佐倉葉ウェブ文化研究室の作業報告書

佐倉葉ウェブ文化研究室(旧:WebsiteMAP βVersion)』の作業日記。
直近では「ブロードバンド普及によるハイキングへの影響」について調べた事を書きました ⇒「自己顕示欲充足システムに飲み込まれる登山者と事故の危険性 ~インターネットの普及による山行への影響について『ヤマレコ』を事例にして~
今は「個人ニュースサイト」について調べています。

 サイト論読むのは、いまいちやる気がでないので、今でも書ける範囲で書き始めてみました。今回は少し書き方を変えて、内容が三本柱になってます。まあ、まだ予定ではあります。書く内容の大筋は決めて、目次を作ったのですが・・・これ、書ききれるかな・・・
 10年前の時のような時間と体力が欲しいですねえ。私ももう若くはないのでしょうか、サイトの作業してると首と背中と腰がつらくてねえ笑

304 Not Modified

 今回は私以上にサイト論が好きかもしれない?まなめさんです。まなめさんの場合は『まなめはうす』とは別のサイト『304 Not Modified』があって、そこで色々書いてます。

 いつものようにピックアップしますが、文が多いので疲れました…。沢山ある為、3回に分けようと思います。今回はその一回目。

 ポイントポイントで使える文があったので収穫は多かったです。


ーーーーーピックアップーーーーーーーーーーーーーーー

個人ニュースサイト管理人の就職活動
・サイト運営にあたっては『可視化』『差別化』『効率化』に着目した。
 ⇒可視化とは、要するに見やすくすること。見やすいデザイン・配色であるか。どこまで更新したかがわかりやすいか。
 ⇒差別化とは、他のサイトにない個性のこと。自分のサイトの価値を出すために他のサイトに負けない得意なジャンルを作り、そこに絞ったニュースや意見を取り上げるようにした。
 ⇒効率化とは、サイトの更新には大変時間がかかるため、アンテナツールやRSSリーダ等を活用し、無駄な巡回を減らすようにした。

リンク元表記の良いところ。
・リンク元表記について視点は色々あるが、結局のところ、記事を紹介する人は、記事を書いた人に「どうやって知ったのか」「記事に対してどういう感想を持ったのか」を伝えることが、記事を書いた人への恩返しである。

ニュースサイトにおけるコメントの質
・ニュースに添えるコメントは5パターンに分類できる
  1.ニュースへのコメントなし
  2.ニュースに対して「私は○○です」という自分語り
  3.ニュースに対して「私は○○だと思います」という意見主張
  4.ニュースの付加情報や関連サイトの添付
  5.ニュースを利用して何かをする
 どれが良いとは一概に言えるものではないのでうまく使い分けたい

モテるニュースサイトを目指そう
・ブログ管理人に好かれるニュースサイトってどんなのなのか。それは「一つの分野に絞ったサイト」ではないか。
・ニュースサイト同士だと、ニュースの速報性や、おもしろい記事が重宝されたりしがちだが、意外とブログ管理人にはどうでもいいことなのではないか。
・ブログを取り上げるときのコメントで、そのサイトの評価が付く。

大手ニュースサイトの嗅覚
・大手ニュースサイトの嗅覚とは、良いニュースを見つけてくるニュースサイトを探し出すことにあるのかもしれない。
・ニュースサイトと呼ばれるサイトは非常に増えた。しかし、中には完全に孫ニュースと化したニュースサイトから自分の興味がある情報だけを抽出したサイトがあり、一方で、管理人自らブログを巡回したりイベント等で情報を仕入れてきたりするサイトもある。もちろんどちらが良いとは決め付けられないが、後者のサイトの方に魅力を感じている。

