世の中、色々なルールがある。決まりは言うまでもなく守るべきなのだが、誰だって聖人君主ではないので少なからずルールを破る時はある。例えば歩行者が横断歩道で信号待ちでも車が走ってなければ渡ってしまうなんて事は誰にでもある経験。

 山行で立入禁止区域に入ってはいけない。ましてそれを山行記録やエントリーにしてウェブにアップロードしてはいけない。なぜならそれは犯罪自慢と構図的には変わりないから。御嶽山の立入禁止区域に入った山行記録を『ヤマレコ』に書いた人は通報され、書類送検になった。

 ・御嶽山規制区域に立ち入り=43歳会社員書類送検-岐阜県警

 とはいっても現実としては立入禁止区域に入った山行記録やブログの記録は沢山ある。これらを全てNGとして自治体が通報したりSNSサイトが記録削除していくのは無理がある。しかも黒ではないかもしれないがグレーな記録はさらに沢山ある。黒とグレーの線引きは難しい。男体山の冬季侵入は?西沢渓谷の七ツ釜五段の滝以西は?日の出山北尾根は?

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 だから現実的には「最低限、越えてはいけないライン」を考えて、それを越えたらアウトとする事になるのだろう。

 で、私が考える「最低限、越えてはいけないライン」は「"噴火の危険性によって"自治体が立入禁止にした登山道に侵入」であり、そういった山行を行うべきではないし、まして山行記録やエントリーを書くべきではない。

 何故なのか。言うまでもなく事故の危険性があるからなのだが、それだけではない。御嶽山の噴火で多くの人が亡くなった。沢山報道された。にも関わらず、噴火危険で立入禁止という自治体からのお願いすら無視しているハイカーがいるという実情を、ハイカーではない人が見たらどう思うのか。「ハイカーは自然に負荷をかけているだけではなく、自治体が定めた決まりすら守れない」と思うだろう。また、「無法者ハイカーが沢山いて、しかもウェブに堂々と侵入したことを書いている」という報道がされれば、自治体として何かしらの追加対策をしなければならなくなる。無法者ハイカーは立入禁止区域に入った山行記録に「自己責任で侵入した」と書いているが、自己責任などありえないのである。侵入した時点で自治体に迷惑をかけているのである。

 例えば蔵王山の馬の背登山道。ここも噴火の危険性により立入禁止にしているが、侵入する登山者がいる。蔵王山レストハウスやバスの運転手に「入っちゃっていいすよね」と聞いている人もいる。そんな事を聞く行為自体が他人に迷惑をかけている事に気がつかないのか?。しかも山行記録が幾つも『ヤマレコ』や『YAMAP』等、ウェブにアップロードされている。

宮城県/みやぎ観光NAVi/トピックス
(1)蔵王山の登山道閉鎖について

 平成27年6月16日午前9時,仙台管区気象台から,噴火警報(火口周辺危険)が解除された旨,発表されました。
これに伴い,想定火口域である「馬の背カルデラ」から1.2Km内への立入も可能となりましたが,安全のため,「馬の背カルデラ」への立入規制を行っています。
 具体的には,下記の2つの登山道は一部通行止ですので,トレッキングや縦走山行を予定されている方は御留意願います。

 ①「馬の背」登山道のうち,刈田リフト降り場先の「リフト分岐」から熊野岳山頂南東500m付近の「三叉路」間の約1.3Km。
   ※このため,蔵王レストハウス側から熊野岳への登頂はできません
     また,反対に,熊野岳から蔵王レストハウスへは下山できませんので,御留意願います。

 この区域を管理しているのは宮城県の危機対策課である。彼らには無法者ハイカー対策のために時間を使って欲しくない。震災復興に時間を使ってほしい。だから私のなかでは蔵王山馬の背登山道に侵入した山行記録は全てアウトなのである。