできなかった。
昨日まであったお父さんのあんなにゴツゴツした手がもうないなんて。昨日はお父さんが死んじゃうと思って泣いた。
この日はお父さんが可哀想で泣いた。

つづく

事故ってのは気を付けて回避できるものとできないものがある。

そしてその事故が直接降りかかる場合もあれば間接的に降りかかる場合もある。

だからこそ大切にしてもらいたい!
みんなの周りの大切な人を。

6月も後半に入って夏の匂いがしてきた今日この頃。

皆さんいかがお過ごしですか?(^^)

段々気温も上がってきてお仕事も大変だよねぇ(x_x)

そんな時はコンビニでコーラでも買って飲みながらこの短編小説読むのが2008年のイカした過ごし方だって(o^v^o)/

ってな事で『真っ赤』も中盤!
この大事な時を見逃すなぁ〜(^○^)

4章【楽しみな日】

そんな我が家にも何ヵ月かに一度お買い物の日というものがある。

駅前にあるデパートにお母さんとお兄ちゃん達とみんなで出掛ける日。
私はちっちゃい頃からこの日が大好きだった。お母さんが私達に好きな服を買ってくれるから。この日の為に何回もデパートに来て下見までしていた。

そして前から欲しかった薄紫のワンピースを買ってもらった。お兄ちゃんはジャケットをお姉ちゃんはウチで料理をする時用にエプロンを買ってもらっていた。みんなルンルンだった。

みんなの買い物が終わって、出口に向かって歩いてる時に不意に思った事が口から出てきた。

『お母さんは何を買ったのぉ?』
『お母さんはまた違う日に来るからいいのよ』

もしかしたらちっちゃい時にも同じような会話をしたかもしれない。だけど何故か分からないけどこの日のお母さんとの会話は私の心に引っ掛かった。

そしてその引っ掛かりは帰り道のお母さんの背中を見ていとも簡単に外れた。
お母さんは自分のものなんて買ってなかった。

だから授業参観にいつもジーパンだったんだ。そんな事にこの日、初めて気がついた。

私がちょっとだけ大人になった日だった。

つづく

う〜ん
お母さんの大きさを感じた第4章!

しかし!!!

そんな節子に田村家に大変な出来事が降りかかります!

そんな第5章!
ゼッテー見逃すなっ(*^-^*)

『真っ赤』も今日で第3章(^^)

日に日に節子とお母さんの意向がズレテいく。

子供の為を思ってのお母さん。
その行為を恥ずかしく思う節子。

年頃の女の子の気持ち!
この展開に乗り遅れんなぁ〜(^○^)/
第3章【お母さん】

自分の家が貧しいとか、それの理由で授業参観日に目立っちゃうお母さんとかを意識しだしたのは小学4年生の時だ。

隣の席の勇気君にこう言われた。

『なんか節子ちゃんのお母さんだけ、みんなと違うね。』

勇気君がどうゆう意味で言ったのかは分からないけど、私はお母さんのみすぼらしい格好の事を言っているのだと思った。
そしてダダをこねるようになった。まだ自分の家がみんなより貧乏だって知らなかったから。

でもそんな事を言ってもないものはない。私の劣等感だけが大きくなっていった。

そして毎月恒例の授業参観日という憂鬱がやってくる。何回お母さんにお願いしてもムダだという事を知って私はもう何もお願いしなくなっていた。
ただこの憂鬱な時間が早く過ぎる事だけを考えていた。

しかしこの日の授業参観は何事もなくは過ぎなかった。

いつも通り授業の始まりギリギリに教室に入ってくるお母さんを見て真っ赤に目が行った。唇に。
真っ赤である。唇が真っ赤である。イヤ他のお母さんも真っ赤だ。ただ違うのはみんなのお母さんは真っ赤が似合っていて、私のお母さんは真っ赤が似合っていない。

だっていつものジーパンに真っ赤なんだもん。

この日に友達に何か言われたとか、みんなの目線が気になったなんて事はなかったけど、無性に恥ずかしかった。そんな私も一人で真っ赤だった。

家に帰ってお母さんを責めた。

恥ずかしいからやめて!
私の事を考えて!
もう学校に来ないで!
終いには、貧乏はもう嫌だ!

とか今までたまっていたものが全て私の口から出てきた。その感情とともに目からは涙という悔しさも出てきた。

私はこの時初めてお母さんの正面でイーをした。

つづく

節子の気持ちが爆発した第3章!

4章ではどんな展開が待ってるかな?(^^)
一つ言えるのは・・・

4章で節子はまた少し大人に・・・

おっ楽しみにぃ〜(*^O^*)/

ハイ
お待たせ〜(^○^)/

昨日の第1章で節子の家族構成と生活環境がなんとなぁ〜く見えてきたと思うけど、今日からちょっとづつ節子家に潜り込んじゃいましょ(^^)

それではまだまだ触りの第2章です!

どうぞ(^^)/

2章【授業参観】

私の学校では毎月一回授業参観というものがある。

学校側が児童の授業風景を父兄に解放するという名目ではあるが、私にはただ単に父兄のファッション自慢ショーにしか思えなかった。

他の子供達もそれをよく分かっていて授業参観に来てくる服やアクセサリーの希望を伝えたりしていた。
そんな事を言ってる私もその一人。だけど私の家はみんなとは違っていた。
それは私のお母さんに選ぶだけの服がなかったからだ。

『ねーねーお母さん、明日の授業参観来るのぉー?』
『もちろん行きますよ。アンタがちゃんと授業を受けている見るのもお母さんの仕事だからね。』
『じゃあさー、またいつものジーパンで来るのー?みんなのお母さんは可愛いスカートとか高そうな指輪とか付けてくるよー。』
『みんなはみんな、ウチはウチ。そもそも授業参観でオシャレは必要ないでしょ。ジーパンで十分、ジーパンで。』
『イーだ。』
物心がついて何回お母さんの背中にやっただろうか。
私はイーをやった時の顔をグシャッとした時のシワがこのころやけに気になった。

つづく

第3章で○○○の気持ちがぁ・・・
明日をお楽しみにぃ〜(^o^)/

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