アクセス数を伸ばす方法~ニュースサイト編
・「ブログのアクセス数を伸ばしたいなら良い記事を書き続けなさい」と書いたが、これを個人ニュースサイトに当てはめて「アクセス数を伸ばしたいならニュースを発信し続けなさい!」としてもしっくりこない。何故なら、ニュースサイトのほとんどは一日一回以上更新されているから。では、どうしたら良いのか。
1.相互リンクやリンク元表記でサイトの存在を知ってもらう
2.ニュースサイトとしての個性を持たせ、常連を作る
3.訪問者が求めるものを考える
4.アクセス頻度
5.アクセスを減らす要因としては「サイトが見づらい」「訪問者が興味のないニュースの割合」「更新ペースが合わない」「他ニュースサイトとのニュースの重複」
 と、考えれば考えるほどいろんなことが思い浮かぶ。しかし、ニュースサイトとして求められていることは、欲しいニュースがそこにあること。
・どうやって一見さんを常連に変えることができるか。基本的に検索サイトからたどり着いた一見さんは、「○○について知りたい」のであって「○○についてのニュースを発信しているニュースサイトを知りたい」のではない。
・いつも同じサイトにたどり着くようになると、「あれ?またこのサイト?だったら、このニュースサイトを毎日チェックしてみようかな」となるかもしれない。
・自分でサイトを持っている人は、自分のサイトを紹介してくれるニュースサイトに興味を持ちやすい。理由はニュースサイトはその記事に興味があるから紹介しているわけで、紹介された側も自分の興味が有ることについて情報を発信している。そこには「興味対象の一致」という一番の条件がある為。
・ニュースサイトにとって一番大事なことは、「アクセス数」ではなく「影響力」ではないか。
・大半のニュースサイトが自分の好きなニュースを掲載しているでしょうし、おもしろいと思ったことを掲載していると思う。「このニュースを多くの人に読んでもらいたい」という想いがあるはず。それならば一番大事なのは、自分のサイトのアクセス数ではなく影響力ではないか。
・子ニュースサイトは、自分の見つけたニュースを多くの人に知ってもらうために、自分のサイトを孫ニュースサイトに知ってもらう必要があり、孫ニュースサイトは、子ニュースサイトから拾ったニュースを多くの人に知ってもらうために、自分のサイト自体の影響力を強める必要がある。こうすることで一つの情報に流れができ、多くの人にニュースが広まるのではないか。
・訪問者は直近数日分を見て自分のニーズと一致したときに巡回リストに加えるのだと思う。つまり、紹介しているニュースがそのニュースサイトの自己紹介であり、そのニュースサイト管理人の自己紹介でもある。

ニュースサイトがブログを殺す
・ブログのある記事がニュースサイトに紹介され、アクセス数が伸びても3日もすれば元に戻る。そこで、「ニュースサイトから流れたきた人を引き止めるのは難しい」などの、ニュースサイト好みな記事を書いて再度取り上げられてもまた3日だけ。
・ニュースサイトは、ブログから記事を切り取っている。その記事のみが評価対象で、そのブログが評価対象ではない。
・情報元リンクも、そのブログではなく、そのブログを知ったニュースサイトである。ブログの記事を紹介した際に、そのブログのタイトルを載せるニュースサイトはまだ少ない。だから、ニュースサイトからの訪問者もその対象記事しか読まない。
・ブログシステムは、記事ごとに独立して表示が可能である。そこに、管理人よりも記事にスポットを当てようとするシステム側の意図が見える。
・「○○さんが書いた記事」「○○というサイトの記事」というところまで認められるのは普通のブログでは難しい。
・ブログは記事だけ奪われる。

個人ニュースサイトは効率化の先に何をみるか
・個人ニュースサイトを運営している人の大半は、更新作業に2時間以上はかけていると思う。効率化というのは避けて通れないものであろう。
・個人ニュースサイト運営の効率化といえば、RSSの導入やあんてなツールの使用などがあるが、一番の効率化は個人ニュースサイトを巡回するという行為であろう。つまり、個人ニュースサイトの孫ニュース化。
・個人ニュースサイトの孫ニュース化によって、あるサイトで紹介されたニュースが、多くの個人ニュースサイトで紹介される。個人ニュースサイト間にニュースの「流れ」が生じる(⇒アクセス津波の発生)。
・流れが頻繁になり、どの個人ニュースサイトを見ても同じようなニュースばかりになってしまうかもしれない。
・個人ニュースサイトの孫ニュース化の先にあるもの。それは、新しい巡回先を増やし、常に新しい流れを取り入れる必要があることだと思う。
・効率化のために個人ニュースサイトを巡回しているのにもかかわらず、効率化の先には巡回先が増えるという矛盾が生じてしまう。
・ソーシャルブックマークから得られる情報もまた、個人ニュースサイト管理人の手によって取り込まれている。それによって個人ニュースサイトの「流れ」は、さらに広く、早く、大きくなっている。膨れ上がった「流れ」はやがて津波となり、ニュースに降りそそぐ。
・ブロガーの人たちは個人ニュースサイトの起こす波の存在を最低限知っておかねばならない。大津波に押しつぶされないだけの準備は必要。

ニュースサイトは本屋さんです
・ブログは出版社で個人ニュースサイトは本屋さんである。
・最近、ソーシャルブックマークが登場したが、それによって個人ニュースサイトが潰れてしまうことはないだろう。
・個人ニュースサイトはニュースを紹介するサイト。しかし、それだけではない“人を惹きつける何か”がそこにある。

自分語り系ニュースサイト
・気になる記事をピックアップしてコメントを述べるブログが急増している。
・集めてきたニュースは「私はこのようなニュースに興味があります」という属性表示にしかならず、ニュースへのコメントも「私はこのニュースに対してこう思いました」という自分語りにしかならない。
 ⇒Webサイトも結局は自己紹介にしかならない。
・大手ニュースサイトからしかニュースを拾ってこない「ひ孫ニュースサイト」が非常に増えている。
 ⇒「価値のないニュースサイトが増えた」という声を聞くようになった。
 ⇒「コメントウザい」と言う人も増えている。それは、コメントで自分語りが増えたせいではないか。
・自分語り系ニュースサイトはどんどん増えていく。むしろ、すでにすべてのニュースサイトがそうなのかもしれない。
・自分語り系ニュースサイトから紹介されてアクセス数を増やしたいブロガーは自分語りをさせるような記事を書いてみてはどうか。

俺ニュースを超えることはできても、俺ニュースになることはできない。
・なぜ「俺ニュースさえあれば十分」と呼ばれるまでの地位を獲得することができたか。それは、俺ニュースが孫ニュースサイトであることに徹したから。
 ⇒多くの個人ニュースサイトが「ニュースのタイトル、情報元サイト名、1行コメント」という形式でニュースを紹介している。
しかし、俺ニュースでは情報元サイトを最初に持ってきた「情報元サイト名、ニュースタイトル又は1行コメント、URI」という表記であった。
 ⇒★の数でオススメ度を、コメントで内容を、URI表記。
 ⇒孫ニュースサイトの基本的事項はこの「ネタ元ニュースサイトへの感謝」と「良いニュースを多くの人に正しく伝えること」。その点で俺ニュスタイルは最適であった。
 ⇒紹介するニュース。これを他のニュースサイトにすべて頼り切っていた。
 ⇒最近のニュースサイト論を見ると「どのようなニュースをピックアップするかでサイトの個性ができる」という意見が多いが、俺ニュースはそれを逆行していた。
 ⇒「ニュース」を共有するのではなく「面白いと思ったこと」を共有するというスタンスで、他の個人ニュースサイトで紹介されているのだから面白いと、フィルタのスタンスの多くを他人にまかせていたところが大きかった。
 ⇒てくる氏は、表に出てくることがほとんどなかった。
・今後「俺ニュース」のようなサイトになるにはどうしたらよいのか。
 ⇒当時のままの俺ニュースを今作ったらどうなるか。十分に大手のサイトになれる形態だと思っている。しかし、「俺ニュースのような存在」にはなることは非常に難しい。
 ⇒かーずSP、ゴルゴ31、カトゆー家断絶の3サイトに共通することは、それぞれ得意分野を持っていてなおかつ皆が面白いと思うようなニュースも紹介している。得意分野へは自前の巡回ルートを持っていて、他の面白いニュースは他のニュースサイトに頼っているように見える。
 ⇒俺ニュースは特に専門というものを感じなかった。アンテナを広くすることに非常に拘っていたように感じたことがある。俺ニュースは徹底的に広さに拘ったのだと思う。
 ⇒今からアンテナを徹底的に広げたニュースサイトを作れば良いのではないか。それで俺ニュースを作れる可能性はあると思う。しかし、当時と比べてカバーできる範囲が非常に大きくなってしまった。
 ⇒ニュースサイトの情報を探すスキルはきっと当時の俺ニュースより高くなっていると思う。しかし、そのカバーできる範囲が当時とは比べ物にならないほど大きくなっているため、個人ではカバーできる領域を超えてしまっているのではないだろうか。


「個人ホームページ不況」とマニア率・カリスマ論

 これは『絵文録ことのは』の文章。これの後半、

 >ところで、テキストサイト系のところが不況に見えるのは事実だと思う。

からの文が今回の対象。

 この”テキストサイトが不況うんぬん”というのは、なんの話の事かわかりますか?

 昔、『遥かな道しるべ』というサイトがあって、これが2003年9月に「テキストサイト系テキストサイトの現状メモ」という記事を書きました。「テキテキサイトの閉鎖が相次いでおり寂しい」という内容でした。これに対して『ARTIFACT』が「テキストサイトの衰退?」という反応記事を書いて話題になったんですね。この話については過去に私がまとめたものがあります⇒テキストサイト界隈の衰退に関する反応(2003年)

 ”テキストサイトが不況うんぬん”というのはこの流れの事ですね。ようは『ちゆ12歳』や『侍魂』といったカリスマ的な極少数のサイトがコミュニティを牽引していて、こういったカリスマサイトが更新をしなくなると、活力が下がっていくと松永氏は主張している。

 これ、私も全く同じ考えです。

 これが個人ニュースサイトと何の関係があるのかというと、この文の中で個人ニュースサイトにも触れられていて、そこにはこう書いてある。
ごく少数のサイトがネット界を牽引する、という構図は何ら変わらない。ネットではだれもが情報発信できて民主的ですね、というのは、それはそうなのだが理想論であって、実際には傑出したカリスマ運営者が大勢を決めてしまうのである
 たとえばノンジャンル個人ニュースサイトでいえば、「俺ニュース」のあとも「カトゆー家断絶」があったから維持されているが、それに匹敵するレベルで更新されている次のニュースサイトはない。カトゆーさんがサイトをやめたら、はっきりいって今のノンジャンル個人ニュースサイト・コミュニティ帝国は崩壊するだろう。
 インターネットは個人にとって、決して平等な世界ではない。機会均等は実世界より徹底しているが、しかし、それだけに実力主義で、それぞれの人のカリスマ的能力の差が際だつ世界でもあると思う。ブログのトラックバックで平等な網ができるわけではなく、トラックバックの集中するブログとそうでないブログに分かれていくはずだ。それは必然でもある。有用な情報を発信し、あるいは収集できる力があるサイトにはますます情報が集中し、そうでなければ細々とやっていくことになる。少数のカリスマがコミュニティを牽引する、という構図はおそらく、今後も変わることはない。
 個人ニュースサイトについては、今のところ、カリスマ的人材がまだ存在しているといえる。しかし、カトゆーさんがもしやめたとして、技術的情報メインのTECHSIDEさんや、趣味に一定の傾向のある変人窟さん(……その他、要するに専門特化型個人ニュースサイトということね)が後継者たりえるか、といえば、そのときに彼らが方向転換しない限り「難しい」といわざるを得ないわけです。あるいはBRAINSTORMさんは近いかもしれないが、一日の掲載リンク数を数倍にするだけのパワーがあるかどうか。あれば、その時点では個人ニュースサイトというジャンルはさらに発展するでしょう。しかし、後継者がいなくなった時点ですべては終わる。しかも、パワーあるカリスマサイトの寿命というのは案外短いというのが自分の印象です。
 これですね。「カトゆー家断絶がサイトをやめたら、個人ニュースサイト界は大変な事になる」と、これを”03年の時点で”予測している。ここにこの文の価値がある。

 まあ、カトゆーさんはこの後10年も続いたという事と、かーずさんやまなめさんもいますから、かなり延命された印象です。もちろん、今残っているかーずさんが更新をやめたからといって個人ニュースサイト界が無くなるわけではない。だけど活力が元に戻る事は無いだろうという事です。松永氏はこう書いている。
たとえ「カトゆー」がなくなってもニュースサイトに属する中小サイトは残るだろう。それをもって定着と呼んでもいいだろう。だが、他のサイトを牽引するサイトが新しく登場するか、といえば疑問だ、という話である




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